北村薫のレビュー一覧

  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    9歳のさきちゃんと作家のお母さん
    おーなり由子さんの挿し絵

    優しく、穏やかで2人の会話に癒される
    可愛い中に
    時々どきっとするさきちゃんの言葉
    子供はまさに可愛くも時に
    どきっとする大人な目線をもつ

    横並びに近い縦並びの我が子との関係
    いつでもあなたの見方だよと伝え続けている
    ユーモアと愛をもって子育てを続けたい

    0
    2023年11月02日
  • 中野のお父さん

    Posted by ブクログ

    「編集者」が主人公の小説を探していたところ、ネットで名前が挙がっていたので手に取りました。

    実際には編集の(というよりも編集者での勤務の)過程で出会った「謎」についてのミステリという感覚の連作短編集です。
    主人公の田川美希が謎に遭遇し、それを中野に暮す父親に相談する。すると、父親がその膨大な文学・芸術についての知識や蔵書を活用して謎を解く、というのが全話に共通する流れで、いわゆる「安楽椅子探偵」モノとも言えるかもしれません。

    文学作品につらなる謎を解く、という設定は「ビブリア古書堂の事件手帖」シリーズにも通ずるものがありますが、「ビブリア」シリーズが”本を持ち込んだ/それまで所有していた人”の抱えた謎が中心であるのに対し、”本や作品そのものにまつわる謎”がメインテーマとなっていることが本作の特徴だと思います。


    国語教師をしているという美希の父親の豊富な知識やわかりやすい解説は文学史に興味がない読者にとっても「読ませる」文章ですし、これをきっかけに文学の世界に興味を持つ人も増えるのではないかと思います。
    気軽に読むことのできる文学ミステリとしてお薦めできます。

    一方で、「編集者」の仕事そのものについてフォーカスされている部分は決して多くなく、出版業界のお仕事小説という要素を期待すると肩透かし食らうかもしれません。

    0
    2023年09月29日
  • スキップ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    「北村薫」の長篇SF作品『スキップ』を読みました。

    「北村薫」の作品は2年半前に読んだアンソロジー作品『眠れなくなる 夢十夜』に収録されている『指』以来ですね… 久しぶりです。

    -----story-------------
    まどろみから覚めたとき、17歳の〈わたし〉は、25年の時空をかるがる飛んで42歳の〈わたし〉に着地した。

    昭和40年代の初め。
    わたし「一ノ瀬真理子」は17歳、千葉の海近くの女子高二年。
    それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……目覚めたのは「桜木真理子」42歳。
    夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。
    わたしは一体どうなってしまったのか。
    独りぼっちだ――でも、わたしは進む。
    心が体を歩ませる。
    顔をあげ、《わたし》を生きていく。
    -----------------------

    1995年(平成7年)8月に「新潮社」より書き下ろしで出版され、第114回直木賞候補となった作品… 時に翻弄される人を描いた「時と人」三部作の第1作目にあたる作品です。


    「一ノ瀬真理子」は高校2年の17歳… 雨で運動会が途中で中止になってしまった、、、

    翌日にある文化祭では毎年男子校の生徒がやってきてフォークダンスを踊る事になっており、「真理子」は去年踊る事が出来なかったので今年は踊りたいと思っていた… だが、雨が止んだとしても地面が駄目になってしまっているだろう。

    「また来年がある」と、諦めるしかなかった… 家に帰り、レコードを聴きながらうたた寝をする、、、

    そして目を覚ますと、見知らぬ部屋に居た… 服も全く違うモノになっていた。

    玄関の方から音が聞こえてきたので恐る恐る向かうと、自分と同じぐらいの少女「美也子」が家に入ってきた… 状況が呑み込めない「真理子」は「美也子」と話していく内に、自分がつい先程まで居た時から25年も経っている事、「美也子」が自分の実子である事、そして夫「桜木」が居る事を知る事になる、、、

    実家はもう既になくなっており、その上両親も亡くなっていたのだ… 時代の変化に翻弄されつつも、このままだと亡くなった両親に顔向けが出来ないと自分を「ロビンソン・クルーソー」に例え、役回りは出来る限り果たそうと決意する。

    そんな最中、家にある電話がかかってくる… 相手は桜木真理子が受け持つクラスの生徒で、暴走族に入ってパンチパーマをかけてしまったと言うのだ、、、

    突然の事に戸惑った「真理子」は「美也子」の力を借り、生徒の連絡先を調べるべく自分の職場である学校に行く… そこで他の先生から新高3の国語の実力テストの話を聞き、この時代で生きていくためにも「桜木真理子」となって、その実力テストを作ることを決意する。


    きっかけにはSF的な仕掛けが取り入れられていますが、内容はSFというよりは、一人の少女が大人の女性として成長する物語… 25年の歳月を飛び越えて、成長せざるを得ない状況に追い込まれながらも前向きに生きようとするヒューマンドラマでしたね、、、

    17歳から42歳って、人生の中で本当に重要な25年間がぶっ飛んでしまっているわけで… それを素直に受け止めることなんでできないし、悲観しかできない状況ですが、それを乗り越えようとする「真理子」に感情移入しながら、寄り添いながら読めて、とても愉しめました。

    面白かったので… 「時と人」三部作の『ターン』、『リセット』も読んでみたいですね。

    0
    2023年07月26日
  • スキップ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    テーマは本当に斬新で面白いなぁと。
    17歳の女子高生が起きたら40歳すぎ。

    残酷ともいえるし、自分なら到底前に進めなさそう。

    なんでタイムスリップしたのかと
    40歳すぎの自分はどこにいったのかを
    わかる内容だったらさらに面白い

    0
    2023年05月09日
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    スキップからはじまって、覆面作家シリーズ、円紫シリーズと読み漁った私は、これを読んでる途中に「これ、北村薫?私、間違えたっけ?」と何度か表紙を見直した。
    それくらい、いつもと違う。
    あの北村薫さん独特の優しい文章じゃない。たまにオカルト。

    0
    2023年05月05日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    あっという間に読んでしまった。
    題名にもある「月の砂漠をさばさばと」が好きだ。その家の言葉って年をとっても不意に口をついて出てきて、それが嬉しくて恥ずかしくて今は少し切ない。
    「猫が飼いたい」の、「さきは蛙をくれたのに」の一言が刺さる。

    0
    2023年04月23日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表紙絵とタイトルで読みたくなった『月の砂漠をさばさばと』(北村薫)。

    1人のお母さんと1人の娘のほのぼの話で、

    彼女らの会話のやり取りは時にプッと笑えて微笑ましくもある。

    お母さんが「この分野苦手であんまり知らないんだよね」と言えば、

    娘が「じゃあ、私が学校で習って教えてあげる」と返す話なんかまさにソレ。

    娘かわいい。

    《親子》というと、「親が子を守らねば!」「親が子にいろいろ教えなければ!」っていうイメージ強いけど…

    この【教え合う関係】っていうのはいいなー!と思いつつも、まだあんまし経験したことはない。

    ただ、【対等(多分)の関係】というのはあった。

    それが小学生の甥っ子にパズル対決持ちかけられた時の事。

    「大人だからちょいと優しくしよう」なんて考えてたら、

    「むっちゃん、わかってると思うけどボクは小学生だからね」なんて言ってきた時にゃ笑ってしまった。

    「まさか小学生に負けないよね?」とナマイキにも挑発してやがる!!(激笑)

    「よぉし、やってやろうぢゃないのォ!!」とバトった末に…

    敗北しました。

    小学生すげぇ。

    「優しくしよう」なんて考えてたワタクシがアホでした。

    でもこういうの何か好きなんだす。

    「まだ小さいのに超レベルアップしてる。小学生すげぇ」というのがわかるから。

    「私この分野の苦手なんだよねぇ」って今度言ってみようかなぁー。

    0
    2023年04月18日
  • ターン(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    一人ぼっちの寂しさ怖さ、誰かと繋がっているとこんなにも心強くなるものなんだと感じるお話しでした。読みはじめはくるりんの仕組みに理解が難しかったです。真希の賢さ、強さ、優しさに応援したくなりました。後半はハラハラドキドキもあり、結末もホッとしました。

    0
    2023年04月02日
  • 猫が見ていた

    Posted by ブクログ

    猫が大好きです。タイトルと企画の面白さに惹かれて購入しました。
    「猫が見ていた」というテーマで、現代の人気作家が執筆された短編小説集です。
    色々な小説家の作品を一気に読むことができたのも良かったです。

    0
    2023年03月26日
  • 中野のお父さん

    Posted by ブクログ

    お父さんと娘の関係性はお母さんと娘とまた違う良さがある。
    この本を読んで実家に顔を出したくなりました。

    0
    2023年03月21日
  • 中野のお父さん

    Posted by ブクログ

    レビュー書くの忘れていたけれど、最初の短編はよく覚えている。
    日常の謎シリーズとしてサラッと読めて、出版社に勤める主人公の生活がよく見れて参考になったという記憶がある。

    0
    2023年02月16日
  • リレーミステリ 吹雪の山荘

    Posted by ブクログ

    大晦日に吹雪の山荘で発見された首無し死体。登場人物たちは真相を見抜けるのか…??

    豪華推理小説家たちのリレー小説。でも最後の方はちょっと設定が混乱してきて読むの大変だったかな…。学生アリスが出てきてるのに、有栖川さんの執筆がないのはそういうわけかー(あとがきより)。試みとしては面白かったかもですが。

    0
    2023年01月17日
  • 中野のお父さん

    Posted by ブクログ

    主人公は、文芸誌の編集者をしている田川美希。
    彼女が仕事で出会う文学ミステリーについて、美希の話を聞きながら解決をしてくれる実家(東京の中野)の父。

    コージーミステリーに分類される本作。
    短編集でもあり、登場人物たちの深刻さがないこともあり、さくさくと読めた。
    個人的に、短歌の解釈に関するお話がおもしろかった。
    落語家のインタビューをした美希が、「闇の夜は吉原ばかり月夜なり」という短歌をどこで区切るか?という問題を知り(闇の夜は、で区切れば、吉原だけが夜でも明るいという視覚的なイメージが沸く。他方で「闇の夜は吉原ばかり、」で区切れば、吉原には闇がはびこっているという暗いイメージのうたになる)、お父さんに尋ねる。
    お父さんの回答の中で、「吉原で働くことがかわいそう(=闇)」という価値観は現代の価値観だ、ということにはハッとさせられた。
    確かに、やりたくない仕事のために身を売られる少女のことを思えば、かわいそうになる。ただ、親に売られなければならない程に経済的困窮した生活を続けたところで、命が続く保証もないだろう。
    衣食住がそろった生活ができている現代の価値観を、江戸時代の貧困層にあてはめて、「身売りだなんてかわいそうだね」というのは、たしかに無粋な気もした。

    ただ、「中野」のお父さんとは言うものの、出てくるのは実家室内だけ。
    中野という街は魅力的なところだから、中野の街の情景がもっと読みたかった。

    0
    2022年11月19日
  • 猫が見ていた

    Posted by ブクログ

    『猫が見ていた』
    湊かなえ、有栖川有栖、柚月裕子、北村薫、井上荒野、東山彰良、加納朋子/文春文庫
    .
    猫にまつわる短編集。
    加納朋子さんの「三べんまわってニャンと鳴く」は絶望感からやけになっていても、実はちょっとしたことが周りを勇気づける力を持っていたり、描かれていないけど将来に希望を持てる話でよかった。
    .

    0
    2022年11月11日
  • 空飛ぶ馬

    Posted by ブクログ

    短編集が5篇。
    文学部の学生と、噺家・春桜亭円紫との謎解きストーリー。
    それぞれ味のある作品ですね。

    1
    2022年10月15日
  • リレーミステリ 吹雪の山荘

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    リレー小説。 初めて読んだけど、馴染みのキャラがたくさんいて嬉しい。 他の著者の時にちょっとイメージと異なるキャラに描かれているのも楽しめた。 アリスはどこで出てくるのかしら、このアリス、だめだめじゃないか?と思っていたら作者さんたちの「予想」で明らかに。 書くのもとっても大変だと思うけど、読むのもすっごく大変だった。 またそれぞれのシリーズが読みたくなっちゃって、それも大変だ。

    0
    2022年10月01日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ


    お母さんとさきちゃんの、温かくてちょっぴり切ない日常のお話。

    さきちゃんの話をしっかりと聞くお母さん、そして一緒になって考える姿勢が素敵。

    さきちゃんは、少し大人びてて、空気を読んで我慢している部分もあるのかなと感じた。

    お父さんの関係性は推測しかできないけれど、
    家族だからこそ話せないこともあるよね。

    0
    2022年09月18日
  • 猫が見ていた

    Posted by ブクログ

    猫がお話に出てくるとファンタジー要素が多く、非現実的に感じると思います。
    ですが、ここに出てくるお話は現実とマッチしていてリアリティがあり楽しく読めました。

    0
    2022年09月15日
  • 猫が見ていた

    Posted by ブクログ

    猫好きなのと、割と好きな作家が入ってたので、読んでみた。
    さらっと読めた。
    やっぱり猫は不思議な生き物だな。
    絵になるというか、物語になる。

    0
    2022年09月01日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    久々に心が暖かくなる小説を読んだ気がする。
    小学3年生の女の子とその母との物語という設定だけで、心が暖かくなった。
    なんだか小学生に戻って、あの頃の家庭をもう一度経験したいと思った。

    この小説は残酷な現実も匂わされている。
    しかし、それも気にならない程の温かい小説なんだ。

    0
    2022年06月10日