川端康成のレビュー一覧

  • 雪国

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    初読。課題本。
    タイトルと冒頭と粗筋は聞いたことがあったが、思っているのと若干違う話だった。正直近代文学は表現を追うのに必死で話が入って来ながち。
    主人公である都会人の富裕層島村と、若い温泉芸者駒子、そして美しい声の娘葉子が中心人物。
    島村は本人も言っている通り親の遺産を食い潰して無為徒食の日々を送っているとの事だったので、対照的に温泉街で必死に生きる駒子や葉子を俯瞰するには丁度良い位置なのかもしれない。文中で頻繁に出て来る、駒子に向けた 離れている時は恋しく思うのに、近付いた途端突き放すような言動は、彼が「バレエの論文を書いていながら、バレエを直に見たことがない」という人物像に象徴されている

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    2024年04月02日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    ネタバレ

    文章も構成も確かに美しい。複雑でないものを陳腐というのは浅薄だが、しかし、画期的とまでは言えない気がする。伊豆の踊り子以外の篇を未だ読んでいないので、悪しからず。

    薫に投影される、無垢で潔白な女性像というのは、愛情とか神秘を描くのに一役買っているのかもしれない。しかし、時代背景の理解が浅いのかもしれないが、気持ち悪いと感じてしまった。『草枕』の女は神秘的でエロティックで不快感も感じなかったが、それだと温度のある愛情を表現できないから、やりたいことは成功してるのかもしれない。

    というのが今の自分のファーストインプレッションで、文学を味わい、学んでいく過程で変わっていく価値観かもしれません(と

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    2024年03月24日
  • 山の音(新潮文庫)

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    美しい四季折々の鎌倉を舞台に、初老の尾形信吾目線で、悩ましい家族のあれこれや死への恐れと哀愁が、情緒豊かに描かれていた。

    『雪国』の時も感じたが、川端康成は人の心の機微を、情景に写し込むのが本当に上手い。

    例えば、信吾が栄螺を3つ買うシーン。
    自分と妻・保子と嫁・菊子の分で、ここに息子・修一の分は含まれていない。
    息子は別の女の元へ通っているのだ。
    『…三つの貝の身が入りまざって、それぞれの貝の身が元通りの貝殻にはかえらないだろうと、信吾は妙に細かいことに気がついた』
    私には三つの貝の身が三人のことに重なり、もう元の鞘には収まらないだろうことの暗示に思えた。

    また、信吾が急にポツンと人肌

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    2024年03月08日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    「『いい人ね』『それはそう、いい人らしい』『ほんとにいい人ね。いい人はいいね。』」

    「私自身にも自分をいい人だと素直に感じることが出来た。」

    実際、素直になるってなかなか難しい…
    素直になれたから、最後の「甘い快さ」というものを感じられたのだと思う

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    2024年02月29日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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    川端の鹿屋における「海軍報道班員」経験が下敷きになっていると
    考えられえる小説ということで読む。
    鹿屋を訪ねたときのお供でもある。

    久しぶり、おそらく20年ぶりくらいの川端ワールド。
    あいかわらず美しくて不気味。
    なんか露悪的というか変態的というか・・・
    そういう部分が必ずあるんだよね、川端。

    建築家の父をもつ美しい三姉妹は、それぞれ母親が違う。
    長女は特攻兵として恋人が戦死して以後、少年愛に走り・・・
    次女は優しい娘として心を砕き・・・
    三女は一人芸妓の母の元、ひっそりと生きて・・・

    ところが、運命のいたずらで・・・
    という小説。
    結末の終わり方がいい。

    川端が愛した「美しい日本」ら

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    2024年02月26日
  • 山の音

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    初めて読んだ川端康成の小説だった。最初に読んだときはそうでもなかったのだけれども、同期がこれで卒論を書く様子を1年間見ていたから愛着が湧いてしまった。菊子のワンピースがだらりと干してあるところの強烈さが好き。あと、菊慈童の面のシーン。各章タイトルが美しくて眺めているだけでも楽しい。

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    2024年02月14日
  • 伊豆の踊子

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    伊豆の踊り子は1度読んだだけでは、何がそんなに悲しいのかよく分からない気もしたが、橋本治の解説を読んでその時代の風俗とか社会的な背景を少し理解できた気がした

    温泉宿という話の女の人の艶かしさが良かった

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    2024年02月13日
  • 舞姫(新潮文庫)

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    川端康成も舞姫というタイトルの小説を書いていたことを知り驚いた。森鴎外のそれと、川端の伊豆の踊子とごっちゃになって読み始めた。そんな出会いだったが、内容に引き込まれた。
    登場人物達の無常観というか、幸福な場面が一度も無いことに気づく。女達は皆幻想を愛しており、男達は自分を偉大だと思っている。きっと。

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    2024年02月08日
  • 少年(新潮文庫)

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    旧制中学のころの川端康成の文章がうますぎる。ノーベル文学賞をとることになる素地が垣間見える。しかし、文通相手の清野少年の文章も美しい。全体を通して日本語の美しい響きを教えてくれる。そのうえに、川端少年の思春期の心模様が映し出されて、なお美しい。

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    2024年01月23日
  • 雪国

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    1回目は全く理解できなくて数年ぶりにこの本をとって読んでみました。日本語ってこんなに綺麗なんだなと思わせてくれる文章でした。どうやって生きたらこのように描写や感情を美しく言語化できるのでしょうか。

    ただ相変わらずストーリーが面白いかと言われるとよく分からなくて、何がオチなのかなと疑問です。

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    2023年12月18日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    人と距離をとりがちだった主人公が踊子の無邪気な親切に触れ、次第に人に心を開いていく。
    終盤の「私はどんなに親切にされても、それを大変自然に受け入れられるような美しい空虚な気持ちだった。」がお気に入りの文章。

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    2023年11月07日
  • 古都(新潮文庫)

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    ネタバレ

    双子の姉妹の話だと聞いて読みたくなった。初めての川端康成である。思っていたより読みやすかった。京の人に校正してもらったという京言葉は本当に美しく感じた。舞子さんが使っているイメージが強いが、一般の人でもこんな雅な言葉遣いだったんだなぁ。四季折々の京の描写があり行きたくなった。北山杉の森に行きたい。
    苗子が千恵子を好きすぎて可愛い。尊い姉妹愛。
    苗子千恵子、秀男、大問屋の兄弟の五角関係だと思うのだが、終わり方が良くも悪くもスパッと中途半端に終わるのでとても気になる。最後に姉妹2人の夜で終わらせたのはいいと思う。物語の完結が目的ではなく、京という箱庭の中で行き合う人々の物語…かな?

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    2023年10月26日
  • 古都(新潮文庫)

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    一文一文、一行一行が美麗で気持ち良し。
    睡眠薬で頭がイカれた狂人が書いたものとは思えない程である。
    著者本人が認める「私の異常な所産」意外なにものでもない。
    読後は甚だ清涼感に包まれ、暖かさが胸に宿っている。
    京言葉に少々難儀はするものの、双子の出会いから織り成す四季折々の情景は美しく描写され、京都民への羨望がでてくる。天才のセンスっておそろしい。

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    2023年10月25日
  • 古都(新潮文庫)

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    美しい京都の街並みが静謐な文章によって描かれており、実際に旅をしているかのようだった。
    始めは京言葉に慣れず読みにくく感じたが、途中から全く気にならなくなり、むしろ京言葉に親しみを感じるようになる。

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    2023年09月25日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    表題他、「温泉宿」「抒情歌」「禽獣」を収録。
    「伊豆の踊子」読後にこの三篇が続き、あまりの違いに驚いた。
    「抒情歌」は死んだ元恋人への独り言。捨てきれぬ恋しさ、妬みを夢うつつで語る。その執着が気持ち悪いけど、紅梅のせいか美しく纏っており、読後急に現実に戻ってくる不思議な感覚。
    「禽獣」は人嫌いで鳥や犬を愛する主人公。果たしてペットを可愛がっているのか非常に怪しい。彼は可愛がってるのだろうが、ペットにしてみれば悲愴。不気味な話であった。
    「温泉宿」の感想を書いてる人がいない。なぜならよく分からない話だからだと思う。一言でいうと、じっとりとした生が描かれていた。本当にこのような生活があったのだろう

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    2023年08月19日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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    京都の嵯峨野や嵐山、渡月橋などの風流な情景が表されていて優しい表現が多かった。
    宮ちゃんと百子の物語、『僕を捨てるの?』

    百子が相手に任せてしまう性格だと青木の父が指摘する所などが頭に残っている。

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    2023年07月28日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    掌編小説がなんと122編も入っているボリューミーな一冊。
    キュンとする話あり、人妻の大群の話あり、望遠鏡で病院の屋上での密会を覗く話あり、実に幅広い。
    小川洋子さんの解説も、とても読みごたえあります。

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    2023年06月18日
  • 雪国

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    正直、物語はよく分からなかったのですが、悉く表現が美しく情景が綺麗なので、こんなにも雪が美しいものだということを、初めて知った一冊になりました。

    いい感じに物語がよく分からないから、余計にいいのかもしれないとか、思います。

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    2023年06月18日
  • 古都(新潮文庫)

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    景色は花の描写が多く、読みながら想像するのが楽しかった。ストーリーは昔の話なので今読むと逆に新鮮でした。
    川端康成の他の本も読んでみたいです。

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    2023年06月08日
  • 山の音

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    今の時代とは違う
    価値観や文化

    よくも悪くも
    日本人の家族関係が
    ウエットなものから
    ドライなものに
    変わったなぁと
    しみじみ思った

    現代だったら
    スパーンと
    離婚とか別居とかに
    なりそう

    機微も情緒もないか...

    鈴虫ブックスにて購入

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    2023年05月31日