北村薫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日常よりも日常らしいけれど、嘘くささがない。何気なくて、家族と過ごす幸せや温もりを感じる瞬間を丁寧に書き起こしていて、疲れた時に読んで癒される本。
お母さんとさきちゃんのほのぼのして温かい日常には、ごく稀に、スウっと風が吹き込むように、父の不在(離婚と思われる)が現れます。無理だと言われてもさきちゃんが野良猫を連れ帰ろうとする話がありますが、お母さんは猫だけでない色々なものを重ねていたのかも。
猫を飼うのは無理だけど、お母さんはいつだってさきちゃんを想っていて、一瞬一瞬、一緒に過ごす時間を大切にしていて、それが端々に描かれています。文章であの空気感をこんなに表現できるんだ……と、びっくりする -
Posted by ブクログ
本屋をのぞいていたら、本シリーズの最新刊が単行本で、2作目が文庫化していた。これはいかんと、積読の山から本書を救い出した次第。
北村薫さんの小説の舞台は出版社となることが多い。そして主人公は若い女性が多い。本書の主人公は若い文芸編集者の美希。まさに北村薫の世界ど真ん中である。この美希が、仕事で疑問に思ったことや辻褄の合わない謎を持ち込むのが、中野にある実家。そして、謎をはらりと見事に解きほぐすのは、定年間近の国語教師の父である。
北村薫のファンならば、北村さんが元国語教師であること、娘さんがおられることは周知の事実。お住まいこそ中野ではないが、多くの読者は、中野のお父さんを北村さんと重ねて -
Posted by ブクログ
北村薫の「時と人 三部作」と呼ばれる作品の2作目。
版画教室の講師を勤めながら銅版画家として生活する主人公・森真希。
とある夏の日、彼女は車を運転中に誤ってダンプと衝突してしまう。
が、目が覚めるとそこは自宅の座椅子。
夢か…と思いつつ行動し始めるが、何かがおかしい。
物音一つしないのである。
更に、昨日体験したはずの出来事が無かった事になっているのだ。
不思議に感じた真希は外に出てみると、そこはどうやら真希以外の生き物が一切存在しない世界であった。
そんな世界で過ごした翌日、15時15分になると再び彼女はいつの間にか座椅子でまどろんでいた。
つまり、どのように過ごしても事故と同時刻になると