今井むつみのレビュー一覧

  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    とても読みやすくかつ理論的に、思考力とはどういう要素でできているか、なぜAIに頼ることが危険なのかを順番に教えてくれる本。
    中学生に読んでほしいが、保護者としても出会えて良かった。
    スマホで情報の波に飲まれる人たち、AIに頼る子どもたちを前に、ただ「見過ぎちゃだめ」とか「AIは間違ってることもあるよ」と漠然とした批判では次世代をつくる子どもたちに説明不足。言語学からみて、情報を選び取る力のこと、AIの答えの作り方と人の思考による答えの違い、育むべき直観の大切さを系統立てて知ると、漠然とした思いが整理される。
    この本では、抽象的な概念を自分のものにするには日々の経験と結びつけること「記号接地」に

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    2025年02月11日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    学習のつまづきの原因を「ことばのたつじん」「かんがえるたつじん」の結果を分析することで明らかにしてゆく。「生きた知識」を使うためには「実行機能」「作業記憶能力」「視点変更」「推論能力」「メタ認知能力」これらが複合的に関わる。子どもを順序づけるためのテストではなく、支援の手立てのヒントとすること。かつて算数が苦手だった子どもとして、確かにこれは引っかかるなぁ〜とか懐かしくも読んだ笑そもそも文章題って解く必要性が感じられないと適当に式に当てはめがちだったよな、と笑

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    2025年01月26日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    外国語の学習の意義を一変させてくれる素晴らしい本
    本書の主眼はバイ/マルチリンガルにあり、多言語を習得することで如何に脳が物理的に変化し高いパフォーマンスを発揮できるか、という盲点なテーマに驚嘆した
    今井先生による解説も必見

    普通に流したけど、「単行本」に解説が付いてるの凄くないか?
    まぁ洋書の翻訳だからあっても不思議じゃなけど、慣れてないからびっくりした

    あのね、この本ホントに良いの
    マジで十数ページ毎に目が覚めるような文章が刺さって読むモチベーションを上げてくれる
    内容も、心理学者故の人間に焦点を置いた研究がテーマだから、文章にも人間味がある感じで読みやすい

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    2025年01月02日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    子どもはホントに無限大の可能性の塊!
    クスッと笑える、言い間違え集、と言いつつも、言葉の本質を掴んでいたり、文化、習慣に基づくものを理解した上で話す、子どもには無理な話。
    だから出てくる捻り出した一言がとても可愛い!
    そしてホントこーゆー言葉は聞いたらメモっておくべきですね!

    題名の「きょう、ようちえんでゴリラをうえたよ!」
    コレに対し小1の兄が、「あー、パンジーね」と。
    なんとなくチンパンジーみたいな名前ね、と覚え家に帰ったら思い出せず、なんか大きなサルだった!と、絞り出した一言。笑

    娘「おめめがいたい」2歳
    親「パチパチしてごらん」
    涙を流しながらこの子はパチパチ手を叩き始めました。

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    2025年01月02日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    12歳から15歳を対象とした「ちくまQブックス」シリーズの一冊。これまでの著者の本の中では1番簡単で、丁寧で、読みやすい。しかし、書いてある内容は認知心理学から見た言葉の獲得の話で、決して内容的に簡単なものではない。他の本と比べて、抽象的で複雑なところを端折ってあるので、そこは注意が必要だが、初学者にはちょうど良い本。
    アブダクションや接地問題に触れつつ、生成AIに思考を委ねないようにと言うメッセージは大学生にこそ伝わってほしい。

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    2024年12月30日
  • 英語独習法

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    英語学習よりも、記憶とその定着について考えるきっかけになった。言語化することについても考える。言語化できない、なのにわかると言う現象をスキーマのおかげだと言っているところがわかりやすかった。

    今井むつみさんは実験のイラストがいちいち可愛い。このイラストをちょっと楽しみにしている自分がいる。ワードチョイスも絶妙で、真剣な実験と相まってユニークだ。

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    2024年12月18日
  • きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集

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    子どもは、天才。

    子どもの言い間違いを集めたもの。「子どものいいまちがいには、ことばの本質が詰まっている」これがなかなか奥が深い。笑えたり、感心したり、感動したり。

    子どもの月齢順に掲載されているが、どこから読んでも面白い。2歳児の言い間違いが特に面白い、笑顔になれます。

    「きょうゴリラをうえたよ」の、なぜゴリラなのか?普通はガタンゴトンと聞こえる電車の音が、2歳児にはどう聞こえているか?ぜひ読んで欲しい。

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    2024年12月16日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    言葉をおぼえるという題材に、人間の考える能力について説明があります。面白い。
    そのうえで、AIとの対比もあります。AIについては、現状のできることについて語られている印象で、普遍的なことは書かれていない?(でもAIの普遍的な部分なんて今わかるわけもない)
    教養本として大人も読む価値あります。今井さんと「なぜ人間は直感的にAIが人間に置き換わる、人間を超えると感じているのか?」などお話してみたいです

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    2024年12月08日
  • AIにはない「思考力」の身につけ方 ――ことばの学びはなぜ大切なのか?

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    ネタバレ

    物事を学習していく基本スタンスが書いてある。
    現時点での知識・考え方との違いを楽しむ。

    計算とかは特に、「計算機でやった方が確実じゃん。」と思って考えることを放棄してた。。。
    いくら便利な装置があるからといって、100%それに頼ったら自分の力が衰えるんだろうなと思った。

    便利な世の中だからこそ、「自分の頭でしっかり考えて判断していく」意思が必要だなと思った。
    便利な世の中だからこそ、とんでもない間違えを起こさないようにするには簡単だけど、間違えを恐れるより自分で考えて決断して、経験値を積みながら物事を学習していくことを最優先していきたいなと思った。

    メモ
    ・名詞を使えるようになりには、そ

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    2025年01月07日
  • ことば、身体、学び 「できるようになる」とはどういうことか

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    ネタバレ

    身体化。何かを理解すること。学ぶということ。
    学び方を学ぶ。わかったつもりを脱却する。
    認知科学の今井むつみと元陸上選手の為末大。この2人の考えが違うレイヤーだけど同じことを言っている。
    自分の問題意識にすごく共通していて読んでいて楽しかった。

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    2024年11月21日
  • 言葉をおぼえるしくみ ――母語から外国語まで

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    書いてあることはとても興味深く、ことばの習得に関して知りたい方は通読すると良い。もう少しライトに読みたい方は各章にまとめが書いてあるのでそこを読むと良い。そこから戻るという読み方をすると、研究が書かれている箇所で深められるように感じる。
    読み始めてから読み終わるまでかなり時間が経ってしまった。もう少しライトな、または絞った今井さんの本を読んでみようと思う。

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    2024年11月19日
  • 算数文章題が解けない子どもたち ことば・思考の力と学力不振

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    ネタバレ

    今学校や入学試験で問われている学力は本物の学力ではない。学力は知識の単純な足し算で構成される物ではない。
    表層的な知識の有無を問うことを主眼とした学力テストは見直すべきだと筆者は問う。
    学力とは新たな情報を認知能力と推論能力を駆使して自分が持ってる知識体系に組み込み、統合し、拡張すること。

    ことばのたつじつん、かんがえるたつじんは小学2年生くらいまでの生活、遊び、読書などで培われた知識や認知能力、推論能力を測るためのテスト。

    知識が断片的で、学んだ知識になっていない。
    →足し算の手続きの意味がよくわかっていない。
    誤った知識をもっている。
    →1の固定化、全体、単位が理解できていない。時間、

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    2024年11月19日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    母国語も英語も学び方は変わらない。生活に根ざした、お母さんや周りの大人との会話の中で生きた言葉が身に付いていく。
    絵本の読み聞かせは、親にとっても家事や仕事から離れ、非日常を楽しむご褒美タイム。
    幼児期から小学生までの間に読書好きになった子供は、難解な文章に触れることも違和感なく、きらりと光ることばのセンスが育つ。全ては経験値の差。
    子供の年齢に応じた声掛けは、身近にいる母親の直感でO.K.というアドバイスは、確かになるほどと、思う。
    読書や読み聞かせの輪を広げていきたい。
    #読み聞かせ #ことばのセンス #読解力と表現力

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    2024年11月17日
  • ことばと思考

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    思考に言葉は必要か。語彙力が豊富な人間ほど、思考は深いのか。

    考えさせられるテーマだ。思考には必ずしも言葉はいらないというのが私の考えで、物忘れしたときに漠然としたイメージで思考する事はあり得ない話ではない。寧ろ、緻密な文章やなど頭の中では構築せず、正確な語彙も無視して、感情を想起しながら考える事が普通だ。

    これに対し、本書を読んで考え直させられた。三つある。深い思考には言葉は必要だという事。相手の思考に作用するために、言葉が必要なのだという事。しかし、時に言葉が思考を制限し、誘導してしまうという事。

    ー 隣接する二つのカテゴリーの境界にある刺激を、二つのカテゴリーの中間の曖昧な刺激とし

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    2024年11月14日
  • 言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか

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    初回放送日:2024年10月31日
    ▽明日へのことば「赤ちゃんは、言葉を覚える天才!」 発達心理学者・慶応義塾大学教授 今井むつみ 

    インタビューで興味深かったので読んでみる
    専門的だけど分かりやすい
    言語が生まれてくる経緯のようなオノマトペ
    世界中にあるけれど日本は特に多いらしい

    ○オノマトペ
    ・ギリシア語起源のフランス語「名前を作る」
    ・脳の中で環境音と言語音の両方を兼ねる
    MRIを使った調査ってすごい
    ・子どもにとって感覚的で分かりやすい
    言語を理解する助けになる
    日本語ならではですね

    発音時の口腔の大きさや濁音静音で他言語の意味を想像できる
    言葉を知らない赤ちゃんや別の言語圏の人

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    2025年08月23日
  • 英語独習法

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    比較的高度な英語を正確に操るためには英語として自然な語選択を身に付けることが必要である。どのような場合にどのような単語を選ぶか、名詞は可算なのか不可算なのかなどのように、母語として育てば自然と身に付くが、そうでない場合には意識にすら登らない、そういった言語独特の知識の体系のことを「スキーマ」と本書では呼んでいる。「英語スキーマ」を身に付けるための独習法が本書の主眼である。
    もちろん、基礎的な構文、語順、文法は理解していることが前提である。そういう意味では完全な「独習法」ではなく、「中学・高校英語を履修したうえでさらに上達するための独習法」という感じかな。
    当然受け身的な学習法でできるわけはなく

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    2024年10月10日
  • ことばの発達の謎を解く

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    先に読んだ著者の「ことばと思考」とほぼ同じ内容だったが
    、実験の内容の詳細などが省かれておりこちらの方が読みやすかった。
    私たちには当たり前の、「前、後、右、左」という言葉と概念を持たない人々がいたり、色や数を表す言葉が2つしかない言葉があったり、言葉の切り分けが様々にあることはとても興味深い。
    それにしても、方向音痴の私には常に東西南北を把握できる能力は驚異である。そのような言語が母語であれば、方向感覚は自然に備わるのであろうか?

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    2024年09月29日
  • 言語の力 「思考・価値観・感情」なぜ新しい言語を持つと世界が変わるのか?

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    ・マルチリンガルはストループ課題で他よりもいい成績になることが多い
    ・マルチリンガルの失語症は、母語を失ってから取り戻す、第2言語を失ってから取り戻す等さまざま
    ・バイリンガルの脳は、一次聴覚野などの知覚処理を司る部分や、実行機能を司る部位が特に発達している

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    2024年09月19日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    今まで私がしてきたことや、お仕事を通じてお伝えしてきたことは、大きく間違えてなかったこと、エビデンスがあることに安心した。
    やっぱり日々の積み重ねが一番なんだなぁって再認識。
    たくさんの大人に読んで欲しい、分かりやすい本。
    もっともっと、目の前の相手とのやりとりを大切に。

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    2024年09月08日
  • ことばと思考

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    人間が世界を認識し、学習し、思考を広げていくことに対して、
    言語がどんな役割を持っていて、どのように認識を助けているのか、
    場合によってはどのように認識をゆがめているのか。
    専門的な内容ながら、平易な言葉でわかりやすく説明されています。

    目に見えない思考というものを、どのように定量化、可視化するのか。
    多くの実験の方法も紹介されていて研究者の工夫も垣間見れました。

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    2024年09月01日