北村薫のレビュー一覧

  • リセット(新潮文庫)

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    「スキップ」「ターン」と来て、最後が何とも不吉な「リセット」になるのだが…前2作と比べて全く時間に変化が起こらない…。第2部になっても兆候が見られなかったのだが、突然襲い掛かってくる「リセット」要素がかなり衝撃。

    タイトル回収まで時間がかかるのと、伏線や匂わせを多々散りばめさせているのも、前2作との相違点となっていて、ガラリと印象が変わる。

    ただこの作者は物事がそうなるまでの「過程」を非常に描いており、中には伏線でも何でもないただの「脇道」にそれるような描写もあるのだが、それが逆に「一人の人間がしっかり存在している」という雄弁な証になっている。

    正直オチは途中で読めてしまったが、(頼むぞ…変なことしないで、頼むぞ…)という良い意味での期待をしっかり裏切らずに成就させてくれて嬉しい。

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    2021年08月14日
  • 空飛ぶ馬

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    原作を読んだ後の爽やかな読後感をまた味わえるとは…。
    ぜひ「円紫さんと私シリーズ」続編をお願いいたします!

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    2021年04月30日
  • 自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室―

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     ワークショップのワクワク感が伝わってくる語り口。
     小学生の頃、すでにアンソロジーを編んでいる。恐るべき子ども。

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    2021年03月23日
  • ターン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    時と人シリーズ2冊目。銅版画家の真希が交通事故に会い、生きているのか、死んでいるのか、分からない。1日過ごすと何故か15時15分にその日へ舞い戻る。しかも誰もいない世界。150日目に真希の下に電話がかかり、現実世界の1人の男性・泉との会話が始まる。主人公・真希の潔癖性と泉への強烈なカタルシスが真希の可愛らしさを表現していたのだが、その一方で、これまでの母親との薄い関係性が母との愛情を深くした。最初から登場する「君」の存在、最後の眼を開けた瞬間、君達同士の印象はどうだったのだろうか。

    まさかとは思うけど、泉さん、柿崎の病室に行っていないよね?まさか、行ってしまったのか?

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    2021年01月23日
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

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    「時と人」を描く短編集
    いかにも北村薫氏らしい作品から、ちょっとホラーテイストなモノもあり、かなり楽しめる短編集でした。
    やはり私は北村氏の作品を読んでいる時間が好きなんだ・・・と改めて認識しました(^_^;)

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    2020年12月03日
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

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    □麝香連理草/誕生日 アニヴェルセール
    □☐くしゅん/白い本/大ぼけ 小ぼけ/道
    □☐◇指/開く/岡本さん/ほたるぶくろ
    □☐◇☐機知の戦い/黒い手帳/白い蛇、赤い鳥
    □☐◇☐◇高み/ヴェネツィア便り

    15の短篇。一つ一つじっくり読む。一つ読み終わるたびに自分の心に湧いてくるものに目を凝らす。それがほどけるまで次の一つに向かえない。

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    2020年12月02日
  • リセット(新潮文庫)

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    時と人のシリーズ第三作。記憶は人を形作るものではあるが、それが時を超えたらどうなるのだろうか。

    本作には様々な物語の伏線が張られている。それらのモチーフが突然現れては消え、また現れては消える。それでいて、一つの大きな物語を何度も形作っているのだ。

    第二部は独白が続くので、読み難いが、読み進め、時を遡っていくうちに、大きな物語のうねりに飲み込まれていく。

    惜しむらくは『スキップ』『ターン』から読み始めるべきだったかと思うことである。

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    2020年03月24日
  • 猫が見ていた

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    ジャケットの猫の目にやられた猫アンソロジー。
    短編が7作並んでいるけど、気に入ったのは柚月裕子さんの「泣く猫」だな。猫が脇でいい仕事をする。
    あと、「100万回生きたねこ」が感動の書なのか、絶望の書なのかは深いテーマだ。
    最後の猫小説傑作選も、また読まなきゃいけない本を増やしてくれる。

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    2019年01月20日
  • 愛さずにいられない―北村薫のエッセイ―

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    「海の王子」みたいな人…!
    北村先生のホンは読書欲がシゲキされてこまっちゃう。
    創元社の世界少年少女文学全集読破を今年の目標にしよう。ホンマかいや。

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    2017年05月22日
  • リセット(新潮文庫)

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    「時と人」シリーズ、三部作の最終巻。前2作とは序盤のペースが随分違いますので、最初は戸惑いました。

    だけど、クライマックスが凄かった。地名と状況から途中でピンときましたが、あの出来事をこんな形で使うのかと驚きました。そこに至るまでの文章量が多かったからこそ、なおのこと劇的な描写となったのだと思います。

    そしてラスト、ちょっとだけ涙腺が緩みました。あたたかい作品に出会えたことを、幸せに感じました。

    3部作でいちばんのお気に入りは「スキップ」で、それとはちょっと毛色が違うのですが、こちらはこちらで断然オススメです。

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    2016年11月27日
  • リセット(新潮文庫)

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    流星群。フライパン返し。切手。列車の事故。麦畑。

    高校の時に読んで以来、時折パッと灯が点いたようにこれらの場面を思い出していた。
    どちらかと言えば、一回限りでは内容を忘れてしまうことの多い私にとって、これは珍しいことだ。
    裏を返せば、本を読み返さずとも反芻してしまうくらい、強く印象に残った話だったということなのだろう。
    この度、ようやく、再読の機会を得た。

    細部まで記憶していただけに、「高校の時の読後感を再確認する」というくらいのつもりで読み始めたのだが、そうはならなかった。
    年かさが増し、色々な知識を得た結果だろうか。
    以前は二人の恋の行く末に目が行っていた。
    だから、どこか時を隔てても結びつく二人に「羨ましい」とさえ感じていたのだけれど、今回は「子どもたちを、こんな目にあわせてはいけない」という思いが、自分でも驚くほど強かった。

    戦争が、子どもたちから教育を奪っていく。
    主人公やその周囲はどちからといえば裕福で、お嬢様学校に通っていただけあってギリギリまで恵まれた学習環境にいた。
    それなのに、いや、もしかすると、だからこそ。
    少し前には雑誌の付録のカルタで遊んでいた少女たちが、テニスで遊んだ後にレモネードで喉を潤していた彼女たちが。
    飛行機の組み立てに参加する、尊敬する兄を隊内の暴力により亡くし絶望する、その落差に、やるせなさを覚えずにはいられなかった。

    確かに、何度も巡り会う運命は、とても美しいものだ。
    けれど、そうせずにはいられなかった運命は、決して歓迎されるべきではない。
    お互いの感情の行き違いではなく、「そうせざるを得なかった」というのだけは、絶対に、繰り返してはいけないと思うのだ。

    たぶん、当たり前のことなのだけれど。
    本は、同じものでも毎回違った印象を与えてくれる。
    それを改めて実感した、今回の再読だった。

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    2015年09月12日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

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    作中の言葉を借りれば『温かいお風呂に入ったような気持ち』になれる作品、かな。
    さきちゃんとお母さんの姿そのままに、やわらかでまあるい空気に包まれているよう。
    そしてちりばめられたかわいいユーモア。
    お母さんの交換日記(相手はさきちゃんではありません)、できることなら自分も参加させてほしいところ(笑)
    また「猫が飼いたい」では胸がキュンとなってしまった。

    北村薫さんは、長く高村薫さんとごっちゃになっていた方で(すみません)、これが初。
    推理作家でありつつ、こんなふうな作品もかかれるとは。
    おーなりさんの絵もじつにピッタリ!

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    2023年11月19日
  • 読まずにはいられない―北村薫のエッセイ―

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    北村さんの文章がたまらなく好きで、大切に読みたいと思えど、頁を繰る手が止まらない。まさに読まずにはいられない。
    気になる本をメモしながら読み進めましたが、巻末にどっちゃりと作品リストがはァッ…嬉しい悲鳴。

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    2013年03月04日
  • 自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室―

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    2009年 新宿 朝日カルチャーセンターでの講座、『アンソロジーの楽しみ』(3回)をまとめたもの

    筆者のアンソロジーに対する思いと、実際にアンソロジーを編んだ時の経験、そして書物、作家への愛がつめこまれた一冊。

    本好きな方は、どんどん本が読みたくなるだろうし、逆にあまり読まない方は、ここで紹介されているアンソロジーから手に取れば、好きな作家を見つけ、読み継いでいきたくなる、という楽しみを味わうことができることと思う。

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    2013年02月10日
  • 自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室―

    購入済み

    自分だけの一冊 

    北村薫の広範な知識に導かれながらアンソロジーの楽しさが紹介されていく。アンソロジーは読む楽しさだけではなく、選者のこだわりをなぞり、更に自分だけのアンソロジーを組んでみることを勧める。ミステリ好き以外の方にもお薦め。

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    2013年02月05日
  • 読まずにはいられない―北村薫のエッセイ―

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    あぁ、なんて愛おしいのか。
    小学生の北村薫さんがキラキラした瞳で本を見つめている姿が目に浮かぶ。
    そして作品からも伝わってくる北村さんの優しさはその頃から全く変わっていないんだなと思えた。
    そのことが自分でも呆れるくらいに嬉しくて胸がいっぱいになってしまった。

    この本は3章で構成されている。
    1は「読書 1978-2001」。
    本の解説がメイン。
    いつもは本文を読んでから解説を読むので、解説しかないという状況に少し戸惑った。
    それでも愛のあふれた解説はなんとも魅力的で、だんだん気にならなくなったから不思議。
    しかし大半がミステリなので、未読の方は注意と書かれたものは読めなかったのは無念だった。
    必ずリベンジしてやると心に誓った。

    2は「自作の周辺」。
    なぜ覆面作家だったのかが語られていたのがとても嬉しい。
    そして戸川編集長を拝みたくなった。
    北村さんの作品が読める幸せをかみしめる。

    3は「日常の謎 愛しいもの」。
    可愛い北村少年に出会い、優しいお父さんの一面も覗けてしまった。
    大好きな小説を書く人のことが作品同様に大好きになれる、こんなに幸せなことはなかなかないんじゃないか。

    そして巻末の著作リストの未読本をチェック。
    既読本もタイトルを見たらまた読みたくなるものばかりで、全部読めるのはいつになることやら‥。
    幸せな悩みだ。

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    2013年01月18日
  • 自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室―

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    アンソロジーに関する講義集。
    呼び水になる、というのに共感しました。
    読書欲は尽きることがないですね〜。

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    2010年03月19日
  • 自分だけの一冊―北村薫のアンソロジー教室―

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    この場に居たかった。
    いわゆる何チャラセンターの講義録。楽しいです。こんな講義の時に参加したかったですね。

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    2010年01月22日
  • リセット(新潮文庫)

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    前作前々作は比較的現代が舞台ですが、本作は戦前戦後の日本が舞台なので、テイストが違う。

    主人公の美しいお言葉遣いが素敵。

    彼女の過去の切なすぎる思い出。
    そして、未来で起こるまさかの出会い。

    感動するけど、どこか寂しくて、切なくて。

    北村先生。こういうの本当に巧いんだよなぁ。
    また虜にさせられてしまった。

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    2026年09月13日
  • リセット(新潮文庫)

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    8月の今読んだからかいろいろ感じるものがあった。
    まだ100年も経たない自分たちの親の世代に本当に戦争なんかあったのかななんて今の世の中からはちょっと想像がつかない。
    ラストはハッピーエンドで良かったけどちょっと奇跡が起こりすぎかなぁって感じもあった。
    まぁそれが小説ってものだから仕方がないかな。
    とりあえず読後感は良かった。

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    2026年08月24日