モンゴメリのレビュー一覧
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この本は赤毛のアンを読んだ方なら多分あの雰囲気に浸ることが出来て満足するでしょう。舞台は夢見がちの女の子の憧れであるカナダのプリンス・エドワード島であることも一層その想いを強くする点です。
お話の上手な大人びた14歳の少女、セーラ・スタンリーが本の題名になった ストーリーガールそのひと。彼女は母を早くに亡くし父も放浪癖のため一緒に暮らしてはいません。そのため、プリンス・エドワード島のおじやおばのところで暮らしています。この辺りの事情もアンの境遇と似通ったところです。そして、この本の語り手である僕、 べバリー・キングは13歳の少年ですが、父親の仕事の都合で弟のフェリックスと一緒に プリンスエドワード島に住むおじに預けられるところからこのお話は始まります。こんな設定のもとのストーリー・ガールとの出会いだけにぐんぐんお話に引き込まれます。 おじのところには、年の似通った3人のいとこ達がいて、その他に彼らの友達の少女、そしてストーリー・ガールの家の雇い人の少年も登場し、色んな”事件”に遭遇します。 彼らの友情を元に日常の喜怒哀楽が繰り広げられるのです。大人になるにつれて失ってしまいがちな感情が呼び戻されます。 モンゴメリの作品は登場人物がいきいきとしていること、そして、彼らに人生の本質を何気なく語らせているところが読者を惹きつけてやまない点です。 その意味では、この本も道の曲がり角に手元に置いておきたい一冊といえます。 -
Posted by ブクログ
新潮文庫版でシリーズ全10冊持っていますが、
あずまきよひこさんの表紙にひかれて新たに購入。
考えてみれば新潮文庫版を買い揃えたのは20年近く前・・・。
何度も読んでいるのでお話はわかっていますが、
何度読んでも面白い。
美しい景色と、ユーモアに溢れた出来事。
約100年前の生活を想像するのも楽しい。
固有名詞の訳は新潮文庫版の方が慣れているし好きです。
あと、ときどき不自然な日本語がでてくる
(「楽しいでしたかね」「楽しいでしたわ」など)のが気になりました。
訳されたのも50年以上前なので、
その当時としては普通の言葉遣いだったのでしょうか・・・? -
Posted by ブクログ
最初に「リラ」を読んだのは、もう40年ほど前。確か中学生の時である。「アン」シリーズが好きで、シリーズ一冊目の「赤毛のアン」から十冊目の「リラ」まで、何度も通してよく読んでいた。
この新潮文庫版は、約50年前に世に出た村岡花子の翻訳に、時代に合わせて一部手直しを加えて2008年に刊行された改訂版である。
舞台は第一次世界大戦下のカナダ。大切な人々が戦地に赴き、不安と緊張の日々が続く中で、十代のリラは、少しずつ成長していく。母アンの、のどかな青春とは色合いの違う、くらく、心沈む毎日。それでも人々は生きていかなければならない。希望やユーモアを織り交ぜながら。そして、その日々は、リラの心に深い色を加えていったようだ。
この本を、初めて訪ねた丸善東京本店の松丸本舗の書棚で見つけた。こんな所にリラが?
その書棚には、東日本大震災を受けて、苦しい日々をどのように生きていくか、といったテーマの本が並んでいた。被災地に住む我々は、あの日以来、逃れることのできない不安と緊張の中で生きている。それは、リラの青春の日々と重なるものだ。
このような視点から「リラ」を見ることができるとは、新鮮な驚きだった。
「リラ」が、「アン」シリーズのうちの一冊、という以上の価値を与えられたようで、古い馴染みの私としては、思いがけない喜びだ。
この時代に生きる若い人たちに、共感してもらえる一冊ではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
タイトルを知っているけど、読んだことなかった本。
なぜ、今まで読んでなかったのか、疑問に思うくらい
読んでみて、よかったと思いました。
小学生や中学生でも読める内容ですが、
大人になってから読んでも、おもしろいです。
(小・中学生の頃に読んでないので、比べようがありませんが・・・)
何がおもしろいって、主人公の「アン」の天真爛漫なところ。
そして、成長していく姿。周囲の人々との関わり合い。
一番の見所は、「アン」の口達者なところ。
テンポ良く、いろんなエピソードの話へ切り替わっていき、
読んでいて楽しい、という表現がぴったりな本だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ≪内容覚書≫
ギルバートと婚約したアン。
彼が医科を終えるまで、サマーサイドで校長として働くことになる。
その婚約期間のお話。
アンの愛があふれる手紙を交え、ささいな日常が語られていく。
≪感想≫
いいことばかりがあるのが、幸福、じゃないよなー、と、
しみじみ思わされる1冊。
プリングルスの一族や、キャサリンなど、
悩みも多い中、それでも前進していくアンに生きる希望をもらえる。
あと、かぼちゃの砂糖漬け。
これ、いったい、どんな食べ物なのか。
食べてみたい。
レシピ検索してもひっかからないんだが、とても気になる。
個人的には、甘納豆のかぼちゃ版をイメージ中。
文章で食べ物に興味を持たせられるモンゴメリを尊敬する。 -
Posted by ブクログ
アンの子供達、また牧師館の子供たち、そして孤児だったメアリー・バァンスが織り成す、イングルサイドの物語。
母になったアンは、子供たちを静かに見守り、また我が子、我が子の友達の母としてだけでなく、
ひろーくカナダの母の視線で、あたたかく人々の生活、営みを見つめている…
そんなお話。
孤児だったメアリーの、ちゃかりしているけど子供らしいところ、すぐに新しい環境に溶け込む図太さ(笑)、友達にお節介をすることろ、
牧師館のフェイスは自分の道を突き進み、良かれと思ってやりすぎる性分、
アンの子供たちの、個性的でしっかりした様、
かわいらしく、あたたかく、、また深みを感じ、
一気読みの楽しい読書でした。
引き続き、次の「アンの娘、リラ」へ。
布団でお休みしているので、はかどります!? -
Posted by ブクログ
ギルバートと結婚し、「夢の家」で新家庭をもったアンの日々。
登場人物は、男嫌いのミス・コーネリア、美しいが不幸な人生を歩んできたレスリー・ムーア。ジム船長。
アン自身、結婚し、初めての子ども(ジョイ)を数日で亡くし、新たな子どもジェムを産むなどさまざまな出来事が起こるが、やはりこの巻でも面白いのはアンの周りの人々のことで、とくにレスリー・ムーアの話は非常にドラマティック。
レスリーは弟の死、父親の自殺など不幸な事件を経験し、母親のために若いころ、好きでもないディックと結婚。生きる屍として生きていた。
孤児ではあったけれど今は幸せな結婚生活を送るアンとレスリーは、だからなかなかわかりあうことができなかった。
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P151
「レスリーはディックの世話をして11年間離れたことがないんですよ--あの馬鹿に一生しばりつけられているんです。しかもあんなに夢や希望をもっていたのにね! レスリーにとってそれがどんなものか、あんたには想像がつくでしょう、アン--あんな美しさと、気概と、誇りと、利口な頭を持っていながらね、生きる屍ですよ」
「まあ、かわいそうに、かわいそうに!」
と、アンは再び言った。自分の幸福なことが気が咎めた。他の人間がそんなにみじめな思いをしているのに、自分がこんなに幸福になっている権利があるのだろうか?
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本当に人と人がわかりあうのは難しい。
(どうしてレスリーに近づけないのだろうというアンの相談に対して、ジム船長の言葉。非常に深遠な言葉だと思う。)
P200
「あんたはこれまであまりしあわせにしてきなすったからですよ」と、ジム船長は考え深げに言った。「だからあんたとレスリーは心から真に親しくなれないのだと思いますわい。あんたがたをへだてているのはあの子の苦しみと苦労の経験ですよ。あの子のせいでもなし、あんたのせいでもないですて。だが、そのへだてはどっちも乗り越えられないのですわい」
「グリン・ゲイブルスへくる前のわたしの子供時代はあまりしあわせではありませんでしたわ」
(略)
「そうかもしれません--だがそれはちゃんと世話をしてくれる者のない子供によくある、普通のふしあわせにすぎませんて。あんたの身の上には悲劇というものはありませんわい、ブライスの奥さん。それがかわいそうに、レスリーはほとんど悲劇ずくめだったですよ。あの子はおそらく自分でも気づかずに、自分の生活にはあんたが入ることも理解することもできないものがどっさりあることを感じているにちがいないですわい--だからそういうものからあんたを遠ざけなくてはならないわけですて--いわば自分がいたい思いをしないよう、あんたを近づけないというわけですよ。それ、わしらは体のどこかにいたいところがあると、人に触られたり近寄られたりさせまいとして尻込みするじゃありませんか。わしらの心の場合も体とおなじことが言えるんじゃないですかな。レスリーの心は赤膚になっているに違いない--それを隠そうとするのは無理ありませんて」
レスリーはオーエン・フォードというもの書きと両思いになる。
だけど、レスリーはディックと結婚している。
どうするんだろう?と思っていたら、そのレスリーに転機が訪れる! 希望のある人生が拓けるのだ!
なんと、ディックは航海に出たときに死んでいた。帰ってきたのは記憶をなくした従兄弟のジョージ・ムーアだったのだ!
そしてジョージは昔婚約していた娘と結婚することになり、レスリーは晴れてオーエン・フォードと結婚することになる!
これ以外にも、この巻は終わりにびっくりな出来事がたてつづけに起こる。
なんと男嫌いのコーネリアがマーシャル・エリオットと結婚!
そして、オーエン・フォード(とレスリー)の手により、ジム船長の「生活手帳」が本になったその日の夜、本を読み、人生最大の喜びに浸りながら、ジム船長は亡くなる。 -
Posted by ブクログ
サマーサイド高校校長(!)として赴任したアン。この巻は、アンが婚約中のギルバートに送る手紙で大部分が占められる(たまに客観的な記述もあり)。
苦労して借りた下宿先は、柳風荘(ウインデイ・ウイローズ)。アンはそこで、ケイトおばさんとチャティおばさんという未亡人と、レベッカ・デュー、猫のダスティ・ミラーとともに3年間過ごす。
敵意に満ちた有力者一族や副校長キャサリン・ブルックなどやっかいな人物たち。決してあたたかく迎えられたわけではなかった。苦しみつつ、でも何とかそうした人とも心通わせようとするアンの姿勢に、とても励まされる。
アンだって初めから好かれているわけではない。苦労はたくさんある。
P295でアンに嫌味を言っていたキャサリンが、P304、324で人生の喜びを見つけ、変貌していく様子に感動する。グリンゲイブルスが彼女の人生観を変える。