今井むつみのレビュー一覧
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「人間とAIの違いは?」「人間はAIよりも劣るのか?」という疑問に対して、人間特有の認知方法(アブダクション)について解説するとともに、その認知手段をうまく活用することで、既存の枠組みからの「逸脱」が発生し、AIでは実現できない発見や創造がなされるとのこと。
そして、いつか「逸脱」を実現するために、自分の得意分野や興味あることに力を注いでほしいとの力強いメッセージで締めくくられる。
ヒトが「思考バイアス」に捉われてしまい、客観よりも主観(文脈やその時の感情)で動いてしまうことは納得。また、アブダクションの仕組みについて、幼児が言語を習得する過程の解説や、名著『100万回死んだねこ』の紹介はと -
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今井むつみ入門書的な。
読みやすかったー
以下マーカー
●この世の中に、因果関係が断言できるものは、実はとても少ないかもしれない。そう知っておくだけでも、擬似相関を因果関係だと勘違いしてしまう危険性を下げることができる
●思い込みなしに世界と対峙できれば素晴らしいこと。でもそれは、できない。思い込みなしで世界に取り込まれたら、情報の海から溺れるしかないから。
●自分と他人の違いを認められない、物事を多角的に捉えることの必要性さえ感じない人が増殖してしまった社会は、とても危険
●人は「世界の誰かが持っている知識=私の知識」という認知バイアスを持つ傾向があることに、まずは気づくこと。
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Posted by ブクログ
人は世界をどう見ているか
・同じ写真を見ていても、人によって色の見え方が違うことがある。
・人は期待し予測しながらものを見ているため、 文脈によって見え方が変わる。
・「見落とすはずがない」と誰もが思う劇的な変化すら、他のことに注意を向けていると人は簡単に見落としてしまう。
人は世界をどう記憶しているか
・人間の記憶はあまりに脆弱で、ビデオカメラのように記憶することはできない。対象に名前がついただけで、そのモノ、コトの記憶が書き換わってしまうこともある。
・文字列を見ると人は意味を解釈してしまい、その解釈した意味しか記憶できない。
人はどのように思考しているか
・私たちは「自分は論理的 -
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AIか生み出すのは、一般人の平均値。
唯一無二のパフォーマンスを生み出せるのは、
人間である。
認知心理学である、筆者の言葉である。
AIが急速に、社会全体に浸透する現在。
AIに仕事が奪われる、AIで何ができるのか、疑心暗鬼という方も多いと思われる。
AIの特徴として
・AIが真似できるのは、超一流でない熟達者
・AIは、過去のパフォーマンスの再現
そして、意味がある逸脱ができるのは人間だけ、と述べている。
さらには、
・突き詰めること、好きという気持ちが、超一流の達人になるのに必要
・好きのある人間には、超一流の扉が開かれる
・迷ったときは、自分の好きや得意に目を向ける
と述べ -
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オノマトペとアブダクション推論、記号接地問題、ブートストラッピングサイクル をキーワードに言語の本質、人間の思考の本質への思索に至る大作?新書。
なぜ人類だけが言語を獲得できたのか、学習したことを逆方向の結びつきに過剰一般化するバイアスが鍵という。対称性推論も相互排他性推論も論理的には正しくないし、だまし絵や錯視を勝手に補正して非論理的に見せている人間の脳の働きこそが言語体系の獲得というエベレスト山頂にまで到達する。
人間とはかような非論理的で過ちを犯すからこそ、なおさら論理学という教養が重要視されるのだろう。
AIのことは少ししか出てこなかったけど、こういった人間の思考回路がより正確に理解で -
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「スキーマ」ってIT用語かと思ってたけど、心理学の用語でもあるんですね。伝わらない理由がスキーマを使って分かりやすく説明されています。
その他、様々なバイアス、直感による意思決定、記憶における具体と抽象など興味深い内容が続き、いろいろと納得できました。
一人ひとりスキーマが異なるから伝わらないんですね。でも日本のようなハイコンテクストな世界だと、そのことを常に意識していないと、「話せばわかる」とつい期待しちゃいますよね。
ラスト50ページくらいはちょっとハウツー本のようになってしまうけど、主題はそれまでの分析部分だと思います。面白かったです。 -
Posted by ブクログ
スキーマとは言語化できない直感的な理解。暗黙の知識。今までの経験から学習者が無意識のうちに作り上げた「知識の塊」これがスキーマ。概念を理解するための枠組みとなる知識。
スキーマは情報を選択する。スキーマに合わない情報はすぐ目の前にあっても、丁寧に説明されても頭に入ってくることはない。学び手のスキーマと合致していなければ、内容はスルーされるか捻じ曲げられてしまう。誤ったスキーマを持っている場合、それを修正するところから始めないと、理解に結びつかない。
読解の中身
①文字の認識→単語の認識→単語の音声変換
②脳内の意味貯蔵庫にアクセスし、言語の意味を想起
③文法の知識と単語の知識を組み合わせ、文