河合祥一郎のレビュー一覧
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読書会でおすすめされた本。
1590年代から劇作を行っていたシェイクスピアは「どうして国全体が暴君の手に落ちてしまうのか?残酷で狡猾で衝動的で、明らかにふさわしくない指導者であっても、人々を魅了するのはなぜか?」という問題を戯曲を通して語った。本書はそんなシェイクスピア戯曲を通して、現代にも通じる社会問題について書かれている。
当時のイングランドの統治者エリザベス一世で、わたしも歴史的には漠然とした流れしか知らなかったのですが、当時の社会情勢の危うさ、王位継承の複雑さ、カトリックとプロテスタント争いなども書かれているので世界情勢も分かりやすかったです。
シェイクスピアの時代は「統治者を批判す -
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河合さんが赤毛のアンを新訳!?と情報解禁の際に驚いたものの、考えてみればシェイクスピアが全編に散りばめられたアンの世界を、シェイクスピアの第一人者である河合さんが訳すのはとてもわくわくする流れで、大好きなアンの世界にまた新たな魅力が沢山見つかりそうで胸が高鳴る。
不思議の国のアリス同様、沢山の翻訳家さんが訳してきた世界的文学作品であり、有名な名称や言い回しが多い作品だけに、新しく訳すことの難しさやどこに特色を付けていくか、往年のファンの方々への配慮など、細部に渡り大変でチャレンジングな訳業をこうして大御所である河合さんが新たに担ってくれたことに歓びを噛みしめながら読んだ第一巻。
一番馴染み -
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『冬物語』
前振りとして、シチリア王レオンティーズとボヘミア王ポリクシニーズが幼い頃からの大の仲良しであること、ボヘミアの方がシチリアより貧しいことが明かされる。この友情が類なきもの、と思わせて、次の瞬間あっという間に崩れていく。もう帰る、もう帰る!と聞かないポリクシニーズが、シチリア王妃ハーマイオニの懇願で、「じゃあもう少しいようかな」と心変わりしたのだ。レオンティーズは妃ハーマイオニとポリクシニーズの密通を疑い、貴族カミローにポリクシニーズの殺害を命じる。するとカミローは計画をポリクシニーズに告げて逃げるよう指示。ますます嫉妬の炎を燃え上がらせたレオンティーズは妊娠中の妻を投獄し、生まれた -
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試し読み
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この本は、紀元前427年に執筆され、大ディオニューシア祭にて上演された。その時、ソフォクレスは70歳前後だった。読んで、感じたのは、余分なものを全て削ぎ落として、実にスマートな演劇シナリオである。まさに、洗練され、曇りが全くないのだ。言葉の背景を読み取らせる編集法だ。
神託(デルフォイの信託)で予言された「父を殺し、母と結婚する」という大きなテーマがどっかりと座っている。それは、村上春樹の『海辺のカフカ』の15歳の少年田村カフカは、父親から「お前は父親殺しと母親との交わり(オイディプス王)の宿命を背負っている」という呪いをかけられる。
しかし、ソフォクレスの「父親殺し」は、やはりスケー -
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試し読み
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前半はシェイクスピア作品を例にしたセカンド・チャンスの話で、後半はフロイトの精神分析を例にしたセカンド・チャンスの話です。
内容が難しかったですが、訳者のあとがきを読んで、少しですがわかったような気になりました。
セカンド・チャンスがあるかどうか、それはわからないですが、もしもセカンド・チャンスがあったときに、それを有意義なものにするためには、今の人生を味わい一生懸命に生きていないとダメなんだ、と私なりに理解しました。
訳者のあとがきに、このあとがきを読んでまた本文を読み返したら、新たな発見や理解があると書いてありましたので、いつかまた読み返してみたいです。