北村薫のレビュー一覧
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ネタバレ心は17歳のまま25年後にタイムスリップした「一ノ瀬真理子」は、外見の変化と夫や自分と同い年の娘がいることに驚き戸惑い失望する毎日でしたが、自分が高校の国語教師だと知ってからは教師「桜木真理子」として過ごすことに懸命になります。
正直に言いますと、外見を過剰に気にしたり、中年の夫に嫌悪感を示してばかりの描写が続いた冒頭は、真理子へのイライラが募りましたが、腰を据えて教師として奮闘するようになってからは「桜木真理子」がたくましくてとても魅力的な女性だと思えるようになりました。
「桜木真理子」のご主人が「一ノ瀬真理子」に向けて言った「どうにもならないことっていうのは誰にでもある。歯がみして -
Posted by ブクログ
ネタバレ副題に「北村薫のエッセイ」とあるけれど、正確には北村薫さんのミステリ・ガイドと言ってよい内容。
学生時代から始まった氏のミステリ遍歴はよく知られているところだけれど、その膨大な知識がこれだけ多くの作品解説に生かされているとは思わなかった。
まだ作家として登場する前の初期のコラム(なんと埼玉県の教員時代に書かれた「高校生向けの文章表現コラム」だ!)から、たくさんのミステリ作品の解説や全集版の監修解説など、実に多彩な書評エッセイが収録されている。
三部構成の第一部はそういった作品解説などに充てられているが、興味深いのは第二部に「自作の周辺」と題してまとめられている自作の解説だ。
覆面作家と -
- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
高校の国語教師の経験もあり、人気作家にしてアンソロジーの名手である著者が教えてくれるのは、ベストセラーに振り回されるのではなく、ゆったりとした気持ちで好みの作品を見つけ、自分だけの本を編む愉しみ。
好評を博した特別講義を完全再録。
[ 目次 ]
第1回 アンソロジーは選者そのもの(話し手として聴き手として;人生の季語;高校三年の日記 ほか)
第2回 アンソロジーは別の本への呼び水(まぼろしの一句;言葉の力;時を越えて ほか)
第3回 アンソロジーは“今という時”の記念(詩歌との出会い;矢野峰人訳「シナラ」;ダウスンは「シナラ」をこう読んだ ほか)
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