北村薫のレビュー一覧
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ネタバレ時と人3部作、最後の1作。
前作、前々作とは雰囲気が全然違った。
今までは戦後の話で、割と現代に近い感じだったが、今作は戦中戦後すぐ、くらいの話だったので、いまいちピンと来ない面もあったが……
やはりすごいなと思ったのが、物語の語り手の書き分けが見事。第一部は女子、第二部は男子。
北村薫自身は男性であり、前作前々作でも感じたが、女性の気持ちを書くのがとてもうまいと思った。
第二部はカッコ書きのセリフや日記部分が多く、少し読みづらいかも知れないが、そこを過ぎて第三部まで行くと……
途中、思わず「きゅん」としてしまったセリフがあったのだが……その後の展開で切なくなってしまった。
ここまで読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公の桜木真理子さん。いや、この場合は一ノ瀬真理子さんになるのか?何れにしても、ユーモアに溢れていてチャーミングで、とても素敵な女性だと思った。
美也子さんも、桜木さんも、とても懐が開く、素敵な家族だなぁと思った。
自分の母が、妻が「わたし、17歳なんです」なんて言ったら、びっくりするよね。
確かに最初は二人ともびっくりしてたし、信じてはなかったけれど…今までは親子と夫婦、と言う関係だったのが、人間対人間の関係に変わっていって…その過程がとても良かった。
また、新学期が始まる!と言うので、家族一丸となって対策を練ったりしていたシーンがとても楽しかった。
10数年振りに読み返したが、当時 -
Posted by ブクログ
時と人3部作、完結。
第1章は、昭和ヒトケタの芦屋のお嬢さん。子供の頃に出合った運命の人。太平洋戦争に突入してゆく世の中に巻き込まれ、別れを迎える。
第2章の主人公は昭和30年の子供時代を語る。
スキップやターンのような「事」は、読み進めて半ば過ぎても起こらない。その後、たぶん、こういう話になるかなと考えてたら、そのままだった。
ひねりが無いというか、「事」が起こる必然性もあまり無い。
二度の再会、つまり真澄さんと和彦君の出会い、和彦君と真知子さんの出会いは、都合良過ぎじゃないのか。それに記憶があっても、人格は別なのではないのか。それを運命と云っていいのだろうか。
そんな文句の付け処はあ