あらすじ
アンはついにギルバートと結ばれた。グリン・ゲイブルス初の花嫁は、海辺の小さな「夢の家」で新家庭を持った。男嫌いだが親切なミス・コーネリア、目をみはるほど美しいが、どこか寂しげなレスリー、天賦の話術師ジム船長などの隣人たちに囲まれて、甘い新婚生活を送る幸せな二人に、やがてさらにすばらしい授かりものが……。すべての人に熱愛されるアン・シリーズ第六巻。
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Posted by ブクログ
これまでのアンの物語の中で1番好きです。
アンの最初の妊娠を直接的な言葉は使わずに表現したのが素敵。
そして、この時代今とは比べ物にならないほど出産は命懸けだったのがマリラの様子でよくわかる。
その後のジェム坊の名付けのところでのミスコーネリアの言葉に笑った。
キラキラネームはこの時代からあったのか!
Posted by ブクログ
アンの甘い新婚生活。
でも、甘いだけではないのが人生なのだなと。
アンにとって辛い出来事が起きます。
それでも、前向きに生きていくしかないんだと思わせてくれました。
Posted by ブクログ
とてもよかったです!
アンとギルバートがようやく2人の家を持ち、一緒に暮らし始めたところから物語が始まります。
ご近所の方ともすぐに仲良くなり、幸せな毎日。
しかし、一番近い家との交流はなくアンは不安と好奇心を抱きました。その家には、金色の髪をもった青い目の美しい女性 、レスリー が暮らしていました。若いレスリーは人一倍の苦労を1人で背負い続け、心は無愛想に冷たくなっていました。最初は誰に対しても心は見せず、刃を振るっていました。
しかし、アンとの出会いで変わっていく姿に読んでいて感動しました。
そんな中、アンとギルバートとに子どもが産まれます。しかし、難産で一時はアンの命も危なくなり…
アンの命は助かりましたが、第1子は産まれてまもなく亡くなりました。いつも明るいアンが、嘆き悲しむ声は読んでいて涙が出ました。
月日は流れ、レスリーの身にも自由がきました。夫だと思っていた人が、実は夫の兄弟だとはびっくりしました。レスリーの人生は大きく変わり、愛する人と結ばれます。
そして、アンたちにも春がきました。赤ちゃんができたのです!第2子は無事に産まれ、元気に成長しました。アンも母になり大きく成長していきました。
今作品もとても素敵で読んでいて元気をもらえました。アンシリーズは永遠不滅ですね
Posted by ブクログ
約40年前の高校生の時から持っている、黄ばんでしまって多分虫もついている・・・新潮文庫を久々に読んだ。アンシリーズはみんな好き。その世界に浸ると、沈んでいた心に、じわじわと優しさが湧いてくる。
Posted by ブクログ
アンが結婚し、グリーンゲイブルスを離れてギルバートとフォアウィンズへお引越しをし、新たな人々と生活を始める話。ジム船長が可愛いです。話し始めると止まらず、どれを聞いてもきっと飽きない話なんだろうと想像できますし、コーネリアとの言葉の応酬も楽しいです。ジム船長がもっと若かったらこの二人が幸せになるのもありではと思えるほどです。近所に暮らすレスリーはこの上ない悲劇を背負って生きていて早く幸せにならないかと願わずにはいられないです。最終的にうふふな展開に進み、うるっときました。ジム船長も幸せな最後で、でもさみしいですね。コーネリアもきっとさみしがりますねきっと。次は大きな家にまた引越しをしますが、また変化が起こるのか気になります。
Posted by ブクログ
アンとギルバートが出逢って幾年月。反目し合った幼少期、お互いを意識した少年少女期、そして愛とロマンスを育んだ青年期を経て、ギルバートの片思いは実り、アンはバラ色で甘美で祝福された幸福に包まれる。
冒頭からの蜜のように甘く溢れんばかりに幸せなアンに、自身の新婚の頃を重ね合わせつつも、この調子で全編450頁が綴られたなら…と眩暈を起こしそうになった。しかしジム船長とこれまでになく悲劇を纏ったレスリーの登場により物語は一変し、これまでの作品に倣うアン劇場へと変貌する。
これまでにない程に深いレスリーの不幸な境遇と苦しみに、終盤の100ページ余りでどのように解決するのだろうと心配になると、余りに呆気ない決着に呆然とするが、よくよく読んでみると随所に伏線があり、余りに時間をかけて読み過ぎた自身に反省した。
新しい住家への道すがら白黒のシミの様に記憶の隅に残す美少女の登場のさせ方や、まったくアンと対照的なレスリーの境遇の設定、冒頭の甘美な新婚生活すらレスリーの不遇を際立たせる伏線にしているなど、前5冊のアンシリーズにない完成度の高さを感じた。
Posted by ブクログ
ギルバートと結婚し、「夢の家」で新家庭をもったアンの日々。
登場人物は、男嫌いのミス・コーネリア、美しいが不幸な人生を歩んできたレスリー・ムーア。ジム船長。
アン自身、結婚し、初めての子ども(ジョイ)を数日で亡くし、新たな子どもジェムを産むなどさまざまな出来事が起こるが、やはりこの巻でも面白いのはアンの周りの人々のことで、とくにレスリー・ムーアの話は非常にドラマティック。
レスリーは弟の死、父親の自殺など不幸な事件を経験し、母親のために若いころ、好きでもないディックと結婚。生きる屍として生きていた。
孤児ではあったけれど今は幸せな結婚生活を送るアンとレスリーは、だからなかなかわかりあうことができなかった。
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P151
「レスリーはディックの世話をして11年間離れたことがないんですよ--あの馬鹿に一生しばりつけられているんです。しかもあんなに夢や希望をもっていたのにね! レスリーにとってそれがどんなものか、あんたには想像がつくでしょう、アン--あんな美しさと、気概と、誇りと、利口な頭を持っていながらね、生きる屍ですよ」
「まあ、かわいそうに、かわいそうに!」
と、アンは再び言った。自分の幸福なことが気が咎めた。他の人間がそんなにみじめな思いをしているのに、自分がこんなに幸福になっている権利があるのだろうか?
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本当に人と人がわかりあうのは難しい。
(どうしてレスリーに近づけないのだろうというアンの相談に対して、ジム船長の言葉。非常に深遠な言葉だと思う。)
P200
「あんたはこれまであまりしあわせにしてきなすったからですよ」と、ジム船長は考え深げに言った。「だからあんたとレスリーは心から真に親しくなれないのだと思いますわい。あんたがたをへだてているのはあの子の苦しみと苦労の経験ですよ。あの子のせいでもなし、あんたのせいでもないですて。だが、そのへだてはどっちも乗り越えられないのですわい」
「グリン・ゲイブルスへくる前のわたしの子供時代はあまりしあわせではありませんでしたわ」
(略)
「そうかもしれません--だがそれはちゃんと世話をしてくれる者のない子供によくある、普通のふしあわせにすぎませんて。あんたの身の上には悲劇というものはありませんわい、ブライスの奥さん。それがかわいそうに、レスリーはほとんど悲劇ずくめだったですよ。あの子はおそらく自分でも気づかずに、自分の生活にはあんたが入ることも理解することもできないものがどっさりあることを感じているにちがいないですわい--だからそういうものからあんたを遠ざけなくてはならないわけですて--いわば自分がいたい思いをしないよう、あんたを近づけないというわけですよ。それ、わしらは体のどこかにいたいところがあると、人に触られたり近寄られたりさせまいとして尻込みするじゃありませんか。わしらの心の場合も体とおなじことが言えるんじゃないですかな。レスリーの心は赤膚になっているに違いない--それを隠そうとするのは無理ありませんて」
レスリーはオーエン・フォードというもの書きと両思いになる。
だけど、レスリーはディックと結婚している。
どうするんだろう?と思っていたら、そのレスリーに転機が訪れる! 希望のある人生が拓けるのだ!
なんと、ディックは航海に出たときに死んでいた。帰ってきたのは記憶をなくした従兄弟のジョージ・ムーアだったのだ!
そしてジョージは昔婚約していた娘と結婚することになり、レスリーは晴れてオーエン・フォードと結婚することになる!
これ以外にも、この巻は終わりにびっくりな出来事がたてつづけに起こる。
なんと男嫌いのコーネリアがマーシャル・エリオットと結婚!
そして、オーエン・フォード(とレスリー)の手により、ジム船長の「生活手帳」が本になったその日の夜、本を読み、人生最大の喜びに浸りながら、ジム船長は亡くなる。
Posted by ブクログ
去年の母の日、息子にお母さん何が欲しい?と聞かれた。
特に欲しいものはなかったので、特にないよと答えたら、絶対に何か答えて。たとえば本とか。と言ってくれたので、私が大事にしているシリーズの本を頼んだ。
『赤毛のアン』シリーズの第6巻の『アンの夢の家』を買ってきて。とお願いしたら、すぐに買ってきてくれた。
母の日のプレゼントとしては最高のものでとても嬉しい。
『赤毛のアン』シリーズは大事に大事に読んでいるので、途中で結構間があいてもおかまいなし。
かなり久しぶりに手にした。
アンはギリバートと結婚して、新しい住まいへと引っ越していった。
ギルバートがアンのことを思って探してくれた新しい家を、アンは見るなり大好きになる。
新婚生活が始まり、近所の人たちとの付き合いも楽しく始まる。
人のことを大好きになるアンは、人からも愛される。夢の家での生活は、まさに夢の生活だった。
美しい隣人レスリー。ジム船長。楽しい人たちが登場する。
この巻は、かなり大人向け(?)の本で、ものすごくドラマチックな展開になる。
苦もあれば楽あり、アン自身にも、そしてレスリーにも。
あまりに面白すぎる展開に、ネタバレになってもいい?と職場の人に話しをするも、ハリー・ポッターやダヴィンチコードとかと違って、ネタバレの対象にもなりようのない本なので、思いっきりネタバレしていいよと言ってもらい、あまりに面白すぎる本の展開を話させてもらった。
次は、新しいアンの家での生活が始まる。これまた楽しみ。
なんだけど、ふとツンドクの本棚を見たら、きれいな状態で買ったはずなのに、100円の『アンの幸福』(シリーズ第5巻)を発見してしまって、ちょっぴりショック。
どうやら同じ本を買ってたみたい。。
Posted by ブクログ
再読。
のんびり読み進めたため、またまた物語の初めの方の記憶があやふやですが・・・。
ついにギルバートと結婚して二人の新居に越してきたアン。その新居こそが「夢の家」です。
プリンス・エドワード島の全容を把握できていないうえに、ポロポロと読み落としているようで、アヴォンリーからどのくらい離れているのか、よくわからないまま読み終えてしまいました。
新婚で幸せ絶頂期といったアンとギルバートがこの家で出会い、語り合う友人たちがとても魅力的なお話でした。
灯台でひとりで暮らすジム船長、「男のやりそうなことじゃないですか」が口癖のミス・コーネリア、そしてなんといってもレスリー。
幸せ溢れるアンよりも影があるレスリーに多くの人がなんとなく惹きつけられるのではないかと思うほど、本書では大きな存在でした。
もし、自分がレスリーの立場だったら、こんなにキラキラしたアンと友達になれるだろうか、と思わず考えてしまいます。レスリーの中にあったであろうたくさんの嫉妬やどうしようもなく黒い気持ちに思いをはせればはせるほど、全てをさらけ出してアンと親しくなったレスリーが尊く思えます。
幸せいっぱいのアンにも苦難が訪れます。ここについては、意外とページを割いていない気がしましたが、アンの悲しみが底知れず、レスリーやジム船長という貴重な友人たちなしには乗り越えられなかっただろうと想像できました。
運命に束縛されたままかと思われたレスリーに、想像だにしない幸せが訪れ、ジム船長も幸福な最期を迎え、アンとギルバートが夢の家を離れるところで本書は終わります。
アンが愛した夢の家はどんな様子だったのでしょう。再現されたものを見たいような、想像にとどめておきたいような・・・
アンシリーズはまだ続きます。
Posted by ブクログ
アンの物語を読むとき、どの時代においても家の描写が細かく表現されている。どの家も目に浮かぶよう。次の巻も新しい家でのお話のようなので楽しみである。
Posted by ブクログ
なんで登場人物全員ジム船長をいい人と言うのかわからなかった。私ならレスリーにしたことについて殺意を覚えるけどな。
明るいところを描くアン・ブックスだけど、今回はちょっとびっくり。アンが幸せすぎていいなと思ってたので、人にはこういうこともなければ公平ではないと思う自分もいた。
相変わらず性的描写がなくて良い。特に海外の本は急にエグいほどの描写を入れてくるときがあるから抵抗がある。アン・ブックスはその点安心。
腹心の友がほぼ出てこず、すっかり新しい家庭を持ったアンに淋しくなる。こうやって疎遠になっていくよね。
あんな風に誰の前でも自分として振る舞える人たちが羨ましい。景色も気候も自然も羨ましい。
Posted by ブクログ
アンとギルバートの結婚式から始まり
新婚時代を描いた巻である。
若い幸福な二人を取り巻く人々が
個性的で面白い。
ことにジム船長の含蓄のある言葉の
ひとつひとつに心を打たれる。
私は本を読んで気になった言葉や
いいなと思って心に留めておきたい言葉は
書き出しておくのだが、この本に関しては、
ジム船長の言葉ばかりである。
私はもちろん、今生きている人たちにも
響くであろう本質を突いた言葉の数々。
ジム船長の言葉は耳を傾ける若い人たちを導き、
諭し、まさに羅針盤のようである。
10代の頃に読んだ時はレスリーとオーエンの
ロマンチックな恋物語に心を奪われたものだが、
今回はそれも楽しかったが、どちらかと言えば
ミス・コーネリアとマーシャル・エリオットの
結末に大いに惹かれた。
伏線がそこかしこに張り巡らされ、最終的にある形を
とって表面化する楽しさを味わった。
それにしても知れば知るほど著者モンゴメリの
博学なことに驚くばかりである。
Posted by ブクログ
アンの新婚生活が始まりました。前作のアンの新婚時代の話は、実はこの本の20年後にリクエストに応えて書いた本だったんですね。
そうするとアンとギルバートが恋愛関係になった次作でこの新婚生活なので、確かにちょっと唐突な感じがしないでもないです。
本書でも基本的にはアンが周りの人々と溶け込むにしたがって、周囲も幸せな方向に向かっていくという内容です。
アンの第一子の死産という悲しいエピソードもありますが、おおむね明るく楽しい新婚生活です。マリラも度々新居を訪れるので個人的にはホッとしました。あれだけアンを愛しているマリラが疎遠になるなんて悲しいですからね。
正直ネタ切れ感が否めない部分もありますが、水戸黄門と同じでアンとその周囲の人がご健在であることが確認出来ればいいのであります。
いい人に囲まれていい人生を送る話を読む、という本になってきているので読んでいて精神衛生上は非常に良いです。その代わり刺激には乏しいと言わざるを得ない。いや、登場人物も魅力的だし盛り込まれたエピソードも読ませるものではあるのですが・・・。
次からは読むか読むまいか思案中。
短編集の8巻を除けば、ここまでが面白いと思います。
さすがに6巻ともなると、こちらも先が読めるようになってきますが・・・。
これまではあまり出てこなかったギルバートもやっと出番が多くなるのは良かったです。
Posted by ブクログ
ジム船長いいね、こういう年配の人が近所に欲しいな。
どこいってもリンドおばさんみたいな人がいるんだね(笑)
コーネリアさんとか。
ムーアの件には驚いた、こんな結末になるとは!
また次作を読むのが楽しみー
Posted by ブクログ
アンが、お母さんになるなんて!!
あの小さなアンが、という感じです。
しかも、アンはどこにいっても素敵な仲間に巡りあえて本当にうらやましい。でもそれはきっとアンが素晴らしい人間だからでしようね。
Posted by ブクログ
あたしも大きい家より、小さい家に住むほうが好きです。
ジム船長に泣きました。
気がついたらお手伝いさんがいた・・・笑
つらいこと、障壁を乗り越えて
ますます素敵な女性になっていきます。
新婚生活いいなぁーー
Posted by ブクログ
≪内容覚書≫
ギルバートとついに結婚し、新居へと移るアン。
ジェム船長や美しいレスリー、
第2のリンドのおばさんとも言えるミス・コーネリアに囲まれ、
アンの幸せが紡がれていく。
≪感想≫
立派に主婦をやっているアンが描かれていると、
失敗だらけの1巻がふと懐かしくなる。
同じ失敗は二度しない、の宣言通り、
ほとんどの失敗はやりつくしたのかもしれないと思うと笑える。
5巻のキャサリン、6巻のレスリーと、
少しばかり展開がマンネリ化したかな、と思わなくもないが、
それでもアンの輝きは色あせない。
大きな苦難を乗り越え、さらなるしあわせを得るまでの話。
結婚後、誇らしげにアンを妻として紹介するギルバートがかわいくて、
読むたびに思わずにやけてしまう一冊。
Posted by ブクログ
アンの新婚時代。ここフォアウィンズが、アボンリーに代わってこれからの2人のホームタウンになる。新しい人生のスタートをきったアンとギルバートは、何人かの腹心の友を得る。特に大きな影響を与えたのが、ジム船長とミス・コーネリアだろうか。ジム船長はやがて亡くなるが、この人の人生哲学や人柄は実に魅力的だ。甘い甘い新婚生活を送るなかで、初めてのわが子を亡くすという幸福の絶頂から不幸のどん底に突き落とされるような試練も味あう。新しい友人レスリーは辛い生活を送っているが、それほど同情できないなぁ。自分で選んだことだ。拒絶しようと思えばできたそうだから、ギルバートの見方が正しいと思う。しかし、ここでもあり得ない奇跡が起き、レスリーは白馬に乗った美しい王子に救われ幸福になる。この辺もちょっと白けるが、ここでレスリーとオーエン(白馬の王子)が結婚しなければ将来アンの娘リラの恋人となるケネスが生まれないわけだから、まぁいいか・・・
Posted by ブクログ
結婚して新しい土地へやってきたアンとギルバート。
新しい土地へ来たらもともと住んでる人へはこっちから挨拶へ向かうのではなく挨拶を待つものなのか。
悲しみもあったり、最後、予想外の展開もあり(え?この人誰だっけくらい薄い存在だったけど)でした。
Posted by ブクログ
ギルバートと結婚したアンが、フォアウィングスの小さな夢の家で過ごす、新婚生活を描いた作品である。
幸せいっぱいのアン。夢の家には幸せがあふれている。
フォアウィングスでも、陽気で実に豊かな冒険譚を語るジム船長、男の悪口をいわせたら右に出るものはないミス・コーネリア、そして美しく悲哀にみちた女性レスリー。素敵な人々、美しく輝く景色に囲まれて、アンは蜜月を過ごす。
ただ、驚いたのは幸せばかりではない、ということ。
アンがあんなにも悲嘆に暮れ、嘆き悲しんだことがあっただろうか。幸せに満ちたアンシリーズで、最大の悲しい出来事であったに違いない。
ここから先はネタバレです。
そう、ジョイの死。
まさか、あんなにも幸せに満ちたアンの赤ちゃんが亡くなるなんてストーリーがありうるのかと。ある意味、なんてリアリティのあることか。
あとは、レスリー。
ちょっとわかる。幸せなアン夫婦には近づいては傷つくだけとわかっていても…寂しいのだ。でも、羨んでしまう。そりゃそうだろうなあ。でも、かといって見捨てることもできない…。アンとの友情は悲しみや切なさをともなった、今までと少し異なる大人の友情といったところ。
夢の家を離れる。これもちょっと現実的。
アンは嘆くけれど、でも、案外すんなりとギルバートに従う。意外と現実的。ちょっとこれも驚き。
なんだか、アンも大人になっているんだな、と。
夢の家は甘くて、でも切なくて。
今読んでみて良かったと思う作品でした。
Posted by ブクログ
アンの幸せと悲しみがたくさん詰まった1冊で、夢の家という表題に合っていたように思います。それにしてもギルバート!大きな決断がレスリーといろんな人の人生を変えました。医学ってすごい。
Posted by ブクログ
■愛する「ヨセフを知る一族」とともに。
アンはついにギルバートと結ばれた。グリン・ゲイブルス初の花嫁は、海辺の小さな「夢の家」で新家庭を持った。男嫌いだが親切なミス・コーネリア、目をみはるほど美しいが、どこが寂しげなレスリー、天賦の話術師ジム船長などの隣人たちに囲まれて、甘い新婚生活を送る幸せな二人に、やがてさらにすばらしい授かりものが…。すべての人に熱愛されるアン・シリーズ第六巻。
Posted by ブクログ
2010.4
教会ではなくて、自分の家の客間で結婚式を挙げるのが普通だった頃の話。アンがいてダイアナがいて、アンはやっぱり「グリン・ゲイブルスのアン」だなと思う。
Posted by ブクログ
アンとギルバートの結婚式からはじまり、港町グレン・セント・メアリーでの新婚生活を描く。登場人物はそれほど多くない、独身の老いた船乗りジム船長・オールドミスのコーネリア・レスリー・オーウェンなど。とくに、記憶障害者の夫の世話に拘束され、人生に絶望しているレスリーとの関係では、アンは嫉妬というものを初めて向き合うことになる。アンの流産を通して、レスリーとの間に友情が芽生え、思いがけない方法で、レスリーが夫から解放され、小説家のオーウェンと結ばれていく過程は、爽快感があります。この辺りの展開は小説としてもよくできています。男ぎらいのコーネリアはちょっと戯画化されすぎており、しかも、最後に結婚するのはできすぎだろう。アン・シリーズは家を中心に話が展開し、グリン・ゲイブルズ、パットの家、ウィンディ・ウィロウズと住み、そして、この「夢の家」で、アンとギルバートははじめて自分たちの家をもったわけである。これまで、どの家にも婚礼・誕生・死などにまつわる物語が描かれ、そして、アンによる隣人の魂の「復活」が描かれている。こうした、家にまつわる物語は現代では書けなくなっているのではないかと思う。つまり、何か大事なものをなくしているのかもしれない。アンシリーズは家をめぐる日常が描かれていながら、魂の復活を描く宗教的な内容である。「夢の家」でも、人生の問題につきあたったアンたちは、隣人たちと信仰の問題を語っています。