モンゴメリのレビュー一覧
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アンブックスのよさは「何気ない日常の中に含まれる人間たちの豊かなペーソス」だと思う。
起きる事件といえばせいぜい自分ちの牛がお隣のキャベツ畑を荒らしてしまったとか、ケーキを持って歩いているところを見られるのは恥ずかしいことだと思い込んで、思わずケーキを川に投げ込んでしまったとか、その程度のこと。
そんなささいな出来事に潜む小さなおかしみや悲しみなどの感情を豊かに描きだしているところが、アンブックスの一番の特色だと思う。
でもそんなアンブックスの中で、この『アンの娘リラ』だけは「世界大戦」という大きな史実が下敷きにあるので、他のアンブックスと比べて登場人物の喜びや悲しみの質がまるで違う。
作中でアン自身が言っている通り、同じ10代の頃のアンとリラの経験を比べると、なんという大きな差があるのかと愕然とする。 -
Posted by ブクログ
去年の母の日、息子にお母さん何が欲しい?と聞かれた。
特に欲しいものはなかったので、特にないよと答えたら、絶対に何か答えて。たとえば本とか。と言ってくれたので、私が大事にしているシリーズの本を頼んだ。
『赤毛のアン』シリーズの第6巻の『アンの夢の家』を買ってきて。とお願いしたら、すぐに買ってきてくれた。
母の日のプレゼントとしては最高のものでとても嬉しい。
『赤毛のアン』シリーズは大事に大事に読んでいるので、途中で結構間があいてもおかまいなし。
かなり久しぶりに手にした。
アンはギリバートと結婚して、新しい住まいへと引っ越していった。
ギルバートがアンのことを思って探してくれた新しい家を、アンは見るなり大好きになる。
新婚生活が始まり、近所の人たちとの付き合いも楽しく始まる。
人のことを大好きになるアンは、人からも愛される。夢の家での生活は、まさに夢の生活だった。
美しい隣人レスリー。ジム船長。楽しい人たちが登場する。
この巻は、かなり大人向け(?)の本で、ものすごくドラマチックな展開になる。
苦もあれば楽あり、アン自身にも、そしてレスリーにも。
あまりに面白すぎる展開に、ネタバレになってもいい?と職場の人に話しをするも、ハリー・ポッターやダヴィンチコードとかと違って、ネタバレの対象にもなりようのない本なので、思いっきりネタバレしていいよと言ってもらい、あまりに面白すぎる本の展開を話させてもらった。
次は、新しいアンの家での生活が始まる。これまた楽しみ。
なんだけど、ふとツンドクの本棚を見たら、きれいな状態で買ったはずなのに、100円の『アンの幸福』(シリーズ第5巻)を発見してしまって、ちょっぴりショック。
どうやら同じ本を買ってたみたい。。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ月の男が良い味を醸し出している。この小説におけるジョーカーだ。
誰でも月を愛せるけれど、月は誰も愛さないから嫉妬しない。もしも愛し返されることを望みさえしなければ、愛したって少しも傷つきはしない、と。なるほど。人間以外を愛したい私にぴったりだ。
「わしらは皆、何かしら愛するものを持つべきだ。」
「良くないね─実に良くない。早く何か愛するものを見つけるんだ」
さて、私も探してみよう。マーガレットのように自分の家を持って愛したいな。自然を愛したい。毎回、なぜこんな肥溜めで生きてるんだろうと絶望感に襲われる。この現実から逃れようと本を読んでも、結局現実との差を見せつけられて更に嫌になる。
後半はハッピーエンドラッシュ。いつものモンゴメリなので安心して読める。西洋人特有の皮肉的表現にクスッと笑えた。 -
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ネタバレ著者晩年の作品で、アンが主人公として書かれる最後の作品。いつの間にやら子供が5人おり、序盤に6人目(リラ)も出産(長男は9歳)。デイビーも結婚済み。
ダイアナとアンが昔を懐かしんで語り合う姿がなんともいえない。自分もそうだが、時の流れの切なさ。アンは相変わらず痩せているが、ダイアナはぽっちゃりしてきたという話など微笑ましい。
メアリー・マライアおばさんというギルバートの親戚が遊びに来たかと思えば、そのまま長らく居着いてしまい、姑のように小煩く文句を言うため、ギルバートは親戚びいきな傾向があるためアンが何を言っても追い出してはくれないが、アンや女中のスーザンなど、早く出ていってくれないかなと度々愚痴るのが面白い。
しかも、そのおばさんが出ていく理由も笑
子供たちもそれぞれ友人らに振り回されながらもまたひとつ成長(?)していく話もちょいちょい。
締めはアンとギルバートの結婚記念日のすれ違いで、微笑ましい。
「〜ナンとダイは頭の割れた瀬戸物の人形にメアリー・マライアおばさんという名前をつけて、あの女に叱られるたびに外へ行って天水桶の中で水攻めにするんです…その人形をですよ。わたしらは何度水攻めでおもしろい思いをしたかしれませんよ。〜」p129
「ああ、母さん、もうすぐクリスマスになってサンタ・クロースがやってくるね」
「まさかいまでもまだサンタ・クロースのことをほんとうだなどと思っているんじゃないだろうね」
と、メアリー・マライアおばさんが言った。
アンがびっくりしてギルバートをちらっと見ると、ギルバートは重々しく答えた。
「われわれは子供たちにできるだけながく、親譲りの財産であるお伽の国の夢を持っていてもらいたいのですよ、おばさん」p133 -
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ネタバレ遂にアンとギルバート結婚式と、新婚生活の始まり。
結婚式の準備をしつつ、懐かしい思い出を語り合う面々。アンシリーズが2作品くらいしかなかったら、確実にこれが2作目だっただろうなぁ
いざ、ギルバートが見つけてきた新天地・夢の家へ。
そこへ向かう途中、美しい女性がなぜか怒りのこもった目でこちらを見つめていた。
男嫌いなミス・コーネリア、怒ることがない陽気なジム船長など、楽しい知り合いが増え、例の美しい女性はレスリーといい、アンと年は近いが不幸な人生を歩んできた。
p353で、え!これはミステリー小説だった!?と驚いた笑
アンは第1子を死産してしまい、1日でも母親でいられたんだから幸せだわ!とレスリーが発言していたものの、この死産やアンも命懸けだったのが回復したことで、レスリーも考え直すきっかけになり、アンを憎んでいたと謝罪して本当の友達になった。
その告白がきっかけで、レスリーは別人のようによく笑った。
アンが自分もグリーン・ゲイブルズに来るまでは苦労していたと話すも、ジム船長はレスリーはそれを上回る不幸で、アンのはまだ幸せな方だと発言しているのが、アンは突っ込まないがおいおい人によって不幸の感じ方も違うしそんな言い方はないだろと突っ込みたい。
ジム船長が現役の頃につけていた生活手帳は、きっと話自体は面白いのだが文章が上手くなく、p285にて、小説を書こうとしているオーエン・フォードと共作。
ミス・コーネリアはマーシャル・エリオットと結婚、
レスリーはオーエンと結ばれ、
ジム船長は自分の本が出版されるや亡くなり、
その屋敷が売りにだされたことでギルバートが目をつけ、移り住むことになった。
「人がいつから大人になるか決めるのはむずかしいことですわ」と、アンは笑った。
「その通りですよ。人によっては生まれた時から大人だし、八十になっても大人でない人もいますからね、ほんとうですよ。さっき話したロデリックのおばあさんも大人になりませんでしたね。百になっても十の時とかわらず馬鹿気ておりましたよ」「たぶん、それだからこそ、そんなに長生きができたんじゃないでしょうか」p92
「グリン・ゲイブルスへくる前のわたしの子供時代はあまりしあわせではありませんでしたわ」〜
「そうかもしれませんーだがそれはちゃんと世話をしてくれる者のない子供によくある、普通のふしあわせにすぎませんて。あんたの身の上には悲劇というものはありませんわい、プライスの奥さん。それがかわいそうに、レスリーはほとんど悲劇ずくめだったですよ。あの子はおそらく自分でも気づかずに、自分の生活にはあんたが入ることも理解することもできないものがどっさりあることを感じているにちがいないですわいー
だからそういうものからあんたを遠ざけなくてはならないわけですていわば自分が着い思いをしないよう、あんたを近づけないというわけですよ。それ、わしらは体のとこかに痛いところがあると、人に焦られたり返寄られたりさせまいとして尻込みするじゃありませんか。わしらの心の場合も体とおなじことが言えるんじゃないですかな。レスリーの心は赤膚になっているに違いないーそれを隠そうとするのは無理ありませんて」p200
「わしは物事をたのしむという一種の習慣に染まってしまったですよ。慣性になっちまったもんで、不愉快なことまでたのしむようになったですて。そういうことが、永続きはせんと思うと、じつに愉快ですわい、リューマチがわしをふんづかまえた時にはこう言ってやるです、『リューマチよ、お前だっていつかは痛むのをやめなくてはならん時がくるのだぞ。ひどければひどいだけ、早くやむことだろうよ。体の中であれ、外であれ、とどのつまりきっとわしはお前を負かすぞ』とね」p206 -
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主人公のアン・シャーリーは、偶然の行き違いにより老兄妹のもとに孤児の貰い手として引き取られる。前半は、とにかく自由に空想しながらおしゃべりを続けるアンが、その明るさで周りの人たちとぶつかりながらも成長する姿が描かれる。このまま終わるのかと思いきや、次第に成長したアンの振る舞いも変わっていき、この変化に読者も親目線で嬉しくも淋しくもなる。
一番の面白さはマリラ小母さんとのやりとり。とりとめなく話すアンに対して、一見意地悪そうだが愛のあるツッコミを読者を代弁するように目線で入れてくれ、この2人の会話は掛け合い漫才のよう。名作と言われる通り、子供から大人まで楽しめる一作。 -
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ネタバレアン、ポール、ミス・ラベンダーという空想が得意な者同士が集まるのが微笑ましい。ハリソンもオウムと共にキャラクターが立っていて面白い。
途中からミス・ラベンダーもたまたま道を間違えたことから出会うことになり、そこからラストの盛り上がり様は、今作の準主役っぽい。
「あら、そうじゃないわ」アンは山桜の花冠をかぶった頭をつよくふった。「行や節は詩の外側の衣裳にすぎないのよ。ちょうど、あんたのひだべりや、飾りひだが、あんたではないと同じように、行や節自体が詩ではないのよ。ほんとうの詩はそういうものの中にある魂のことよーそしてあの美しい一編は、文字に書きあらわしてない詩の魂なのよ。魂を見ることはそう、しじゅうは望めないわー詩の魂だって、そうよ」
「あたし、魂って……人間の魂ってどんなものかと思うわ」プリシラは夢みるように言った。p192
「あのようなものだと思うわ」とアンは、一本の樺の木にさしている輝かしい、清らかな日光を指さした。「ただ、形だけを言っているのよ。あたし、魂は光でつくられていると想像するのが好きなの。中にはばら色の塊点があって、農えながら射しとんでいるのもあるし・・・・・海の月光のように、やわらかな、にぶい光のもあるし、あけがたの霧のように青白くて、透明なのもあるわ」p193
アンもポールも、
「想像の窓がひらいて見せる王国のいかに美しいものか」
を知っていたし、二人ともその幸福な国へいく道も知っていた。そこでは歓喜のぱらが谷間や渓流に永遠に咲きほこり、陽の輝く空をさえぎる雲はなく、すみわたる鐘の音はけっして調子はずれの騒がしいひびきをたてず、気持のとけあう同類の人たちがたくさんいるのだった。その国の地理し「太陽の東、月の西」ーを知っているということは、どんな市場でも買えない、貴重な知識である。それはたしかに赤んぼが生まれた時に善良な妖精たちがさずけた贈枕で、年をかさねるにつれて、みにくくなったり、失われたりするものではない。たとえ、住む場所は屋根裏部屋であろうともこの知識をもっているほうが、それなしに宮殿に暮らしているより、どのくらい、すばらしいかしれない。p223
ネタバレ↓
マリラが親戚の双子を預かってアンも手伝う→体調が回復したら引き取る予定だった叔父が亡くなり、遺産を相続させるから引き続き世話をして欲しいという流れに。
たまたま通る道を間違えたことがきっかけでミス・ラベンダーと知り合う→実はポールの父親と過去に付き合っており、喧嘩別れしていた→ポールの母親は亡くなっており、父親はミス・ラベンダーのことは噂で結婚したものだと聞いており諦めていた。今回、アンが仲介して結婚することに。
レイチェル・リンドの夫が亡くなり、マリラと暮らすことになった。これにより、双子の面倒をアンが見なくてもいいので大学に行ってこいとマリラ。
ギルバートが大学に行くらしく、アンも大学へ行くべきだとマリラが勧めるためそうすることに。
ラスト、
ミス・ラベンダーの結婚式、
ダイアナも式は3年後だがフレッドと婚約、
アラン夫婦の引越し、
アンとギルバートは大学へ。 -
Posted by ブクログ
言わずと知れた、名作中の名作。
約120年前の小説なのに、全く色褪せる事なく子供から大人まで虜になるシリーズです。
改めて読むと、人情味が溢れる、優しい内容でした。少しずつ成長していくアンが可愛らしく、時に頼もしくもあります。
周囲を取り巻くマリラやマシュウも魅力的です。
アンはとにかく、よく喋る女の子で一緒にいると疲れるな‥と感じたものの、理解力があり前向きです。ただ、とても頑固で意地っ張り。そんな欠点を描く小説も、アン・シリーズの魅力の一つかも知れません。
ピクニックを待ち焦がれるアンが、「何かを楽しみに待つということが、そのうれしいことの半分にあたるのよ」とマリラに言った場面が印象的!
改めてそんなワクワク感を噛み締めてつつ、生活してみようかなぁと前向きになります。
大人でも、子供心を忘れてはいけないね。