北村薫のレビュー一覧

  • 中野のお父さんと五つの謎

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    最近、「ミチクサ先生」を読んだばかりだったので、
    出てくる文豪たちに親近感。
    またお会いしましたねもいう気持ちで読む。
    特に、こんなに菅虎雄の名前をこんなにお見かけするとは。
    大学時代以来かも。

    新人さんとの仲も微笑ましい。
    こんな風に下の子の面倒を見るって、
    実は難しいんだよねぇ。

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    2024年03月22日
  • 中野のお父さんと五つの謎

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    中野のお父さんシリーズ、今回はコロナ禍がようやく収まりつつある頃の設定。お父さんの蘊蓄にひたすら感動する。編集者の娘・美希と担当作家や同僚などなど、毎回安心のシリーズだ。

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    2024年03月21日
  • 中野のお父さんと五つの謎

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    老舗出版社「文宝出版(ぶんぽうしゅっぱん)」で編集者を務める、田川美希(たがわ みき)と、中野の実家に住む、高校教師のお父さんのシリーズ、第4弾。

    前作あたりから、軽やかな謎解きではなく、本の名前や作者の名前、落語の話や落語家の名前が芋蔓式に出てくるうんちく語りが長くなって、頭が追いつかない。
    美希もだいぶベテラン編集者の部類に入ってきたようで、後輩の新人・柴田李花(しばた りか)が新しく登場。
    今回、うんちくの語り手は増えて、大作家の村山富美男(むらやま ふみお)先生と、『小説文宝』に登場する作家中最年長の原島博(はらしま ひろし)先生も加わり、お父さんと三つ巴のうんちく合戦となった。

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    2024年03月19日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

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    9歳の女の子の軽やかな在り方と、それを暖かく大切にするお母さんのお話
    作者の半エッセイかと思えるような、丁寧な日常の切り取りはさすが北村薫
    こんな風に優しく、楽しんで、子どもの心を慎重に扱えるお母さんになりたい

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    2024年03月12日
  • 中野のお父さんと五つの謎

    匿名

    購入済み

    お父さんの

    美希ちゃんへの優しさと謎を解き明かす時に少年のようなキラキラしてる感じがギャップがあっておもしろいです。

    #癒やされる #タメになる

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    2024年03月03日
  • 中野のお父さんは謎を解くか

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    日本の近代の作家、作品に関する凄まじいまでの蘊蓄。作品だけでなく、それを扱った批評、リーフレット、映画・・ありとあらゆるものを、見て、読んで、関係性を詰めていかなければ、どこにネタがあるのかさえ思いつかない。今の各出版社の文芸担当さんは、この「お父さん」や「原島先生」に対抗できるのか?

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    2023年11月13日
  • 中野のお父さんは謎を解くか

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    前作よりも作家がらみの謎と蘊蓄が山盛りに増えて、北村薫作品らしさが溢れていた。

    作品の内容とは関係なく
    「煮詰まる」と言う表現が「思考が行き詰まって先に進まない」と言うようなマイナスイメージな意味に使われていた。
    私は「煮詰まる」と言う表現は、話し合いなどが充分になされて結論が出そうになっている良い状況の意味に使うのが正しく、最近よく聞くマイナスイメージでの使用は意味を知らない人が誤用して、テレビ、ラジオで広まってしまったものだと思っていましたが、北村薫氏がそんな事をするだろうか?
    今は便利だ。
    ネットですぐに調べられる。
    曰く、現在は広辞苑でもマイナスイメージでの解釈も載っているとのこと。

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    2023年08月06日
  • 中野のお父さんは謎を解くか

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    今回は特に、日本文学界のいまは亡き作家達にまつわる文学ミステリーがテーマだった。
    美希が担当する作家のなかに、中野のお父さんと同じく古書店巡りが好きな先生が登場したのも、良かった。
    いつか、お父さんと直接会ってほしいなぁ。

    中野のお父さん、今作では倒れて入院。
    健康面に心配が出始めるお年頃である。
    美希に質問されると、迷いなく数冊の本を持ってきて、解説してくれるお父さん。
    北村薫さんの知識量すごいな!と思いながら読み進めた。

    「お稲荷さん」が「大いなる遺産」とは、声に出して笑った。
    100万回生きた猫は絶望の書なのか、にタイトルが登場した「子供時代に好きだった本たち」。メモりましたとも。今

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    2023年07月10日
  • 中野のお父さん

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    日常の謎解き。体育会系編集者の娘が、ときおり謎を引っさげて中野の実家に戻り、高校教師の父に解明してもらう。推理能力こそ高いが、それ以外は普通のお父さん。「茶の痕跡」のみ過去に起きた殺人の謎解きを扱っているが、そのほかは人も死なず、ほのぼのした両親と娘の関係性に安定感があり、肩の力を抜いて読めた。

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    2023年06月17日
  • スキップ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    新版・作家の値打ちから。25年間をスキップ、という意味なんですね。繰り返しとか過去へのタイムスリップとかが多い印象だから、未来へってのは珍しいかも。というか、未来の自分そのものになってしまうという設定が新しいのか。一般的には、時間移動先の世界に、第三者として入り込むってのが多いから斬新なのかも。で、結局その不条理は解決されないまま物語が閉じる訳だけど、主人公のキャラもあって、湿った印象を残さないのも良い。この系統で数作書いているみたいだけど、他のも読んでみたくなりました。

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    2023年05月08日
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

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    不意にゾクっとさせられたり(そういえば、以前から時々、北村先生は静かに怖い話を出してくるのであった)、デビュー作から変わらないスタンスの文芸愛があったり。
    表題作は優しい書簡体ミステリで、心地よい読後感でした。

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    2023年04月14日
  • リセット(新潮文庫)

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    「時と人」シリーズ三部作の最終巻
    作品の中の時と人の流れについていくのが大変だったけれど、面白かったなあ。
    作品のコンセプトのひとつは「人は死なない」という思想。
    輪廻転生というような思想ではなく次代を担う若者の記憶に前を行きた人々がいる限り命は続くと。

    主人公の年齢、というより生きた時代の1番手前が私の生きている時代に近く、自分自身の記憶が蘇るということもこの作品の魅力だった。

    p282-木下夕爾
    麦のくろんぼ(黒穂)

    黒穂抜けばあたりの麦の哀しめり

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    2023年02月23日
  • 中野のお父さん

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    「日常の謎の名手」と言われる北村薫さんの出版界の日常の謎ミステリー!

    ミステリー要素は強くないけど、お父さんがスパッと謎を解決するところも、そしてそれぞれの謎に人情要素が絡んで自分の人生とも重ね合わせられる部分があるところがいいなと思う。

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    2023年02月12日
  • ターン(新潮文庫)

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    読み始めてしばらくは状況を把握するのに戸惑う。
    物語の中の主人公と同じである。
    読者の私は前編にわたってこのような調子で状況説明が続くのだろうかと、危うく本を閉じてしまいそうになる。
    けれど「こちら」と「あちら」が一本の電話で繋がると話は一気に面白くなる。
    本を閉じずによかった。

    第9章のp3368行目から
    「〜愛している片方が、夢をあきらめて、その代わり自分べったりになってくれるとしたら、そんなの我慢できないはずですよね。」と言う文章、以下まだ続くのですが、
    コレ私が以前観た映画「ララランド」の主人公が、自分が彼女から離れて彼女が夢を叶えることに全力をそそげるようにしてあげるのが本当の愛だ

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    2023年02月12日
  • スキップ(新潮文庫)

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    こういう設定、考えた事なかったなあ。
    17歳の女子高生が一瞬で42歳の高校教師になってしまう。タイムリープではない。
    25年後の世界に現存する1人となって溶け込んでいる。
    そんな状況に色々と無理ではないかという事象はあるのだけれど、本作の設定自体実際には無理なのだろうから仕方ない。
    実態は17歳の女子高生がスキップ先の時代で必要に迫られて高校3年生の国語の授業をする。
    この高校教師が本物の中堅教師でもなかなかできそうにないかなり深みと味わいのある授業をしてのけるのが不思議なのだが、読者としてはいつしか1人の優秀な教師を見ている気になる。
    そこで想像するのは主人公の女子高生本人自身かなり優秀な高

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    2023年02月04日
  • ターン(新潮文庫)

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    学生のころ、3部作読みたいなぁと思って
    20年くらい経って。ふと思い出して読んでみた。

    前半のゆっくりした時間の流れから一転、
    後半の特に柿崎が出てきてからのストーリーは
    手に汗握る、緊張の展開でおもしろかった!

    自分が柿崎と二人だったらと思うと
    背中に冷や汗が流れた。。怖すぎる。。

    あたまの中の彼のことは、よく分からなかったけど…物語の随所に作者の伝えたいメッセージが込められていて。

    特に、好きな人が好きなこと・大事なものを捨てて、自分のとこへ来てくれても…果たしてそれは、自分が愛したその人なのか?というくだりは、はっとさせられた。好きな人を大事に思うということは、そういう事なんだと

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    2022年12月11日
  • スキップ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    残酷すぎる。階段から落ちたわけでも事故にあったわけでもなく、ただ寝てた間に25年の時が過ぎ、しかも戻れない。一番華やかであろう20代も仕事子育てに熱中した30代も真理子には存在しない。そんな中で頑張る彼女。記憶喪失の場合は、いつか思い出すかもしれないという救いがあるから多分タイムスリップなんだろうと思う。唯一救いがあるとすれば夫も娘も理解者だったことだろうか。そんな夫と結ばれ、娘を育て、生徒に慕われる真理子もまた立派な人間だったんだと思う。42歳の真理子は17歳を満喫しているのだろうか…。

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    2022年11月29日
  • 中野のお父さんは謎を解くか

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    シリーズ2作目。
    体力自慢の文芸編集者、美希が日々の仕事で遭遇する謎を、中野の実家のお父さんが鮮やかに解決する。

    ワクワクしながら、本書を手にする。
    でも、「中野のお父さんは謎を解くか」というタイトルはやや不思議。
    だって、解くに決まってるんでしょ?

    そうして目次を開く。
    全ての章題が疑問文なのだ。
    統一を図った―というのもあるが、もう一つはお父さんが倒れてしまうから、かな。
    病床から謎は解けるのか、ということか。

    今回は太宰の「春の盗賊」に出てくる「ガスコン兵」とは何かを紐解く「ガスコン兵はどこから来たか」が印象に残った。

    たぶん「春の盗賊」、昔読んだ気がするが…
    ガスコン兵以前に、

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    2022年10月23日
  • 中野のお父さん

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    編集者の主人公が、仕事やプライベートで出会った些細な、不可思議な出来事を、実家の父親がするすると解いていくという、実に北村薫さんらしいお話。
    たまーに文学系の謎が入ってくるところまで、実に"らしい"。
    シリーズが出ているようなので、読破したい。

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    2022年09月20日
  • 月の砂漠をさばさばと(新潮文庫)

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    北村薫さんって、こんな作品も書くんだ、とビックリした。
    同一人物ですよね、「私」シリーズの北村薫さん。「ベッキーさん」シリーズの北村薫さん。
    母子家庭の二人の心情がホッコリと時には寂しく伝わってくる。
    まるで母親目線。
    女性が書いたように感じてしまう。

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    2022年09月08日