北村薫のレビュー一覧
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◼️ 北村薫「中野のお父さんの快刀乱麻」
シリーズ第3作。編集者の娘が持ってくる謎を国語教師のお父さんが解く。人情あふれるリテラリー・デテクティヴもの。
けっこう久しぶりの北村薫。「空飛ぶ馬」からスタートする、探偵役の落語家、ワトスン役の女子大学生の「円紫さんと私」シリーズでミステリ好き、小説好きをうならせ、「スキップ」「ターン」「リセット」の「時と人三部作」で話題を呼んだ。そして1930年代の令嬢と女性運転手の物語「街の灯」「玻璃の天」「鷺と雪」の「ベッキーさんシリーズ」最終作で直木賞を受賞した。
日常の謎、文学や落語、その他知的好奇心を刺激する要素が絡む豊かな下地、ストーリーは清潔感 -
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文宝出版の編集者田川美希が出会う、本にまつわる謎を、中野に住むお父さんが見事に解いていくシリーズ3作目。
こちらは円紫師匠シリーズと違い、ほぼ本の話限定で、マニアック(笑)ですが、軽妙でかなりライトな作風です。
今回の謎の対象となる方は、大岡昇平、古今亭志ん生と志ん朝、小津安二郎、瀬戸川猛資、菊池寛…って、若い人にはハードル高いですね。僕もかろうじて名前だけは…というところです。
菊池寛は教科書で(文藝春秋の、直木賞・芥川賞の
人)。小津安二郎の映画は観たことなくても、笠智衆は読めますし、観たことありますよっ!(もちろん、寅さんの方で) -
Posted by ブクログ
今まで信じていたものがそうでないとわかったとき、人は少なからず動揺します。
アイラブユーを月がきれいですね、と訳したのは漱石ではなかったと知ったとき、本書を二度見しました。
え?!(゜Д゜)
(゜Д゜))))
えーーっ?!
そう…だったんですね…。
自分が今まで信じていたのはなんだったのでしょうか。都市伝説だったのでしょうか。
では、誰がそう訳したのでしょうか?
なぜその説が広まったのでしょうか?
様々な出典から探っていく、今回はそんなストーリーでした。
そもそも自分が知ったのは何かのクイズ番組だったと思うのですが…
はたして、今回中野のお父さんがたどり着いた答えは…?