北村薫のレビュー一覧
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ネタバレ2月22日は猫の日ということで読んでみた。これまでアンソロジーはあまり手に取ることはなかったけれど、普段読まない作家さんの作品に触れることができてよかった。
1作品あたりのページ数も少なく、隙間時間で読むことができる。
【最も好きな作品】
柚月裕子さん「泣く猫」
17年会っていない母が猫に自分と同じ名前をつけていたことを知ったときの真紀の気持ちを想うとともに、母はどのような想いでマキと呼んでいたのだろうかと思う。
マキの登場が真紀の感情を引き出し、自覚させるきっかけになったのではないか。
【最も印象に残ったフレーズ】
北村薫さん「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」
「本の読み方にひとつ -
Posted by ブクログ
ネタバレ時と人3部作、最後の1作。
前作、前々作とは雰囲気が全然違った。
今までは戦後の話で、割と現代に近い感じだったが、今作は戦中戦後すぐ、くらいの話だったので、いまいちピンと来ない面もあったが……
やはりすごいなと思ったのが、物語の語り手の書き分けが見事。第一部は女子、第二部は男子。
北村薫自身は男性であり、前作前々作でも感じたが、女性の気持ちを書くのがとてもうまいと思った。
第二部はカッコ書きのセリフや日記部分が多く、少し読みづらいかも知れないが、そこを過ぎて第三部まで行くと……
途中、思わず「きゅん」としてしまったセリフがあったのだが……その後の展開で切なくなってしまった。
ここまで読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の桜木真理子さん。いや、この場合は一ノ瀬真理子さんになるのか?何れにしても、ユーモアに溢れていてチャーミングで、とても素敵な女性だと思った。
美也子さんも、桜木さんも、とても懐が開く、素敵な家族だなぁと思った。
自分の母が、妻が「わたし、17歳なんです」なんて言ったら、びっくりするよね。
確かに最初は二人ともびっくりしてたし、信じてはなかったけれど…今までは親子と夫婦、と言う関係だったのが、人間対人間の関係に変わっていって…その過程がとても良かった。
また、新学期が始まる!と言うので、家族一丸となって対策を練ったりしていたシーンがとても楽しかった。
10数年振りに読み返したが、当時 -
Posted by ブクログ
時と人3部作、完結。
第1章は、昭和ヒトケタの芦屋のお嬢さん。子供の頃に出合った運命の人。太平洋戦争に突入してゆく世の中に巻き込まれ、別れを迎える。
第2章の主人公は昭和30年の子供時代を語る。
スキップやターンのような「事」は、読み進めて半ば過ぎても起こらない。その後、たぶん、こういう話になるかなと考えてたら、そのままだった。
ひねりが無いというか、「事」が起こる必然性もあまり無い。
二度の再会、つまり真澄さんと和彦君の出会い、和彦君と真知子さんの出会いは、都合良過ぎじゃないのか。それに記憶があっても、人格は別なのではないのか。それを運命と云っていいのだろうか。
そんな文句の付け処はあ