あらすじ
「先生、単に読むだけではない本の愉しみ方はありませんか?」「実は、とっておきの方法があります。それは……」――高校の国語教師の経験もあり、人気作家にしてアンソロジーの名手である著者が教えてくれるのは、ベストセラーに振り回されるのではなく、ゆったりとした気持ちで好みの作品を見つけ、自分だけの本を編む愉しみ。好評を博した特別講義を完全再録。あなたも「北村教室」の生徒になってみませんか。
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Posted by ブクログ
2009年 新宿 朝日カルチャーセンターでの講座、『アンソロジーの楽しみ』(3回)をまとめたもの
筆者のアンソロジーに対する思いと、実際にアンソロジーを編んだ時の経験、そして書物、作家への愛がつめこまれた一冊。
本好きな方は、どんどん本が読みたくなるだろうし、逆にあまり読まない方は、ここで紹介されているアンソロジーから手に取れば、好きな作家を見つけ、読み継いでいきたくなる、という楽しみを味わうことができることと思う。
自分だけの一冊
北村薫の広範な知識に導かれながらアンソロジーの楽しさが紹介されていく。アンソロジーは読む楽しさだけではなく、選者のこだわりをなぞり、更に自分だけのアンソロジーを組んでみることを勧める。ミステリ好き以外の方にもお薦め。
Posted by ブクログ
面白かった~! 読書量が足りないのは百も承知だけど、自分でもアンソロジーや全集を考えてみたくなる。アンソロジーを編むのって楽しそう、と思う。
北村薫さんの講義は大好きだ。むしろ、作家としてよりエッセイストやアンソロジストとしての北村さんが好きなくらい。
「読む」ということの楽しみと奥行き、そして可能性を感じる。まるで、一枚の折り紙から無限の物が形作られていくように。「読む」という行為は立体的になり、ぬくもりが生まれ、美しく形作られる。柔らかな手触りの中に、確かな折り目正しさを感じる。
「アンソロジーを編むこともひとつの作品」「アンソロジーはほかの作品への呼び水」など、うんうんと頷くこと多数。私も、アンソロジーで出会わなければ、きっと出会うことはなかっただろうな、という作品・作家がたくさんある。信頼できるアンソロジストがいるということは、読書の水先案内人を見つけるに等しい。
ちなみに、私の「これぞ」というアンソロジストは、赤木かん子さんである。児童向けの、彼女が編んだアンソロジーに出会わなければ、あの作家にもあの作品にも出会っていなかったであろうと思うと、ひたすら感謝感謝。
それにしても、小学生の時に北村さんが編んだという、アンソロジーの素晴らしさよ。。恐れ入りました。
Posted by ブクログ
北村作品の中でも、各種アンソロジーや詩歌の待ち伏せが楽しめた方にお薦めの一冊です。
p.68からp.77の、「吾子は…」の句の件が特に素晴らしいと思いました。
Posted by ブクログ
いよいよ、小説アンソロジーもハンドメイドの時代か?!
「選ぶ、というのは、どういう自分であるかーという表現」、そりゃそうだよなあ、とは思うものの、「20年、30年経った時に、そのページをめくると、《時》が蘇ってくるのではないでしょうか」とするならば、それって「日記」とどう違うのでしょうか?
個人的レベルから普遍的レベルになるには、何が必要なのか?を考えてしまうので。
ところで。
「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー」と重複する作品を「ベストの選択という気持ちが揺るがなかった」「読者が重なるとはいえず」取り上げた、ということですが、
フフフ、重なってますのよ、少なくとも1人は。…と自分にメモ。
Posted by ブクログ
副題に「北村薫のアンソロジー教室」とある。その名のとおり、2009年初めに新宿のカルチャーセンターで3回にわたって行われた、北村さんによる講義録だ。何せ、北村さんの持論は、「アンソロジーを編むということ=(イコール)『今』の『自分』を語ること」らしいので、興味津々。 読書家としても、アンソロジストとしても著名な北村さんが、どんな風にアンソロジーを組み立てていくのか、その真髄とも言うべき発想の仕方と、実作業の片鱗を語ってくれている。 読んでみて、何よりも驚くのは北村さんの早熟ぶりだ。何と、小学生の時には、すでに手書きのアンソロジーを手書きでノートに書いていたというのだ!「スペイン民話集」という絵入りの実物も収録されており、その構成と着眼点に驚くばかり。いろいろ読書のヒントをもらえる「レッスン」でした。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
高校の国語教師の経験もあり、人気作家にしてアンソロジーの名手である著者が教えてくれるのは、ベストセラーに振り回されるのではなく、ゆったりとした気持ちで好みの作品を見つけ、自分だけの本を編む愉しみ。
好評を博した特別講義を完全再録。
[ 目次 ]
第1回 アンソロジーは選者そのもの(話し手として聴き手として;人生の季語;高校三年の日記 ほか)
第2回 アンソロジーは別の本への呼び水(まぼろしの一句;言葉の力;時を越えて ほか)
第3回 アンソロジーは“今という時”の記念(詩歌との出会い;矢野峰人訳「シナラ」;ダウスンは「シナラ」をこう読んだ ほか)
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