北村薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
北村薫の「時と人 三部作」と呼ばれる作品の2作目。
版画教室の講師を勤めながら銅版画家として生活する主人公・森真希。
とある夏の日、彼女は車を運転中に誤ってダンプと衝突してしまう。
が、目が覚めるとそこは自宅の座椅子。
夢か…と思いつつ行動し始めるが、何かがおかしい。
物音一つしないのである。
更に、昨日体験したはずの出来事が無かった事になっているのだ。
不思議に感じた真希は外に出てみると、そこはどうやら真希以外の生き物が一切存在しない世界であった。
そんな世界で過ごした翌日、15時15分になると再び彼女はいつの間にか座椅子でまどろんでいた。
つまり、どのように過ごしても事故と同時刻になると -
Posted by ブクログ
17歳の少女が、雨の夕方ちょっと横になり、目覚めたら42歳の主婦になっていた。
女子高生の主人公が、目覚めたら結婚して子供もいる42歳の自分に早送りされていたというのは、今まで目にしてきたタイムスリップものとは一味違う。
自分ならもっと途方に暮れてしまいそうだが、真理子は受け入れられない思いを抱きながらも、その世界の自分がやるべきことを自分自身の事として取り組み始める。
42歳の自分は、高校の国語教師なのだ。
高校生の真理子が、高校の教師としてやっていけるのか、夫や娘とはどう過ごしていくのか、そしていつか元の世界に戻るのか、ドキドキしながら引き込まれました。 -
Posted by ブクログ
・マロンの話 ★★★★★
ほたんとマロンの関係がいいね!
私も猫と話したい
・エアキャット 欲しい★★★
火村先生のシリーズの短編だった!
ちょっと長めの短編かと思いきや結構短く収まってた。
内容としては、まあまあね。
・泣く猫 ★★★
普通。悪くはない!
・「100万回生きたねこ」は絶望の書か ★★★
後半が良かったわ。
特に本を読む姿勢というか読んだ感想ってのが人それぞれってところが。
・凶暴な気分 ★★★
始めは茉莉子に全く感情移入できず、むしろ嫌なやつだなーと思ってた。
ただ後半この凶暴性って誰しも内に秘めてるもんじゃないかと思った。
・黒い白猫 ★★★★
興味深いタイトル
-
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公は29歳の女性版画家森真希さん。ある日交通事故で命の危機に遭遇したのをきっかけに、時空のパラレルワールド"くるりん"に迷い込んでしまう。毎日15時15分になると、それまで過ごしていたことが全てリセットされ、昨日の15時15分@自室の畳の上 に戻ってしまう。そうして永遠に毎日同じ日々をくり返すのか、と思ったら果てしない孤独と生きがいの見出せなさに絶望感を抱いてしまいそう。
現実では時間を繰り返すことはないけれど、付記にもあるように朝起きて朝食を食べ身支度をし仕事をして帰って寝るという同じ行動の繰り返しに、鬱屈とした気持ちを持つことが社会人なら誰しもあると思った。だからこ -
Posted by ブクログ
主人公の駆け出しの女性版画家に絶えず話しかける男性の声。昔、池澤夏樹さんの1枚の写真をもとに「君」に話しかける掌編集があったけど、それに似ている文章。
でも、あれは一方的に君に語りかけていかけど、この本では主人公とその誰かが対話している。不思議な文体。筆者が主人公に話しかけているんだろうか。
事故で誰も居ない時間の中に囚われてしまった彼女。その時刻が来ると、1日前に「くるりん」してしまう。
長い孤独の末に1本の電話が鳴って、物語が動き出さす。これが声の主?そうすると、これまでの文章は回顧してたわけか?
後になって、勘違いに気付くんだけど、ボール球で空振りを取るのが上手いなあ。文句をつけてい