北村薫のレビュー一覧

  • ターン(新潮文庫)

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    初の北村薫さん。文庫本の紹介文に惹かれて読みました。
    主人公の真希は内なる声といつも会話してるようだ。どうやら小さい時から。交通事故で意識不明の真希は誰もいない世界に入り込み、同じ日を数ヶ月孤独に過ごすのだか、やはり内なる声はそばに居る。突然、泉という男から電話がかかってきて現世との接点が出来るところから面白くなってきました。内なる声は泉なのか・・・。

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    2021年05月08日
  • リセット(新潮文庫)

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    ネタバレ

    僕の大好きな、ちょっぴりタイムパラドックス系のテイストが入ったお話。最初の300ページほどは若干読むのが苦痛でしたが(笑)、ラスト100ページは最高に面白く、かつラストまで読んだらまた最初の300ページを読み返したくなる素敵な物語でした☆どちらかと言うと男性よりは女性向けの本だと思いますが、面白いので是非一度読んでみて下さい♪

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    2021年03月23日
  • ターン(新潮文庫)

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    北村薫の「時と人 三部作」と呼ばれる作品の2作目。

    版画教室の講師を勤めながら銅版画家として生活する主人公・森真希。
    とある夏の日、彼女は車を運転中に誤ってダンプと衝突してしまう。
    が、目が覚めるとそこは自宅の座椅子。
    夢か…と思いつつ行動し始めるが、何かがおかしい。
    物音一つしないのである。
    更に、昨日体験したはずの出来事が無かった事になっているのだ。
    不思議に感じた真希は外に出てみると、そこはどうやら真希以外の生き物が一切存在しない世界であった。
    そんな世界で過ごした翌日、15時15分になると再び彼女はいつの間にか座椅子でまどろんでいた。
    つまり、どのように過ごしても事故と同時刻になると

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    2021年03月14日
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    15篇の短編集。内容は様々にバラエティに富んでいる。
    やっぱり北村さんはうまいなぁーーー。

    「麝香連理草」
    1Pと数行。でもきっちりとお話がある。

    「誕生日 アニヴェルセール」
    淡々とした中に、二人の人生が詰まっていた。

    「白い本」
    読んでさえもらえれば。知ってさえもらえれば。
    切ないですね。

    「開く」
    じわじわじわと…最後に急加速で結末へ。怖いなぁ。

    「岡本さん」
    ほっこりかと思いきや、怖い。

    「ヴェネツィア便り」
    時がテーマの一往復の書簡。手紙を書きたくなりました。

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    2021年03月08日
  • ヴェネツィア便り(新潮文庫)

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    北村さんの短編は初めて読んだ。
    とても短いものから、少し長めのものまで。
    ホラー要素のあるもの、じんわり泣けるもの、と様々だが、どれも「時」がテーマになっている。
    「白い本」
    「ほたるぶくろ」
    「機知の戦い」等が好み。

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    2021年01月28日
  • スキップ(新潮文庫)

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    17歳の少女が、雨の夕方ちょっと横になり、目覚めたら42歳の主婦になっていた。
    女子高生の主人公が、目覚めたら結婚して子供もいる42歳の自分に早送りされていたというのは、今まで目にしてきたタイムスリップものとは一味違う。
    自分ならもっと途方に暮れてしまいそうだが、真理子は受け入れられない思いを抱きながらも、その世界の自分がやるべきことを自分自身の事として取り組み始める。
    42歳の自分は、高校の国語教師なのだ。
    高校生の真理子が、高校の教師としてやっていけるのか、夫や娘とはどう過ごしていくのか、そしていつか元の世界に戻るのか、ドキドキしながら引き込まれました。

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    2021年01月27日
  • リセット(新潮文庫)

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    第二部の半ばまで別個だった二つの話が繋がっていく面白さ、人の思いの深さにしみじみした。恋愛小説はあまり読みたいとは思わないのだが、こういうのは素直に良かったなと思う。一部のブルジョアの家庭の戦争時の話も興味深かった。

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    2020年10月26日
  • 猫が見ていた

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    ・マロンの話 ★★★★★
    ほたんとマロンの関係がいいね!
    私も猫と話したい

    ・エアキャット 欲しい★★★
    火村先生のシリーズの短編だった!
    ちょっと長めの短編かと思いきや結構短く収まってた。
    内容としては、まあまあね。

    ・泣く猫 ★★★
    普通。悪くはない!

    ・「100万回生きたねこ」は絶望の書か ★★★
    後半が良かったわ。
    特に本を読む姿勢というか読んだ感想ってのが人それぞれってところが。

    ・凶暴な気分 ★★★
    始めは茉莉子に全く感情移入できず、むしろ嫌なやつだなーと思ってた。
    ただ後半この凶暴性って誰しも内に秘めてるもんじゃないかと思った。

    ・黒い白猫 ★★★★
    興味深いタイトル

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    2020年08月10日
  • 中野のお父さん

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    編集者の娘が持ち込むちょっとした謎を瞬く間に解いてしまう安楽椅子探偵の父親、という構成の連作短編集です。
    1つの分野に特化して蘊蓄と謎を絡める趣向の作品が流行っており、それはそれで作家さんが取材で集めたネタを工夫して料理するところが面白いのですが、本書は北村氏が持つ文学の豊富な知識を遊び心で使ってみたような気負いの無い円熟味を感じました。
    落語でいえば名人芸の領域でしょうか。

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    2020年06月06日
  • ターン(新潮文庫)

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    「不毛なのは毎日ではなく、私だと。繰り返しの味気ない日常にしているのはいつも自分だ」

    「人間は、人との約束は守ろうと努力するのに、自分との約束はすぐに破ってしまう」という何かで読んだフレーズが頭に浮かんだ。自分ひとりの世界で、強い意志を持って生きるのは難しい。コロナ禍の自粛の中、この期間をどう生かすか。

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    2020年05月11日
  • ターン(新潮文庫)

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    最初の方は声との対話が読みづらかった。

    単純に想像したりはらはらして読んでいたけど、深い…

    孤独って何かとか
    自分にしかないものって何だろうとか?
    愛とか?

    うーん。ちょっと読みにくかったけど好き。忘れなさそうなお話。

    北村さんの本は初めてよみました。

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    2020年03月23日
  • ターン(新潮文庫)

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    ネタバレ

    主人公は29歳の女性版画家森真希さん。ある日交通事故で命の危機に遭遇したのをきっかけに、時空のパラレルワールド"くるりん"に迷い込んでしまう。毎日15時15分になると、それまで過ごしていたことが全てリセットされ、昨日の15時15分@自室の畳の上 に戻ってしまう。そうして永遠に毎日同じ日々をくり返すのか、と思ったら果てしない孤独と生きがいの見出せなさに絶望感を抱いてしまいそう。
    現実では時間を繰り返すことはないけれど、付記にもあるように朝起きて朝食を食べ身支度をし仕事をして帰って寝るという同じ行動の繰り返しに、鬱屈とした気持ちを持つことが社会人なら誰しもあると思った。だからこ

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    2021年01月29日
  • 猫が見ていた

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    ネタバレ

    有名作家による猫アンソロジー本。
    猫が主人公のアンソロジーではなく
    人間がメインで猫はオマケのようです。

    「『100万回生きたねこ』は絶望の書か」北村薫
    を目当てに読みました。「うんうんそうだよねぇ。」と
    頷いてしまいました。

    他の作家さんはすべて初読みの方でした。
    湊かなえさんの作品は自身の体験を
    基にしたのでしょうか。興味深く読みました。

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    2019年11月06日
  • ターン(新潮文庫)

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    あらすじ
    真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。いつかは帰れるの?それともこのまま…だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。

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    2019年11月05日
  • リセット(新潮文庫)

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    時と人の3部作、スキップ、ターンに続く第三弾。

    十数年ぶりに再読したが、すっかり内容を忘れてた。

    スケールの長い話。戦中の第1部、戦後の第2部で全く別の話が語られるが、そこまではその意味がわからない。
    最後の第3部でやっとそれらがつながる。

    スキップやターンのような、シンプルな時間の移動の話ではなく、ちょっと趣が異なる。そこに好き嫌いは出るかも。

    これ、二回続けて読まないと内容を味わえない話だと思う。個人的にはそれは面倒なので、シンプルな話のほうが好みではある。

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    2019年10月21日
  • ターン(新潮文庫)

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    主人公の駆け出しの女性版画家に絶えず話しかける男性の声。昔、池澤夏樹さんの1枚の写真をもとに「君」に話しかける掌編集があったけど、それに似ている文章。
    でも、あれは一方的に君に語りかけていかけど、この本では主人公とその誰かが対話している。不思議な文体。筆者が主人公に話しかけているんだろうか。

    事故で誰も居ない時間の中に囚われてしまった彼女。その時刻が来ると、1日前に「くるりん」してしまう。

    長い孤独の末に1本の電話が鳴って、物語が動き出さす。これが声の主?そうすると、これまでの文章は回顧してたわけか?
    後になって、勘違いに気付くんだけど、ボール球で空振りを取るのが上手いなあ。文句をつけてい

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    2019年03月19日
  • 愛さずにいられない―北村薫のエッセイ―

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    北村薫のエッセイ集。鮎川哲也氏が覆面作家としての
    北村さんのことを「北村さんがお下げ髪の頃、
    うちに来て、そこに座ったよ」と楽し気に煙幕を
    張られたことを筆頭に、作家さんの訃報に際して
    寄せられた文章がいくつか、直木賞を受賞される前後の
    エッセイ、山本周五郎賞選評、が特に印象に残りました。

    しかし、北村さんはどれほど本を読まれているのでしょうか…

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    2019年02月09日
  • リセット(新潮文庫)

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    スキップ・ターン・リセット。時と人の三部作。
    実は、スキップは読んだけどターン読んでません・・・。たまたま古本屋さんにあったので買ってしまったリセットを先に読んでしまった。

    人生は一度きり。時間は不可逆的で二度と元には戻らない。その前提が崩れた時、人はどうするだろう?そして、その想像を経て、僕達はどう生きていけばいいのだろう?他人に対してどのように接し、人からもらった優しさを、どのように繋いでいけばいいのだろう?

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    2019年01月21日
  • 猫が見ていた

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    ネタバレ

    猫に纏わる短編やエッセイを集めたアンソロジー。
    豪華なメンバーと表紙の美しい猫に惹かれて手に取りました。
    どれも魅力的な作品でしたが、中でも東山彰良さんの「黒い白猫」が良かった。舞台は台北という物珍しさに、ニン姐さんという気骨のある彫物師(タトゥー)が素敵。浅はかに刺青を入れたがる若者を諭すセリフに感動です。クリスティアーノ・ロナウドが好きなりました(笑)。
    東山作品は一つだけ読んで苦手になって遠ざけていましたが、今後は読んでみたいと思います。アンソロジー効果ですね。

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    2018年09月05日
  • 猫が見ていた

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    「猫がでてくる小説集」というだけで読んでみました。
    今まで読んだことのない作家さんの作品にも触れられて「猫関係なく読んでみたい」と思える出会いもあってよかったです。
    それにしても、登場する猫を速攻頭の中で3D化して触り心地や声、眼の色、肉球の具合なんかをついつい妄想してしまう…地の文を読むよりもそっちに割いた時間の方が長かったかも!?

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    2018年08月09日