河合祥一郎のレビュー一覧
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アブラゼミが姿を消し、ツクツクホウシとヒグラシが夏の終わりを告げる声を聞いて、滑り込むようにこの本を読んだ。日が落ちても暑さが抜けず、生暖かい夜風が肌を撫でる今日のような夜は、この作品の舞台にぴったりだ。
若い男女たちが好きだの嫌いだのとやりあうところに、妖精たちが茶々を入れて一晩中の大騒ぎが始まるというドタバタ物語に、いつしか私も紛れ込み、彼らとともに賑やかな夏の夜の遊びを楽しむと、心なしか私の肌も汗ばんでくる。
この本は、河合祥一郎氏の訳だが、この訳のすごいところは、わかりやすさとユーモアもさることながら、原文の押韻(ライム)をことごとく、日本語に訳しきってしまったところである。さらに -
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ネタバレ改めてしっかり読んだことがなかったので手にとった。随所に使われる絵がとてもかわいくて上手い。
ずっとピーターパンは3兄弟のところに現れたのだと思っていたけど、ピーターパンはウェンディのところに来たんだな(弟2人はおまけ)。
ピーターパンは「おかあさん」のお話を聞きにきたという。ネバーランドの迷子たちも母を恋しがり、ウェンディは彼らのおままごとみたいな「おかあさん」になる。ピーターはおとうさん役。
でもどんなにティンカーベルやタイガー・リリー、そしてウェンディが熱視線を注いでも、ピーターパンは恋を理解しない。第二次成長はダメなのか。
この語り部は誰目線なのだろう?先にこれからの展開をバラした -
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シェイクスピアの喜劇。
恋の甘汁により人間関係がはちゃめちゃになるが、最後はいい塩梅に落ち着き皆が幸せになる。
妖精たちの劇はたしかに訳がわからずアマチュア感が強く感じられたが、楽しそうなギルドの集まりなのかな〜と想像が膨らむ。
グローブ座で劇を見た後に読んだので、登場人物のイメージがしやすかった。
当時は一人二役もよくある話で、そのおかげで劇だけではこんがらがっていた部分が本を読んで解けた。
韻文が80%を占め、神秘的な表現が多く使われるこの作品は文学的だと感じた次第。
わたしはハーミアの恋の捉え方、デミートリアスへの求愛の仕方がとっても正直でかっこいいと思った! -
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前半でシェイクスピアの人物像を、時代背景とともに、生立ちから亡くなるまでを概観。後半は作品を通して、その魅力や哲学、伝えたかったテーマなどを解説。
プライベートに関する資料は、本人が多くを処分したという下りがある。そのため、残っている記録などに推測を補って前半が構成されている。ロンドンで時に猛威を振るう疫病の恐怖、カトリックの弾圧、イギリス王位の交代による派閥の盛衰などが大きな時代背景。抜群の記憶力を駆使して、すらすらと美しい文章を綴ったシェイクスピアの作品は、人の心を強く打つ力を持っている、と締められている。
後半部分から
「場所が自在に変わり、時間を飛び越える」のも観客の想像力次第、こ -
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「きれいはきたない、きたないはきれい」とか "Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow" の台詞で有名なシェイクスピア四大悲劇のひとつ、『マクベス』の河合先生による訳。日本語も原文と同じように、口に出すと心地よいリズムを刻むように意識して訳されたもの。
10年以上前に「演劇集団円」というところの金田明夫がマクベス役の芝居を観て、魔女たちが「きれいはきたない、きたないはきれい」と歌っている声が今でも耳に残っている。
あらためて読んでみると、色んな人が次々に殺されていく話で、特にマクダフの息子なんか出てきてひとしきり会話したと思ったら暗殺人 -
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シェイクスピアの生涯を辿る前半はやや退屈だったが、筆者が「シェイクスピア・マジック」と呼ぶその手法を解説する後半からは俄然面白く読めた。
・観客に興奮させたい場面ではわざと時間を速く進める。客観的時間の「クロノス」と主観的時間の「カイロス」を巧みに使い分ける。
・言葉一つで瞬時に場所を移動できる。
・自由自在な場所設定。場所の設定は観客の想像力に任される。
・オクシモロンであるうちは喜劇、悲劇の本質はヒューブリス
シェイクスピアの時代、舞台に幕はなく、狂言と同じ張り出し舞台だった。
プロセニアム(額縁)舞台が主流となった西洋近代演劇では、『三統一の法則』(時の統一・筋の統一・場所の統一)を -
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たいへん有名な児童文学を、21になって初めて読む。「なんだこのとめどない妄想癖は……」とドン引きしていたのだけど、次第にその振り幅の大きさに惹きつけられていったり。この物語で一番可愛いのはマリラおばさんだけどな! おばさんの笑顔が少しずつ増えていくのが嬉しくてしょうがない。
大きくない島の、大きくない村の大きくない学校と家という大きくない世界がこの世のすべてだと思っている、子供の無垢な愚かしさも生き生きと描かれていて、子供或いは子供時代への慈しみを感じる。けれどマリラをはじめとするおばさんたちも魅力的でかわいい。人間愛ってやつなのかな。 -
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ネタバレ「『マクベス』って、結局どんな話だったっけ?」
日本人は意外と知らない。しかし欧米人は、誰もが知っている。
究極の教養──それが、シェイクスピア!
40作品すべてと詩作品について、「あらすじ」「名セリフ」
「作品のポイント」「登場人物関係図」をわかりやすく掲載。
つぎのセリフは、どの作品にあるものかわかりますか?
「最悪だなどと言えるうちは、まだ最悪ではない」
「弱き者よ、なんじの名は女」
「何事にも潮時というものがある」
「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」
「まことの愛の道は、けっして平坦ではない」
「まずは、信じる心をもっていただかなければなりません」
「慈悲とは、無理にしぼ -
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子供の頃に岩波書店発行の井伏鱒二訳を読んだことがありましたが、内容を忘れてしまい、新訳があることを知ったので、こちらを読んでみました。
まず、挿絵が可愛くて、びっくりです。手元にある子供の頃に親に買って貰った岩波少年文庫版と比較すると、ドリトル先生の妹のサラや、バンポ王子がもの凄く可愛い絵になってます。
個人的には新訳のイラストが可愛くて気に入ってます。(ポリネシアのパラパラ漫画付き!)
訳自体も分かりやすくなっていて読みやすかったです。ただ、新訳で「ボクコチキミアチ」となっていた動物の訳は、井伏訳の「オシツオサレツ」でも良かったかなぁ、と思います。
また、人種差別問題に関係する表現につ -
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