今井むつみのレビュー一覧

  • ことばの学習のパラドックス

    Posted by ブクログ

    こどもがどのようにして言葉を学習していくのかという命題に対してさまざまな研究結果をまとめつつ著者自身の研究をベースに新たな理論を打ち立てている
    制約という考え方が広く受け入れられていた状態に対するアンチテーゼとしての「パラドックス」という表現かなと思う

    0
    2025年10月13日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    『言語の本質』で一斉を風靡した今井むつみ氏による、子どもの「学力」とはなにかという根底を問うた本。
    今井氏が強く推す「記号接地」という概念、ここに大きな社会課題解決があると感じます。

    0
    2025年10月13日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    記号接地の大切さは分かった。
    ってか分かってました。
    それを記号接地ということは、初めて知った。
    勘のいい先生なら何となく分かると思う。
    言葉は車輪のようなものなんだろう。
    地面についていないと進まない。
    空中で回っているようじゃだめなんだ。
    使えて初めて役に立つ。

    スキーマの間違いは、経験の豊富な先生なら意識して授業していることだろう。それを正そうと工夫して話しているだろう。

    「繰り返しやれば、できるようになる」は間違い、には心から賛同。繰り返しやらせる無意味さは経験すれば分かる。

    でもなー、
    そのために遊ぶのか…。
    んー、むずい。

    たぶん何でもかんでも遊べばよいのではないに違いない

    0
    2025年10月10日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

    Posted by ブクログ

    人は、育ったバックボーンは異なるし、時代や文化が異なる。でも、互いに同じと考えてしまうことによって、伝わらない、という現象か発生してしまう。
    そう理解することによって、コミュニケーションが円滑に進められるといいな。

    0
    2025年10月01日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    「学力喪失」、すなわち「学ぶ力」の喪失ということで、学ぶことに焦点を当て、それは記号を接地することなんだ、ということ。記号接地はおそらく「腹に落ちた」とか「手足のように使える」とかそういう感覚なんだろう。子どものまなびを主題に据えているが、これは大人でも変わらない構図であり、そして大人でも遊ぶように学ぶことを意識した方がいいのかもしれないな。

    0
    2025年09月29日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

    Posted by ブクログ

    認知心理学とその具体例を分かりやすく書いてある本です。人間は、バイアス(偏り)も分析も必要で、結論はバランスが大事ということなのかなと思いました。

    0
    2025年09月29日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    記憶とは何か、学力とは何か、知識とは何か。
    人間が生きた知識を身につけるプロセスとともに、なぜ子供が学校の授業に躓いてしまうのか、どうすれば躓きを解消して知識を身に着けていけるのか。
    子どもたちがどれだけ難しいことをしているのかがよくわかる。
    どうしてこんなこともわからないのか?と思うこともあるが子供からしたら「そんな事」がいかに難しいか。

    0
    2025年09月27日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    全ページが面白くて貪るように読んだ。知育とかって言うけど目指す先はどこなんだろう、ということを考えるきっかけになったし、乳幼児が言語を習得するプロセスについても学びを得られる。去年の本なので、生成AIとの付き合い方など鮮度の高いトピックがあるのもいい。認知科学という分野が面白すぎて、心臓がバクバクしてる。今井さんの著書は全部読んでみたい。

    0
    2025年09月24日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

    Posted by ブクログ

    素晴らしかった!一気読みした新書。
    筆者の慶應SFCの最終講義。
    人間の認知力がいかに危ういか、一方で人間の認識方法がいかに優れているかを教えてくれる名著。

    人間は2つのシステム(①直感的な思考(間違いが多い)と②熟慮による思考(判断が遅い))で思考しており、デフォルトは①だと言う。間違いが多い①の精度を鍛えるには、②の熟考で振り返る訓練をすることだ。「瞬時に無意識に行動できるまで、訓練を続けて身体に落とし込むこと。それが、システム①の直観を磨きます」との筆者の言葉には強く頷く。

    最後にコロナ禍で活躍された尾見さんが残した言葉、「得手に帆を揚げろ」が紹介されている。どこに行っても生きている

    0
    2025年09月23日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

    Posted by ブクログ

    記号接地問題 記号(単語)がどうやって現実の意味と結びつくか、という未解決問題。身体的経験や感覚との対応(接地)が必要ゆえに人工知能は記号同士のつながりは扱えるが、身体を持たないため「本当に理解しているのか?」は答えが出ていない。

    子供やオノマトペから抽象的な言語を身体の一部にしていく「ブートストラッピング・サイクル」知識が知識を生み雪だるま式に知識を成長させていく仕組み
    アブストラクション推論 仮説を出して答えを予測
    ヒト 対称性推論(A→BならB→Aであると思考)を言葉のわからない赤ちゃんの時からやってる
    →チンパンジーはしないが1匹だけするやつがいた

    「人間はあることを知ると、その知

    0
    2025年09月16日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

    Posted by ブクログ

    「話せばわかる」とはどういうことか?
     そもそも「話せばわかる」というとき、私たちは何をもって「わかった」としているのでしょう。
    「相手の話がわかる」ということを、段階を踏んで表現すると、
    ①相手の考えていることが
    ②言語によってあなたに伝えられ
    ③あなたが理解をすること
    といえます。
     ここで問題となるのは、それぞれの頭の中をそっくりそのまま見せ合ったり、共有したりすることはできない、ということです。
     それは単に「言葉によってすべての情報をもれなく伝えることはできない」というだけではありません。
     言葉を発している人と、受け取っている人とでは、「知識の枠組み」も違えば「思考の枠組み」も異

    0
    2025年09月12日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

    Posted by ブクログ

    内容は著者の新書等で書かれていること。表現を平易にして、ポイントを絞って文量も少なめ。中学校1年生の次男がサクッと読める文量。彼の中に何かしら得るものがあったことを期待したい。

    1
    2025年09月07日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

    Posted by ブクログ

    最後の章の「得手に帆を上げろ」というフレーズほんとに良かったAI時代に人生という大きな問いと向き合うためにAIと人間の思考方法を述べてこの本の集大成という感じがした
    本書の中ではバイアス、ヒューリスティック、記号設置、システム1,2などの用語が丁寧に解説されていて、人間とAIの思考の違いはアブダクションにあるという主張だった。
    確かに考えてみると、大規模言語モデルのAIは大量の言語データを学習して、特定の言語の次には何が来るかというのを確率や統計的に出力しているだけで、それは人間の思考方法でいうところの帰納的推論に他ならない。
    言語というのは世界の情報を圧縮して削ぎ落とした記号だという話も面白

    0
    2025年09月05日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

    Posted by ブクログ

    ゆる言語学ラジオをよく聞いているので被る内容も多かったけど、文字で読むことで改めて整理されるところもあった。
    言語の本質、ほぼオノマトペの話だった。
    帰納推論とアブダクションの違いがまだよく分かってないからもう少し勉強したい。

    0
    2025年09月02日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    子どもはなぜ文章題が読めないのか。

    そもそも文字の理解とは?みたいなところから進めていってめちゃくちゃ面白かった。
    後半の実践も事例が多くてとても勉強になった。

    0
    2025年09月02日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

    Posted by ブクログ

    人間に抱いていた一切の甘えや期待を捨てることができる本。結果、コミュニケーションのもどかしさは激減した。人間の脳みそって適当なんだ。みんな適当なんだ。細かいとこにネチネチこだわるのはやめよう。1GBに私のことを保存していてくれてありがとうの気持ちでいよう。

    似たような経験を積んできた人と関わるのはとても楽だし安心する。ただ、「何となくみんな伝わってるし、分からない少数派が合わせにくればいい」という考え方でやっていると自分の成長も止まるし相手も組織も確実に腐っていく気がした。
    “空気を読む”以前に、考えを伝える力というか責任のようなものを教わって世に出ていかないといけない気がした。受け取る脳み

    0
    2025年08月31日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    初年次教育に携わるようになり、「学力とは何か」「なぜ分からないのか」に直面する機会が増えた。
    本書はその疑問に認知科学の視点から丁寧に応えてくれる一冊。

    具体的には「どうしてわからないのか?」という問いへの解像度が上がる。
    『言語の本質』でも印象的だった「記号接地」という概念が、学習における「わかる」の本質を考える手がかりとして本書でも中心に扱われている。
    また、生成AIの限界やハルシネーションの話も、人間の学びと対比する形で明快に解説されており、非常に興味深かった。

    「時間」の概念につまずく娘のサポートにも役立つヒントがあり、教員としても親としても気づきをもらえた点がありがたい。

    アク

    0
    2025年08月29日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

    Posted by ブクログ

    トップページに表示されたので、何の気なしに聴き始めたのだが、抜群に面白かった。オノマトペ論を中心に、世界の言語の共通性を知り、言葉の使い方というものをもっと考える必要性を感じた。自分が選び話した言葉により、相手を感じ方は変わる。言い方や言葉遣いだけでなく、一つ一つの単語も大切にしなくてはならない。直接的にではないが、医療面接においても役立つ一冊だろう。

    0
    2025年08月28日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

    Posted by ブクログ

    言語の本質は何か。人間だけが言語を操るのはどうしてか。このような問いにわかりやすい仮説を提示してくれる。ひとつが、音声で外界の様子を模写していたものがだんだん言語に発展した「オノマトペ言語起源説」。知覚経験から知識を創造し、その知識を使ってさらに知識を成長させ知識の体系を自己生成性的に成長させていく「ブーストラッピング・サイクル」の能力。そしてこの「ブーストラッピング・サイクル」駆動させる、知識を想像力によって拡張したり、もっともらしい説明を与えようとする「アブダクション推論」をする能力。これらの組み合わせにより人類は言語を発展させてきたと著者は説明する。
    この仮説は、何故人間だけが言語を持っ

    0
    2025年08月26日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

    Posted by ブクログ

    認知科学に関する見慣れない語句が頻出.しかし、人間が言葉を覚えて駆使する過程が綿密に描写されており非常に楽しめた.記号接地という語句も児童が分数を理解できていない文脈で登場したが、面白い概念だと感じた.人工知能との関連も興味深い内容だった.「たつじんテスト」「時間どりじゃんけん」「時計カルタ」「分数のたつじんトランプ」など工夫された教材の紹介も良かった.p298にある‘’子どもが基本概念に自分で接地をし、アブダクションによって知識を拡張していくことができるなら、何から何まで直接教えてもらわなくても、自分で新たな知識を、それも「生きた知識」をつくっていける‘’が核心だと思った.

    0
    2025年08月26日