河合祥一郎のレビュー一覧
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ネタバレ井伏鱒二訳の本も持っていますが、この新訳も読みやすかったです。
挿絵が可愛い。
ドリトル先生、医学博士なのにいつの間にか人間の患者さんは来なくなり、動物ばかりが治療に来る。そして、アフリカでサルに病気が流行ってしまって、それを治しにアフリカに少数の動物を伴って行きます。
バンポ王子の話は人種差別的な内容が含まれていますが、あえてその部分を削除せず原典のままにしたのは正解だと思います。人種差別が当たり前だった時代もあったことがわかりますし。
短いお話なのでサクッと読めました。その中に色んなエピソードが詰まってます。
オウムのポリネシアはアフリカに留まったのですが、ドリトル先生とはまた再会できるのでしょうか?
(かなり前に井伏鱒二訳の航海記を読んでますが、内容を忘れてしまいました)
次は「航海記」です。新訳版で読んでみようと思います。
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本書はシェイクスピアの生涯や喜劇、悲劇それぞれの特徴やポイントとなる部分を列挙する。シェイクスピアは数々の作品を生み出したたぐいまれの才能を持ったが、貴族出身でないことや本が希少だった時代に幅広いジャンルを扱ったことから、シェイクスピアの人物像は謎に包まれた。実際、依然として謎の部分はあるが、本書を読むと、ある程度の情報はつかめる。作品の背景知識については、シェイクスピア作品の出版に関わった友人のリチャード・フィールドが重要で、彼のつけで、過去の歴史に精通できたと著者は言う。また妻のアン・ハサウェイや友人の情報から、シェイクスピアは卓越した才能を持っており、複数人説を否定する。
またシェイクスピア作品では、タイムスリップが特徴、つまり、客観的な時間(クロノス)よりも主観的な時間(カイロス)を重視したことや舞台構造が日本の古典芸能と類似すること、さらに作品内のセリフの多くが韻文で構成されるなど、専門家ならではの知識が満載である。
喜劇と悲劇については、前者がアイデンティティの喪失が重要で、後者が人間の身の丈の大きさの認識がポイントだと解説する。ほかにも、道化の役割は登場人物の自身の愚かさを認識させるため、幅広い人間像を描けたのは哲学者ニコラウス・クザーヌスの影響があったためなど、既に作品に触れた読者にとっても刺激的な本である。 -
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ネタバレエドガー・アラン・ポーの「黒猫」は、ゴシック文学の中でも特に傑出した作品です。この物語は、酒に溺れた男が愛猫を殺害し、その後、罪悪感と恐怖に苛まれる様子を描いており、ポー特有の暗く、緊張感あふれる筆致が色濃く出ています。
物語はかつて優しかった男が酒乱となり、愛猫プルートに暴力を振るうところから始まります。彼の行動は次第にエスカレートし、最終的には猫を殺してしまいますが、その行為が彼の運命を狂わせることになります。新たに現れた黒猫は、前の猫とそっくりでありながら、一つ違いがありました。その猫は胸に白い斑点を持っていたのです。
この物語を読む際、私は、主人公の精神の崩壊を目の当たりにして、彼の心理に深く引き込まれてしまいました。彼の罪悪感と恐怖が、まるで自分自身のものであるかのように感じられます。ポーは、心理に巧みに訴えかけることで、恐怖を増幅させる術を見せつけます。そして、その恐怖はただの外的なものではなく、内面から湧き上がるものであることを教えてくれます。
本作の作風は、人間の心理を深く掘り下げ、罪と罰、そして自己欺瞞のテーマを探求しており、単なる恐怖小説以上のものです。ポーは主人公の行動を通じて、私たち自身の内面に潜む暗黒面に光を当てます。そして私たちがどのように自己正当化を図り、真実から目を背けるかを描いているのです。 -
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ネタバレ新訳下巻。今まではアヴォンリーの美しい自然のみが描かれていたが、未曾有の災害が起き、自然はただ美しいだけではなくこうした災害ももたらすものであると描かれた。上巻の時も書いたが双子の片割れのディヴィーは正直に言って、躾という以前の問題を孕んでいるような気がする。ある日、アンとダイアナは隠遁生活を送るミス・ラベンダーと出会う。ミス・ラベンダーも若い頃に好きな人と喧嘩別れしたというマリラと似たような身の上だが、二人にはほとんど交流がなったようだ。災害後、アヴォンリーでは様々な変化が起きる。隣人のハリソン氏の元には妻が住み、グリーンゲイブルズにはリンド夫人が住むことになった。昔の友人達にも結婚話が出てきて、ダイアナも婚約した。アンとギルバートも大学へ進学することになり、もうアヴォンリーは昔のままではいられない、アンだけではなく周囲の少年少女時代は終わったということだ。アンとギルバートの中は村の人々が噂をしているし、ダイアナですら二人の関係にヤキモキしている。アンにはその気はまだないようであるが…。