高橋克彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数カ月前に自選短編集ミステリ編を読んだ。氏のミステリは謎解き命ではなく、謎を追求する過程に重きが置かれている為、殆ど既読にも拘わらず楽しめた。さて本作、ホラー、怪談などの怪奇幻想系は結末より雰囲気を楽しむものなので、ミステリ編以上に期待し、就寝前に一編ずつ読む。読後感は微妙。初読時にはかなり面白く読んだ記憶があるのだが、まとめて読むとどうも物足りない。感受性が落ちてきたのだろうか?『怪奇小説傑作集』(創元推理文庫)が読書の原点の私としては非常に困る。評判の『あやし うらめし あな かなし』でリハビリ予定。
全23編。殆ど既読だけど少しずつ読もう。 2012年10月01日 -
Posted by ブクログ
「風の陣」完結編。物語内では前作から8年が経過。舞台は陸奥へ移り、伊治鮮麻呂を中心に話が進む。
これまでの都における嶋足や天鈴の苦労むなしく、搾取と差別にひたすら耐える蝦夷。
大望を抱きつつ朝廷に従い続ける鮮麻呂。
お涙ちょうだいを適度に挟みつつ終盤の反乱へ向けて一気に読ませる。
「火怨」では阿弖流為サイドから描かれていた鮮麻呂の乱が、鮮麻呂サイドから語られる。本書を読み終えてから「火怨」の冒頭を読み返してみたら台詞や場面がかなり重なっていたのが面白い。
文庫版の1巻が出たのが2001年。10年かけて完結したという感慨も深い。
けどただただ残念なのは、嶋足を中心とした話で終わって欲しか -
Posted by ブクログ
全1巻。
分厚い。
ある事件を追ううちに、
事件の裏の大きな狙いに事に気がついて...
みたいなミステリー風味の捕り物。
タイトルにあるように、
喜多川歌麿や北斎を絡め、
浮世絵にも言及していく。
が、
ぶっちゃけそっちは物語の本筋じゃない。
ので、
タイトルで勝手に期待していたほどには、
浮世絵は絡んでこない。
名作に潜む謎みたいな、
ダビンチコードみたいな感じを期待してた。
話は良く出来ていて、
盛り上げどころも上手く配置されてたけど、
タイトルのせいで過度の期待を持ってしまったためか、
それなりな印象に。
まあ、おもしろかったけど。
あの鬼平こと長谷川平蔵がまさかの悪役。
正義