河合祥一郎のレビュー一覧
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そんなわけで「かがみの国のアリス」読み終わりましたー。いやー…これ…昔読んだとき、あまりの意味不明さにすごくしんどかった覚えがあるのですが、今回も意味不明でした(爆) まぁ、そのカオスさを楽しむ作品なのと、相変わらずokamaさんの絵が素晴らしくて楽しく読ませていただきました。絵がいっぱいあるって…この作品にとっては、とても幸せではないでしょうか。原作の絵も素敵だけど、こういうのも大いにありではないかと。
チェスとマザーグースと前作の知識が少しあると、もっと楽しみ方も違ってくるのでしょうが…そんなに深く考えずに、アリスと一緒に言葉遊びやヘンテコでお茶目な登場人物とのやりとりを楽しみたい作品ですね。もっとも、子供達と最初一緒に読んでいたのですが、あまりに意味不明で先へ進まないので、読みきかせは断念しました(苦笑)一人で読んで、一人で色々と空想してみてほしいですね。受け取り方は人それぞれでしょうから。 -
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まずはokamaさんにイラストを依頼した担当者に惜しみない拍手を送りたい。大絶賛でございます!また、翻訳もアリスの世界を再現するのがんばってると思いました。英文で韻を踏んでいたり、マザーグースからのネタが仕込まれていたりで、この世界を理解するのは、原文じゃないとキツイと思われるトコロを、日本語でうまい具合に言葉遊びとして訳している。まぁ、それでも意味不明でわかりづらいんですが、豊富に挿入されるokamaさんの不思議で可愛いらしいイラストが物語への理解と没入感を高めています。装丁を担当してるデザイナーさんもがんばったと思う。いやー、こんなに贅沢なアリス…もうたまらんです、お宝です。okamaさんとアリス…こんな素敵なコラボ、とっても嬉しくなりました。とはいえ、okamaさんの作品は、実はコレが初めて購入したわけですが…。(良くホームページに行っては、女の子カワイイのぅってニヤついてる事が殆ど)漫画とかも買ってみたいけど、コレはアリスの世界だからこそ完成した奇蹟のコラボなんだろなぁ。okamaファンでアリスファンならこれは是非買うべき。というわけで、続編の「鏡の国のアリス」も買ってきました。こっちはチェスがモチーフになってるし、ちょっと長いので昔読んだときはすごく苦痛だったんだけど、こんなにいっぱい挿絵があるなら、楽しく読めそうです。
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こういう新訳には「新訳」としての価値がじゅうぶんにあるのではないか、と感じます。(普及版である文庫だし)。アル・パチーノ主演の映画にも触れた訳者あとがきも興味深い(あとがき自体は映画公開の直前に書かれたものみたい)。「シャイロック」にどれだけ肩入れするか(できるか)で、この劇の印象が変わってくるというのは当然のこと。そのへんも勘案された、「上演を目的」ともされる新訳です。だから流れがいい。途中、まるでヴェネツィアのゴンドラに揺られているような(ヴェネツィアにもゴンドラにも詳しくはないが)リズムの「うた」が印象的です。私はやはり「詩人」としてのシェイクスピアもまた、とても好きみたいです。
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これでもかというぐらい劇的でドラマチックな展開の大作です。映画化、舞台化されているのも頷けます。
前半に様々な伏線が仕掛けられていて、読み進めていくことで「こういうことだったのか!」と綺麗に伏線が回収されていきます。
ただ、中盤あたりで若干の中だるみがあったり、ディケンズの表現方法なのか、翻訳なのか分かりませんが文章自体の情報量が多くて読み進めるのに時間がかかりました。その関係で後半に回収していく伏線もこれなんだっけ?とうまく結びつかないことも多々ありました。ですので、この作品を読む際は少し大変ですが、一気読みをオススメします。
幸せとは何か?愛とは何か?とても考えさせられる作品です。読み継がれていることが納得の名作でした。 -
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この物語の怖いのが、私自信序盤はドリアン・グレイの美しさと無垢さに魅力を感じながら読んでいたことだ。芸術的なまでに美しい青年、少年のような純粋さ、このように美しく危うく、いくら眺めても飽きないようなものを崇拝し、好もしく思い、「独り占めしたい」というバジルの気持ちはよくわかってしまう。
祈りは呪いとなり、ドリアンは外見的な美しさや若さを失うことは無くなったが、肖像を見ることによって自分の醜悪さと視覚的に向き合わなくてはいけなくなる。そして、その醜悪さを初めて晒したのもバジルであり、彼の反応にははっきりとした失望があった。ドリアンがシビル・ヴェインに失望した時のように。
肖像は鏡のように本当のドリアンをうつし出していたのだろう。美しさには強い力があるが、その表面のメッキが剥がれて穢れた部分が見えてしまったとたんに失望や落胆を招く危険な儚さがある。 -
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筆者は思考を集中させ、生き方を内省し、興味のある対象を通して万物の因果関係を学べば、最後には何気ない日常にも興味を持てるようになると言っていると理解しました。
本の調子が軽いので読みやすいのですが、その分ポイントとなる内容を見逃しがちでした。
この本が書かれた時代とは生活様式も異なるのでそれらを行うタイミングが現代でも適しているかは別ですが、通勤時間なんから引き続き本書で薦められていることを行う良いタイミングだと思います。
でも最終的には『要するに仕事にも興味を持って勤勉に働けってこと?』と考えると、まぁそんな魔法みたいな本はさすがに存在しないよな…とも思いました。
ストイックに生きると言うあたりはすぐに分かりましたが、それに加えて根底にはプロテスタンティズによる禁欲と労働と言う価値観があるのかな?とも思いました。
資産家でもない限り人間は労働で日々の生計を立てなければなりませんし、このあたりの価値観を持った方がむしろ楽になるくらいに思うのですが、本書にも人は人、自分は自分とありますので、どう考えるかもその人次第ですね。 -
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30の章に分けて英文学史を紹介した本。軽い筆致で気軽読める。
文学史とあるが「英語で読める本」の歴史といっていい。イギリス人が書いているのでイギリスの歴史に偏っている。
後半にアメリカ文学、最後の方に世界文学として翻訳で読める村上春樹、ガルシア・マルケスなどが紹介される。
詩の紹介もおおくある。英詩の知識が乏しく、知らない人の紹介が多かった。
印象に残ったこと:
・中世では識字率が低かったため聖書の話を劇で演じるミステリー劇(神秘劇)というのがあった。
・欽定訳聖書が英語の書き言葉の模範となった。
・ジェイン・オースティンの評価が非常に高い。狭い世界の話だが面白く読めるという。問題が誰と結婚するのかと英雄物語などに比べれば非常に小さなことでも文学として成り立つことを示した。ただし当時からでも退屈な本といわれていた。
・昔の文学は狭い範囲でしか読まれなかった。作者もそれを想定していた。それが今や世界中で読まれている。当時の本を読むときはそれを勘定に入れること。
・世の中には読み切れないほど本が出版され、多くは読むに値しない。文学賞は売りたい本・プッシュしたい本を選ぶのにうってつけ。ノーベル文学賞は政治的な選択がされる。ある賞では審査員に文学者ではなくマーケティング専門家が含まれていた。 -
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以前は一般に「人間の絆」と呼ばれていましたが「人間のしがらみ」と変わり、読みたい、と思い手に取りました。理性ではコントロールできない人間の性、どうにもならない状態、主人公フィリップはかなりの重度にも思われますが…
英国の諜報部員でもあったサマセット・モームの人間観察力は鋭いですね。
106章がとても印象的
「〜賢者はたった一行で人類の歴史を教えた。人は生まれ、苦しみ、死ぬ。人生に意味はなく、生きることで何か役立つことはない。生まれようが生まれまいが、生きようが死のうが、どうでもよいのだ。生きることにも死ぬことにも意味はない。〜 人生という巨大な縦糸(どこからともなく流れ出て、どこへともなく果てしなく流れゆく川)にあっては、意味などないし、重要なものは何もないという己の空想を背景に、人はさまざまな横糸を選んで模様を描くことに個人的な楽しみを見出し得る。〜何が起ころうと、これからは模様をさらに複雑にするモチーフとなるだけのことであり、終わりが近づけば、その完成を喜べばいい。それは芸術作品となり、自分だけがその存在を知り、自分の死をもって直ちに消え去るがゆえに、美しいのだ。フィリップは幸福だった。」
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★★★★ 何度も読みたい
イタリアで商人として大成していた主人公は、友人の恋に力を貸すため、ユダヤ人の高利貸しから、期日までに返金できなければ体のどこからでも1ポンド肉をとっていいという条件で借金をした。しかし彼の船は沈没し、返すあてがなくなってしまった。期日を迎え、裁判にかけられた結果は…?という話。裏表紙の悲喜劇というのがどんな内容を指すのか分からず、終盤までハラハラしながら読んでいたが、すっきりとした後味でよかった。
裁判での『博士』の答弁は圧巻だった。原告に歩み寄るようでありながら、その論理をもって論破するという美しいやり方だった。あのシーンだけでも人に勧める価値があると思う。一方で、そこが素晴らしかったからこそ、報酬の要求は試し行動のようで、キャラクターとして一貫していないような印象を受けた。
悪役はユダヤ人であり、時代背景として完全悪として扱うのかと思っていた。しかし完全に主人公側についている裁判官の公爵に対する反駁には、ユダヤ人だからといって血肉の通わない舞台装置ではなく、キリスト教徒の暴虐への反発も併せ持ったキャラクターとして描かれているのかと感心した。しかし、訳者あとがきを読む限り、原典には無かった要素らしい。
『マクベス』を読んでからこの訳者の訳でシェイクスピアがまた読みたいと思い、手に取ったが、今回も非常に楽しめた。『ヴェニスの商人』にはユダヤへの差別が含まれている。主人公を単に善とすべきか、かといって殺人に走ろうとした高利貸しを善としてよいのか、一読しただけではなかなか言語化が難しい、過剰に贔屓される主人公や過剰に痛めつけられる敵役へのもやもやが納得できる形で提示されている。あとがきや解説にはがっかりさせられることもあるが、本作はぜひ最後まで読んでほしい。 -
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読書備忘録986号。
★★★★。
シェイクスピアに敬意を表して★4つ。
普通に町田そのこ作品と比べたら★2つかな。
マクベスです。
読みやすさで定評のある角川さんの新訳版を選びました。
正式な作品名は「確定のマクベス」です。未必ではなく確定です。
ウソです。ウソ。
2026年のベスト候補「未必のマクベス」の後学習として原典を読みました。
王の忠実で優秀なしもべであるマクベスが3人の魔女に唆され、夫人に煽られて道を踏み外し身を破滅していくという悲劇。
シェイクスピアの4大悲劇。このマクベスはマクベス本人の悲劇なんだろうか?
作中ダンカン王の息子マルカムと、王のしもべたる貴族、マクダフの会話。
「際限のない情欲は人間らしさを踏み躙る暴君」
「王が没落し王座がカラになった」
「そこに情欲が起きて争いが」
「一度権力を手に入れると周りが全て信じられなくなり悲劇が起きる」
その繰り返しだと。
そうすると、そもそも論の悲劇とは人間が情欲を持ったこと!という感じにも読める。
魔女が言う。「女から生まれた者にはマクベスは倒せぬ。」
マクベスを討ち取るマクダフは帝王切開だったようですが、女から生まれていますね。「未必のマクベス」ではより正確に、女の股から生まれた者には・・・、という表現にしていた。
魔女が言う。「マクベスは決して滅びぬ、広大なバーナムの森が、高いダンシネーンの丘に向かってくるまでは。」
マクベス討伐隊は、バーナムの森の木の枝を迷彩にして王宮に迫る。まるで森が動いているように。
ふむふむ。
読むことが目的であった読書なので150pくらいでホッとした。これが500pだったらやばかった。