【感想・ネタバレ】英語独習法のレビュー

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Posted by ブクログ

冒頭に案内があるように興味の高い章をピックアップして読む場合も無理なく読み進めることができる。コーパスの利用にはまだ無理があるレベルの読者も5章、6章をスキップして楽しめる。
奥の深い話しなので著者の関連図書も併せて読みたい

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2022年02月27日

Posted by ブクログ

なるほど。言語を駆使するには膨大な背景知識のデータベース=スキーマを蓄積する必要があるのか。そう考えると幼少の頃から中途半端に英語を覚えさせると日本語のスキーマが十分に育たないから、日本語で高度な思考をしようとしてもできなくなるよね。それは考えるだに恐ろしい。わが両親が英語教育に不熱心な親で本当に良かった。

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2021年12月24日

Posted by ブクログ

面白かった!
著者が本書のターゲットとして考えているような英語上級者は全く目指していませんが(苦笑)、単純に読み物として楽しめました(笑)。
母語が違えば、認知も違う、従って、表現方法が違う、という説明は、とても納得です。

「『スターリーがルチってる』のはどっち?」の実験は特に印象に残りました。
(日本語の動詞は方向を含むことが多い一方で、英語の動詞は一般的に状態(動き方)のみを表現して、方向性は前置詞の併用で表現する)

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2021年09月12日

Posted by ブクログ

英語力を実用レベルに時間をかけてでも引き上げたい人向けの本だと思います。

多読や多聴は効率が悪いこと、英語と日本語を結びつけた暗記ではなく英語での概念を刷り込む、コーパスの形成が必要だとの主張は、実際に英語学習し実用機会もある身として、そうだろうなという実感があります。スピーキングを伸ばしていくにはライティングからというのは目から鱗で、早速実践しようと思います。

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2024年04月26日

Posted by ブクログ

英語の学習法の本ではあるが、「1週間でペラペラ!」みたいな底の浅い本とは根本的に違う。
作者は認知科学や発達心理学の研究者なので、子供が母語を習得する仕組みをベースに、大人が第二言語を習得するための方法を教えてくれる。

日本人が英語を簡単に習得できないのは、認知心理学用語でいうところの「スキーマ」=知識の枠組みが、英語と日本語で異なるからだという。

例えば、英語話者は1歳半頃までには、名詞の意味よりも先に、名詞の前にaがつくかtheがつくか、複数形か否かという形態の違いに気付き、「可算・不可算」のスキーマを手に入れるらしい。しかし日本語では、名詞にその区別はないから、名詞による可算・不可算の違いに注意を向ける「訓練がされていない」のだ。

「『聞き流すだけで英語が自然と口から出る』という英語教材の広告をよく見るが、人間の認知の仕組みに全く反している」とか、個人的にスッキリする説明も多い。

大人が効率的に英語を学ぶ方法をエビデンスベースで知りたい人にも、英語学習をテーマに人の認知の仕組みを知りたい人にも、オススメ。

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2024年03月15日

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心理学者今井むつみ氏による英語の学習方法に関する新書。単語や文法、構文などが並ぶ一般的な学習書ではなく、もっと根本的に学ぶということを認知心理学的アプローチから解説しています。非常に簡潔な文章で読みやすいのですが、内容が濃縮されていて理解するのが大変でした。実践しないと本書の内容をきちんと消化できないです。本書で述べられている内容はきちんと理解できれば英語だけでなく、どんなものにでも応用可能だと思います。

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2023年08月05日

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英語を使いこなすためにはどうしたらいいか。
そのキモは、「スキーマ」の違いを意識し、英語のそれを身につけることにある。
本書の骨子は、きっとこういうこと。

「スキーマ」は、『学びとは何か』にもあったような気がする。
ある事柄について、身体化された知識の枠組みということらしい。

この間読んだ、大西泰斗先生の本の、英語話者の感覚、イメージを理解することが大切という話にも通じるところがある。
特に個別的な議論では似ていると感じたことも多い。
例えば、英語の動詞の意味が文型や前置詞をある程度規定していくというところなど。

が、本書はそうした知識の枠組みを自分でどう発見するかを主題にしていることだ。
この動詞は、この形容詞はこういう用法ですよ、と解説するのではない。
今井先生は、そういうことは教えてもらっても身につかず、したがって使いこなせない、という。
その意味では、大変志が高く、ハードルも高い「英語独習法」である。

では、どうやってスキーマを発見していくかというと、コーパスを使いこなすことによる。
コーパスで、次のようなものを調べるといいらしい。
・使われる構文
・共起する単語は何か
・単語の頻度
・使用される文脈(フォーマルか)
・その語の多義の構造
・その語の属する概念ネットワーク
そのためのツールとして、SkELLやWordNet、英次郎Proなどが紹介されていた。
(ただ、これらのツールを使いこなすのが大変そうだな、という思いがよぎる。)
そして、スキーマのずれを意識しながら、アウトプットの練習を重ねることで、次第に自然な表現が身についていくとされていた。

本書には、一般的によく語られる語学学習の「常識」を覆していく面白さもある。

その一つが多読、多聴。
すればするほどよいというイメージがある。
それがそうでもないらしい。

本書では、語学学習の最初は集中的に、語彙と基本的な文法を身につけること、そしてその後は語彙を育てていくことが重要とされていた。
たしかに、語彙学習には限りがない。
が、外国語をある程度読み、英英辞書などが読めるようになれば、自分で推測しながら読むことができる。
こうして、語彙が育っていくという。
その語彙を記憶に残していくには、しっかり注意を向ける必要があり、そのためには熟読が必要だというのだ。

いろいろと考えさせられる一冊だった。

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2022年12月11日

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言語の学習過程などを研究する認知科学の専門家が、日本語話者と英語話者とで異なっている世界の見方(スキーマ)を地道に理解していくことが、自然な英語を身につけるための方法であると説く。自分が若い頃から意識していたことと同じようなポイントが挙げられており、スムーズに違和感なく読めた。

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2022年07月29日

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英語の習得のために、多くの人が自身に合った合理的、効率的なアプローチを模索しているものと思います。そして、日本語を使用するときに意識していない思考の縛りに英語での理解が邪魔をされていることも確かにあると、今回改めて認識しました。その縛りからの解放を意識して英語習得に取り組めるようなヒントをもらえる伝道書。トレーニングのためのツールの紹介やステップアップの道筋も示されてあり、親切丁寧なつくりと感じました。

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2022年06月20日

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コーパスを使って、スキーマの感覚を養うことが、大事。
数々の英語オンラインサービスを使う点も今風で、新鮮だった。

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2022年02月11日

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前本でネットで使える英語力向上ツールを紹介し、後半で実践編。
大学で英作文とかエッセイとかかくのに、実際役立った!特にskELLはおすすめ。

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2022年01月29日

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英語学習のかゆいけど、なかなか手が届かないところにリーチする独学法。日本語のスキーマを意識して、英語のスキーマに挑み、都度メンテしていくべし。動詞の使い分けは参考になる。可算、不加算名詞の使い分けは、これまでの英語学習で推測したものとほぼ同じであった。それをオンラインツールで検証できるようになったことが嬉しい限り。

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2021年12月29日

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認知科学的アプローチ、スキーマ習得のためのコーパス活用などに大変感銘を受けた。
「言葉ができるようになる」事について、巷の俗説に応える様に、定義や方法論を説明していたり、コーパス辞書の紹介や活用法を具体的に紹介していたり。好著。

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2021年12月10日

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中学校から大学までの長い間、英語の授業をどれだけ受けても、話したり書いたりできるようにはならないだろうと何となく感じていました。
この本には、それがなぜなのか、どうしたら話したり書いたりできるようになるかを、人間の認知という観点から解説してもらえました。


タイトルの「英語独習法」については、次のような提案がされています。

1 語彙を増やすこと
→ 熟読、映画の熟見
※リスニングは、語彙が少ないうちは、意味をなさない音声が過ぎていくだけ。
スキーマがない状態では、話される内容・単語が予測できず、知っている単語でも聞き取れない。

2 英語スキーマの身体化
→ 冠詞、数、時制に注意を向け、日本語と英語を比較しながらのライティング
※スピーキングは、フィードバックが期待できないため、語彙がかなり充実して、曲がりなりに文が作れるようになったら練習すべき。

3 語彙と英語スキーマは、コーパスを使って自分で探索


本書の主眼であるコーパスについて、初めて使い方を知り、わくわくしました。
ただ、英英辞典を使える程度には英文に慣れてないと使えないこと、探究的な勉強法だということから、本書は大学生以上のレベル向けといえましょう。
にもかかわらず、認知心理学の話等でうまくまとめ、読みやすい本になっていると思います。

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2021年11月23日

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認知科学の知見に基づく「合理的な英語の学習のしかた」を解説。後半には「探求実践編」もある。
知識のシステムとしての「スキーマ」を獲得することが重要であり、類義語、共起語等も含めた高い語彙力をオンラインのコーパス等による自力での探索で身につけることが必要であるという。また、多読や多聴は語彙力向上には向いておらず、熟読や映画の「熟見」を勧めている。
本書の内容が、合理的な英語の学習法であることは納得できた。ただ、英語ができたらいいなレベルの自分にとっては、オンラインのコーパス等による単語の探求などに継続的に取り組むのは、ちょっとハードルが高いかなという感じではある。

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2021年10月29日

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英語学習はとりあえず単語を覚えるのが重要だということがわかった(多分微妙に違う)。スキーマというのがなんとなくわかった。そりゃ違う国違う文化なのだから、前提が違って当たり前だ。まっったく意識していなかったので、目からウロコだった。だからこそ、単語の根幹を学ばねばならないという意味が理解できた。単語をメインにこれから少しづつ頑張りたい。最後の問題集は飛ばしたので、いつか挑戦できるようになりたい。

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2021年10月05日

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 自慢ではないが、つい最近英検1級に合格した。以前TOEICでは935点をとったこともある。そして本当に全く自慢ではないことに、たいして英語が話せない。「読む書く聞く」はそこそこできても、「話す」がそれらに比べて格段に落ちるのだ。プレゼンや商談など、予めパターンが決まったやり取りならできるが、雑談となると言いたいことが瞬時に表現できず相槌を打つことしかできなかったりする。やはり日常的に英語を話すことが要求されるような環境が必要なのかな、と思っていたのだが、本書はまさに eye-opener だった。実地経験云々ではない。要は僕にまだ物事を英語で考えるだけの「スキーマ」が備わっていないのだ。

 本書が挙げている「英語で考えられない理由」は僕にかなりの点で当てはまる。英単語は覚えたが、テキスト内での使用のされかたや、類語とのコロケーションの違いにあまり注意を払ってこなかった。また、抽象的な語彙は比較的豊富に蓄積したものの、本書が日常英語で最も重要だと指摘する「様態を表す動詞+前置詞」を、抽象度が低く重要でないものとして軽んじていた。英語を話すには、日本語を逐語訳するのでなく、文全体で何を言いたいのかをまず考えること、さらにその際に動詞を軸にすることが重要だというが、僕は英語のそれぞれの動詞のニュアンスの違いの習得をおろそかにしていたため、半世紀弱の付き合いである「日本語のスキーマ」を脳から追いやることが出来ずにいる、ということらしい。

 ではどうすれば良いのか。本書で強く推奨されているコーパスなどのオンラインツールの使用はかなり気が滅入る作業だが、少しやってみると確かに面白い。文全体で何が言われており、その中でその単語がどのような働きをしているのか、どのような文脈で使われているのかを他の単語と比較する。発達心理学を専門にする著者によれば、これは幼児が母語を習得する manner と同じなのだという。

 また、ライティングが得意な自分としては、スピーキングの土台にライティングがある(曲がりなりにも文を作ることが大事)というのが救いに思えた。さらに、大人になって会話の関心の対象となる事象に関する知識が豊富な方が英語が上達する可能性があるというのも、もはや初老に差し掛かろうという自分には福音だ。

 一番面白いと思ったのは、生後10ヶ月くらいまでの赤ん坊は母語にない発音でも聞き分けられるが、その後1歳くらいまでに急速にその能力を失っていくということ。まさに「タブラ・ラサ」として生まれた人間は、何も書き込まれない余白を不必要なものとして削ぎ落としながら成長していくのだ。

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2021年09月18日

Posted by ブクログ

久しぶりの語学勉強関係の本
頭の中を語学用にしないとかなり難しいし、英語学習の基本的な考え方については、目からウロコ

また違う視点で語学を始めたいと思わせてくれる一冊

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2021年09月07日

Posted by ブクログ

赤ちゃんが母国語を習得する過程を例示しながら、認知科学の観点から言語習得の道のりや勉強法を解説する本。ある程度しっかりと語学を勉強した人にとっては共感・納得できる部分も少なくないのではないか。スペイン語をゼロから現地で学んだ数年前の経験で感じたことを理論的に言語化してくれたような感じがした。中途半端な予備知識無しにスペイン語をスペイン語で学ぶプロセスはおそらく赤ちゃんが母国語を習得するプロセスに似ているはず。母国語のスキーマになるべくとらわれずにその言語の感覚を身に付ける。スペイン語だけで学ぶから必死に類推する。その過程でスペイン語のスキーマが少しずつ構築される。こんな感じだったんだろうと思う。

勉強するにあたり当然のことではあるけど「どのレベルまで到達する必要があるのか」という点をしっかりと認識して勉強すべき。何となく英語をできるようになりたいというレベルでは本書に紹介されている勉強法は続かないかな。そこまでしなくてもいいやと思ってしまう部分がありそう。英語学習だけに通用する話では無く、何かを学ぶとき全般に活かせる認知の考え方や取り組み姿勢も多い。どれだけ注意を向けられるか、覚えたいことを深く情報処理するようなプロセスをいかに踏むか、が重要。何となく読んでいる、何となく聞き流している、これではやはりすり抜けてしまう。深い情報処理を必要とする勉強法ってたぶん相当疲れると思うけど、本当に身につけたいのであればだらだら勉強しても意味ないし、まずは「映画熟見法」から試してみようかな。

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2021年08月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

なぜ英語を使えないのか、を紐解く事によって、英語をどのように学習すれば良いのかの方向が理解できた。

一番大きいのは、日本語と英語が一対一で無い事が理解できたこと。英語の日本語のスキーマの違いを意識して、比較していく事で、英語のスキーマを理解していきたい。そして次の段階では自然とそのスキーマを使いこなせるようになっていきたい。

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2021年06月13日

Posted by ブクログ

英語学習への新しいアプローチ。
例えば、日本語の「は」「が」という助詞を使い分ける際、文法的な法則よりも、なんとなく違和感を覚えるとかしっくりとくるなど文脈によって言語化できない暗黙の知識(スキーマ)を英語学習にも有効活用してゆくのが本書の目的。
英語の多読、多聴だけでは(使える)語彙は増えない。また、可算・不可算名詞、前置詞など日本人が苦手なものは本書で紹介される(無料)オンラインツールを活用するのが近道。
例えば、
・instinct(本能)とintuition(直感)の使い分け
・learnは主体性の少ない学び、studyは自分で学ぶ
などなんとなく曖昧に使っていた言葉の輪郭がはっきり見えてくる。
筆者は慶応大環境情報学部教授、本書はその授業テキストとして執筆される。これを受講した学生は一生モノの英語学習能力をゲットでき幸せです。

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2024年05月02日

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中上級向けである。

p.15に「仕事の場でアウトプットができるレベル、すなわち自分の考えを的確・効果的に表現し、相手に伝えられるレベルの英語力を目指す人」が対象とある。

TOEICなら800以上、英検なら準一級以上を目指す人向け、ということになる。
(もっともそれ以下のレベルなら、英語そのものより、AIや自動翻訳の活用法の習熟に時間と労力を使った方がいいかもしれない。)

映画を「熟見」するリスニング学習法はおおいに共感。
楽しそうだし、力がつきそう。

ただ、「スピーキングの前にライティングを」はどうだろう?
覚えた表現をとりあえず実践で使ってみて小さな成功体験を重ねる、あるいは失敗してもそのフィードバックを得る方が、「スキーマ」の獲得を加速しないか?

繰り返すが、中上級者が時間をかけて取り組めば効果がありそうな「独習法」だ。
始める前に付録の「探究」の英文を読んで、ついていけるレベルかどうか判断した方がいい。

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2024年04月05日

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⚫︎感想

語学は自分で納得しながら、じっくり取り組む。
大人になってからでも、いつからでも語学は伸びることを改めて実感できる。具体的な例も挙げながら、知らなかった所だけ拾って知識として入れられる


⚫︎あらすじ(本概要より転載)

英語の達人をめざすなら、類義語との違い、構文や文脈、共起語などの知識に支えられた高い語彙力が不可欠だ。記憶や学習のしくみを考えれば、多読や多聴は語彙力向上には向かない。語彙全体をシステムとして考え、日本語と英語の違いを自分で探究するのが合理的な勉強法なのだ。オンラインのコーパスや辞書を利用する実践的方法を紹介。

■目次
はじめに
第1章 認知のしくみから学習法を見直そう
第2章 「知っている」と「使える」は別
第3章 氷山の水面下の知識
第4章 日本語と英語のスキーマのズレ
第5章 コーパスによる英語スキーマ探索法 基本篇
第6章 コーパスによる英語スキーマ探索法 上級篇
第7章 多聴では伸びないリスニングの力
第8章 語彙を育てる熟読・熟見法
第9章 スピーキングとライティングの力をつける
[ちょっと寄り道] フィンランド人が英語に堪能な理由
第10章 大人になってからでも遅すぎない
探究実践篇
【探究1】 動詞の使い分け(1)──主語・目的語に注目
【探究2】 動詞の使い分け(2)──修飾語・並列語に注目
【探究3】 動詞の使い分け(3)──認識を表現する
【探究4】 動詞の使い分け(4)──提案を表現する
【探究5】 修飾語を選ぶ──頻度に注目
【探究6】 抽象名詞の使い分け──共起する動詞と修飾語に注目
【探究7】 前置詞を選ぶ──前置詞+名詞の連語に注目
【探究8】 抽象名詞の可算・不可算
本書で紹介したオンラインツール  

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2023年12月14日

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書名は誤解を生むでしょうね〜。一般的な英語学習者がこの書名から期待する内容ではないですからね〜。

「外国語学習研究の手引き」とでもしておいた方が良かったのでは?と思ってしまいます。

とは言え、外国語学習の本質に触れていることに間違いはなく、ある程度のレベルに達した学習者が自らの学びを体系的に理解するという役割としては優れた手引き書だと思います。



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2023年09月21日

Posted by ブクログ

認知科学の観点から、英語の学びかたについて解説をおこなっている本です。

本書が対象としている読者については、「本書は主に、仕事の場でアウトプットできるレベル、すなわち自分の考えを的確・効果的に表現し、相手に伝えられるレベルの英語力を目指す人に向けて書かれている」と述べられています。

著者は、日本語と英語のあいだでことばを正しく用いるためのスキーマが異なっているために、正しい英語の運用がむずかしいことを説明します。そして、英語を正しく運用するためには、それぞれの語彙の具体的な運用にかんする深い理解が必要であると主張します。そのうえで、そうした語彙にまつわるスキーマを学ぶために役立つ、インターネット上で利用できるコーパスを紹介しています。

著者は、マーク・ピーターセンの『日本人の英語』(岩波新書)を名著であるとしながらも、そこで例としてとりあげられているような「日本人英語あるある」を、ただ個々の具体的な知識として読んだだけでは、英語の語彙にまつわるスキーマの深い理解がただちに得られるわけではないといい、読者がみずからコーパスの検討をおこなって、ことばの正しい運用方法を知ることを重視しています。本書の巻末の「探究実践篇」は、そのトレーニングとして有益だと感じました。

ただ、著者は認知意味論についてひろいの知識をもっており、コーパスから語彙のスキーマを発見するにさいしてそのような著者自身のスキーマが利用されていることもたしかであり、そうした知識をもたない読者にはかなりハードルの高い学習法だと感じました。

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2023年08月03日

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言語の習得には、各言語、文化に起因するスキーマの習得が必須であり、特に簡単ではないよ。
子供の言語習得を研究する筆者。
いやまさにその通りだろう。その上で、どうやって学習するのがいいのか提案してくれる。
前半の理屈のところは共感したが、特段今、英語を習得しようと思ってはいないので、後半の具体的なところはすっ飛ばし。
逆に言えば、実際習得しようとしてる人には、とても有効ではないか。薄い本なのに。

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

<目次>
第1章  認知のしくみから学習法を見直そう
第2章  「知っている」と「使える」は別
第3章  氷山の水面下の知識
第4章  日本語と英語のスキーマのズレ
第5章  コーパスによる英語スキーマ探索法
第6章  コーパスによる英語スキーマ探索法上級編
第7章  多聴では伸びないリスニングの力
第8章  語彙を育てる熟読・熟見法
第9章  スピーキングとライティングの力をつける
第10章  大人になってからでも遅すぎない
付録   探究実践篇

<内容>
英語の「独習法」だが、これだけで独習法がみにつくわけではない。ただ、オンラインの辞書やSkELL、COCAなどの英単語の例文をあげるツールなどを駆使しつつ、結論は、まず語彙を身につけ、あとはそのジャンルの例文を多く読み、定冠詞や前置詞などを感覚的にマスターしていくしかない、ということ。

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2022年10月27日

Posted by ブクログ

認知心理学におけるエビデンスとセットになっているというよりも,個人的経験が綴られている印象。この本でないと明記されていないというのは「スキーマ」という捉え方くらいで,他の本はそのスキーマで示されていることを,スキーマと呼ばずに説明しているのではないだろうか。外出を控えた中で家で英語学習でもというコロナ禍に出版されたことがそれなりに売れた背景があるのかもしれない。

*****
「わかりやすく教えれば,教えた内容が学び手の脳に移植されて定着する」という考えは幻想であることは認知心理学の常識なのである。(p.3)

 たとえば料理教室に通って料理を学ぶ人はたくさんいるが,プロの料理人になりたい人は,そもそも,町の普通の料理教室には行かず,自分の目指す料理人のもとで厳しい修業を重ね,腕を磨く必要があるだろう。家で普通にごはんが作れるようになりたいというのと,料理のプロになりたいのでは,学び(修業)に対する覚悟も,方法も,時間やお金のかけかたも,まったく違うのである。(p.9)

英語は動作の様態の情報を主動詞で表し,移動の方向は動詞以外(前置詞)で表現する。(p.65)

 もう一つ大事なことは,聞き取りが苦手だと思ったらマルチモーダルな状況ーーつまり,音声以外に視覚情報もあり,内容についてのヒントを与えてくれる映像メディアを練習に使うことである。(p.140)

なんといっても語彙力をつけることがリスニング力向上には欠かせないし,マルチモーダルな情報を使って英語の聞き取りに慣れてきてから音だけの媒体の聞き取り練習をしたほうが,学習の認知メカニズムの観点からはずっと理にかなっている。(p.141)

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2022年10月04日

Posted by ブクログ

英語だけでなく、あらゆる言語を学ぶ際に役立つような本。日本人はは日本語を基礎に置いて外国語と向き合いその違いに戸惑うことが多いけれど、そもそも別の言語だからそれは当たり前のことなんだと思った。

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2022年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良書。参考になる。
著者の専門?を生かした、ユニーク、今までにない視点。
好きな映画でセリフをおぼえるまで繰り返しみたい。

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2021年09月11日

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