今井むつみのレビュー一覧
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「スキーマ」ってIT用語かと思ってたけど、心理学の用語でもあるんですね。伝わらない理由がスキーマを使って分かりやすく説明されています。
その他、様々なバイアス、直感による意思決定、記憶における具体と抽象など興味深い内容が続き、いろいろと納得できました。
一人ひとりスキーマが異なるから伝わらないんですね。でも日本のようなハイコンテクストな世界だと、そのことを常に意識していないと、「話せばわかる」とつい期待しちゃいますよね。
ラスト50ページくらいはちょっとハウツー本のようになってしまうけど、主題はそれまでの分析部分だと思います。面白かったです。 -
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2000年以上前にユリウス・カエサルはすでに「人は自分の見たいものしか見ない」ということを知っていて、その知見は現在まで残っています。が、この人間の性向についての研究である認知科学が活発になってきたのはつい最近。ようやく多くの人にシステム1とシステム2の存在が届くようになってきました。個人間ではお互いがどちらのシステムで今思考しているかを確認した上で、意見や価値観の擦り合わせができるようになれば、もう少し世界は平和になるのかもしれません。
自分の例を言わせてもらえれば、先ほど開戦の日、ということで聴いた太宰治の「十二月八日」というあの日の日記を太宰の奥さんが書いたという体裁の短編が、戦後の発表 -
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スキーマとは言語化できない直感的な理解。暗黙の知識。今までの経験から学習者が無意識のうちに作り上げた「知識の塊」これがスキーマ。概念を理解するための枠組みとなる知識。
スキーマは情報を選択する。スキーマに合わない情報はすぐ目の前にあっても、丁寧に説明されても頭に入ってくることはない。学び手のスキーマと合致していなければ、内容はスルーされるか捻じ曲げられてしまう。誤ったスキーマを持っている場合、それを修正するところから始めないと、理解に結びつかない。
読解の中身
①文字の認識→単語の認識→単語の音声変換
②脳内の意味貯蔵庫にアクセスし、言語の意味を想起
③文法の知識と単語の知識を組み合わせ、文 -
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内田洋行さんのプロモーション案件。というのは冗談だけれど、小学生の保護者向けというより学校向けの内容でした。今井むつみ先生の開発した『達人テスト』はぜひ我が子に受けさせてみたい〜と思ったけれど、個人利用は想定されていないようでちょっと残念でした。(いくつか例題は載っているので参考にさせてもらっています)
「(子供たちがどう間違えているか、どういうスキーマを形成しているか、を観察することなく)わかりやすく問題解説しただけで満足していないか」という指摘には親としてドキッとしました。これからの家庭学習(宿題の丸付け)に活かせそうです(^o^) -
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講義をまとめられた書籍であるだけあって、非常に読みやすく、しっかりとまとめられていた。
前半部分では、人間はどれだけ論理的思考が苦手であるか、どんな風にバイアスをかけて思考をするかを詳しく書かれている。
そして後半ではアブダクション推論について、著名な経済学者ダニエル・カーネマンの人間の思考システム1、2を用いながら丁寧に説明されている。
その中でも公正者のお話がとても気に入りました。
「一流な公正者は、その意味を徹底的に考える」
「アブダクションによって正しい正しくないを超えた意味の世界に入っていくことができる」
「精度の高いアブダクション推論ができることが、一流の熟達者の条件」
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自分と相手が持っている言語や文化、認知の「スキーマ」(枠組み)は異なっていると言うことを前提に生きていこう、と言うお話。
例えば「丁寧にやろう」と言う発言で、どこまでが丁寧なのか?何が丁寧の定義なのか?曖昧さがあることはもちろん、人によって認識にばらつきが出るのは当然。家族でも認識が異なっており時たまアンジャッシュのコントのようなすれ違いが起きたり、重大なコミュニケーションエラーがおきるのだから、いわんや職場でをや。
マニュアルからは一切の曖昧さを排除すべきだし、指示を出す時は「これくらいわかるだろう」を取っ払って発信しなければならない。
また、専門性があるがゆえに発信できる内容が異なって -
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「ケ」とは、「ネバル」の「センムル」である。
意味の分からない言葉を、意味の分からない言葉で説明しても、いつまでも堂々巡り。ならば、“最初の言葉“はどうやって生まれたのか、というのが本書の主題。記号である言葉が“意味“に接地して結びつき、他者との“意味の共有“が可能となる、いわゆる「記号接地問題」から考えていく。
と、その前に…
冒頭の言葉は韓国語で、「犬」とは「四つ足」の「生き物」である、という意味で書いた。余談ついでにだが、以前、南国で田舎道を現地人と歩いていたところ、草木の中を指差して「エロ、エロ!」と言うので、真っ昼間から開放的な国だなと見てみるとそこにいたのは野犬。ビサヤ語では犬を