河合祥一郎のレビュー一覧

  • 新訳 かがみの国のアリス

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    そんなわけで「かがみの国のアリス」読み終わりましたー。いやー…これ…昔読んだとき、あまりの意味不明さにすごくしんどかった覚えがあるのですが、今回も意味不明でした(爆) まぁ、そのカオスさを楽しむ作品なのと、相変わらずokamaさんの絵が素晴らしくて楽しく読ませていただきました。絵がいっぱいあるって…この作品にとっては、とても幸せではないでしょうか。原作の絵も素敵だけど、こういうのも大いにありではないかと。

    チェスとマザーグースと前作の知識が少しあると、もっと楽しみ方も違ってくるのでしょうが…そんなに深く考えずに、アリスと一緒に言葉遊びやヘンテコでお茶目な登場人物とのやりとりを楽しみたい作品で

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    2010年09月10日
  • 新訳 ふしぎの国のアリス

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    まずはokamaさんにイラストを依頼した担当者に惜しみない拍手を送りたい。大絶賛でございます!また、翻訳もアリスの世界を再現するのがんばってると思いました。英文で韻を踏んでいたり、マザーグースからのネタが仕込まれていたりで、この世界を理解するのは、原文じゃないとキツイと思われるトコロを、日本語でうまい具合に言葉遊びとして訳している。まぁ、それでも意味不明でわかりづらいんですが、豊富に挿入されるokamaさんの不思議で可愛いらしいイラストが物語への理解と没入感を高めています。装丁を担当してるデザイナーさんもがんばったと思う。いやー、こんなに贅沢なアリス…もうたまらんです、お宝です。okamaさん

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    2010年09月07日
  • 新訳 ヴェニスの商人

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    こういう新訳には「新訳」としての価値がじゅうぶんにあるのではないか、と感じます。(普及版である文庫だし)。アル・パチーノ主演の映画にも触れた訳者あとがきも興味深い(あとがき自体は映画公開の直前に書かれたものみたい)。「シャイロック」にどれだけ肩入れするか(できるか)で、この劇の印象が変わってくるというのは当然のこと。そのへんも勘案された、「上演を目的」ともされる新訳です。だから流れがいい。途中、まるでヴェネツィアのゴンドラに揺られているような(ヴェネツィアにもゴンドラにも詳しくはないが)リズムの「うた」が印象的です。私はやはり「詩人」としてのシェイクスピアもまた、とても好きみたいです。

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    2011年07月19日
  • 新訳 ヴェニスの商人

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    市村正親シャイロック・藤原竜也バサーニオの舞台を見た後、細かい部分を確認したく購入。新訳ということで、現代的な言い回しで読みやすい。
    おとぎ話のような物語の中、差別の当事者として登場するユダヤ人の金貸しシャイロックのなまなましい心情描写が圧巻。
    シェイクスピアがどんな意図を持ってこの戯曲を書いたのかは知るすべもないけれど、「ヴェニスの金貸し」として読んでしまう人の数は少なくないんじゃないか、と思わせる。それくらいにシャイロックという人物は魅力的。

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    2010年09月21日
  • 新訳 ヴェニスの商人

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    現代の世界の縮図を見ている気分になります。本当の正義とは何なのか? いわれの無い差別と搾取が人間をこんなにも悲しい存在にしてしまうのか?? 古典とは思えない。。。

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    2009年10月04日
  • 金より価値ある時間の使い方

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    筆者は思考を集中させ、生き方を内省し、興味のある対象を通して万物の因果関係を学べば、最後には何気ない日常にも興味を持てるようになると言っていると理解しました。
    本の調子が軽いので読みやすいのですが、その分ポイントとなる内容を見逃しがちでした。
    この本が書かれた時代とは生活様式も異なるのでそれらを行うタイミングが現代でも適しているかは別ですが、通勤時間なんから引き続き本書で薦められていることを行う良いタイミングだと思います。
    でも最終的には『要するに仕事にも興味を持って勤勉に働けってこと?』と考えると、まぁそんな魔法みたいな本はさすがに存在しないよな…とも思いました。

    ストイックに生きると言う

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    2026年07月15日
  • 若い読者のための文学史

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    30の章に分けて英文学史を紹介した本。軽い筆致で気軽読める。
    文学史とあるが「英語で読める本」の歴史といっていい。イギリス人が書いているのでイギリスの歴史に偏っている。
    後半にアメリカ文学、最後の方に世界文学として翻訳で読める村上春樹、ガルシア・マルケスなどが紹介される。
    詩の紹介もおおくある。英詩の知識が乏しく、知らない人の紹介が多かった。

    印象に残ったこと:
    ・中世では識字率が低かったため聖書の話を劇で演じるミステリー劇(神秘劇)というのがあった。
    ・欽定訳聖書が英語の書き言葉の模範となった。
    ・ジェイン・オースティンの評価が非常に高い。狭い世界の話だが面白く読めるという。問題が誰と結婚

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    2026年07月09日
  • 人間のしがらみ(下)

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    以前は一般に「人間の絆」と呼ばれていましたが「人間のしがらみ」と変わり、読みたい、と思い手に取りました。理性ではコントロールできない人間の性、どうにもならない状態、主人公フィリップはかなりの重度にも思われますが…
    英国の諜報部員でもあったサマセット・モームの人間観察力は鋭いですね。
    106章がとても印象的
    「〜賢者はたった一行で人類の歴史を教えた。人は生まれ、苦しみ、死ぬ。人生に意味はなく、生きることで何か役立つことはない。生まれようが生まれまいが、生きようが死のうが、どうでもよいのだ。生きることにも死ぬことにも意味はない。〜 人生という巨大な縦糸(どこからともなく流れ出て、どこへともなく果て

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    2026年06月03日
  • ポー傑作選1 ゴシックホラー編 黒猫

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    昔の作品のはずなのに、今読んでも面白いのは根源的な恐怖に訴えかける描写もだし、この作品自体が今の多くの物語のスタンダードになってるからなのかなあ。
    赤き死の仮面の病気による死がある種の実体を持って近づいてくる恐怖は、自分が大好きな星新一の処刑に通ずると思ったし、落とし穴と振り子の処刑方法もソウ4を思い出したけど、軽く調べた感じこの処刑方法の描写の走りがこの作品って説もあるみたいで、スゲ〜って思った。ホラー界のcornerstoneやでほんま…

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    2026年05月27日
  • 新訳 ハムレット 増補改訂版

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    観劇の予習として読んだが、芝居の台詞として伝わることを意識したという野村萬斎監修の訳もいいのだろう、とても読みやすく芝居を観る前に雰囲気を少し感じることができたかもしれない。
    流石に不朽の名作を自分で評価するのも烏滸がましいが結構面白い話だしそれぞれの登場人物が魅力的。ストーリーも背景も全く知らなかったが、初めてのシェークスピア体験がとても楽しみになってきた。市川染五郎のハムレットは果たしてどんなふうになるのだろう。

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    2026年05月16日
  • 新訳 ヴェニスの商人

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    ★★★★ 何度も読みたい

    イタリアで商人として大成していた主人公は、友人の恋に力を貸すため、ユダヤ人の高利貸しから、期日までに返金できなければ体のどこからでも1ポンド肉をとっていいという条件で借金をした。しかし彼の船は沈没し、返すあてがなくなってしまった。期日を迎え、裁判にかけられた結果は…?という話。裏表紙の悲喜劇というのがどんな内容を指すのか分からず、終盤までハラハラしながら読んでいたが、すっきりとした後味でよかった。

    裁判での『博士』の答弁は圧巻だった。原告に歩み寄るようでありながら、その論理をもって論破するという美しいやり方だった。あのシーンだけでも人に勧める価値があると思う。一方

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    2026年05月08日
  • まじめが肝心/レイディ・ウィンダミアの扇

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    『レイディ・ウィンダミアの扇』
    善良な女とは、レイディ・ウィンダミア夫人のことか、アーリン夫人のことか、あるいは善良な女などここにはおらず、大なり小なりどちらも悪女的なところがあり、それは市井においても同じで、知らぬが仏なのか。
    読後感はとてもいい。

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    2026年05月04日
  • 新訳 マクベス

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    読書備忘録986号。
    ★★★★。

    シェイクスピアに敬意を表して★4つ。
    普通に町田そのこ作品と比べたら★2つかな。

    マクベスです。
    読みやすさで定評のある角川さんの新訳版を選びました。
    正式な作品名は「確定のマクベス」です。未必ではなく確定です。
    ウソです。ウソ。

    2026年のベスト候補「未必のマクベス」の後学習として原典を読みました。
    王の忠実で優秀なしもべであるマクベスが3人の魔女に唆され、夫人に煽られて道を踏み外し身を破滅していくという悲劇。
    シェイクスピアの4大悲劇。このマクベスはマクベス本人の悲劇なんだろうか?
    作中ダンカン王の息子マルカムと、王のしもべたる貴族、マクダフの会話

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    2026年04月30日
  • 新訳 マクベス

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    ★★★★ 何度も読みたい

    「少女マクベス」で関心を持ち、手に取った。優れた兵士だったマクベスが魔女からの予言、さらにそれを知った妻からの勧めで主君を弑して王となる話。王になったはいいものの、猜疑心や予言の続き(友人・バンクォーの息子が次王になる)への恐れから、何も信じられなくなり、虐殺へと走り狂っていく。

    他の訳と比べ、筋が分かりやすかった。
    マクベスだけでなく、王の暗殺を唆した夫人も精神的に追い詰められ、幻覚を見るようになる様は生々しく、シェイクスピア作品がどうしてここまで愛されているのか、少し分かった。

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    2026年04月29日
  • 新訳 ロミオとジュリエット

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    リアリズムより観客心理を利用しているという解説で納得した。
    もちろんおおまかな内容は知っていたが、思ったより人死にが出たのに驚いた。

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    2026年04月28日
  • 新訳 ドリアン・グレイの肖像

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    ネタバレ

    永遠の若さと美貌を手に入れたドリアン。しかしそれらは彼を破滅へと導くことになってしまった。人の罪を赦すよりも罰するほうが、結果的にその人のためになるのかもしれないと思った。
    注釈と訳者あとがきが充実しており、時代背景やワイルドの人生、思想について知ることができた。

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    2026年04月16日
  • 新訳 マクベス

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    ネタバレ

    2008年野村萬斎氏演出リーディングのための翻訳だそうで 確かにリズム感あるセリフ

    下に注釈があるタイプで 舞台の動きの説明もあったりして 舞台の様子が想像できる

    マクダフ夫人の息子のセリフ
    シェイクスピアの人生に何があった!?
    「誓いをたてる人も嘘つきも馬鹿だね だって誓いをたてる人も嘘つきもたくさんいるから みんなで正直な人をやっつけて縛り首にすればいい」

    そして相変わらずマルカムのセリフ 矛盾してないか!?「だが 僕の淫蕩ぶりは底なしだ…僕はまだ女をしらぬ」

    マクベス夫人が夢遊病となっているシーンの「何というため息だ」とされる
    「ああ ああ ああ」はどう演じられるのだろう?気にな

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    2026年03月08日
  • 新訳 ロミオとジュリエット

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    ネタバレ

    初めて私がシェイクスピア劇に触れたのは、NHKで夜に放送したイギリス、BBC製作のドラマ『ロミオとジュリエット』だった。『花の都ヴェローナで…』リズミカルなセリフ、敵対する二つの家という劇としてのダイナミズム。感動していたら、母が定期購読している『婦人公論』の巻末付録に、そのドラマの脚本がついていた。それを切り取ってもらって、何度も読んだ。勘違いと伝言ミスで起きる悲劇。今では起こりえない話だけれど、シェイクスピアなら、どんな時代に生まれても物語を紡いでいただろう。

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    2026年03月06日
  • 新訳 ドリアン・グレイの肖像

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    現代に響く「美」と「秘匿」の呪い
    オスカー・ワイルドの『ドリアン・グレイの肖像』を読み終えた。まず心に残ったのは主人公ドリアンが世間の規範を脱ぎ捨て、自らの美学と快楽に忠実に生きる姿に見出した「清々しさ」だった。他者の視線や道徳に縛られず、己の欲求を最優先するその生き方はある種の解放感に満ちている。しかし、その清々しさの裏側には、ヘンリー卿という甘美な言葉を操る大人によってかけられた「若さと美への執着」という重い呪いが横たわっていた。
    ドリアンが堕落の道を突き進めたのは自分の罪をすべて引き受けてくれる「肖像画」という身代わりがいたからに他ならない。もし肖像画がなければ彼はここまで大胆にはなれな

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    2026年02月23日
  • ポー傑作選2 怪奇ミステリー編 モルグ街の殺人

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    傑作選1よりも断然こちらの方が好みだった。
    「モルグ街の殺人」を読んでみたくて読み始めたが、他の作品も面白かった。特に好きだったのは「告げ口心臓」「黄金虫」「盗まれた手紙」。デュパンは好きだったのでもっと読みたかったけど、そもそも登場作品が3編しか無いと知り悲しい…。
    また、解説の「ポーの死の謎に迫る」も読み応えがあって良かった。ミステリー風で面白く読みやすい。

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    2026年01月21日