北村薫のレビュー一覧
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北村さんの「時と人の三部作」連続・再読破です。
どうも「何時か”リセット現象”が起こるはずだ」と待ち構えて読んでしまいます。しかしそれがなかなか出て来ない。そのため為、何か間延びした印象を受けてしまいました。しかし考えてみれば、SFでは無いのだから、別にその現象を描きたい訳では無く。
そういう目で見直せば二人の主人公の生い立ち話は、時代の雰囲気も含め、じっくり丁寧に(とはいえ丁寧過ぎるかも知れないが)見事に描かれています。
全てを通して、心地よい読後感のあるシリーズです。
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03-051 2003/07/10 ☆☆☆
「スキップ」「ターン」に続く《時と人》シリーズ三作目。
待ちに待った文庫化がなり、早速購入しました。でも・・・やや期待はずれ 「スキップ」「ターン」以上にSFチックな舞台設定を期待していましたが、肩透かし。まあ、これは私の身勝手な期待ですから仕方ないとしても、主人公のキャラクターがいつもの北村さんらしくない。北村さんのヒロイン=若さ一杯で元気で真面目、そういう図式が私の中に有るのですが、今回のヒロインは今ひとつ突き抜けてない感じがします。まあ、よく言えば現実的なのですが。
とはいえ、上の意見は私の見解。解説の宮部みゆきさんの意見では、3部作の最高峰だそうで、確かに女性には受け入れやすい物語なのかもしれません。 -
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いよいよ、小説アンソロジーもハンドメイドの時代か?!
「選ぶ、というのは、どういう自分であるかーという表現」、そりゃそうだよなあ、とは思うものの、「20年、30年経った時に、そのページをめくると、《時》が蘇ってくるのではないでしょうか」とするならば、それって「日記」とどう違うのでしょうか?
個人的レベルから普遍的レベルになるには、何が必要なのか?を考えてしまうので。
ところで。
「綾辻行人と有栖川有栖のミステリ・ジョッキー」と重複する作品を「ベストの選択という気持ちが揺るがなかった」「読者が重なるとはいえず」取り上げた、ということですが、
フフフ、重なってますのよ、少なくとも1人は。…と自分にメモ。 -
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副題に「北村薫のアンソロジー教室」とある。その名のとおり、2009年初めに新宿のカルチャーセンターで3回にわたって行われた、北村さんによる講義録だ。何せ、北村さんの持論は、「アンソロジーを編むということ=(イコール)『今』の『自分』を語ること」らしいので、興味津々。 読書家としても、アンソロジストとしても著名な北村さんが、どんな風にアンソロジーを組み立てていくのか、その真髄とも言うべき発想の仕方と、実作業の片鱗を語ってくれている。 読んでみて、何よりも驚くのは北村さんの早熟ぶりだ。何と、小学生の時には、すでに手書きのアンソロジーを手書きでノートに書いていたというのだ!「スペイン民話集」という絵入りの実物も収録されており、その構成と着眼点に驚くばかり。いろいろ読書のヒントをもらえる「レッスン」でした。
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「時と人」3部作、第3作目。
獅子座流星群、石川啄木の詩などを軸に太平洋戦争を挟んで時を越えていく想いの物語。
実は読後一番に思ったのは「恩田陸の『ライオンハート』にそっくり…」だった。
もちろん発行はこちらが先ですが。
それでも「スキップ」「ターン」「リセット」の中で私が一番好きなのはこの「リセット」。
淡々と描かれた(だからこそ読んでる方は切ない)戦時中の少女の生活の様子とか、当初は一体どこで時が関係してくるの?とも思ったけれど、第1部の終わり、工場が狙撃される辺りから手が止まらなくなった。
残酷な別れ。そして2度目の邂逅。
第3作にしてようやく"時"が優しさを見せてくれる。
ようやく訪れた平穏な時間の中で、彼女が彼がどうか幸せになれますように。 -
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読み始めて、雪月花の続編と気付いた。縦横無尽に本に関する話題が続く。だから纏まった感想を述べるのは難しいので、散文的に記す。
・橋本治が落語を知らかったのではという指摘。嘘だろうと思った。橋本さんには歌舞伎や文楽のことを随分教えて貰った。ちょっと信じられないが、小林信彦の読みの方向として過っている訳ではないという。
・その小林信彦の「悪魔の下回り」。落語の言い回しが随所に使われている。小林さんを50年以上愛読しているが、この本は随分前に読んだので、細かい箇所は忘れてしまった。悪魔の下回りは大阪に澤田隆治を訪ねてきた小林信彦を香川登枝緒が評した言葉とのこと。痩せて黒づくめだったという。
この対面については、小林さんの立場から日本の喜劇人に記されているのを読んでいる。北村さんほどではないが、それでも自分の範疇にある話があると嬉しくなる。
・作家と編集者のやり取り。米国でも編集者がかなり原稿に手を入れている。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーの名も出てくる。作家は書くべきものを知っているが、どう表現するかを知っているわけではないと。
・後半の私的かるた作り。いろんな小説の印象的な一文を抜き出したかるた。編集者や編集長と語り合う。つまり同好の士ということか。僕でも判るのがあると嬉しくなる。読んだ本なのに答えが判らないのはちょっと悔しい。
・最後は徳田秋声について。記念館と縁が出来、金沢を訪ねる。徳田秋声は読んだことが無い。室生犀星も「蜜のあわれ」を映画化のときに読んだだけ。読んでみようかな。 -
Posted by ブクログ
>夏目漱石の「月が綺麗ですね」問題、妄想もっともらしく広がる。
>松本清張『点と線』飛行機問題のなぜか。
>『鬼平犯科帳』以前に鬼平が出ていた池波正太郎の『白浪看板』とそれを語った落語家三遊亭圓生。
>久保田万太郎と三遊亭圓生と柳家小せんと煙草入れと古い文化の継承と万葉集。
>芥川龍之介と処女出版『羅生門』と夏目漱石と菅白雲(菅虎雄)と柴田宵曲と日夏耿之介と正岡容と三遊亭圓右。
〔感想〕小説形態の文学論・文化論と言える。これまで疑問も感じたことがなかった部分に直目して掘り下げてくれる。
■お父さんについての簡単な単語集
【明智】文宝出版映像事業部社員。将棋好き。
【安西】洋々社の編集者。
【筏丈一郎/いかだ・じょういちろう】編集者。堂々たる体格。週刊誌に配属されたとき足りないよりはと出前を余分に取り余ったら自分で処理しているうちにだんだん横幅が広くなっていったという恐怖の「筏」伝説を持つ。
【うっかり】百合原ゆかりいわく「しっかり者が、うっかり者に転落するのは簡単よ」p.187
【大村亜由美】文宝出版に入ってきたばかりの社員。文庫部署。兄が元野球部でしめしめ。
【お楽しみはこれからだ】和田誠さん著。好きです。
【お父さん】田川美希の父。高校の国語教諭。いろんなことを知っている百科事典タイプの人物。年々お腹が大きくなっている。
【鬼平犯科帳】池波正太郎著。テレビドラマはそこそこ観てます。中村吉右衛門さんのシリーズが好きです。
【神様】原島先生いわく《神様ともなると、大変なお年だ。健康のため、ウォーキングは欠かせない》快刀乱麻p.14
【亀山太四郎/かめやま・たしろう】『小説文宝』の定期購読者の中でもおそらく最高齢の人。昔、郵便配達員だった。
【鑑賞】《優れた鑑賞者は、自分の中に価値ある物語を作りあげる。》快刀乱麻p.188
【北原久仁香/きたはら・くにか】池波正太郎の『白浪看板』を朗読しはった。
【国岡学/くにおか・まなぶ】作家。連載中の中国古代を題材にした大作は未希の担当。
【国高貴幸/くにたか・たかゆき】文宝出版の推理新人賞応募作『夢の風車』を書いた。五十八歳。
【小池】ミステリ作家。
【コレクション】村山先生いわく《コレクションの値打ちというものは、また格別。音はほかで聞けても、物自体に思い出がある。その大切さというのは、当人にしか理解出来ない》快刀乱麻p.273。ぼくはコレクター気質ではないですが気分はわかります。ドビュッシーの「ピアノ曲全集」と「管弦楽曲全集」と、「小さな恋のメロデイ」のオリジナルサウンドトラックはプレイヤーもないのにいまだレコードを持ってます。あとソノシート類も二度と手に入らない音源だと思うと処分しにくいので残ってます。
【塩谷一刀/しおたに・いっとう】作家。運動不足を痛感してランニングに目覚め熱が入っている。直接の担当者は百合原ゆかり。
【柴田李花/しばた・りか】「五つの謎」の巻で登場した新人編集員。
【趣味】《趣味なら、人は動く。》快刀乱麻p.31
【小説】お父さんいわく「小説ってのはせんじ詰めれば筋じゃない。どう書くかだろう」p.27。個人的にもそう思う。極端に言えば文章がよければ中身が多少陳腐でも楽しめる。
【田川美希/たがわ・みき】→美希
【太宰治と松本清張】同じ年生まれなのか・・・びっくり。ついでに大岡昇平も同じ年。
【手塚】春秋書店の編集者。高校時代に野球部で県でも評判の剛腕投手だった。美希から「嫌なやつ」と思われたり「いいやつ」と思われたり。相手役?
【藤堂】洋々社の編集者。眼鏡の似合うクールな感じ。雨男。ゆかりと結婚する。
【虎谷紫苑/とらたに・しおん】美希より少し年下の編集者。ボーイッシュなタイプだったが女性週刊誌に異動して化けた。
【日本近代文学館】『五つの謎』で出てきた施設。そこの喫茶店が楽しいらしい。たしか昔、館ができたときに記念切手が発行されそれを持ってた記憶があります。こういう施設で記念切手が出るなんて相当画期的なんやなあと思った記憶もあります。
【蜂川光起/はちかわ・こうき】文学史上重要な作家。
【原島博/はらしま・ひろし】趣味は古書店巡りという本好き。中野のお父さんと傾向が似ている。
【半分だけ】古井由吉さんいわく《ああ、この《半分だけ》の酒。たとえ千金を懐にしていても、この《もう半分だけ》の美味さ。この味を知らない者は酒呑みと言えない。》快刀乱麻p.275。そういえぼテレビドラマ「孤独のグルメ」で五郎さんがよく、最後にご飯を半杯注文しますが、そういうところもあるのかもしれませんね?
【備中高松城】秀吉の水攻めで有名。岡山出身で授業で取り上げられてましたが秀吉に対する反感はなく、なんかうまくやられてしまったなあという印象で習いました。
【星野洋子】大先輩編集者。いっしょに安藤忠雄の展覧会に出かける。
【丸山】『小説文宝』編集長。細長い顔に眼鏡。眼鏡はちょこちょこ変えている。文宝社長に、俺はなる! とシラフで叫んでいたらしい。
【丸山の姉】美人。一人娘に有香がいる。
【美希】田川美希。主人公。文宝出版編集者。二十代後半→三十代。大学でバスケットボール部のレギュラーやってた。バスケ協会公認コーチの資格も持っている。体育会系ではなく体育会。
【村山富美男/むらやま・ふみお】大御所作家。人格者な上、締め切りを守る。野球好きでソフトボール部も作った。古希をきっかけに作家・編集者による軟式野球部「Cockys」も作った。
【八島和歌子/やしま・わかこ】『別冊文宝』編集者。ゆかりと同期。背の高い素敵な美人。「ドラえもん」のことならなんでも知っている。
【有香/ゆか】丸山の姉の娘。びっくるするほど可愛い。サンタさんにダッフィーをもらいたい。
【ゆかり】百合原ゆかり。美希の先輩。我が道をゆく女って感じ。藤堂と結婚する。
【百合原ゆかり/ゆりはら・ゆかり】→ゆかり
【落語】『中野のお父さんと五つの謎』では落語中心の話が印象的。最近テレビで昔の落語を放送してくれたりしてて観るのだけどなぜかあまり楽しめない。落語好きで本もけっこう読んでるし資料もけっこう持ってるのになんでやろう? なんかセンスとかテンポが落語とズレてきたんやろうか? かつての状態に調整したいところ。
【落語家さん】売れっ子でイケメン。歌もうまい。
【リカちゃん】→柴田李花
【若森瑠璃子/わかもり・るりこ】晩年の蜂川光起に気に入られていた知的な作風の作家。