高橋克彦のレビュー一覧
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第4巻は後三年の役前夜からその終結まで。清原氏にかわって藤原氏が奥州の覇権を握る。期間が短いとはいえ前九年の役に3冊かけたことを考えると、だいぶ早足になったという印象。
初期のころからすこしだけ言及されてきた奥州での楽土建設という理想だんだんと強く押し出されつつある。これが奥州藤原氏の栄華につながるのだろうが、問題はそれをどう描出するか。単に近畿の朝廷の力の及ばない半独立国家というだけでは楽土とは言えない。一方で、歴史的には半独立国家であることにはかわりないわけで、あとは中尊寺建立の背景といったところに依らざるをえないのではないかと思う。そうではなくて、朝廷を中心とした体制に対するオルタナティ -
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数カ月前に自選短編集ミステリ編を読んだ。氏のミステリは謎解き命ではなく、謎を追求する過程に重きが置かれている為、殆ど既読にも拘わらず楽しめた。さて本作、ホラー、怪談などの怪奇幻想系は結末より雰囲気を楽しむものなので、ミステリ編以上に期待し、就寝前に一編ずつ読む。読後感は微妙。初読時にはかなり面白く読んだ記憶があるのだが、まとめて読むとどうも物足りない。感受性が落ちてきたのだろうか?『怪奇小説傑作集』(創元推理文庫)が読書の原点の私としては非常に困る。評判の『あやし うらめし あな かなし』でリハビリ予定。
全23編。殆ど既読だけど少しずつ読もう。 2012年10月01日 -
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「風の陣」完結編。物語内では前作から8年が経過。舞台は陸奥へ移り、伊治鮮麻呂を中心に話が進む。
これまでの都における嶋足や天鈴の苦労むなしく、搾取と差別にひたすら耐える蝦夷。
大望を抱きつつ朝廷に従い続ける鮮麻呂。
お涙ちょうだいを適度に挟みつつ終盤の反乱へ向けて一気に読ませる。
「火怨」では阿弖流為サイドから描かれていた鮮麻呂の乱が、鮮麻呂サイドから語られる。本書を読み終えてから「火怨」の冒頭を読み返してみたら台詞や場面がかなり重なっていたのが面白い。
文庫版の1巻が出たのが2001年。10年かけて完結したという感慨も深い。
けどただただ残念なのは、嶋足を中心とした話で終わって欲しか