今井むつみのレビュー一覧

  • 言葉をおぼえるしくみ ――母語から外国語まで

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    言語 SF の匂いがそこはかとなくするけれど、立派な研究書。
    目から鱗の考察や、それを裏付ける実験結果満載です。
    新生児、乳幼児を対象にした実験なんかは、微妙にマッドサイエンティストの雰囲気で、ちょっと面白かったですね。

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    2020年02月23日
  • 言葉をおぼえるしくみ ――母語から外国語まで

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    娘が生まれたので、赤ちゃんはどのように言葉をおぼえていくのかな、というところが気になって手にとりました。

    具体的な実験方法からその考察まで書かれており、そういった意味では結構学術研究的な内容ですが、興味深い実験も多く、個人的には面白く読めました。

    名詞の基礎カテゴリーを即時マッピングしていくという能力にすごい!と感心したり、一方で、動詞や形容詞の意味をいろいろなヒントを得ながら学習していくのにもすごい!と感心したり。
    自分もどのように日本語を学習してきたのかもちろん覚えていませんし、今まさに学習している子どもたち自身もその仕組みはもちろん分からないわけで、それを明らかにしようとさまざまな実

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    2019年12月14日
  • ことばと思考

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    動詞でも言語によりさまざまな使い方がある
    持つ→抱く、持つ、にぎるなど
    ウォーフ仮説=言語はその話者の世界観の形成に差異的に関与する
    言葉により人は認識できている
    言葉の違いによる認識の違いを理解すべき

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    2020年03月08日
  • ことばの発達の謎を解く

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    はじめに
    第1章 アラミルクガホシイノネ――単語の発見
    第2章 ヘレン・ケラーのwater事件――ことばの世界の扉を開ける
    第3章 歯で唇をフム――動詞の意味の推測
    第4章 血圧がヤスイ――モノの性質、色、位置関係の名前の学習
    第5章 ことばの発達の謎を解く――発見、創造、修正
    第6章 言語が思考をつくる
    終 章 読者のみなさんへのメッセージ

    2章で名詞→3章で動詞→4章で形容詞。
    んでその前後でシステムという観念の獲得と修正。
    目新しい話ではないが、きれいに整理されている。
    ちょうど2歳終盤の子供を見ていて、思い当る節が大有りで、そのへんも面白い。

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    2019年02月28日
  • ことばと思考

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    使っている言葉(言語)が思考にどのような影響を与えるか、についての本。

    非常に面白かった。人は意識している以上に言葉に縛られている。言葉として使われない物は、認識の対象にすら上らない(あるいは上りにくい)というのは、言葉について改めて考えさせられる。

    それは意識下ではなく、無意識のレベルにまで作用しているというのは、なかなか怖いところだ。文化圏によって言葉が定義され、その言葉によって文化が強化されていく、というサイクルがあるのかもしれない。

    言葉と言葉の相違は、もしかしたら最後まで人類の相互理解を妨げる、ということになるのかもしれない。

    しかしながら、複数そんざいする言語でも共通性と呼

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    2018年10月09日
  • 科学が教える、子育て成功への道

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    6Cs 非認知能力全般が大事であることは他の著作でもよくみられるが、本書では認知能力も必要であると書いてある点が納得感は高い。

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    2017年10月29日
  • 言葉をおぼえるしくみ ――母語から外国語まで

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    赤ちゃんが言葉を覚えるとき、効率よく学習するため、生まれ持ったバイアスを適用して、語が表すことの可能性を絞る。単語の種類によってかけるバイアスが異なる。

    名詞の場合、同じような形をしたものは同じ名前を汎用して適用する。
    しかしこれだと粘土などの物質名の学習が妨げられるので、柔らかそうなものには形バイアスは使わないなど、うまく適用している。
    初めてあれはコップだと聞いた時に、コップのことなのか、ガラス製のもののことなのか、そのものの固有名詞なのかは区別できないが、うまくバイアスを使って驚くほど正確に一度で覚えられる。

    動詞の場合、AがBを持つ等、関係する後の数が多いので安易には汎用せず、多く

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    2016年06月15日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    私の勘違いでヒトとAIの違いや、記号接地問題に深く切り込んでいく話かと思いこんでいたがそうではなかった。
    アブダクション推論の能力が言語習得につながっているという考えは興味深かった。ヒトのみが対称性推論を行う動物(厳密には例外がいる)という研究も面白い切り口だった。

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    2025年12月19日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    【星:3.5】
    認知心理学とはどのような学問なのかを説明した本なのだと思う。

    認知心理学とは大体こんなものなのだろう、ということはなんとなくわかったが、全体的に内容が頭に残らない感じである(「記号接地」というワードぐらいしか頭に残らなかった)。

    私の読解力不足もあるのだろうが、読むに従って、なんか認知心理学と話題が逸れていっている気がする。

    タイトルの「人生の大問題と正しく向き合うための」という部分についてはほぼ感じなかった。

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    2025年12月18日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    言語と思考を切り離すことは難しく、母語では語彙が豊富であるが故に感情的になることも。外国語ならば自分の枠から離れた視点を持ち合理的な判断ができる可能性もある。AIが発達しても学習は続けるべきだなと改めて。
    詩の翻訳の難しさの解説が素敵でした。

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    2025年12月13日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    AIについてかと思って手に取ったので、主に言葉と思考力の関係の話でした。内容は子供向けに書かれているので読みやすくてとても良かったです。小学生でも十分読める内容でした。

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    2025年12月13日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    認知心理学という聞き慣れない分野だが、内容は自分の思考ルーティンとシンクロしやすく、興味深い。思考バイアスやスキーマ(経験を自分で一般化・抽象化してつくった暗黙の知識)があるからこそ様々な判断を繰り返しながら生きていけることを理解した。

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    2025年12月11日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    ネタバレ

    なんというか、いろいろとショックでした。

    先ずもって、『話せばわかる』は幻想、と、私の思い込みを一刀両断(泣)。

    氏によると、(完全なる不可知論とまではいいませんが)人間は違った「スキーマ」(思考システムのようなもの)を持っており、そもそもが話をしても伝わっているのかどうは分からない、と。違う色メガネをそれぞれかけて同じものについて語るようなイメージでしょうか。

    例えば、外国語というのはまさに全く異なったスキーマであり、当然日本人は外国人と素では会話はできない。あるいは世代間ギャップなんて言いますが、同じ日本人でも話がかみ合わない。あるいは男子と女子でも話がかみ合わないことがある。これら

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    2025年12月08日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    人間の認知や思考の限界について、わかりやすく書かれた本。
    アブダクション推論(ある事象から最もらしい仮説を推測する)ってAIにはできない人間ならではの思考法だから、どんどん使っていこうと思った。

    スキーマだったり、システム1,2だったり、人間には色んな特性があるから、
    それはすんなり意思疎通できないよなと思った。

    コミュニケーションは根気が必要なのかな

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    2025年12月07日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    同じ著者の他の本の内容と被る部分もあるが、平易でわかりやすく読みやすい本だった。
    個人的に、今の大人は思考力や使う分野に関する知識や知見がある上でAIを使うから問題はなくとも、子どもが教育の過程でAIを多用しすぎることで思考力などが育たないままになってしまったらどうするんだろうと疑問と不安を感じていたが、書かれている内容はすごく共感する部分が多いものだった。
    子育てをする親の世代にも読んでほしい、中高生などにも読んでほしい内容だと思った。

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    2025年12月05日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    ネタバレ

    とても学ぶことも多かった
    そうしているつもりがなくてもなってしまっていることがあるんだろうなあって反省することもあったり…
    ただ、色々得るものはあったし実践できることもあったのだけど、結局こう、気がついた側だけが改善の余地があって、問題となっている人も自分を変えないと成り立たないこともあるのでは?と思ってしまった
    双方か相手の立場に立てないと進まないこともあるのかなあ、と。
    現に職場ではこちらが譲歩したらしただけ相手は我儘になってる…
    相手の成長とか、気遣いとか、一方的じゃとうしようもないこともあるんよなあってただ思う。

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    2025年12月03日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    認知心理学を初心者に対してもわかりやすく、丁寧に教えてくれる内容です。講義形式なのですごく読みやすい文章でした。
    ただもう少し深掘りしてくれても良かったなぁという感想。物足りなさが感じられます。認知心理学について学ぶきっかけづくりとしては最適ですが…色々面白い点はあったので、認知心理学の他の本を読んでみようと思います。

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    2025年12月01日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    認知科学の観点から、自分と他者との物事の捉え方や考え方の違い、意思疎通の難しさについて書かれていた。
    基本的に人は理解し合えない。
    そのことを前提に関わらないといけない。
    内容としては面白さもありいろいろ考えさせられた。

    いろんな側面から『何回説明しても伝わらない』はなぜ起こるのか?について書かれていたのだと思う。
    が、タイトルから想像していた内容とは違ったため星3。

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    2025年11月17日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    言葉を覚えたばかりの子供の言い間違いの実例と、それを言語学的に解説している。
    何より子供らの悪意ない言葉に癒される。いつから人をおとしめる言葉を使う様になったのかと、哀しくなるほどだ。私は「ブドウ買いに行ってくる」が好き。なるほど舞踏会にはドレスで行かなくちゃ、Tシャツでは行けませんね。

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    2025年11月14日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    読書メーター登録800冊目。しばらつ積ん読状態だったが,学力崩壊からの流れで読む。記号接地問題,ブートストラッピング・サイクル,アブダクション推論,オノマトペ,などがキーワード。言語獲得における認知的制約やルールの過適用などは初めて知ったときは嬉しく感じたものだ。誰かに得意気に話したい気持ちだった気がする。誤った推論とその結果に基づく学習により知識体系を洗練化する。人間はとかく誤った推論をしている。大学生に8割以上の出席が単位取得の必要条件と伝えると,8割以上の出席で単位取得と考える例はあるあるの事例。

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    2025年11月12日