川端康成のレビュー一覧

  • 小公子(新潮文庫)

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    十二国記の泰麒のキャラクターに影響を与えたという小公子セドリック。表紙は十二国記の山田章博さん。
    バーネットといえば秘密の花園と小公女。小公子のお話は読んだような知らないような忘れたような…という感じだったのでちゃんと読んでみました。
    無邪気で愛らしく優しく見た目も天使のような美しさで誰からも愛されるセドリックが、ワガママで嫌われ者の伯爵の祖父の心を溶かし、周りの人たちをも幸せにする読後も優しい気持ちになれる有名なストーリーですが、川端康成訳の日本語もとても美しいです。確かに、十二国記の泰麒と似ているところが多いと思います。

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    2021年01月02日
  • 小公子(新潮文庫)

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    『小公子』(1886)は、『小公女』(1905)と並び、フランシス・ホジソン・バーネット(1849-1924)の代表作です(もう1つ、よく知られている作品に『秘密の花園』もありますが)。
    金髪の巻き毛で人懐こいかわいい男の子、セドリック。父を亡くし、母と一緒にニューヨークで暮らしています。質素な暮らしですが、素直なセドリックは、優しく美しい母、多くの親しい人々に囲まれ、幸せな日々を送っています。
    ある時、イギリスから驚くような知らせが届きます。セドリックはドリンコート伯爵である祖父の跡継ぎとなり、イギリスのお城に迎え入れられるというのです。セドリックの父は伯爵の三男でした。若くしてアメリカに渡

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    2020年07月27日
  • 小公子(新潮文庫)

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    有名な児童文学だけど
    子どもの頃読んでなかったか
    読んだけど忘れてしまったのか
    こんな話だったんだと
    気持ち良く楽しめた

    こんなふうに顔も綺麗で心も美しく
    無邪気で勇気もある完璧な子どもなんていないよ
    と言ってしまえばそれまでだけど
    いつも笑顔で人に親切にすれば
    周りも自分も幸せになれる
    とは思うよね

    小野不由美さんの
    小さい麒麟がこの物語の影響を受けていると聞いて
    なるほど〜と思った

    川端康成の翻訳は
    多少古くさい日本語のところもあったけど(笑)

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    2020年07月24日
  • 伊豆の旅

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    著者の伊豆にまつわる随想や掌編小説を集めたもの。大正から昭和初期にかけた伊豆の様子が偲ばれる。図らずも、伊豆の踊子を再読。また、「湯にもいろんな肌のあることは、女と同じである」は蓋し至言か。

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    2019年05月07日
  • 山の音

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    思慮深い老齢の信吾が抱える家族の問題を描く。このストーリーなら嫁の保子が主人公となりそうなところだが、円熟した男性像に好感が持てる。老いとその年齢が直面する苦悩だけなら読み苦しい話だが、息子の嫁である菊子との淡い恋絡みが救いです。
    とてもリアルな描写はまるで観察しながら書いたよう。信吾の深層心理を夢で描いているところは印象的。女性にだらしのない息子修一と子供二人を抱えて出戻りしつつも遠慮のない娘房子、不出来な子供達にいらいらしながらも多かれ少なかれこのような悩みを抱えるのが人の世かとしみじみ思う。

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    2018年12月01日
  • 美しい日本の私

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    本書は1968年に、川端康成が日本人初の受賞者となったノーベル文学賞のスピーチ「美しい日本の私」(サイデンステッカーによる英題は「Japan, the Beautiful, and Myself」)を含む、随筆集である。3日間の徹夜のもとで、スピーチ直前に書き上げられた「美しい日本の私」は、やはり川端康成の文学世界を理解する上では一級のドキュメントであろう。

    このスピーチでは、道元や西行などの和歌を引用しつつ、古来から日本では自然描写に内在される美しさを尊ぶ文化があることが示される。そして、芥川龍之介の自殺の遺書である「末期の眼」を引用しながら、そうした美しさが顕著に感じられるのは、生活力・

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    2018年04月15日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    『伊豆の踊子』
     旅先で出会った踊り子に心惹かれ、ふれあいの中で心が洗われていくお話。主人公が伊豆を訪れた理由について、「二十歳の私は自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪え切れないで伊豆の旅に出て来ているのだった。」と述べている。川端自身の出生が作品に大いに影響していることは、言うまでもないだろう。
     有名な作品だけど、こんなに短かったとは。サックリ読めた。

    『青い海黒い海』
     なんと奔放な作品か。全てが漠然としたイメージで成り立っている。それぞれが何の比喩なのかまったく理解できないけれど、作者の死生観、そして触れたことのない母を求めているんだろうなあと。

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    2018年02月02日
  • 美しい日本の私

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    日本、自然への川端康成の愛情がうかがえる随筆集。川端康成ほどの日本を代表する作家が「日本的」について思考し追求していたことが何だか嬉しい。
    自然に溢れた春の山の風景、日本人が心に描く心のふるさと。これが日本的なものの象徴であるのかもしれない。

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    2017年10月12日
  • 伊豆の踊子

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    『雪国』の時にも薄々感じていたが、先生、はたから見ると大分危うい視点なのでは…?
    失礼は重々承知の上での感想だが…
    川端先生は、どこか、自覚なく邪心…というか有り体に言ってエロを書くという勝手な印象がある。
    (ちなみに、谷崎先生はこれ以上ないほど自覚して書いている印象。それも、書いているうちにどんどんテンションが上がってきている感じがするのだ…)
    指摘されたら、「…?」と首をかしげる姿さえ目に浮かびそうで…
    勝手に純愛悲恋ものだと勘違いしていた私も悪いのだけれど…

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    2017年08月24日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    こないだ河津・下田へ行ったばかりだったので読みたくなった「伊豆の踊子」だけ読んであとは積ん読。

    ”下田の港は、伊豆相模の温泉場なぞを流して歩く旅芸人か、旅の空での故郷として懐かしがるような空気の漂った町なのである。” っていうフレーズ、心と体にじわーんと染み渡りました。

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    2016年02月17日
  • 女であること

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    若い女性が二人、かたや水底に澱んだような不穏と悲しみ、かたや火花のような混乱と衝動が印象的。若い感性ゆえの危うさとイタさなんだろうけど、それを美の極地に昇華させているのが川端一流の筆力。彼の日本語がそうさせている。
    そもそも川端にかかれば初夏で風が蒸し暑くなってきたってだけのことが、あるいは戸口に郵便屋さんが来たってだけのことが、こんなにも美しくなるのだから恐ろしい。

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    2015年11月22日
  • 愛する人達

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    母の初恋
    昔の恋人の死後、その娘を引き取って嫁に送る男の話。
    なんだかドロドロした展開になるのかなーと思ったのですが、読後感は非常に爽やかな「愛」に満ちた物語です。

    夜のさいころ
    純真無垢な少女の魅力。優しく見守る青年。
    川端氏お得意の展開。あっという間に終わってしまうのですが、綺麗にまとまっています

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    2014年06月02日
  • 伊豆の踊子

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    きちんと読んだ思い出がなかったので読んでみた。

    『伊豆の踊子』は、旅芸人の14歳の踊り子がとても可愛い。
    可愛くて純粋なだけに、「旅芸人」というものの行く末が思われて悲しい。
    高校生の主人公の踊り子への気持ちも初々しくて、切ない。


    他7編。
    『驢馬に乗る妻』の主人公の気持ちがわからなかった。
    妻とその姉が可哀想。結局自分しか愛せないんでは無かろうか。

    『むすめごころ』がとても切ない。
    友達と大好きな友達をくっつけようとするいじましさ。
    幸福ってなんだろう。

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    2013年12月05日
  • 愛する人達

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    [※旧新潮文庫版による]

    完成度の高い珠玉のリアリズム短編集。

    「母の初恋」
    今は盛りを過ぎたシナリオ作家の佐山は、過去に民子と婚約していたが、寝取られてしまい破局していた。その民子と再会したがやがて彼女は死に、娘の雪子の面倒をみていた。雪子は結婚するが、失踪してしまう……雪子の最も親しい女学校友達は、彼女から「初恋は、結婚によっても、なにによっても、滅びない」ことを自分の母親から教わっていたと話していた。繊細な感情の糸。


    「女の夢」
    医者で欠点もない久原は36歳まで独身であったが、27まで独身であった美しい令嬢の治子と結婚する。治子は過去に、自分を慕って自殺してしまった従兄の思い出が

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    2013年07月29日
  • 愛する人達

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    異性への愛、家族愛の短編集。作者の描く女性像、そして文体が美しい。「夜のさいころ」「夫唱婦和」が良かった。12.12.23

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    2012年12月23日
  • 雪国

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    原作を読み始めたが、漫画で読んで大体の内容を知ってからのほうがいいと思ったので購入。
    …本当は絵が好みで主人公島村がイケメンだったので買いました(笑)
    漫画なので原作を短くまとめないといけないからか、少し急いでる感じはありましたが、内容を知るにはいいかも。

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    2012年04月27日
  • 伊豆の踊子

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    表題作にもなっている『禽獣』は、とにかく素晴らしい。自身が対象物の生殺与奪を握っていると思うと途端に興醒めしてしまう気持ちもわかる。野生だからこそ美しく魅力的なんだよなあ。

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    2011年11月30日
  • 伊豆の踊子

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    久しぶりに伊豆の踊子が読みたくなって買った一冊。


    伊豆の踊子は清廉なイメージがすごく大きくて好きだな、と改めて実感した。

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    2011年09月21日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    『伊豆の踊子』

    『青い海黒い海』

    『驢馬に乗る妻』

    『禽獣』

    『慰霊歌』

    『二十歳』

    『むすめごころ』

    『父母』

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    2011年09月03日
  • 伊豆の踊子

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    難しいかな?と思ったけれど、案外楽しめた。文章がとても日本的で美しく、読んでいてしみじみしてしまう。人の感情も繊細に描かれていて、文豪もこんな小さなことに心動かされたのだなぁと、少し嬉しい気持ちになったりする。
    収録作品の中には、読んだ後に「どういうことだったのかな?」と気になるものもいくつかあった。ちょっとひっかかったところで終わらせるあたりが、なんというか巨匠の業なんでしょうか。

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    2011年08月20日