【感想・ネタバレ】人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学のレビュー

あらすじ

『言語の本質』『学力喪失』『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』の今井むつみ氏の、
慶應大学SFC最終講義!

「人は、わかっていても間違え、偏った視野をもち、誤解するもの。
だからこそ、どう学び、人とつきあい、社会を生き抜いていくかを考えることが大事。
そのために、認知科学からの知恵とエールをみなさんに贈ります。」

認知心理学のものの見方・考え方が、
複雑で、正解のない世界と対峙し、判断していくための手がかりとなる。
世界的な認知科学者が28年かけてつくりあげた決定版!


【目次】
開講 AI時代を幸せに生きるには
そもそも私たちは、「客観的」に世界を見ることができるのか?
「記憶」はあまりにも脆弱(ぜいじゃく)
人は基本的に「論理的な思考」が苦手である
「確率」よりも「感情」で考えてミスをする
「思考バイアスに流されている状態」は、思考しているとはいえない
■■■■■■
スキーマがあって初めて、高度な思考が成り立つ
情報処理能力や記憶の制約が生み出した人間独自の思考スタイルとは?
アブダクションによって人は、知識を拡張し、因果関係を解明し、新たな知識を創造している
一般人と一流の違いは、アブダクションの精度にある
AIは記号接地しない=新しい知識・生きた知識を生み出さない
A I が生み出すのは、「一般人の平均値」。唯一無二のパフォーマンスを生み出せるのは、人間である「あなた」
「得手(えて)に帆(ほ)を揚(あ)げる」という生き方

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Posted by ブクログ

この講義、受けたかった。当時、認知科学がなんだか分かってなかった。先生の講義を受けてたら、きっと進む道が変わっていたかも。
とても分かり易く、実例を挙げながら説明してくれていて、知っていたことがたくさんだったけど、改めて腹落ちした。
一番これこれと思ったのは、教育課程は、より精緻なアブダクション推論を行えるようにするためにあるということ。何のために勉強するのか、義務教育は何のためにあるのか、子どもたちにこの観点を分かってほしい。
人との関係も、認知バイアスを理解できたら、寛容になれるということも。人間関係に悩んでいる人に読んでほしい。

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2026年04月15日

Posted by ブクログ

教養的な読み物として非常に面白かった。
認知心理学的にみた普段自分が意識していない人間の不完全だとか偏りを客観的にみるきっかけになった。
大学生向けの講義がベースになっていることもあり特に若い読者には今後の人生における指針になる金言がたくさん詰まっていると思う。

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2026年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

慶應大学今井むつみ先生の最終講義らしい。帯にも書いてあるように、「人はわかっていても間違え、偏った視野をもち、誤解するもの。だからこそ、どう学び、人とつきあい、社会を生き抜いて行くかを考えることが大事」。まさに、その通りと思います。この講義は、その人間の認知の偏りが、AIとは違ったアブダクション推論を可能として、それが「1を聴いて10を知る」と言った人間ならではの認知の仕組みを生み出している一方で、その偏りがとんでもない誤りを生んでしまうこともあるというところが起点。AIは統計処理なので、推論に偏りがない。それと人間は五感を統合して判断するが、AIはマルチモーダルな統計処理は苦手だという。後者は、これから統計的に解決できるような気もするけど、十分なデータが無くてもそれが出来るのが人間の認知の特徴なのだと理解しました。もう少し、整理したい事がたくさん。もっと勉強しなくては

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2026年03月30日

Posted by ブクログ

今まで読んできた今井むつみさんの教えが一冊に簡潔にまとまっている印象。かつ、「AI時代」というキーワードで人間のいびつさと、その可能性を示された気がします。
人は歪だけど、それを認識して学ぶことが、成長することができる。まるで声が聞こえてくるようなエールに歳のいったおばさんですが背中を押してもらったような気がします。これからも生きていく勇気が持てる一冊。予想外にちょっと泣けました。迷っても悩んでも、目の前のことを大切に、自分らしく頑張ります。

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

認知心理学のエッセンスを凝縮した本だと感じた。特に、「記号接地」、「アブダクション」、「システム1とシステム2の思考の違い」について知ることができてよかった。人間が何かを経験するということの意味や、人間が存在していることの意味も伝わってくるような気がした。生成AIで出てくる回答を読むことだけではわからないことがあるな、と知った。
本のページ数はそこまで長くないので、何度も読んで立ち返りたい。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

復習とまとめという感じだが、大学の退職最終講義ということで、教職者としての総括感がすごい。なので、泣ける。また、この本に出てくる実験についての情報は、他の新書でのそれのようにノイズではない(私にとって)。講義がベースだからだろうか。大学っていいね。

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2026年01月04日

Posted by ブクログ

思考バイアスはずっと悪いものだと思っていたけど、それは私たちの営みに不可欠で正しく付き合っていく必要があること、私がいつも仕事でやっている仮説を立てること(アブダクション)にも必要だったことは、なるほどと思った!システム1の精度を上げるために、システム2を使った振り返りが大切というのも、振り返りやフィードバックを継続し続ける理由になると感じた。

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2026年01月02日

Posted by ブクログ

うっすら思っていたり知っていたりすることを体系的にまとめられていてわかりやすかった。
私は『なんでもトライしてみて』を鵜呑みにして『トライして、分析試行錯誤して、抽象化して新たな知識を得る』というトライした後の本当に大事なことの方をサボってきたなと思う

でも今日が1番若いから!
効率化1番の仕事でAIの力を借りつつも、自分が進めている仕事や生活、勉強全部自分の血肉の知識にする営みを毎日サボらずやっていこ

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

自分の思考パターンをよく理解することが、
他人とのコミュニケーションがより円滑になる。アドバンテージになる。

直感思考は不可欠な能力だが、時に致命的なミスをする。熟慮による思考は吟味するので精度高いが時間かかる。
直感思考を熟慮思考で振り返り、自分の思考の特徴や傾向を知る訓練をしてより質の高い直感思考ができるようになる。

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

読みやすかった。
同じものを見ていても感じ取るものは違うし、他人の見えない行動は過少評価しがち、数値や記号ではなく文脈で記憶する、それが人間。
思考バイアス、とても強いタイプだなあ、気付いてたけど。
だからスキーマとかアブダクションもきっと強い。すごく人間的だと思う。そこが私の良いところだよね!

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2026年03月24日

Posted by ブクログ

人は、どのように考え、学び、成長していくのか。

人は周囲からの大量の情報を全て処理することはできない。

そのため、過去の経験から特定の部分を一般化・抽象化して作った知識(スキーマ)を用いて、周囲の情報を選択・処理して行動する。
その際の文脈や付加情報によって、個々が情報に受ける印象は異なる。

また、個々はそれぞれに物事の捉え方に偏り(思考バイアス)をもっており、自分に都合が良いように情報を捉えようとする傾向がある。
それは、偏った物事の捉え方に携行する恐れがある一方で、大量な情報を自分なりに整理し、理解し、記憶しようとする人間の社会認知及び適応においては必要な働きといえる。

そして、この思考バイアスを伴うスキーマの書き換えの繰り返しの中で、知識を点から面に広げ、異なる分野や領域の知識を結びつけて、その因果関係についての仮説をたてる(アブダクション推論)過程から、仮説の検証によって原因を解明する、という学習形態を可能にする。

子どもの言語の習得は、この経験の蓄積、拡大、集約というアブダクション推論が大きく関わっている。

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2026年03月20日

Posted by ブクログ

人間は、何かの言話情報に触れると、必ず意味を理解しての意味を記憶する。意味がわからなければ、記憶もできない。
なるほどたしかにって思った。

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

アブダクション。人の認知の癖。少ない情報で決めつけてしまう。しばしば視野を偏らせ誤解や間違いを生む思い込み。でも、それは単なる排除すべき悪い癖ではなく、数多くの情報「点」から、因果関係を解明して、意味「面」を見出すために、人間に不可欠なツール。これによってAIにはできない五感を使った実体験から、新しい「知識」を創造することが可能。逆に言えば、アブダクションによる思考バイアスにとらわれやすいことを理解した上で、「好きを突き詰める」ことで、AIには辿り着けない「超一流の達人」になれる。

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2026年02月28日

Posted by ブクログ

AIが人間の能力を淘汰しかねない世の中で、AIの限界を説き、人間にしかできないアブダクション推論でクリエイティブに意味をデザインする重要さ。
この本を読んでアブダクションして気づいた。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

「人間とAIの違いは?」「人間はAIよりも劣るのか?」という疑問に対して、人間特有の認知方法(アブダクション)について解説するとともに、その認知手段をうまく活用することで、既存の枠組みからの「逸脱」が発生し、AIでは実現できない発見や創造がなされるとのこと。
そして、いつか「逸脱」を実現するために、自分の得意分野や興味あることに力を注いでほしいとの力強いメッセージで締めくくられる。

ヒトが「思考バイアス」に捉われてしまい、客観よりも主観(文脈やその時の感情)で動いてしまうことは納得。また、アブダクションの仕組みについて、幼児が言語を習得する過程の解説や、名著『100万回死んだねこ』の紹介はとても分かり易かった。
各種予約や支払手続きの際に、申請者がロボットではないことを確かめるために特定のテーマの画像を選択したり、歪んだ文字列を入力させることも、人間特有のアブダクションを活用した仕組みなのかも知れない。

後半でしっかり注意喚起されているが、薄っぺらい直観的な思考(本書では“システム1”と記載)だけで生きていくのではダメで、アブダクション推論と自分の思考を振り返る意識的な取り組み(本書では“システム2”と記載)を長年積み重ね“システム1”の精度を上げていくことが重要。

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2026年02月08日

Posted by ブクログ

今井むつみ入門書的な。
読みやすかったー

以下マーカー

●この世の中に、因果関係が断言できるものは、実はとても少ないかもしれない。そう知っておくだけでも、擬似相関を因果関係だと勘違いしてしまう危険性を下げることができる

●思い込みなしに世界と対峙できれば素晴らしいこと。でもそれは、できない。思い込みなしで世界に取り込まれたら、情報の海から溺れるしかないから。

●自分と他人の違いを認められない、物事を多角的に捉えることの必要性さえ感じない人が増殖してしまった社会は、とても危険

●人は「世界の誰かが持っている知識=私の知識」という認知バイアスを持つ傾向があることに、まずは気づくこと。

●大事なのは、それはほんとうは自分の知識ではないと自覚しておくこと
●自分自身でほんとうに知らなければならないことと、知らなくても他の人に頼ればいいことを、きちんと理解しておく。そして人に頼るならば、頼る相手を間違えない。

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2026年02月01日

Posted by ブクログ

人は世界をどう見ているか
・同じ写真を見ていても、人によって色の見え方が違うことがある。
・人は期待し予測しながらものを見ているため、 文脈によって見え方が変わる。
・「見落とすはずがない」と誰もが思う劇的な変化すら、他のことに注意を向けていると人は簡単に見落としてしまう。


人は世界をどう記憶しているか
・人間の記憶はあまりに脆弱で、ビデオカメラのように記憶することはできない。対象に名前がついただけで、そのモノ、コトの記憶が書き換わってしまうこともある。
・文字列を見ると人は意味を解釈してしまい、その解釈した意味しか記憶できない。


人はどのように思考しているか
・私たちは「自分は論理的に思考している」と考えがちだが、実は「必要条件と十分条件の取り違え」や「因果と相関の混同」のような基本的な間違いも頻繁にしている。
・何かが起こったときには、その原因を考えずにはいられない。しかしその推論も、ときに大きく間違っている。


人の思考は合理的か
・人間は、確率に基づいて考えるのが極端に苦手。 ちょっとしたことで、論理性や合理性を失ってしまう。
・基準率の確認や確率計算によって、妥当性を検討することが大事。
・正しく確率を把握できれば、パニックにならずに済むことも多い。


なぜ人は、偏ったものの見方をしてしまうのか
・私たち人間には、数え切れないほどのバイアスが存在する。
・アルゴリズムや生成AIなど、人間の思考バイアスを助長する技術は実は多く、いつの間にか思考を手放してしまう危険性がある。
・「バイアス=悪」ではない。人間の学習に役立つ側面がある。


 スキーマというのは、経験を自分で一般化・抽象化してつくった、暗黙の知識のことです。 言い換えれば人が無意識に持つ知識であり、知識の枠組みでもあります。実用スキーマというのは、そのスキーマの中でも日常の経験に関連するものを指します。先ほどの飲酒の問題はその一例です。
 私たちは多くの場面で、論理的思考よりも実用スキーマを使って判断をしていますが、一方で、「自分がスキーマを使っていること」に気がついていません。そこが落とし穴です。私たちは、スキーマを使っているということに気づかずに、スキーマのフィルターを通して情報を選択し、行間を埋めて理解し、記憶しています。


アブダクション推論と演繹推論
アブダクション推論
正解が一義的に決まらない、 論理の跳躍を伴う非論理推論。

母親に花束を渡したら喜ばれた。
母親はきっと花が(なんでも)好きだ。

演繹推論
論理的で、正解が一義的に決まる推論。
三段論法が代表的。

すべての生き物は水を必要とする。
バラは生き物である。
それゆえに、パラは水を必要とする。


アブダクション推論とは何か
・人間の情報処理能力・記憶に制約がある以上、 不完全で不正確な情報を補い、正しい結論にたどり着くにはアブダクションが不可欠。
・コミュニケーションが成り立つのも、質の高い学びができるのも、アブダクションが働くから。
・アブダクションによって、正しい・正しくないを超えた意味の世界に入っていくことができる。


科学の進歩は、アブダクション推論から生まれる

「高い山の頂上から貝殻が見つかった」

「山のある場所は昔は海で、 海底が隆起して山ができたのだろう」
(アブダクション推論による仮説)

[アブダクションの特徴]
結果から原因を推測する
「ある驚くべき事実 (山から貝殻が見つかった)」 を説明するための仮説や理論を発見、形成する
直接的な経験に限定しない (海底の隆起は経験できない)


アブダクション推論は、人間ならではの「武器」である
・幼児が母語を習得するには、アブダクション推論は不可欠。これがなければ、「ウサギ」というたった一つのことばすら、使うことができない。
・アブダクションの本領は、「知識を創り出す」ことにある。〔点〕を〔面〕に広げ、すぐには結びつかない離れた分野の知識を結びつけ、時間を遡って目に見えないメカニズムを考える。
・人間と、AI、動物は、推論のしかたが違う。人間が自然に行っているアブダクション推論こそ、人類の進歩を生み出してきた。


アブダクション推論の精度を上げるには
・システム1の直感的な思考は普通に生きていく上で不可欠だが、ときに致命的な間違いを犯す。
・システム2はよりよい判断のために不可欠だが、時間がかかる。
・システム1の思考をシステム2で振り返り、自分の思考の特徴や傾向を知る訓練を通して、より質の高いシステム1の思考ができる。


記号接地問題
「まったく意味のわからない記号の意味を、 他の、やはりまったく意味のわからない記号を使って理解することはできない」
認知科学者 スティーブン・ハルナッド


 では、対象と記号との対応づけができれば、記号接地ができたことになるのでしょうか。
 ロボットに触覚センサーや嗅覚センサーをつけて、感覚を持たせるという試みが、今、盛んに行われています。感覚センサーと外界を紐づけようとしているわけです。では、それらが紐づけられたとしたら、AIは記号接地ができるようになるのでしょうか。AIは、「意味」がわかるようになるのでしょうか。
 私は個人的には、AIが意味を理解するようになるとは思いません。というのも、人がなぜ記号接地できるかといえば、感覚と対象、外界を単に紐づけるだけではなく、意味を理解しようとする過程自体が記号接地だからです。
 たとえばAIは、リンゴの写真は処理し、認識できます。今後、香りセンサー、触覚センサー、味センサーなどをつけて、それぞれを処理することもできるようになるかもしれません。ただ、それをどのように統合するか。これはなかなか難しい問題です。進歩はしていますが、道は遠いと感じています。
 一方で人間は、たくさんの感覚器官(センサー)から一気に情報を習得し、それを統合するということをつねに行っています。「リンゴという体験」を、自分の身体の一部にできる、 つまり記号接地できるのです。
 人間がなぜ、マルチモーダル(異なる種類の感覚データ)な情報を得て、脳で別々に処理した上で、統合された形で身体化するということが自然にできるのか。これはまだ解明されていません。これは「束縛問題」と呼ばれ、心理学・脳科学の未解決の課題となっています。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

AIか生み出すのは、一般人の平均値。
唯一無二のパフォーマンスを生み出せるのは、
人間である。

認知心理学である、筆者の言葉である。

AIが急速に、社会全体に浸透する現在。
AIに仕事が奪われる、AIで何ができるのか、疑心暗鬼という方も多いと思われる。

AIの特徴として
・AIが真似できるのは、超一流でない熟達者
・AIは、過去のパフォーマンスの再現

そして、意味がある逸脱ができるのは人間だけ、と述べている。

さらには、
・突き詰めること、好きという気持ちが、超一流の達人になるのに必要
・好きのある人間には、超一流の扉が開かれる
・迷ったときは、自分の好きや得意に目を向ける

と述べている。

★最後のメッセージとして

得手に帆を上げろ!

好きだけではなく、充実感を得られるか、大変だけど、乗り越えた喜びを感じられるか

これらを大切にして欲しいと主張している。

何かにチャレンジしたい方にオススメの本。



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2026年01月23日

Posted by ブクログ

今井むつみ先生の今までの本がぜんぶまとまっているような内容!一番始めにこれを読んで、派生していくと定着しやすそう。

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2026年01月16日

Posted by ブクログ

【スキーマ】経験と知識から心の枠組みを作る。消防車を見て、火事を消火し、人を救出するイメージを浮かべる。【アブダクション】不完全な情報から仮説を推論する。道路が濡れているのを見て、雨が降ったと推測する。【記号接地】身体的感覚が言葉に結び付く。「熱い」と聞いて、やけどの体験を想起する。…AIが持っていない人の能力。唯一無二のパフォーマンスを発揮できるのは人間。どんなに科学が発展しても機械には任せきれない価値がある。心理学を学ぶことで、技術も知り、哲学を思う。バイアスという欠点をわかったつもりで考え続ける。

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

今井先生の温かいメッセージな響く
システム1、2については知っていたが、どっちも人間にとって不可欠な思考回路。心のどこかで、システム1で反応してしまう自分をダメだと思っていたけれど、そんなことはない!
人間の不確実性、不安定性をまた新しい角度から知ることができました。
ゴリラの実験、めっちゃ引っ掛かりました(笑)

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2025年12月31日

Posted by ブクログ

・「熟慮」と「直観」の使い分け
人間の思考には、直感的で速い「システム1」と、論理的で遅い「システム2」がある。現代社会では直観による誤認(バイアス)が生じやすいため、重要な局面では意識的に「熟慮」のスイッチを入れる重要性を説く。

・「自分は正しい」という思い込みの打破
人は自分の信念に合う情報ばかりを集める「確証バイアス」に支配されやすい。自分の知識がいかに断片的で不完全であるかを自覚する「知的な謙虚さ」が、正しく判断するための出発点となる。

・スキーマとステレオタイプの功罪
過去の経験に基づく知識構造(スキーマ)は効率的な理解を助ける一方で、偏見や先入観を生む原因にもなる。枠組みに縛られず、目の前の事象を多角的に捉え直す「クリティカル・シンキング」の技法を提示する。

・感情と意思決定の密接な関係
合理性だけで人は動かない。感情は意思決定を邪魔するものではなく、価値判断の指針となる重要な要素である。自分の感情がどこから来ているのかを客観的に観察する「メタ認知」の必要性を強調する。

・学び続ける姿勢と「知の更新」
知識は一度獲得して終わりではなく、常に書き換えられるべきものである。正解のない問いに対し、安易な答えに飛びつかず、矛盾や葛藤を抱えながら考え続ける「ネガティブ・ケイパビリティ」の重要性を説く。

・より良く生きるための認知の技術
認知心理学の知見は、単なる学問的知識ではない。自分や他者の心の動きを客観視する「心の道具」として活用することで、人間関係の摩擦を減らし、人生の岐路でより納得感のある選択ができるようになると結論づけている。

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2026年04月19日

Posted by ブクログ

鈴木宏昭先生(故人)の名著であり、私のバイブルでもある『教養としての認知科学』と言う本がある。
今井むつみ先生による本書『人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学』は『教養としての認知科学』の内容と、かなり重複しつつも、より平易に読みやすく仕上がっている。

『インビジブル・ゴリラの実験』、『4枚カード問題』、『リンダ問題』など、認知科学を取扱う際には定番の実験や検証が取り上げられていて、いずれも既知の内容なのに、やっぱり面白い(し、自分は思い込みが強いことを何度も思い知る)。

『教養としての認知科学』と異なるのは、現代の本らしく、AIと人の認知能力的な差異をトピックスに取り上げている点。情報処理能力では、もはやAIの足元にも及ばず、まして『思い込み』や『バイアス』という不完全性を持つ人類の存在意義はどこにあるのか。本書の見解には大いに賛同できる為、是非、内容を確認してほしい。

認知科学の世界に馴染みのある人には、基本的すぎて、少しインパクトに欠けるかも知れない。しかひ、そうでない入門者にとっては、入り口となる第一歩に、相応しいレベル感の一冊と思われる。

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2026年04月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アブダクション推論=論理の飛躍を伴う非論理的な推論。
演繹推論=三段論法など。

シャーロック・ホームズはアブダクション推論をしている。
アブダクション推論がなければ、コミュニケーションが成り立たない。
裁判官はアブダクション推論が必要。

AIはアブダクションをしない。
AIは記号接地をしない=まったく意味のわからない記号の意味を、他の、やはりまったく意味のわからない記号を使って理解することは出来ない。AIは、別の意味がわからない記号に置き換えているだけ。
AIは意味を考えているのではなく、確率を計算しているだけ。予測のメカニズムがわかっているわけではない。
AIができるのは、超一流ではない熟達者のマネができる。

得手に帆を上げる=好きなこと、得意技をやる。好きなことでも辛いことがある。苦労、困難がある。好きなことなら耐えられる。

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2026年01月26日

Posted by ブクログ

1 感情がなく、『好き』のないAIには、『突き詰める』ことができない。
2 『好き』がある人間には、一流への扉が開かれている。
3 仮説検証の数を増やして、アブダクション推論の精度を上げる。
4 学習データが存在しないの独創的な領域に踏み出すことができる。
5 それが超一流である、
ということかな、と理解しました。

なお、タイトルは『人生の大問題と…』となっていますが、『人生の大問題』自体は出てこないので、誇大なタイトルだったな、という印象が有ります。

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2026年01月24日

Posted by ブクログ

7割ほどは認知心理学としての知識の話。
人によっては少し眠たくなってしまうような内容ですが、なぜそれがAI時代を生きていく人間として必要な知識なのかというのが終盤にまとめられている。

バイアスというネガティブな印象しかない言葉が、
実は人間として成長して、新しい創造をしていくために必要なものであるという点はなるほどと感じ、

それを認知しておけるかどうかというのは、ゆくゆく何か大きな学びに繋がりそう

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2026年01月18日

Posted by ブクログ

内容は知っているものが多かったが、短く分かりやすく纏められていた。認知心理学が脳や頭の中に着目していて、行動経済学はその結果起きることに焦点を当てているから、行動経済的関連の本と内容が一部被っていたんだろうなと思う。

この本の独自なメッセージは、AIは平均値を出すけど、人間は唯一無二のことを出せる、という箇所だと思う。そうだなー、Chatgptすごいなー、と感心してるだけではいけなかったんだ。でもなかなかシステム2を使って熟考することって日常でほぼ無い。ちょっとした場面でアブダクション理論を使ったり記号接地を意識してみよう。

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2026年01月11日

Posted by ブクログ

自分の思考バイアスが働き
物事を自分の都合よく見ていることがあると
知っていることが大切だと思った。

違う見方はないのかを考えることも大切

一般人と一流の違いは
アブダクションの精度にある
→直感的に考えたことを、後で振り返る
そうすることによってアブダクションの精度が上がる
避難訓練なども、いろいろなことを想定して行い、後で振り返ることが、のちに起こるかもしれない災害に対応できるのだと思った


感情で動くことは悪いことではない。
でもそれを後で熟考することが大切だと思った

得手に帆を上げろ
初めて聞いた言葉だったが、
自分の得意なことをやる。
得意が見つからない時は、
今目の前にあることを一生懸命にやる。
そうすると道が開けると思った

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2025年12月30日

Posted by ブクログ

人間はバイアスがあるからこそ、AIとは違い、意味のある逸脱ができる。
AIにはない「好き」という感情があるから、突き詰めることができる。
「得手に帆を揚げろ」。人生には困難が多い。それは嫌いなことをやっていても好きなことをやっていても変わらない。それなら、自分の得意なことや好きなことに目を向ける方が良い。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

【星:3.5】
認知心理学とはどのような学問なのかを説明した本なのだと思う。

認知心理学とは大体こんなものなのだろう、ということはなんとなくわかったが、全体的に内容が頭に残らない感じである(「記号接地」というワードぐらいしか頭に残らなかった)。

私の読解力不足もあるのだろうが、読むに従って、なんか認知心理学と話題が逸れていっている気がする。

タイトルの「人生の大問題と正しく向き合うための」という部分についてはほぼ感じなかった。

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2025年12月18日

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