今井むつみのレビュー一覧
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講義をまとめられた書籍であるだけあって、非常に読みやすく、しっかりとまとめられていた。
前半部分では、人間はどれだけ論理的思考が苦手であるか、どんな風にバイアスをかけて思考をするかを詳しく書かれている。
そして後半ではアブダクション推論について、著名な経済学者ダニエル・カーネマンの人間の思考システム1、2を用いながら丁寧に説明されている。
その中でも公正者のお話がとても気に入りました。
「一流な公正者は、その意味を徹底的に考える」
「アブダクションによって正しい正しくないを超えた意味の世界に入っていくことができる」
「精度の高いアブダクション推論ができることが、一流の熟達者の条件」
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Posted by ブクログ
自分と相手が持っている言語や文化、認知の「スキーマ」(枠組み)は異なっていると言うことを前提に生きていこう、と言うお話。
例えば「丁寧にやろう」と言う発言で、どこまでが丁寧なのか?何が丁寧の定義なのか?曖昧さがあることはもちろん、人によって認識にばらつきが出るのは当然。家族でも認識が異なっており時たまアンジャッシュのコントのようなすれ違いが起きたり、重大なコミュニケーションエラーがおきるのだから、いわんや職場でをや。
マニュアルからは一切の曖昧さを排除すべきだし、指示を出す時は「これくらいわかるだろう」を取っ払って発信しなければならない。
また、専門性があるがゆえに発信できる内容が異なって -
Posted by ブクログ
・相互排他の推論 「Aではないから、Bだ」と考える。→アブダクション推論
・アナロジーの推論 「関係の同じ」を見つけ出す。→アブダクション推論
・帰納推論 数ある事例を参考にして考える。
◆思考をコントロールする能力実行機能
もうひとつ、「考える力」に含まれる大事な能力に、「思考をコントロールする力」があります。これは「実行機能」と呼ばれるものです。「思考のコントロール」には次のようなステップが必要です。
1 | 必要な情報に注意を向け、情報を取り入れる。
2 | 複数の情報を一時的な記憶の貯蔵庫にためておき、取り出せるようにする。
3 | 不必要な情報に注意が向かないようにする。
詰め -
Posted by ブクログ
「ケ」とは、「ネバル」の「センムル」である。
意味の分からない言葉を、意味の分からない言葉で説明しても、いつまでも堂々巡り。ならば、“最初の言葉“はどうやって生まれたのか、というのが本書の主題。記号である言葉が“意味“に接地して結びつき、他者との“意味の共有“が可能となる、いわゆる「記号接地問題」から考えていく。
と、その前に…
冒頭の言葉は韓国語で、「犬」とは「四つ足」の「生き物」である、という意味で書いた。余談ついでにだが、以前、南国で田舎道を現地人と歩いていたところ、草木の中を指差して「エロ、エロ!」と言うので、真っ昼間から開放的な国だなと見てみるとそこにいたのは野犬。ビサヤ語では犬を