今井むつみのレビュー一覧

  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    ノリと雰囲気で語られがちな、「学力が追いつかないとはどういうことか?」を、構造的に言語化してくれた良書。という意味で、学校教育にかぎらず、むしろ仕事における「日々学んでいくために何をどうすべきか?」の補助線を示してくれる一冊でもある。

    ただ、AIと人間の差分についての語りが、既に古びて見えてやしないか?それこそ「AIは自ら思考できない」というスキーマに入れ過ぎじゃないか?と思える主張が目立った点は気になった。

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    2025年10月07日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    この本を読んで、Chat-GPを使う時に、これも教えましょうか?と言うような展開になる事が多いけれど、何の抵抗も無く、お願いしますと、利用していた事に気がついた。

    おっと、危ない。
    これは思考が奪われていることを発見したよ。自分で考えること、直感力が大切だ。頼りきらないこと。読書が一番だね。

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    2025年10月06日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    子供の言い間違いって、言語を習得している最中だからこそのもので本当に面白い。
    一個だけ!「むかしむかしおじさん」は何のことだったの!?解説も、反復表現は程度を強調する効果があるって話にすぐ入ってしまっていて、何をさした言い間違いだったのかが分からなかった……。

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    2025年09月30日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    2023/6/12 読み終わった
    ゆる言語学ラジオで紹介されていたので。
    オノマトペの話はまあそうかなって感じでそこまでピンとこなかった。
    その後が視点だった。人間は偏見があるから、思い込みをするから言語を発達させたのだ!

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    2025年09月29日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    発達心理学者の今井むつみ先生が、言葉の力を育てるために保護者向けに書き下ろした本。私は発達支援の仕事の参考とするために読みましたが、行間も広く、読みやすかったです。著者の他の著作も読みたくなりました。

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    2025年09月26日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    ネタバレ

    「学習においてなぜ身体性がなぜ大切なのか」という問いのヒントになるかと思い本書を手に取った。読み終えて振り返ると、答えは大きく2つに整理できると思われる。

    ひとつは記号接地。抽象的な概念を生活や経験と結びつけ、実感を伴って理解することで、初めてその概念を自由に操作できるようになるという視点である。
    もうひとつは熟達のあり方。熟達とは多様な状況にほぼ無意識に対応できる力であり、熟達するためには、言語的な学びだけでなく、身体化していく必要があるからだろう。
    どちらも結局は「身体で学ぶこと」が、学びを柔軟に応用できる土台になる、という話なのかもしれない。

    今井むつみさんの著作はこれまでも読んでき

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    2025年09月23日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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     3章まではこれまでの著作で読んだ記憶があって、スムーズに読めた。『第4章AI時代の「考える力」』が初めて触れる知見だった。

     特に、『記号接地問題』は初耳だった。ChatGPTを使ったときに感じるグルグル感…あれは確かにメリーゴーラウンドだ‼︎

     AIをどのように使っていくのか、AIの時代にひとはなにをするのか、考えていくひとつの大きなヒントを得た。

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    2025年09月22日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    オノマトペへの好奇心が言語自体の変化や習得に関する研究への入り口になったという点が面白かった。記号接地問題がその中心にあり、AI研究へと繋がっているので、予想外に広範囲な学びとなった。

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    2025年09月22日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    大変興味深く読みました。子どものいい間違えは面白い。というか、もはや言い「間違え」ではない、という理由を、アカデミックな分析と軽快な語り口て伝えてくれます。
    スラスラ読めました。

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    2025年09月22日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    子供が算数などの義務教育についていけないメカニズムを、認知科学の視点で興味深く解説してくれる本です。一方で、大人になっても物事を理解できずに仕事で困るケースはあるもので、子供の話だけではないな、と感じる面もありました。社会に出て仕事を始めると、いろんな業界用語を使ってかかれた文章を目にすることになります。それらを「記号接地」せずになんとなく使って、なんとなく議論に入ることもできてしまいます。その結果どこかで行き詰まって、最終的に失敗するということが少なくありません。子供の教育の話ですが、大人としても考えさせられる部分が多かったです。


    AIが記号接地できていないこと、算数の問題が解けない子供

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    2025年09月20日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    認知心理学と言う言葉すら知らなかったが、論理的にいるつもりだった私は、結局はその時に都合よく認知している所に大きく影響を受けて物事を判断しているんだろう。と理解?しました。見えてるものが本当の真実のものとは限らない。バイアスは常にある、その事を俯瞰で理解しながら、仮説を検証しつつ過ごしていこう!もう一回読まなくちゃだねー

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    2025年09月19日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    人間の思考の偏りについてフラットに説明している前半と、それを踏まえた人間の思考の弱み強み、AIに勝る人間ならではの点、故に生きていく上で大切にすべき点を丁寧に記した後半の2パートから成る。

    経験知から成る人により異なるスキーマ(物事を認知する指針的なもの)から事象を捉えること、すなわちアブダクション推論により、人間は膨大な情報を限られた言語のもと認識、コミュニケーションしている。このアブダクション推論をより良いものにするには、AIにはない、物事を正確に多面的に理解する(記号接地する)膨大な過程が重要となる。一方で、瞬発的な判断(これもアブダクション推論の質次第で良し悪しが変わる)のもと、目の

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    2025年09月18日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    言語を学ぶ、複数の言語を操れるとはどういうことか、いろいろ興味深い考察があった。

    p19
    「高齢者の場合、マルチリンガルであることは、アルツハイマー病やその他の認知症の発症を4年から6年遅らせ「認知予備能」(脳が認知症の状態になっていても、症状が出にくい状態のこと)を強化する」

    p27
    「全世界に暮らす人の過半数がバイリンガルかマルチンガルだ。(略)
    ヨーロッパ、アジア、アフリカ、南アメリカの多くの国では、生まれたときから複数の言語に触れながら育ち、さらに学校で、あるいは大人になってからも新しい言語を習う。ルクセンブルク、ノルウェー、エストニアでは、人口の90%以上がバイリンガルかマルチリ

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    2025年09月14日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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     今井むつみ先生の著者を複数読んでいれば、簡単な復習にもなるし、読んでいなければ面白い知見がたくさんある本である。ただ、この本が他の著書と比べて秀でているのはその「メッセージ性」である。
     慶應の最終講義をまとめた本書は、これから社会に羽ばたく学生達へのエールの面が強く、そして優しさに溢れている。
     何か不安になったり、方向性を見失った時などに是非とも読み直したい一冊である。

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    2025年09月13日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    ビジネス本のレベルを超えた認知科学。
    質の良い大学の授業を受けている感じだった。良本。
    オススメです。

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    2025年09月12日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    今井むつみ著『学力喪失―認知科学による回復への道筋』は、子どもたちの学力低下問題を認知科学の視点から深く掘り下げ、その原因と回復の方法を示した重要な教育書です。本書の核心は、単なる知識不足や暗記の問題にとどまらず、「記号接地」と呼ばれる言葉や数式と実際の経験や身体感覚が結びついていないことが、学びの本質的な低迷につながっているという点にあります。

    まず、算数や数学の学習は単純な暗記や計算だけでなく、前の学びが積み重なってできている体系的な構造です。一部分でつまずくと、そのあとに続く学習全体が理解できなくなります。さらに、文章題の理解には文章を正しく読み解く語彙力や時間・空間の理解、論理的な推

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    2025年09月10日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    今井むつみ先生の最後の講義。
    認知心理学って人と向き合う学問なんだなって。

    得手に帆を立てる、覚えて起きたい。

    こういう人のキャリアを聞くと、偶然が重なってるように見えるけど、その時その時に懸命になってた事が幸運を呼んでるのよね

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    2025年09月09日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    AIの時代に何を学ぶべきか、それは「思考力」である。
    思考力を鍛えるためにどの科目を学ぶべきか、それは「国語」である。
    なぜなら、国語はすべての科目を学ぶのに必要となるからであり、ことばを知っていると、思考が楽になるからである。

    そのことを、私たちがどのようにして母国語を学んできたか、子どもたちの「アブダクション」を見てゆくことで明らかにしてくれる。

    いわゆる『ヤングアダルト』と呼ばれるジャンルであり、新書に比べるとかなり易しく書かれており、正直物足りない。
    しかし、このような本を読むと、今井先生ほどの知性が、中高生に対してどのように語るか、言い換えれば、中高生の知性をどのレベルに設定して

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    2025年09月01日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    ゆる言語学ラジオの水野さん著、今井むつみ先生監修の子どもの言い間違いが集められている本。ほっこりしながらも、解説により日本語の面白さを感じさせてくれる。

    自分の知っている数少ない言葉の活用を適用している間違いも多くて、改めて子どもの言語習得能力の高さと、この時期にしか得られない可愛さを大事にしたいと感じた。

    ▼なるほどと思った言い間違い

    ・パパ、いらなかったよ
    居るを使いたいところ、要ると同じ活用をしてしまった
    ゐゐゐるゐるゐれゐよ と らりりるれれの違い…懐かしい

    ・しんぱくない?
    寒い、眠いのような形容詞の否定「〜くない」を適用した

    ・64の前は65
    “前”を過去、ひとつ小さい数

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    2025年08月30日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    思ってたより科学書というか研究書みたいな感じだった

    自分の読みが合ってるなら

    「明るい様子を表すキラキラ」ではなく、
    「キラキラ」が先にあり、「キラキラしていることを表す明るい」になるのかと思った

    身体感覚に直結するオノマトペが先に生まれ、それが動詞化、名詞化を遂げていき言語世界を作っていった

    という話が詳細な実験を通して丁寧に、空想ではなく極めて論理的に科学的に説明されていくところが本書の最大の魅力であろう

    と思いました

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    2025年08月30日