川端康成のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ「老人」と「眠っている年若い美女」という断片的な情報のみで興味を惹かれて読み始めたが、話の設定は当初の想像を超えていた。
まず、「眠っている」のは強い薬で「眠らされている」からだったし、その美女は何も身につけていなくて、老人は同じ布団で眠ることができるという「サービス」だった。
老いにより男として不能となった老人たちは、娘に危害を加えない「安心できるお客さま」だからこそ成り立つサービスというが、そう見くびられては困ると内心憤る主人公という構図の面白さに恐れ入った。
老いのみにくさと対照的な娘たちの艶かしさを描写する川端康成の技術に感嘆しっぱなしだった。 -
Posted by ブクログ
川端康成とその表現力に魅了される1冊。
『伊豆の踊子』
平たく言うと身分の高い内気な学生坊ちゃんが一人旅の途中で旅芸人一行のうちの美しい踊子に惚れ、お近づきになりたい一心で追いかける話。川端康成本人の実体験が元になっているらしい。
内容のキモさは一旦置いておいて表現力に心底驚かされた。綺麗な女にドギマギするその緊張感がひしひしと伝わってくるうえ、主人公の額に流れる汗までもが目に浮かぶような文章だった。
「私は冷淡な風に女達を追い越してしまった。」
「(話しかけられると)私はほっとして(一行の)男と並んで歩き始めた。」
このたった二行で主人公の非モテ感が面白いほど伝わってくる。本当は旅芸人