今井むつみのレビュー一覧
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運動能力と頭の良さは関係がないと思っていた考えを覆された。ある程度の筋力的な強さは頭を使わずに手に入れられるとしても、その先のアスリートの世界には構成主義的な学びが不可欠である。得た情報を反映させて試行錯誤を繰り返しながら自分の身体に新しい動きを取り入れていく試みは、学びそのものだと感じた。オノマトペや例えなど、言葉を使いながらイメージをつけることは、より直感的に理解することを促進する。
また、早く多く学ぶことが最適ではない、という内容が印象に残った。いまは図解した本やYouTubeで視覚的に表現した動画がたくさん出ているが、本来自分でやらなくてはいけないactive, constructi -
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期待通りのクオリティで、さすが今井むつみ先生。
巷にあふれる聞くだけでとか、100フレーズだけでとか魅力的な喧伝に一家言モノ申してくれております。英語学習に対する幻想を打ち破って現実に引き戻される、それはそれでちょっと残念だが真理だからしょうがない。
「スキーマ」というキーワード。英語母語話者のスキーマを身体的に落とし込むという作業が、英語を本当の意味で使いこなすには必要である。
英語=日本語訳の一対一対応を暗記するのではなく、構文や共起表現まで自分で探索すること、それこそが本当の意味で語彙力を養うということだ。
SKELLコーパスで検索しながら読み進めたけど、似ている意味の単語が異なる -
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日本語と英語のスキーマのずれ、これに尽きるという話。そもそも世界の捉え方を日本語的に考えていることそれ自体を、英語的に変化させる必要がある。
これは全くその通りで、頭の中で日本語→英語の変換をついやってしまうが、これでは話せない。なぜならそのまま変換できないからだ。頭の中で世界をイメージして、それを英語で表現するというのが正しそうである。
そして、ただ英会話の練習をしても英語は上達しないということ。なぜなら英語のスキーマをもって、語彙や英語のシステムを頭の中に取り入れられていないから。
過去に2か月英語留学に行ったが、そこで感じたのはまさにこれだった。とりあえず喋ればいいということに違和感を -
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為末さんと今井むつみさんという言語化の達人二人の対談。
非常にハイレベルな言語化能力を駆使して、かゆいところに手が届くような表現で、上達に関することなど様々なことを説明してくれている。
基本的な概念が接地していることが大切。それさえできていれば、具体的なイメージを離れて抽象的な操作が自然とできるようになる。
逆に設置していないと「記号から記号へ漂流してしまう」事になるのだ。
上記はとても納得がいく。一つ一つの具体的なレベルでしか理解できていない人は、他に類推して考えることができないので、複数の経験を積んでも、一向にその人の中で積み上がりが起こらない。
言葉が身体につながっていることはとて -
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ネタバレここ最近読んだ言語学関連の本でいちばん面白かった。
言語が思考に影響を及ぼす例として、「文法的性」があげられているが、確かにそうかもしれないと思う。
私は大学時代に文法的性をもつ言語を学んでいた際に単数形、複数形以上によく分からない概念だし、ネイティブの人はどういう感覚を持っているのだろうと疑問に感じていた。
しかし、この文法的性と私たち日本人が使う助数詞は、ものを文法で決められたカテゴリーに分類している点で同じという説明を読んで考えが変わった。
私たちが助数詞に対して持っているなんとなくのイメージや無意識下の使い分けを、ネイティブの人たちは文法的性に対してしていると考えるとすごく腑に落ちた -
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メモ
もうひとつの言語を持つのは、もうひとつの魂を持つに等しい-初代神聖ローマ皇帝カール大帝
ドイツ語を話す人は、橋について「美しい、エレガント、壊れやすい、きれいな」と描写するが、スペイン語を話す人は「大きい、危険、長い、強い」といった印象を持つ。
高齢者の場合、マルチリンガルであることは、アルツハイマー病やその他の認知症の発症を4年から6年遅らせ、「認知予備脳」(脳が認知症の状態になっていても、症状が出にくい状態のこと)を強化する。
生涯を通じて見ると、2つ以上の言語を習得することは、脳の実行機能の向上につながり、大切なものに集中し、そうでないものを無視するのがより簡単になる。
そして創造