北村薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なんか似た名前の劇作家いたな…と思ったら、北村想さんで別人だった。
ということで、北村薫さんの作品読むのは、この中野のお父さんシリーズが初めてになる。そして、最初に読んだのは、最新刊『中野のお父さんと五つの謎』に収録されている短編で、オール讀物掲載時のもの。調べてみたら、割と前からシリーズ化されてると知って、第一作目のこの本を手に取った。
中野のお父さんの蘊蓄…という印象が強かったけど、この本を見たら、最初の頃は架空のお話が展開してて、最初はこんな感じのだったのね…と。最初のから読んでいる人にとっては、最近のがより蘊蓄が増してきたと思えるのかも⁇(どこかでそんなレビューを見た)
ちなみにご本人も中野のお父さん同様、国語の先生をなさってたらしい。
雑誌で読んだ時以上に、するする読みやすい気がした。短編なので、細切れに読める。ただ、一つの作品を読みかけて、時間を置いて読み始めると、こと文学的な蘊蓄になればなるほど、ついていけなくなりそうなところはあった。いや、自分が浅学なだけなのだが。
そして、巻末の佐藤夕子さんの解説が、本編以上にびっしり行間を埋めててちょっと笑ってしまうほどだった。砕けた物言いだが、漢文口調も相俟って、浅学な自分にとってはよりちんぷんかんぷんなところもあった。特に他の作品を読んだことない者にとっては。たぶん北村作品への愛がそうさせてるんだろう。
Wikiによると、北村薫さんの高校教師時代の教え子には、片桐仁さんもいたそう。その当時の授業風景を描いた作品もあるとか。そちらも読んでみたいと思った。 -
Posted by ブクログ
「煙草入れと万葉集」で国宝・桂米朝さんや桂枝雀さんが出てきて、エピソードを知ることができて、嬉しかった。
語り、伝承は、だれかが残していないと完全に消えるんだな…と遅まきながら気がつくお話だった。
前回の作品は「???」で私にはよさが理解できなかったのでもう読まなくていいかと思っていたところ、今回は読み応えある5つの謎で、鮮やかに解かれ、それぞれの話の閉じ方も鮮やかでキリッとしていたように感じた。
北村薫さんの文体は美しくキリリとしているので読んでいて気分がいいのだけれど、いまだ主人公の「ほ?」は気持ち悪い。なんとかいい方に捉えようとしたけど無理だった。耳について邪魔に感じる。
それから……
どうしても、過去の“偉大な”人々の話だし…とあまのじゃくな気持ちになることもあって、仕事の功績は素晴らしいのだろうけど人間性はロクなものじゃない人もいただろうし、出てくる“偉人”が男ばかりでゲンナリではあった。未だに現実は変わっていないので、昔なんて今よりそうとう酷かっただろうけどな。
だから細かなエピソードでその人となりを知ってほっこり、なんてことはなく、お前ら好き放題してんだから、仕事で苦労くらいしろよ、仕事で功績残したいんなら命懸けでやって当たり前だろう、まで思ってしまったな。それを支える人々が影に隠され出てこないのなら余計に。話がズレたけれど、今はもう、過去の偉人(男)の話は要らないな。それ自体が古いし気持ち悪く感じるようになった。 -
Posted by ブクログ
うつくしい書名、美しい表紙。そこに北村薫の名前。
いざ読み始めたら、作者には珍しいホラーであった。
おや、いつもと違う、もちろん「いつも」などというのは読者の勝手な思い込みだとわかっています。それでも、いつもと違うテイストだと思いながら、次へと進むと、なんとなく太宰治、と思いながら、どことなく三島も感じさせながら。
次はどんな味付けで読ませてくれる?そう思いながらページを繰るうちに、あぁ、お父さんシリーズにつながりそうなテイストを味わい、北村薫だなあとしっかり確認。最終の表題作はなんと美しく時を操ることかと、心が晴れました。読み始めは「錦繍」宮本輝を思わせます。女性の書簡体、良いですね。
荻野アンナの解説がまた秀逸。本編の作者の機知にきっちりと釣り合いの取れる機知にとんだ解説。バラエティに富んだこの本の読後を、しっかりと振り返ることができる素晴らしい解説。
この本は、書かれてある通りの順に読むのが良いかと思います。そうすると、北村薫の香りが馥郁と香ってきます。
どんどん芳香となって包んでくれます。
面白うございました。