今井むつみのレビュー一覧

  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    為末さんと今井むつみさんという言語化の達人二人の対談。
    非常にハイレベルな言語化能力を駆使して、かゆいところに手が届くような表現で、上達に関することなど様々なことを説明してくれている。

    基本的な概念が接地していることが大切。それさえできていれば、具体的なイメージを離れて抽象的な操作が自然とできるようになる。
    逆に設置していないと「記号から記号へ漂流してしまう」事になるのだ。

    上記はとても納得がいく。一つ一つの具体的なレベルでしか理解できていない人は、他に類推して考えることができないので、複数の経験を積んでも、一向にその人の中で積み上がりが起こらない。

    言葉が身体につながっていることはとて

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    2025年04月13日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    ネタバレ

    哲学者のように言葉に厳密で、教育の実践者である為末大さんと、認知心理学・言語発達心理学の専門家である今井むつみさんの対談は非常に面白く、新たな気づきを多く得られた。付箋を多く貼った。

    ・情報量が正確すぎて多すぎる映像に対して、ことばは受け手に合わせて編集し、ポイントだけを切り取って提示できる。受けてが解釈する余白を残せる。
     →自分で考え解釈した情報は知識となり、身体の一部になりやすい。
     →基本的な概念が身体や経験につながっているから、その先の抽象的な概念を理解できる(=「今ここ」を離れて想像により拡張できる)

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    2025年03月18日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    「言語の本質」、「学力喪失」などの著者が中高生向けにリライトしたもの。
    大変わかりやすく、アブダクション推論(仮説を組み立てる)や記号接地について書かれている。
    また、「情報処理能力」などは上記の本ではあまり触れられていなかったと思うので、「情報」と「知識」の違いも曖昧な自分にとって、ちょうど良く整理してくれたと思う。
    言葉の力、抽象的な言葉を知ることが学校の勉強には不可欠である。
    また、情報処理能力や実行能力といった言葉を使う中で育てられる力も大切だ。
    この本を高校生みんなが読んで理解できたら…学力低下の問題など雲散霧消してしまうだろうに。

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    2025年02月19日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    「爆笑のかんちがいに、ことばの本質が詰まっている!」~(そうだね)~「メタリックライス」が刺さって涙を流して笑った・・正解は「ターメリックライス」・・・そういえば我が娘も「カニ、キライ!」と言っていたが、両親が「蚊に喰われた」と喋っていたからだったっけ

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    2025年02月14日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    思考するとは何か? 人工知能が発達してきている今、改めて人間の思考力の大切さを説いた本。幼児が言葉を習得する過程を例に、知識を得るための思考とは何かを解説している。
    考えるためには言葉が必要、という部分にとても納得した。

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    2025年02月13日
  • ことばと思考

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    思考は言語に影響されることは重々わかっていたつもりだったが、影響されやすいカテゴリーがあることがわかった。位置関係の理解は言語を大いに使うため、失語症者は苦労することが容易に想像がついた。

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    2025年01月20日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    子どもの発想は面白い。言い間違えも本質をついているものもある。
    子どもが幼いときのいい間違えを、その場で直ぐに違うよって訂正してしまっていたが、この本を読んで、子どもなりに考えての発言だったのかと思うと、残念なことをしてしまっていたと思う。
    なんでその様な言い回しになったのかを考えると、子どもの見えている世界を感じれたのかもしれない。
    子どもが幼かった頃に戻って、いい間違えをメモしたくなった。

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    2025年01月11日
  • ことばと思考

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    ネタバレ

    ここ最近読んだ言語学関連の本でいちばん面白かった。

    言語が思考に影響を及ぼす例として、「文法的性」があげられているが、確かにそうかもしれないと思う。
    私は大学時代に文法的性をもつ言語を学んでいた際に単数形、複数形以上によく分からない概念だし、ネイティブの人はどういう感覚を持っているのだろうと疑問に感じていた。
    しかし、この文法的性と私たち日本人が使う助数詞は、ものを文法で決められたカテゴリーに分類している点で同じという説明を読んで考えが変わった。
    私たちが助数詞に対して持っているなんとなくのイメージや無意識下の使い分けを、ネイティブの人たちは文法的性に対してしていると考えるとすごく腑に落ちた

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    2024年12月05日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    メモ
    もうひとつの言語を持つのは、もうひとつの魂を持つに等しい-初代神聖ローマ皇帝カール大帝
    ドイツ語を話す人は、橋について「美しい、エレガント、壊れやすい、きれいな」と描写するが、スペイン語を話す人は「大きい、危険、長い、強い」といった印象を持つ。
    高齢者の場合、マルチリンガルであることは、アルツハイマー病やその他の認知症の発症を4年から6年遅らせ、「認知予備脳」(脳が認知症の状態になっていても、症状が出にくい状態のこと)を強化する。
    生涯を通じて見ると、2つ以上の言語を習得することは、脳の実行機能の向上につながり、大切なものに集中し、そうでないものを無視するのがより簡単になる。
    そして創造

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    2024年11月23日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    10代向けですが、わかりやすく大人でも参考になりました。
    (小中の保護者の方におすすめかもしれませんが、同著者の他の著書を読んでいる場合は重複する部分があるかもしれません。)

    身体的感覚を伴う記号接地から生まれる直感力、を磨くことが大切と感じました。

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    2024年11月16日
  • 英語独習法

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    英語を学びたく、学ぶなら効率良くという考えのもと手に取った。脳科学の視点から「学ぶ」ことの仕組みが解説され、とても面白かった。スキーマという言葉はメンタルケア分野の方面で使われていることは知っていたが、「学ぶ」時にも影響があると本書で知り、奥が深いなと思ったし、自分が興味を持っている部分との繋がりも感じられて嬉しかった。
    英語学習は進んでいないが、スキーマに注意して学ぶことは出来そうだ。

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    2024年10月25日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    この本を読んで、改めて言葉というものはすごいものだと思った。言葉の言い方、伝え方によって、こんなにも身体の動きに影響がでて、上手く動けるということにびっくりしました。わたしは語彙力がなく、人に伝えるのがとても苦手なのだが、自分でしっかり想像して、身近なものに例えて説明することで、理解してもらえるかもと自信がついた。また、語彙力を増やすにはたくさん本を読むことが大切だと、改めて気付かされたので、これからたくさん本を読んで、語彙力を増やし、自分で思考できるようにし、的確に他人へ自分の気持ちを伝えられるようにしたいと思いました。

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    2024年09月26日
  • ことばと思考

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    面白すぎる。言語で世の中は区切られている!(と自分は感じたが、言語に拘らず普遍的に通ずる概念もある、と本書では書かれていた。)左右がない世界、色が2種類しかない世界、10進法ではない世界は私には信じられないが、それで成り立っている社会が実際に存在することに衝撃を受けた。こんなに面白い本を1000円(自分は借りたので0円)で読んでいいのだろうか…。申し訳ないのでせめて自費で購入しようと思う。

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    2024年07月24日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    コロナがあって、人の顔や口や表情を見ながら話す機会が少なくなった。zoomやskypでは比較的一方通行の会話になりがちで、会話のキャッチボールがしにくい。画面越しで話を聞く際に、本質的に「耳を傾ける」動作が減った。家族の食事の時間がバラバラで、食事を摂りながらの会話が少なくなった。文字でのコミュニケーションは増えても、語彙は少ない。短文、単調、絵文字。空気を読む、正しいかの答え合わせは無い。もしくは間違えていた場合は、全て終わる。空気を読むのは、行間を読んだり行間を埋めたりする事とイコールでない。
    読書から得られる文章能力の個人差が顕著になっている?ネットニュースは、興味がある事ばかり出てくる

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    2024年06月07日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    為末さんは言わずと知れた元陸上選手。
    今井さんは言語心理学専門の教授。
    この2人の対談を元にした本。

    この本を読んだあとだと自分の言語化能力、具体化能力の低さにがっかりするのですが、とても面白かったです。
    もともと、具体と抽象の行き来には興味があったのですが、それに加えて為末さんが体の動きを言語化してくれるのがずっとスポーツ(バレーボール、テニス、ランニング、今はフィットネス系キックボクシング)をやってきた私には体感的に腑に落ちる表現がたくさんありました。

    教える時に情報量の多い映像を見せると処理しきれないけれど、熱いフライパンの上を走るように、というとできるようになる、とか、すごくわかる

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    2024年02月22日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    分けて分けて、統合
    ことばことば、からだ
    からだことばからだ
    からだからだ
    ことばからだ
    鶏と玉子

    面白くって一気読み

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    2024年02月10日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    本書を読んで、言葉の力を改めて実感することができました。言語になっていることで、思考や行動に変化を生み出せることや、言葉の使い方次第で体の挙動を理想の形に近づけることができることがすごく良く分かります。
    このお二人の会話は、とても興味深く、私はいつまでも聞いていたい。
    為末さんは、みなさんご存知の陸上ハードル競技で日本の代表選手として活躍した方です。アスリートの多くは専属のコーチをつけて、自らの技をより高みに押し上げるスタイルをとってますが、為末さんはコーチをつけずにセルフコーチングで自らの体を鍛錬してきた人です。言葉の選び方、使い方を意識して活用することの大切さを語ってくれています。運動ので

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    2023年12月09日
  • ことばと思考

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    ゆる言語学ラジオを聴いて興味を持ち手に取った今井むつみ先生本。ラジオ内で語られていた内容がちょくちょく出てきて、相乗効果で楽しめた。
    言語によって認識の仕方や思考に影響が出るという話は、非常に興味深い。言語によって世界にそれまで無かった線を引く、ってこととかすごく腑に落ちる。いやー、おもしろいわ。高校生がこれ読んだら言語心理学とか認知科学とかの道に進みたいって思ったりするんじゃなかろうか。文系学問もおもしろいなって改めて思えた1冊。

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    2023年12月05日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    動きを描写する方法でいちばんいいのはことばなのです。

    気になるのは、以下です。

    ■ことば
    ・同じことばでも、学習者のレベルによって有効である場合と、ない場合があります。
    ・コーチングのうまい人は、学習者のレベルによってどのようなことばが的確かを直観的に判断し、巧みにことばを使う人が多い。
    ・映像では情報量が多く正確すぎ、人間の処理できる能力を超えてしまっている。ことばは、いちばん大事なところをスポットライトを当てることができるので、表現方法としては、いちばん適しているのではないか。
    ・人間の認識や認知にはくせがあり、同じものを見たり、同じアドバイスを受けても、受け取り方が人によって異なると

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    2023年11月16日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    幼児期の子供の言葉について題目が気になり読んでみました。
    まさか赤ちゃんから小学生(いや、もしかしたら高校生?大学生?)まで読み聞かせが大事な事
    私自身も小学生の時から文章問題がちんぷんかんぷんだった頃を思い出し語彙力の大切さを改めて知りました。
    あまりにも学べる事が多すぎた一冊で…。
    この本に出会えて良かったなと思いました!

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    2023年11月07日