今井むつみのレビュー一覧
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とても読みやすくかつ理論的に、思考力とはどういう要素でできているか、なぜAIに頼ることが危険なのかを順番に教えてくれる本。
中学生に読んでほしいが、保護者としても出会えて良かった。
スマホで情報の波に飲まれる人たち、AIに頼る子どもたちを前に、ただ「見過ぎちゃだめ」とか「AIは間違ってることもあるよ」と漠然とした批判では次世代をつくる子どもたちに説明不足。言語学からみて、情報を選び取る力のこと、AIの答えの作り方と人の思考による答えの違い、育むべき直観の大切さを系統立てて知ると、漠然とした思いが整理される。
この本では、抽象的な概念を自分のものにするには日々の経験と結びつけること「記号接地」に -
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Posted by ブクログ
外国語の学習の意義を一変させてくれる素晴らしい本
本書の主眼はバイ/マルチリンガルにあり、多言語を習得することで如何に脳が物理的に変化し高いパフォーマンスを発揮できるか、という盲点なテーマに驚嘆した
今井先生による解説も必見
普通に流したけど、「単行本」に解説が付いてるの凄くないか?
まぁ洋書の翻訳だからあっても不思議じゃなけど、慣れてないからびっくりした
あのね、この本ホントに良いの
マジで十数ページ毎に目が覚めるような文章が刺さって読むモチベーションを上げてくれる
内容も、心理学者故の人間に焦点を置いた研究がテーマだから、文章にも人間味がある感じで読みやすい -
Posted by ブクログ
子どもはホントに無限大の可能性の塊!
クスッと笑える、言い間違え集、と言いつつも、言葉の本質を掴んでいたり、文化、習慣に基づくものを理解した上で話す、子どもには無理な話。
だから出てくる捻り出した一言がとても可愛い!
そしてホントこーゆー言葉は聞いたらメモっておくべきですね!
題名の「きょう、ようちえんでゴリラをうえたよ!」
コレに対し小1の兄が、「あー、パンジーね」と。
なんとなくチンパンジーみたいな名前ね、と覚え家に帰ったら思い出せず、なんか大きなサルだった!と、絞り出した一言。笑
娘「おめめがいたい」2歳
親「パチパチしてごらん」
涙を流しながらこの子はパチパチ手を叩き始めました。
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Posted by ブクログ
ネタバレ物事を学習していく基本スタンスが書いてある。
現時点での知識・考え方との違いを楽しむ。
計算とかは特に、「計算機でやった方が確実じゃん。」と思って考えることを放棄してた。。。
いくら便利な装置があるからといって、100%それに頼ったら自分の力が衰えるんだろうなと思った。
便利な世の中だからこそ、「自分の頭でしっかり考えて判断していく」意思が必要だなと思った。
便利な世の中だからこそ、とんでもない間違えを起こさないようにするには簡単だけど、間違えを恐れるより自分で考えて決断して、経験値を積みながら物事を学習していくことを最優先していきたいなと思った。
メモ
・名詞を使えるようになりには、そ -
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ネタバレ今学校や入学試験で問われている学力は本物の学力ではない。学力は知識の単純な足し算で構成される物ではない。
表層的な知識の有無を問うことを主眼とした学力テストは見直すべきだと筆者は問う。
学力とは新たな情報を認知能力と推論能力を駆使して自分が持ってる知識体系に組み込み、統合し、拡張すること。
ことばのたつじつん、かんがえるたつじんは小学2年生くらいまでの生活、遊び、読書などで培われた知識や認知能力、推論能力を測るためのテスト。
知識が断片的で、学んだ知識になっていない。
→足し算の手続きの意味がよくわかっていない。
誤った知識をもっている。
→1の固定化、全体、単位が理解できていない。時間、 -
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思考に言葉は必要か。語彙力が豊富な人間ほど、思考は深いのか。
考えさせられるテーマだ。思考には必ずしも言葉はいらないというのが私の考えで、物忘れしたときに漠然としたイメージで思考する事はあり得ない話ではない。寧ろ、緻密な文章やなど頭の中では構築せず、正確な語彙も無視して、感情を想起しながら考える事が普通だ。
これに対し、本書を読んで考え直させられた。三つある。深い思考には言葉は必要だという事。相手の思考に作用するために、言葉が必要なのだという事。しかし、時に言葉が思考を制限し、誘導してしまうという事。
ー 隣接する二つのカテゴリーの境界にある刺激を、二つのカテゴリーの中間の曖昧な刺激とし -
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初回放送日:2024年10月31日
▽明日へのことば「赤ちゃんは、言葉を覚える天才!」 発達心理学者・慶応義塾大学教授 今井むつみ
インタビューで興味深かったので読んでみる
専門的だけど分かりやすい
言語が生まれてくる経緯のようなオノマトペ
世界中にあるけれど日本は特に多いらしい
○オノマトペ
・ギリシア語起源のフランス語「名前を作る」
・脳の中で環境音と言語音の両方を兼ねる
MRIを使った調査ってすごい
・子どもにとって感覚的で分かりやすい
言語を理解する助けになる
日本語ならではですね
発音時の口腔の大きさや濁音静音で他言語の意味を想像できる
言葉を知らない赤ちゃんや別の言語圏の人 -
Posted by ブクログ
比較的高度な英語を正確に操るためには英語として自然な語選択を身に付けることが必要である。どのような場合にどのような単語を選ぶか、名詞は可算なのか不可算なのかなどのように、母語として育てば自然と身に付くが、そうでない場合には意識にすら登らない、そういった言語独特の知識の体系のことを「スキーマ」と本書では呼んでいる。「英語スキーマ」を身に付けるための独習法が本書の主眼である。
もちろん、基礎的な構文、語順、文法は理解していることが前提である。そういう意味では完全な「独習法」ではなく、「中学・高校英語を履修したうえでさらに上達するための独習法」という感じかな。
当然受け身的な学習法でできるわけはなく