【感想・ネタバレ】新訳 冬物語/シンベリンのレビュー

あらすじ

「エンタメの原点、シェイクスピア。
大先輩の偉大さに打ちのめされています。」三谷幸喜(脚本家)

嫉妬に狂い家族を破壊した男を、女は許せるのか? ロマンス劇の金字塔!

シチリア王は妃ハーマイオニと親友ボヘミア王の密通を疑う。親友の暗殺を臣下に命じ、妊娠中の妻を投獄し、生まれた赤子を捨てるが……(『冬物語』)。ブリテン王女と身分ちがいの結婚をして宮廷を追放されたポステュマス。伊達(だて)男に王女の操(みさお)が奪えるかという賭けをもちかけられ……(『シンベリン』)。嫉妬に狂い家族を破壊した男を、女は許せるのか? 著者の人生に重なるロマンス劇の金字塔! 徹底解説&注釈で物語の真意がわかる!


【本作を楽しむ5つのポイント】
・晩年のシェイクスピアの代表的ロマンス劇。上演多数の名作!
・日本初! ライムを全訳した決定版。リズムにもこだわっているから音読すると気持ちいい!
・嫉妬に狂った心が、家族と人生を破壊する。再生のセカンドチャンスはあるのか?
・家族を捨て、20年の時を経て、家族のもとへ戻ったシェイクスピアの人生との共通点
・最新研究に基づく徹底解説&詳細な注釈付き!

The Winter's Tale & The Tragedie of Cymbeline
by William Shakespeare
From The first Folio, 1623

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Posted by ブクログ

『冬物語』
前振りとして、シチリア王レオンティーズとボヘミア王ポリクシニーズが幼い頃からの大の仲良しであること、ボヘミアの方がシチリアより貧しいことが明かされる。この友情が類なきもの、と思わせて、次の瞬間あっという間に崩れていく。もう帰る、もう帰る!と聞かないポリクシニーズが、シチリア王妃ハーマイオニの懇願で、「じゃあもう少しいようかな」と心変わりしたのだ。レオンティーズは妃ハーマイオニとポリクシニーズの密通を疑い、貴族カミローにポリクシニーズの殺害を命じる。するとカミローは計画をポリクシニーズに告げて逃げるよう指示。ますます嫉妬の炎を燃え上がらせたレオンティーズは妊娠中の妻を投獄し、生まれた赤子を捨てるがよう命じる。『オセロー』ではイアーゴーが敢えて嫉妬心を煽っていたが、レオンティーズは自身でどんどん妄想を膨らませて、とんでもない悲劇を生む。そして数年後、鄙には稀な美貌で、花の女神フローラにも例えられるパーディタが現れる。次世代の恋愛によって親世代の確執が救われる過程は『ロミオとジュリエット』の逆。

『シンベリン』
これもまた嫉妬から始まる話。
ブリテン王シンベリンの王女イモジェンは幼馴染みのポステュマスとひそかに結婚した。しかし、娘を再婚した王妃と先夫の息子クロートンと結婚させたかったシンベリンはそれを許さず、ポステュマスを追放する。イタリアに渡ったポステュマスに、ヤーキモーが賭けを提案する。自分なら口説けると言うのだ。ポステュマスはイモジェンの貞節を信じ、賭けに応じる。ヤーキモーは早速ブリテンに渡り、ポステュマスがイタリアで女遊びをしていると嘘を言うが、イモジェンはポステュマスを信じていた。ヤーキモーは賭けに勝つため、鞄の中に隠れてイモジェンの部屋に忍び込み、部屋の造りの詳細とイモージェンの胸の痣を見、イタリアに戻ると、ポステュマスに誘惑が成功したと嘘をつく。

最後は戦争まで出てくるこちらも事がどんどん大事になる展開。こちらはいわゆる悪者が最後に罰を受ける、冬物語よりは勧善懲悪的意味合いが強い。

 しかし二人の王女様、やんごとなき生まれなのに苦労しますな。

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2025年11月26日

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