北村薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ表紙絵とタイトルで読みたくなった『月の砂漠をさばさばと』(北村薫)。
1人のお母さんと1人の娘のほのぼの話で、
彼女らの会話のやり取りは時にプッと笑えて微笑ましくもある。
お母さんが「この分野苦手であんまり知らないんだよね」と言えば、
娘が「じゃあ、私が学校で習って教えてあげる」と返す話なんかまさにソレ。
娘かわいい。
《親子》というと、「親が子を守らねば!」「親が子にいろいろ教えなければ!」っていうイメージ強いけど…
この【教え合う関係】っていうのはいいなー!と思いつつも、まだあんまし経験したことはない。
ただ、【対等(多分)の関係】というのはあった。
それが小学生の甥っ子 -
Posted by ブクログ
主人公は、文芸誌の編集者をしている田川美希。
彼女が仕事で出会う文学ミステリーについて、美希の話を聞きながら解決をしてくれる実家(東京の中野)の父。
コージーミステリーに分類される本作。
短編集でもあり、登場人物たちの深刻さがないこともあり、さくさくと読めた。
個人的に、短歌の解釈に関するお話がおもしろかった。
落語家のインタビューをした美希が、「闇の夜は吉原ばかり月夜なり」という短歌をどこで区切るか?という問題を知り(闇の夜は、で区切れば、吉原だけが夜でも明るいという視覚的なイメージが沸く。他方で「闇の夜は吉原ばかり、」で区切れば、吉原には闇がはびこっているという暗いイメージのうたになる) -
Posted by ブクログ
学校から帰宅し、レコードを聴きながらうたた寝してしまった17歳の女子高生、一ノ瀬真理子。どの位寝ただろう、レコードは止まってる、と目を覚ますと、部屋も違う、服も違う。17歳の娘がいる高校教師である42歳の桜木真理子になっている!?という事が段々分かっていき…という設定で、先の展開が楽しみなスタート。
17歳の娘が寝て目が覚めたらおばさんになっていた、同い年の娘がいる、夫がいる、教師をやっているらしい、等の到底受け入れる事の出来ない状況に戸惑い苦しみながらも、そこから何とか家族の理解、協力を得ながら、受け持ちの生徒とも心を通わす事の出来る所まで成長していく健気な様や、高校生活の様々なエピソードを