今井むつみのレビュー一覧

  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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     9月に購入して以来、積ん読になっていた、本書を少しだけ読んでみた。

     小中学生の学びの躓きの原因が認知科学によって明らかにされていく。そんなところに原因があったのかという気付きが心地よく読み進められる。
     
     例に取られているのは、小学校の算数が主なようだが、英語の場合はどうなのだろうかと興味を持った。今井氏には、同じ岩波新書から『英語独習法』という著書もあるのだから、そちらにも少し目配りがあってもよかったのでは。英語教育学者の研究も待たれる。

     索引はないが、各章の末尾にまとめがあり、詳細な参考文献表や読書案内も付いているので、大変親切なつくりになっている。
     

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    2025年12月28日
  • 英語独習法

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    比較的高度な英語を正確に操るためには英語として自然な語選択を身に付けることが必要である。どのような場合にどのような単語を選ぶか、名詞は可算なのか不可算なのかなどのように、母語として育てば自然と身に付くが、そうでない場合には意識にすら登らない、そういった言語独特の知識の体系のことを「スキーマ」と本書では呼んでいる。「英語スキーマ」を身に付けるための独習法が本書の主眼である。
    もちろん、基礎的な構文、語順、文法は理解していることが前提である。そういう意味では完全な「独習法」ではなく、「中学・高校英語を履修したうえでさらに上達するための独習法」という感じかな。
    当然受け身的な学習法でできるわけはなく

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    2024年10月10日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    ・マルチリンガルはストループ課題で他よりもいい成績になることが多い
    ・マルチリンガルの失語症は、母語を失ってから取り戻す、第2言語を失ってから取り戻す等さまざま
    ・バイリンガルの脳は、一次聴覚野などの知覚処理を司る部分や、実行機能を司る部位が特に発達している

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    2024年09月19日
  • ことばと思考

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    人間が世界を認識し、学習し、思考を広げていくことに対して、
    言語がどんな役割を持っていて、どのように認識を助けているのか、
    場合によってはどのように認識をゆがめているのか。
    専門的な内容ながら、平易な言葉でわかりやすく説明されています。

    目に見えない思考というものを、どのように定量化、可視化するのか。
    多くの実験の方法も紹介されていて研究者の工夫も垣間見れました。

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    2024年09月01日
  • 英語独習法

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    社会人として英語をやり直しつつ本書を読んだが、本書で繰り返されている「語彙が大事」というのは実感あるし納得しかなかった。4技能を同時に育てるなんて無理だろうと以前から感じていたので、我が意を得たりという気分になった。

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    2024年07月21日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    ■評価
    ★★★✬☆

    ■感想
    ◯両著者ともファンであるので、面白く読めた。
    ◯為末氏が問いを投げかけて、それに対しての対談形式で進行。
    ◯「言葉の本質」・「熟達論」で言われている内容はベースになっており、それが深堀りされている。

    ◯時間がなく所感のみになった。再度読み返すと新しい発見があるかもしれない。

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    2024年05月12日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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     「言語」の力とは何か?という問いに対し、この本は様々な実験結果を提示し、言語を取得する事で得られるものを教えてくれる。
     我々にはメインで使う言語があり、所謂「第二言語」は後天的に取得する場合がほとんどである。
     私は正直言語を取得するのは苦手である。英語はいつまで経っても上達しない。だが、この本で示された、第二言語を話す際は「自身の人格が変わる感覚がある」というバイリンガルのイメージは、重要ポイントであると感じた。
     言語は成り立ちやその土地柄に影響し、形成される。もしかしたら、他言語を話す際は、マルチバース的な自分に意識を飛ばし、体と全身をその言語圏にあるイメージにするのが重要であるかも

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    2024年05月10日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    今井先生のウェビナーに参加して、興味があって読みました。子供の「わからない」を細分化して体系的に理解しようとする試みに、ただただ尊敬です。

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    2024年05月03日
  • 英語独習法

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    英語力を実用レベルに時間をかけてでも引き上げたい人向けの本だと思います。

    多読や多聴は効率が悪いこと、英語と日本語を結びつけた暗記ではなく英語での概念を刷り込む、コーパスの形成が必要だとの主張は、実際に英語学習し実用機会もある身として、そうだろうなという実感があります。スピーキングを伸ばしていくにはライティングからというのは目から鱗で、早速実践しようと思います。

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    2024年04月26日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    本文を読んでいてふと思いついたのは、
    村上春樹は最初、英語で自分の小説を書き、それを自分で和訳したと聞いた。あの独特の離人感はこうして作られたのか。という感慨だった。

    母語を持つこと、第2言語を持つことの意味が感じられるエピソードであることが本書を通して体感できる。

    今井むつみ氏の解説はピリッとスパイスがきいていて、本書の巻末を飾るのにふさわしい。

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    2024年04月24日
  • ことばと思考

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    「英語独習法」に続く、今井先生2冊目。

    「英語〜」はタイトルの通り、英語と日本語の違いを軸に、言語感覚と認知のつながり、言語の違いによる認知の違いを教えてくれた。
    この本はもっと幅広く、英語ドイツ語フランス語ロシア語中国語、更にはイヌイット語、ゴドベリ語(どこよ?)、グーグ・イミディル語(ゆる言語学ラジオで言ってたやつだ!)まで、様々な言語の様々な差異を通して、サピア=ウォーフ仮説を検証する。

    イヌイット語では、雪の種類に応じて20以上の独立した単語があるとか。
    数の数え方の影響で、一般的にアジア圏のこどもは欧米のこどもより小さいうちに計算ができるようになるとか。
    そういうトリビアな雑学だ

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    2024年04月17日
  • 英語独習法

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    英語の学習法の本ではあるが、「1週間でペラペラ!」みたいな底の浅い本とは根本的に違う。
    作者は認知科学や発達心理学の研究者なので、子供が母語を習得する仕組みをベースに、大人が第二言語を習得するための方法を教えてくれる。

    日本人が英語を簡単に習得できないのは、認知心理学用語でいうところの「スキーマ」=知識の枠組みが、英語と日本語で異なるからだという。

    例えば、英語話者は1歳半頃までには、名詞の意味よりも先に、名詞の前にaがつくかtheがつくか、複数形か否かという形態の違いに気付き、「可算・不可算」のスキーマを手に入れるらしい。しかし日本語では、名詞にその区別はないから、名詞による可算・不可算

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    2024年03月15日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    AI翻訳が発達した時代に、語学を学習する意味はあるのか?語学に限らず、なんでもAIがやってくれる時代を前に、自分の脳を使うことの大切さを教えてくれる本。
    バイリンガルであることは、様々な良い刺激を脳に与え、認知症の発症を遅らせる可能性さえあるらしい。
    使用する言語によって思考が変わるという話は面白かった。母国語は感情と強く結びついているため、第二言語で話したり考えたりする方が理性的な判断ができるとか。
    本編を読み終わって言語学習に前向きになっていた私だが、最後の解説には腰を折られた。
    解説者にそのつもりはなく、むしろ親切心からの指摘と読めるが、なんだかなぁ。

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    2024年02月09日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    この書籍は言語学者今井むつみ氏とアスリート為末大氏の心温まる対話を通じて、学びの本質に深く迫っています。為末氏の博学ぶりと今井氏の平易な説明は、まさに心を打ち、教育者やコーチにとっては非常に有益な洞察に満ち溢れていました。特に、「オノマトペ」の話や運動と言葉の関係、そして読書の重要性についての議論は、目を見張るものがあり、教育現場での応用に大いに期待が寄せられます。言葉と身体の相互作用を深く理解し、それを教育や指導に生かすヒントが得られることは、まさに感動的でした。さらに、学びのプロセスを多角的に考察し、知識のアウトプットの重要性を強調する点も、学び手と教え手双方にとって非常に刺激的で、心に残

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    2023年10月23日
  • 英語独習法

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    心理学者今井むつみ氏による英語の学習方法に関する新書。単語や文法、構文などが並ぶ一般的な学習書ではなく、もっと根本的に学ぶということを認知心理学的アプローチから解説しています。非常に簡潔な文章で読みやすいのですが、内容が濃縮されていて理解するのが大変でした。実践しないと本書の内容をきちんと消化できないです。本書で述べられている内容はきちんと理解できれば英語だけでなく、どんなものにでも応用可能だと思います。

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    2023年08月05日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    学力を「生きた知識」と定義し、自作問題の解答から子供たちのつまづきポイントを整理している。学者の本のため非常に論理的。つまづきとして一番印象的だったのが、「相対的な視点の欠如」。分数における1の扱いが代表的で、相対の感覚が直感的に分からなければ絶対つまづく。どうつまづいてるかが分かることで、教えてあげられることが変わってくるのでまた10年後読もう。

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    2023年07月22日
  • 英語独習法

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    英語を使いこなすためにはどうしたらいいか。
    そのキモは、「スキーマ」の違いを意識し、英語のそれを身につけることにある。
    本書の骨子は、きっとこういうこと。

    「スキーマ」は、『学びとは何か』にもあったような気がする。
    ある事柄について、身体化された知識の枠組みということらしい。

    この間読んだ、大西泰斗先生の本の、英語話者の感覚、イメージを理解することが大切という話にも通じるところがある。
    特に個別的な議論では似ていると感じたことも多い。
    例えば、英語の動詞の意味が文型や前置詞をある程度規定していくというところなど。

    が、本書はそうした知識の枠組みを自分でどう発見するかを主題にしていることだ

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    2022年12月11日
  • ことばと思考

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    私たちの思考は言語の枠組みの影響を受けている。だから異なる言語の話者同士は世界の認識や思考様式がまったく異なるのかもしれない、というある意味有名な仮説に対して最近の言語学がどこまでアプローチしているのかをわかりやすく解説する本。異言語間の差異と共通点だけでなく乳児幼児がどのように言語を習得していくのか、言語習得以前の認識のあり方に対して言語はどのように影響しているのかなど基本的な事柄を初心者向けに丁寧に解説していて良かった。さすが岩波新書と言うべきかとても新書らしい新書で安心して読めました。

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    2022年12月04日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    ネタバレ

    なんでみんな文章題が解けないのか…?いや、解かないんだ…!と気づいた今日このごろ。
    解かない理由は5年生までにあらわれる「学習性無気力」。どうアプローチしたらいいんでしょうか、続編に期待。
    さらに、幸い解いてくれても正解できないのは、実行機能、作業記憶、メタ認知能力などなどの欠如とのこと。
    …どうしたらいいんでしょうか。読書量に関連するらしい、認知負荷を下げる方法を教えるといいらしいが…
    さらなる情報が欲しいです、続編に期待。

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    2022年11月16日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    小学生を対象に学力とは何かを科学的に統計的に調べている。
    「ことばのたつじん」「かんがえるたつじん」というテストで調査して学力テストとも比較しながら問題点を示していて、なるほどと思い興味深かった。
    最後にほんものの学力を育む家庭環境に、本を読むことと子ども自らが興味を持つように環境を整えることとあって、深く納得した。

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    2022年09月28日