Posted by ブクログ
2021年01月12日
シリーズ1を読んでから1年以上経ってしまったが、続篇を読み始めたら、何故もっと早く読まなかったのかと、やはり後悔した。
天真爛漫で空想好きな、ポジティブ詩人の「アン・シャーリー」にかかれば、気難しい隣人の「ハリソン氏」も、アンの生徒「アンソニー・パイ」も、双子の片割れ「デイビー」さえも、その素敵な...続きを読む人柄に魅きこまれる。
もちろん、最初から上手くはいかないけれど、アン自身、人には欠点がある方がより魅力的だということを知っているので、相手を信じ思いやる気持ちや、優しさがだんだんと伝わっていく。その過程が丁寧に描かれていて納得させられるし、ユーモラスに展開する点が多いのも、読んでて明るい気分になって良い。私自身がアンの影響を受けているかのようです。
マリラの体調は心配だったが、相変わらず、アンとの、お互いタイプの異なる故の、ユーモア溢れるやり取りも健在で良かったし、時折、本当の母親以上の愛も感じられて、ホロリとさせられた。マリラは照れ屋で、なかなか本音を見せないところが、逆に愛らしくて良いのですよ。
また、カナダのプリンス・エドワード島の自然の美しい描写は、毎回想像するだけで楽しくて、文章でこれだけ美しいと思わせてくれるのは、すごいと思います。
物語自体は、アンが16歳になり、教師として子供たちとふれ合うことで、空想好きはそのままでいながら、大人へと少しずつ変わっていく、しっかりした一面も持ち合わせていく描写も出てきて、前巻とはまた異なる魅力も発見出来ます。ダイアナとの友情も素晴らしい。
それに加えて、アンの、「何事も思うようにならないが、悪いことも必ず期待どおりに起こるわけではない。」なんて言葉を読むと、哲学的な響きも感じられて、すごく励まされます。