今井むつみのレビュー一覧

  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    日常でよくある“伝わらなさ問題”を、認知科学の視点から驚くほどクリアに解説してくれる一冊です。

    この本のおもしろさは、単なる「伝え方テクニック本」ではなく、“なぜ人はそもそも理解し合えないのか”という根本原因に切り込んでいる点にあります。
    著者は、私たちの頭の中にはそれぞれ固有の“概念の地図(認知地図)”があり、同じ言葉を使っていても、その地図の違いによって認識がズレる、と説明します。
    つまり「伝わらない」のは能力不足ではなく、脳がそういう仕組みになっているから起こる現象だということ。

    さらに面白いのは、「説明」と「学び」が最初から噛み合わない理由を、言語習得研究や子どもの学習過程の事例を

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    2025年11月30日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    めちゃくちゃ読みやすい。専門用語もまあまあ出てくるが、巧みな例えを使いながら意味を分かりやすく説明してくれるので、最後まで詰まらずに読めた。
    前半は、オノマトペと普通の言語、それ以外の事象とを比較しながら、オノマトペの持つ性質や、子供の言語習得にもたらす影響について迫っていく。
    後半は、アブダクション推論にテーマをおいて、子供の言語習得を促す足掛かりを考えていった。
    基礎知識や既存の研究を提示し、新たな問いを立てていく流れがスムーズで、言語学に触れたことがなくても面白かった。

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    2025年11月25日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    2024年の新書大賞作でもある本書は、慶應義塾大学環境情報学部教授と名古屋大学大学院人文学研究科准教授による共著であり、言語はどのように進化してきたのか、人間はいかように言語を理解するのか、について書かれています。

    共著といっても、章ごとに別分担で書かれたのではなく、全章共同執筆されているのもおもしろいです。

    テーマを解き明かす鍵は、帯に書かれているとおりですが「オノマトペ」と「アブダクション推論」。

    鈴木孝夫『ことばと文化』においても「ことばによることばの「定義」は、教える人の経験と、教わる人の経験の差、および「定義」をする目的などの条件で千差万別の形をとり得」、やもすると循環論法にな

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    2025年11月22日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    複雑な現代を理解するためのライトを渡してくれる一冊。

    ”スキルよりもファンダメンタル(基礎)が大事でなのではないか”

    “では、「ビジネスにおけるファンダメンタル」とは何か。  そう考えたとき、本書でテーマにしている「コミュニケーション」こそが、まさに、「ファンダメンタル」なのではないかと思いました。”

    「うっすらと感じていたこと」が、的確に言語化されている。おそらく読書という行為はメタ認知やスキーマを強化する行為であり、作品をきちんと「鑑賞」することはファンダメンタルの強化につながるのだろう。三宅香帆さんとの読書論とも響き合っていた。

    今井先生のあとがきがめちゃくちゃ沁みた。現代を自分

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    2025年11月19日
  • ことばと思考

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    私がこの本を手に取ったのは、言語によって単語の語順が違ったり、日本語はしばし主語が省略されるが英語はされないなどと知り、それって思考にも影響するのかな?と疑問に思ったからです。
    この本の中には、色の名前、物の名前、動作、方向などの「語」の言語感の普遍性や違いが述べられており、私が想像してた「文」の違いが思考に及ぼす影響というのは出てきませんでした。
    そもそも語レベルの違いってそんなにないでしょうと当初思っておりましたがこんなにもあるのか、、!と驚き、新たな学びが得られました。
    思考との関係性についても様々な研究を例に説得力のある説明がなされており、言語と思考の結びつきを(私なりに少しは)理解で

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    2025年11月17日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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     オーディブルで

    とても興味深く読んだ。
    ぜひ、教育関係の方達、現場の方にも、教育行政に携わる方達にも知っていただきたいと思う内容だった。

    算数文章題が解けないのは、国語力、読解力が弱いせいと思っていたが、それだけではなかった。
    そもそも、数学にまつわる基本的な概念(例えば、分数であったり、1、0、マイナスなどの数の概念など)が記号接地(この言葉も今回初めて知った)できていないことにも原因がある。

    ただ、闇雲に学力テストをやって、点数を出しても仕方がない。間違った問題の何が理解できていないのか、そこを明らかにしてアプローチしていかなければ根本的な解決には至らない。

    そして、学習のための

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    2025年11月17日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    こどもの言い間違いを言語学的観点からみたとても読みやすい本。
    こどもは周りから聞いた言葉を真似したり使ってみたりするからこそ生まれる言い間違いはクスリと来るものが多い。
    だからこそ、こどもがいる場面では、正しい言葉とか綺麗な言葉遣いをした方が良い気がする

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    2025年11月11日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    子供の学力についていろいろな知見を得られた
    知識を覚えるだけでは死んだ知識になるので、生きた知識にするためにどうすべきか
    目の前の問題をどのように解くかのフレームワーク=スキーマの更新が必要
    一方で個々の要素だけを取り出して鍛えることはそれほど有効ではなく、複数の認知的要素を統合して鍛える必要がある

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    2025年11月11日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    『言語の本質』は共著であったこともあってかオノマトペについての内容が非常に多かったが、こちらは小中学生の、特に学力低位層におきている言語を通した知識が記号接地できていないことについて丁寧に書かれている。
    教育者は、PBLや自由進度学習などの著書だけでなく、やはりこういった認知心理学の著書にも手を伸ばしていけるとよい。

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    2025年11月06日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    今井先生の一般向け書籍はどれも言葉が平易で理解しやすいです。
    これも、子どもの言語発達を研究してこられた長年の経験に裏打ちされたものであろうと感じました。
    慶應SFCでの最終講義を書籍化したもので、近年出版され、ベストセラーになった書籍たちの内容をダイジェスト版です。従って、先にそれらを読み終わっている人には新しいことはそれほどないと思います。
    最後の章で、今井先生が研究者の道に入った頃の話をされていますが、これはこれからどう生きていこうか途方に暮れている若者はもちろん、今までの自分に後悔したり、嘆いたりしているわたしのような中年の人にとっても、響くものがあるように思います。

    この本を読んで

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    2025年10月31日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    息子が小さいころ、「行く」と「来る」の使い分けがごっちゃになってたのを思い出した。自分が友だちの家に向かうときに「ぼくが来るね」など。
    どちらも移動するシーンを動詞で表したものだから曖昧に感じたんだ!となんだかスッキリ。

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    2025年10月29日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    オノマトペと言語習得の過程を通して、記号接地問題に迫り、言語の本質を垣間見る。言語関係の研究に触れると、意識や認知、AIなど、様々なジャンルで深い洞察が得られる。特に、人間の脳のメカニズムとAIというのは、基本的にはすでに同じプログラムになっており、ただ、そのベースとなる部分が、人間の脳は進化の過程において積み上げられたルールに支配されている、ということではないかという考えを、本書を読んでより強くした。

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    2025年10月24日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    言語とランニング両方の上達に興味がある自分にはドンピシャな本だった。為末さんの陸上経験から来る様々な気づきからの質問に今井先生が答える形式なのだが、共通点が多すぎて驚きだった。

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    2025年10月17日
  • ことばの学習のパラドックス

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    こどもがどのようにして言葉を学習していくのかという命題に対してさまざまな研究結果をまとめつつ著者自身の研究をベースに新たな理論を打ち立てている
    制約という考え方が広く受け入れられていた状態に対するアンチテーゼとしての「パラドックス」という表現かなと思う

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    2025年10月13日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    『言語の本質』で一斉を風靡した今井むつみ氏による、子どもの「学力」とはなにかという根底を問うた本。
    今井氏が強く推す「記号接地」という概念、ここに大きな社会課題解決があると感じます。

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    2025年10月13日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    ネタバレ

    記号接地の大切さは分かった。
    ってか分かってました。
    それを記号接地ということは、初めて知った。
    勘のいい先生なら何となく分かると思う。
    言葉は車輪のようなものなんだろう。
    地面についていないと進まない。
    空中で回っているようじゃだめなんだ。
    使えて初めて役に立つ。

    スキーマの間違いは、経験の豊富な先生なら意識して授業していることだろう。それを正そうと工夫して話しているだろう。

    「繰り返しやれば、できるようになる」は間違い、には心から賛同。繰り返しやらせる無意味さは経験すれば分かる。

    でもなー、
    そのために遊ぶのか…。
    んー、むずい。

    たぶん何でもかんでも遊べばよいのではないに違いない

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    2025年10月10日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    「学力喪失」、すなわち「学ぶ力」の喪失ということで、学ぶことに焦点を当て、それは記号を接地することなんだ、ということ。記号接地はおそらく「腹に落ちた」とか「手足のように使える」とかそういう感覚なんだろう。子どものまなびを主題に据えているが、これは大人でも変わらない構図であり、そして大人でも遊ぶように学ぶことを意識した方がいいのかもしれないな。

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    2025年09月29日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    記憶とは何か、学力とは何か、知識とは何か。
    人間が生きた知識を身につけるプロセスとともに、なぜ子供が学校の授業に躓いてしまうのか、どうすれば躓きを解消して知識を身に着けていけるのか。
    子どもたちがどれだけ難しいことをしているのかがよくわかる。
    どうしてこんなこともわからないのか?と思うこともあるが子供からしたら「そんな事」がいかに難しいか。

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    2025年09月27日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    全ページが面白くて貪るように読んだ。知育とかって言うけど目指す先はどこなんだろう、ということを考えるきっかけになったし、乳幼児が言語を習得するプロセスについても学びを得られる。去年の本なので、生成AIとの付き合い方など鮮度の高いトピックがあるのもいい。認知科学という分野が面白すぎて、心臓がバクバクしてる。今井さんの著書は全部読んでみたい。

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    2025年09月24日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    オノマトペへの好奇心が言語自体の変化や習得に関する研究への入り口になったという点が面白かった。記号接地問題がその中心にあり、AI研究へと繋がっているので、予想外に広範囲な学びとなった。

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    2025年09月22日