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中野のお父さん、入院! 運動神経抜群の編集者・田川美希の毎日は、 本や小説にまつわる謎に見舞われ忙しい。 松本清張の「封印」作品の真実、 太宰治作品中の意味不明な言葉、 泉鏡花はなぜ徳田秋声を殴ったのか……. そんな時は実家に行き、高校教師にして 「本の名探偵」・お父さんの知恵を借りれば親孝行にもなる!? 愛されシリーズ第二弾。 解説=薮田由梨 単行本 2019年3月 文藝春秋刊 文庫版 2021年11月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
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Posted by ブクログ
中野のお父さんシリーズの第2弾。1冊目に比べると近年の北村氏お得意の文学者に絡む謎を解く話が多いのですが、シリーズの軽妙さはそのままですので、肩肘張らずに読む事が出来ます。 謎解きもさることながら、父と娘の成熟した会話劇、ほどよい距離感が素敵ですね。でもこの大人の関係が永く続かないであろうことは既...続きを読むにほのめかされています。そこまで書き切らないシリーズだとは思っていますが、我が家自身の経験もちょっと思い起こされて、切ない思いに駆られました。いや、何か作品の感想から離れていますが。
このくらいのミステリーが自分にとってちょうどいい!とてもいい。 言葉のやり取りのテンポやユーモアセンスもほんのりしてるし、 人が死なない、シリアスほとんどない。 人間関係ストレスない、ハラハラしない。 扱っているテーマは昭和文学が中心。 新しい知識も増える。 文学に詳しくない自分でもおもしろい。 ...続きを読む 米澤穂信氏の名前がちょっと出てきて嬉しかった。 作家さん同士の横のつながりってよく分からないけど、 多かれ少なかれ交流があるのが両方好きな作家さんだとなんか幸せ。
日本の近代の作家、作品に関する凄まじいまでの蘊蓄。作品だけでなく、それを扱った批評、リーフレット、映画・・ありとあらゆるものを、見て、読んで、関係性を詰めていかなければ、どこにネタがあるのかさえ思いつかない。今の各出版社の文芸担当さんは、この「お父さん」や「原島先生」に対抗できるのか?
前作よりも作家がらみの謎と蘊蓄が山盛りに増えて、北村薫作品らしさが溢れていた。 作品の内容とは関係なく 「煮詰まる」と言う表現が「思考が行き詰まって先に進まない」と言うようなマイナスイメージな意味に使われていた。 私は「煮詰まる」と言う表現は、話し合いなどが充分になされて結論が出そうになっている良...続きを読むい状況の意味に使うのが正しく、最近よく聞くマイナスイメージでの使用は意味を知らない人が誤用して、テレビ、ラジオで広まってしまったものだと思っていましたが、北村薫氏がそんな事をするだろうか? 今は便利だ。 ネットですぐに調べられる。 曰く、現在は広辞苑でもマイナスイメージでの解釈も載っているとのこと。 へ〜、驚いた。 実際に広辞苑を当たったわけではありませんが、まあ間違いのない所でしょうね。 言葉は変わっていくと言う通り。
今回は特に、日本文学界のいまは亡き作家達にまつわる文学ミステリーがテーマだった。 美希が担当する作家のなかに、中野のお父さんと同じく古書店巡りが好きな先生が登場したのも、良かった。 いつか、お父さんと直接会ってほしいなぁ。 中野のお父さん、今作では倒れて入院。 健康面に心配が出始めるお年頃である。...続きを読む 美希に質問されると、迷いなく数冊の本を持ってきて、解説してくれるお父さん。 北村薫さんの知識量すごいな!と思いながら読み進めた。 「お稲荷さん」が「大いなる遺産」とは、声に出して笑った。 100万回生きた猫は絶望の書なのか、にタイトルが登場した「子供時代に好きだった本たち」。メモりましたとも。今度読もうっと。 美希が関わっている草野球チーム、ソフトボールチームの期待の新人になりそうな男性が登場して、終わり。まだまだシリーズ続きそうだけど、この先出てるのかなぁ。 この本は、2018年までに発表されたお話を2019年に単行本、2021年に文庫本発行している。 …気長に待ちますか。 ちなみに、この表紙の絵は、益田ミリさんです。
シリーズ2作目。 体力自慢の文芸編集者、美希が日々の仕事で遭遇する謎を、中野の実家のお父さんが鮮やかに解決する。 ワクワクしながら、本書を手にする。 でも、「中野のお父さんは謎を解くか」というタイトルはやや不思議。 だって、解くに決まってるんでしょ? そうして目次を開く。 全ての章題が疑問文なの...続きを読むだ。 統一を図った―というのもあるが、もう一つはお父さんが倒れてしまうから、かな。 病床から謎は解けるのか、ということか。 今回は太宰の「春の盗賊」に出てくる「ガスコン兵」とは何かを紐解く「ガスコン兵はどこから来たか」が印象に残った。 たぶん「春の盗賊」、昔読んだ気がするが… ガスコン兵以前に、雨戸の外から内桟を外そうとするどろぼうの手を握りしめるという場面にロックオンしてしまう。 ああ、読み直したい。 泉鏡花が徳田秋聲を殴打した事件の詳細を追う「火鉢は飛び越えられたのか」も面白かった。 関係者の書き残したものを丹念に突き合わせていくのは、もはや研究の領域なのだが、それをミステリとして読ませてしまうのは本当にすごい。 さらなる読書に誘われる一冊だった。
北村薫の中野のお父さんは謎を解くかを読みました。 中野のお父さんの続編でした。 雑誌の編集者、田川美希が担当している作家と話している中で出てきた日常の謎や昭和の文豪たちのエピソードに関する謎を解き明かしていくミステリでした。 美希が謎をもって中野の実家に帰ると、高校の国語教師をしているお父さんがそ...続きを読むの謎を解き明かしてくれるのでした。
北村薫の「中野のお父さんシリーズ」第2弾 文芸誌編集者の娘が“謎”に直面した時、相談に訪れる中野の実家に住む父親との交流を軸に、編集者として働く娘の日常を描いています。 やはり北村薫の「日常の謎」は秀逸!普通の本好きでは(私も含め)全くたどり着けない境地での謎解きにはただただ・・・(^_^;) 次作...続きを読むの文庫化が楽しみです。
こんなお父さんがいたら、ちょこちょこ実家に帰っちゃうなぁ。 それにしても、もっと本を読みたい!と思わせてくれる。 さっそく神保町に繰り出したら、カートの中に著者の単行本を発見!引きまで強い中野のお父さん、相変わらず最高です。
シリーズ2作目。中野のお父さんの知識と言うか、本の内容を覚えているチカラに圧倒される。自分に当てはめると確かに余りお金もない頃に買った本は、何回でも読んでいるし、セリフも言えたりするからなぁとは思うが、いやはや、やっぱり凄い。そしてお父さんと娘の関係がなかなか可愛らしいのが羨ましい。
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