北村薫のレビュー一覧
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ネタバレまず、絵がいいですね。おーおなり由子さんとおっしゃるんですか、
なんどもなんども眺めました。
特に両ページいっぱいにある、嵐の後の川を見に行ったところがいいです。
うわっと広がっていますよね。
湿った空気、川の音、ぬれた草、さきちゃんとお母さんのスカートのはためき。
さきちゃんとお母さんのぎゅっとつないだ手。
それから、涙なくしては読めないつながり、
「くまの名前」「さばのみそ煮」「ふわふわの綿菓子」「猫が飼いたい」
が何ともいえないです。
「くまの名前」でドキンとします。さきちゃんのお父さんは…いったい…思いがけないことが人生には起こるのでしょうか。はっきりとは書かれていないけ -
Posted by ブクログ
流星群。フライパン返し。切手。列車の事故。麦畑。
高校の時に読んで以来、時折パッと灯が点いたようにこれらの場面を思い出していた。
どちらかと言えば、一回限りでは内容を忘れてしまうことの多い私にとって、これは珍しいことだ。
裏を返せば、本を読み返さずとも反芻してしまうくらい、強く印象に残った話だったということなのだろう。
この度、ようやく、再読の機会を得た。
細部まで記憶していただけに、「高校の時の読後感を再確認する」というくらいのつもりで読み始めたのだが、そうはならなかった。
年かさが増し、色々な知識を得た結果だろうか。
以前は二人の恋の行く末に目が行っていた。
だから、どこか時を隔てても -
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購入済み自分だけの一冊
北村薫の広範な知識に導かれながらアンソロジーの楽しさが紹介されていく。アンソロジーは読む楽しさだけではなく、選者のこだわりをなぞり、更に自分だけのアンソロジーを組んでみることを勧める。ミステリ好き以外の方にもお薦め。
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Posted by ブクログ
あぁ、なんて愛おしいのか。
小学生の北村薫さんがキラキラした瞳で本を見つめている姿が目に浮かぶ。
そして作品からも伝わってくる北村さんの優しさはその頃から全く変わっていないんだなと思えた。
そのことが自分でも呆れるくらいに嬉しくて胸がいっぱいになってしまった。
この本は3章で構成されている。
1は「読書 1978-2001」。
本の解説がメイン。
いつもは本文を読んでから解説を読むので、解説しかないという状況に少し戸惑った。
それでも愛のあふれた解説はなんとも魅力的で、だんだん気にならなくなったから不思議。
しかし大半がミステリなので、未読の方は注意と書かれたものは読めなかったのは無念だった -
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『スキップ』に続いて、時と人シリーズの第二弾。
29歳の版画家の真希はある夏の午後、
運転中に事故に遭いダンプと衝突してしまう。
気がつくと、自宅の座椅子で微睡から目覚める自分がいた。
15時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。
だが、この世界には真希以外誰もいなかった。
そしてどんな一日を過ごしても、定刻が来ると一日前の座椅子に戻ってしまう。
いつかは帰れるのか?それともこのまま?
だが150日を過ぎた午後、突然電話が鳴り……
スキップ同様、秀逸な設定である。
前半は謎の二人称で進み困惑するが、
この二人称にもちゃんと意味があり、これには驚かされた。
そう、電話が鳴ってからの展開はか -
Posted by ブクログ
物語は昭和40年代の初め、1960年代後半から始まる。
一ノ瀬真理子、17歳。千葉の九十九里方面の高校二年生。
それは9月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、
真理子は家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた。
次に目を覚ました時、見知らぬ場所にいる。
そして自分が桜木真理子、42歳。夫と17歳の娘がいる高校教師だと知る。
25年の時を超え、42歳の自分になってしまった真理子。
果たして、彼女はどうなってしまうのか。
まず設定が秀逸。いわゆるタイムトラベルものと言えば
過去へ戻るのが多々あるのだが、これはその逆。
自分が未来へ行ってしまうのだ。
冷静に考えれば、何も嬉しくない。地獄でし