今井むつみのレビュー一覧

  • 英語独習法

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    冒頭に案内があるように興味の高い章をピックアップして読む場合も無理なく読み進めることができる。コーパスの利用にはまだ無理があるレベルの読者も5章、6章をスキップして楽しめる。
    奥の深い話しなので著者の関連図書も併せて読みたい

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    2022年02月27日
  • ことばの発達の謎を解く

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    赤ちゃんが、音の区切り・母音子音、名詞、動詞、形容詞、と母語を学び使いこなせるようになる過程が詳細に書かれています。

    チンパンジーに単語とその意味を1対1で結ばせることはできるけれど、ことばを使うようにすることはできない。

    ことばを学ぶとはどういうことか、
    単に単語の意味を知って、文法を知れば足りるわけではなく、システム全体(「英語独習法」では、「スキーマ」と表現されているものですね)の存在を推測し、自分の考える全体像に沿って実践し、それがそぐわない場面に出会うたびに都度修正しながら全体像を完成させて行く、それがことばを学ぶということ、そして、ことば以外の学びにも通じる人間にしかできない活

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    2021年12月31日
  • ことばの発達の謎を解く

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    娘の語彙から、ひとがどうやって言葉や概念を獲得していくのか……みたいなことが気になって、前にも読んだことのある今井むつみさんの本を手に取ってみました。
    これがめちゃくちゃ面白かった!赤ちゃんが言語を獲得していく過程や、母語と外国語が同じように習得できない理由、語彙と心的辞書のシステムの話から、概念の獲得、思考の道具に至るまで、ぜんぶ興味深いし、心のへぇボタン押しすぎて壊れたぐらい。
    ヘレン・ケラーの「Water」のエピソード、あれによって彼女が何を得たか、という話もめちゃ面白かった。ことばは単なるラベリングではない、とあって、なんかすごく嬉しかったしうかうかしてられないとも思う。
    心的辞書(レ

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    2021年05月16日
  • ことばの発達の謎を解く

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    人は生まれたときから辞書を引きながら言葉を獲得するわけではなく,
    生活の中で言葉を獲得していくのですが,
    そのプロセスがよくわかる本です。
    私には,ちょうど幼稚園に入るころも子供がいるので,
    「なるほど,そう覚えたのか」
    という体験も相まって,
    楽しく読めました。

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    2021年03月22日
  • ことばと思考

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    他言語に習熟しようと数ヶ月続けている英会話に、やや停滞期を感じる原因を探っていたとき、この本に出会う。
    「言語を学ぶことの大半は、その言語の話者グループの考え方とか文化を学ぶこと」と考えていて、まさにそれが難しい日々が続いていたが、まさにそんな考え方を述べた本だった。

    私が期待していたのはどちらかというと社会・文化的要素と言語のつながりだったが、「心理・認知」という視点から言葉を分解するもので、当初の期待を超えて、とても面白かった。
    実験の内容の説明もわかりやすくかった。

    言語による世界の切り分け方は非常に多用で、魅力的だと思った。また、多様性の中にも、何らかの秩序とか、ヒトが母語に染まる

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    2021年01月10日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    ことばの発達について学習を進めると、
    岡本夏木と今井むつみの両名の著書に、
    必ずたどり着く。

    イラストもたくさん使われ、
    考える力とことばの力の関係、
    算数の文章題を理解できない子どもが出るのはなぜなのか、
    今井さんの著書の中で、最もわかりやすく説明されている。
    家庭の保護者向けに書かれていることが、大きな理由である。

    ことば力を育てる7つの方法を実践するだけでも、子どもの学力はかなり伸びる。

    長期休みで、じっくりと腰を据えて読みたい本の一つである。

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    2021年01月01日
  • ことばと思考

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    言語はどのように思考に寄与するのか、「言語が異なれば、認識する世界は異なる」とするウォーフ仮説に対して、現代の知識を用いて再検証と疑問提起を行った本。
    為末大のTwitterで紹介されていて手に取ったが、これまたいい本だった。

    言語による世界の切り分け方、認識の違い、言語間を超えた普遍性、それらを踏まえた上でヒトは言語を介してどのように発達するかを書いていくのだけど、一連を通して言語がヒトの認識にもたらすものを示唆する内容になっている。

    ヒトが生物の中で支配者になりえたのは、言語による記録を開発することで一世代間での擬似的な進化を獲得したことによるという認識は持っていたけども、この本を読ん

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    2020年11月21日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    とても読みやすくて分かりやすかったです。

    英語力の前に必要な「ことば力」のつけ方と「思考力」の養い方が分かります。

    子供に英語力をつけたいと思っている親にも参考になる1冊だと思います!

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    2020年06月29日
  • 親子で育てる ことば力と思考力

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    ことば力と思考力を育てるためにはどうしたらよいのかということに興味を持ちながら読んだ。結論としては、特別なことをするのではなく、日常のささやかなことを丁寧に積み重ねていくことが大切なのだと再認識した。

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    2020年06月25日
  • ことばと思考

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    とても面白い!言語に関わる人は読んだ方がいい。全体的には,言葉が認知世界を切り分けるという話.母語に依存する言葉によるモノや情報のカテゴライズ方法によって,区別を知覚はできていても認識できないとか,記憶にずれが生じるとか興味深かった.

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    2020年04月22日
  • 科学が教える、子育て成功への道

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    子育てをするようになり、何が子どもにとって好いことで何が悪影響を与えるのかというのも気になるようになったが、自分の幼少時代とは全く異なるこの先の世界において、この子が迷ったり辛い思いをしたりすることが少しでも無くなるようにするには、どのように子供と向き合っていけばいいのだろうか、と考えるようになった。

    そんな中で出会った本書。著者は「深く考え、自ら創造し、行動する人になるために必要なスキル」として、Content(読み書き計算)、Collaboration(仲間とアイデアを出し合う)、Communication(発見をまとめる)、Critical Thinking(冷静な見極め)、Creat

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    2020年04月01日
  • ことばと思考

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    異なる言語の話者は世界を異なる仕方で見ているのだろうか?この問いかけに答えようとしたものだ。世界は目で見えているものそのもだろうか?それとも、言葉で切り分けたものだろうか?結論的には、どちらかに決めつけられないものだ。言語によって物のカテゴライズの範囲は変わってくる。しかし、言語に普遍的に共通でカテゴライズされるものもある。赤ん坊を被験者とした実験は面白い。言葉のしゃべれない赤ん坊ではあるが、その興味がどちらにあるのかをよく考えられた実験で比較する。

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    2019年12月17日
  • 言葉をおぼえるしくみ ――母語から外国語まで

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    読み応えがありました。子供が言葉を覚えていく仕組みを研究する。2歳、3歳、5歳などの幼児を使っての実験で単語を切り取る方法、名詞、動詞、形容詞、助数詞などを覚える方法を調べる。言語による差異もあるので、日本語児、中国語児、英語児、韓国語児、等々での実験も行っている。基本文法を人間は生得的に持っているという学説もあるが、この研究で分かるのは、人間は、発話された言葉の切れ目を把握して単語を切り出し、まずは名詞と想定して知っているカテゴリーに当てはめ、使っていく内に修正して、語と語の関係や上位のカテゴリーや下位のカテゴリーなどを埋めていき、大きな語彙のネットワークを作っていくようだ。名詞と違って動作

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    2019年11月21日
  • ことばの発達の謎を解く

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    最近、連続5つ星が続いているが、この本も本当に面白い。

    子どもがどのように「ことば」を覚えていくのか、論理的・科学的に説明されていた。
    生まれたばかりの赤ちゃんはまず名詞から覚える。
    名刺と言ってもコップや机などの形のあるものが一番覚えやすいそうだ。
    水や空気などの不可算名詞や目に見えないもの、固有名詞などはその後になる。
    そして、ある程度名詞を覚えだすと、動詞や形容詞に進んでいく。

    このように簡単に言うけれど、一つ一つのことばを覚えるのはめちゃくちゃ難しい。
    例えば「赤」といっても、薄いピンクよりの赤〜濃い茶色よりの赤まで様々でグラデーションんがあるし、「コップ」といってもガラス製や陶器

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    2021年10月02日
  • ことばと思考

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    言語によって表現の仕方やカテゴリー分けが違うということは、外国語を学んだり、外国人と接っしたりする人には、実は大きな問題なのだなぁということが分かった。
    大変勉強になった。

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    2018年11月21日
  • ことばの発達の謎を解く

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    ☆☆☆☆☆私がこの本を手にしたのは、子どもを見ているときにふと閃いた「人間が言葉を獲得していく過程は人間の観念の世界を拡張していく姿のようだ」と思ったことがきっかけだった。
    自分が言葉を身につけてきた記憶はどうにも辿ることはできないが、子どもや孫たちのことばを身につける姿には何か不思議なモノを感じさせられていた。
    「彼等は何のために、何に向かってことばを身につけていこうとしているのだろうか?」という疑問だ。

    そう思った時に、この言葉の獲得の過程をもっと理論立てて知ることから始めてみようと思い、この本にたどり着いた次第です。

    初めは『ことばを覚えるしくみ』を読んで見たが具体的過ぎて、学問を

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    2016年12月23日
  • 「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか? 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策

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    「スキーマ」ってIT用語かと思ってたけど、心理学の用語でもあるんですね。伝わらない理由がスキーマを使って分かりやすく説明されています。
    その他、様々なバイアス、直感による意思決定、記憶における具体と抽象など興味深い内容が続き、いろいろと納得できました。

    一人ひとりスキーマが異なるから伝わらないんですね。でも日本のようなハイコンテクストな世界だと、そのことを常に意識していないと、「話せばわかる」とつい期待しちゃいますよね。

    ラスト50ページくらいはちょっとハウツー本のようになってしまうけど、主題はそれまでの分析部分だと思います。面白かったです。

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    2025年12月14日
  • 人生の大問題と正しく向き合うための認知心理学

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    2000年以上前にユリウス・カエサルはすでに「人は自分の見たいものしか見ない」ということを知っていて、その知見は現在まで残っています。が、この人間の性向についての研究である認知科学が活発になってきたのはつい最近。ようやく多くの人にシステム1とシステム2の存在が届くようになってきました。個人間ではお互いがどちらのシステムで今思考しているかを確認した上で、意見や価値観の擦り合わせができるようになれば、もう少し世界は平和になるのかもしれません。
    自分の例を言わせてもらえれば、先ほど開戦の日、ということで聴いた太宰治の「十二月八日」というあの日の日記を太宰の奥さんが書いたという体裁の短編が、戦後の発表

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    2025年12月08日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    スキーマとは言語化できない直感的な理解。暗黙の知識。今までの経験から学習者が無意識のうちに作り上げた「知識の塊」これがスキーマ。概念を理解するための枠組みとなる知識。
    スキーマは情報を選択する。スキーマに合わない情報はすぐ目の前にあっても、丁寧に説明されても頭に入ってくることはない。学び手のスキーマと合致していなければ、内容はスルーされるか捻じ曲げられてしまう。誤ったスキーマを持っている場合、それを修正するところから始めないと、理解に結びつかない。

    読解の中身
    ①文字の認識→単語の認識→単語の音声変換
    ②脳内の意味貯蔵庫にアクセスし、言語の意味を想起
    ③文法の知識と単語の知識を組み合わせ、文

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    2025年12月07日
  • 学力喪失 認知科学による回復への道筋

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    内田洋行さんのプロモーション案件。というのは冗談だけれど、小学生の保護者向けというより学校向けの内容でした。今井むつみ先生の開発した『達人テスト』はぜひ我が子に受けさせてみたい〜と思ったけれど、個人利用は想定されていないようでちょっと残念でした。(いくつか例題は載っているので参考にさせてもらっています)

    「(子供たちがどう間違えているか、どういうスキーマを形成しているか、を観察することなく)わかりやすく問題解説しただけで満足していないか」という指摘には親としてドキッとしました。これからの家庭学習(宿題の丸付け)に活かせそうです(^o^)

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    2025年11月30日