あらすじ
神保町の古書店に出ていた、長谷川町子の姉妹社の本。懐かしい揃いの本、七、八十冊には、タイムマシンの窓を覗いたように嬉しい、解けない謎を解くような喜びがありました――書評や選評のほか、博覧強記な文学の話題、懐かしい人、忘れ得ぬ場所、日常のなかにいつもある謎を愉しむ機知についてなどを軽妙洒脱に綴る、滋味あふれる一冊。
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Posted by ブクログ
「海の王子」みたいな人…!
北村先生のホンは読書欲がシゲキされてこまっちゃう。
創元社の世界少年少女文学全集読破を今年の目標にしよう。ホンマかいや。
Posted by ブクログ
北村薫のエッセイ集。鮎川哲也氏が覆面作家としての
北村さんのことを「北村さんがお下げ髪の頃、
うちに来て、そこに座ったよ」と楽し気に煙幕を
張られたことを筆頭に、作家さんの訃報に際して
寄せられた文章がいくつか、直木賞を受賞される前後の
エッセイ、山本周五郎賞選評、が特に印象に残りました。
しかし、北村さんはどれほど本を読まれているのでしょうか…
Posted by ブクログ
物凄い量の本を読んでいる著者が,それらの内容を織り交ぜた文章を綴っている好著です.引用された本を少しでも読破したいものだが,これだけの量をこなすのは大変な努力が必要だと思った.暇があるから本が読めるかと言うと,必ずしもそうではない.かなり気合を入れないと読書は難しいと感じている.何度も出てきたが,ラジオの時代からテレビが家に来た時の思い出を読むと,同じような感覚だったなと懐かしめた.
Posted by ブクログ
北村氏の、文学へのありとあらゆる思いが、広く深くおさめられている、集大成のようなエッセイ。
氏の作品は小説しか読んだことが無く、エッセイは初めてだ。
ものすごい情報量、読書量、教養にたじたじ、何とかページをめくり終えた時にはホッとした。
「読み終えた」などとはおこがましくてとても口にできません。
1/懐かしい人 忘れられぬ場所
テレビの無かった時代の、想像の広がり。
日本ミステリ界の歩みを語る。
2/言葉と謎と日常
忘れられていく言葉たちを惜しむ。
共通の常識が無いので、落語のオチが理解されないこと。
伝統芸能を受け継ぐ形の違い、今昔。「そっくり」か「個性を出す」か。
文楽や寄席の“空気”を味わわせてくれた父親。
3/読書
山本周五郎賞選評。これが恐ろしい。選考委員としてなのだろうが、プロはこういうふうに本を読むのか、と戦慄した。
印象に残った本アンケート。
近代詩。夢の話。昔話の豊かさ。
ものを書くきっかけとなった本は何か、という問いに
『そこに至る全てが、自分を包んでいる生活が書かせている』