今井むつみのレビュー一覧
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他言語に習熟しようと数ヶ月続けている英会話に、やや停滞期を感じる原因を探っていたとき、この本に出会う。
「言語を学ぶことの大半は、その言語の話者グループの考え方とか文化を学ぶこと」と考えていて、まさにそれが難しい日々が続いていたが、まさにそんな考え方を述べた本だった。
私が期待していたのはどちらかというと社会・文化的要素と言語のつながりだったが、「心理・認知」という視点から言葉を分解するもので、当初の期待を超えて、とても面白かった。
実験の内容の説明もわかりやすくかった。
言語による世界の切り分け方は非常に多用で、魅力的だと思った。また、多様性の中にも、何らかの秩序とか、ヒトが母語に染まる -
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言語はどのように思考に寄与するのか、「言語が異なれば、認識する世界は異なる」とするウォーフ仮説に対して、現代の知識を用いて再検証と疑問提起を行った本。
為末大のTwitterで紹介されていて手に取ったが、これまたいい本だった。
言語による世界の切り分け方、認識の違い、言語間を超えた普遍性、それらを踏まえた上でヒトは言語を介してどのように発達するかを書いていくのだけど、一連を通して言語がヒトの認識にもたらすものを示唆する内容になっている。
ヒトが生物の中で支配者になりえたのは、言語による記録を開発することで一世代間での擬似的な進化を獲得したことによるという認識は持っていたけども、この本を読ん -
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子育てをするようになり、何が子どもにとって好いことで何が悪影響を与えるのかというのも気になるようになったが、自分の幼少時代とは全く異なるこの先の世界において、この子が迷ったり辛い思いをしたりすることが少しでも無くなるようにするには、どのように子供と向き合っていけばいいのだろうか、と考えるようになった。
そんな中で出会った本書。著者は「深く考え、自ら創造し、行動する人になるために必要なスキル」として、Content(読み書き計算)、Collaboration(仲間とアイデアを出し合う)、Communication(発見をまとめる)、Critical Thinking(冷静な見極め)、Creat -
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読み応えがありました。子供が言葉を覚えていく仕組みを研究する。2歳、3歳、5歳などの幼児を使っての実験で単語を切り取る方法、名詞、動詞、形容詞、助数詞などを覚える方法を調べる。言語による差異もあるので、日本語児、中国語児、英語児、韓国語児、等々での実験も行っている。基本文法を人間は生得的に持っているという学説もあるが、この研究で分かるのは、人間は、発話された言葉の切れ目を把握して単語を切り出し、まずは名詞と想定して知っているカテゴリーに当てはめ、使っていく内に修正して、語と語の関係や上位のカテゴリーや下位のカテゴリーなどを埋めていき、大きな語彙のネットワークを作っていくようだ。名詞と違って動作
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最近、連続5つ星が続いているが、この本も本当に面白い。
子どもがどのように「ことば」を覚えていくのか、論理的・科学的に説明されていた。
生まれたばかりの赤ちゃんはまず名詞から覚える。
名刺と言ってもコップや机などの形のあるものが一番覚えやすいそうだ。
水や空気などの不可算名詞や目に見えないもの、固有名詞などはその後になる。
そして、ある程度名詞を覚えだすと、動詞や形容詞に進んでいく。
このように簡単に言うけれど、一つ一つのことばを覚えるのはめちゃくちゃ難しい。
例えば「赤」といっても、薄いピンクよりの赤〜濃い茶色よりの赤まで様々でグラデーションんがあるし、「コップ」といってもガラス製や陶器 -
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人は、どのように考え、学び、成長していくのか。
人は周囲からの大量の情報を全て処理することはできない。
そのため、過去の経験から特定の部分を一般化・抽象化して作った知識(スキーマ)を用いて、周囲の情報を選択・処理して行動する。
その際の文脈や付加情報によって、個々が情報に受ける印象は異なる。
また、個々はそれぞれに物事の捉え方に偏り(思考バイアス)をもっており、自分に都合が良いように情報を捉えようとする傾向がある。
それは、偏った物事の捉え方に携行する恐れがある一方で、大量な情報を自分なりに整理し、理解し、記憶しようとする人間の社会認知及び適応においては必要な働きといえる。
そして、こ -
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ネタバレなぜ問題が解けないのか。
算数の解けない子どもたちがなぜ解けないのか。それを認知科学の視点から分析する。ポイントはスキーマと記号接地。数の概念を抽象化できているか、認知負荷の高いときも操ることができるか、モニタリングと修正ができるか。
自分は分数をどのように認識したんだろう。数の概念を持つとは簡単なことではない。それがつまづきとなるのなら。カードゲームを使って遊びながら学ぶという提案が興味深い。負荷をかけながら数を扱うことを、様々なパターンで練習することで抽象化が可能となる。
生成AIでは結びつく可能性が高いそれっぽい回答しか出さない。人間がそんなそれっぽい答えしか出せなかったら、生成A -
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仕事上、コミュニケーションで大事にしている部分が間違っていなかったとわかって、今後の励みになった
二十代社会人として、「仕事は仕事でしょ」と職場で割り切りすぎて浮いてしまい、損しているように見える同僚に読んで欲しいなと思った
お節介すぎるので、これオススメ!とは言えないが…
人間関係に期待しすぎず、でも悲観的にならないような考えに触れられる
私自身はこの本と似た考えを元々持っていて、自分の中の考えを肯定してもらったり、再認識したりするためにこういう本を読むことが多い
自分の子どもにも、自我を持って他人と関わり、思い悩んでいる頃に読んで欲しいと思った -
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実は一回挫折している。
どうして挫折したのか、自分でもわからないけれど、なんとなく察してはいる。こう右斜め後ろ30度あたりから、どかっとぶん投げられた感じなのだ。私は右利きで、なんだったら真後ろではないし角度も浅いから、ギリギリ視野に入っている感じだ。その気になればかわせるし反撃も出来る。そう出来るはずだったのだが、それよりも先にとんずらこいたのである。理解することを私は畏れ、時間がないからという、現実的な理由を持ち出して遁走してしまった。
本の内容についてはすでに知っていることも多い。日本人が『青』と『緑』を区別してなかったとか、世界には色を示す言葉を2つしかもっていない人々がいるとか