川端康成のレビュー一覧

  • 少年(新潮文庫)

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    恥ずかしながら、源氏物語を愛読されていた事をこの本を読んで知りました。
    かな文学のような、やわらかな美しさがあると感じていたので納得。
    文章が静かでとてもきれい。
    やはり思春期には生い立ちや孤独、人への希求があったんだなぁ。

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    2022年07月21日
  • 小公子(新潮文庫)

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    最初から、最後まで、素晴らしい翻訳でした。

    少年セドリックは、イギリス人の父とアメリカ人の母、家族三人慎ましくも愛情溢れる生活を送っていた。美しく、愛らしく、賢いヒューマニティの宝石箱の様な少年は、周囲の人たちにも愛されていく。
    父親の死後、突然、父の祖父から伯爵家の後継としてイギリスに迎えられる。
    小公子となったセドリックは、慈愛溢れる言動で、頑なな祖父伯爵の心を、領民の信頼を得ていく。
    川端康成の名訳(共訳で後に改修もあるらしいけど)の小公子セドリックに、すっかり癒されます。

    私は「少年少女世界の文学・アメリカ編」で、小公女・小公子をはじめ読みましたので、川端訳だったようです。
    そして

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    2022年07月04日
  • 少年(新潮文庫)

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    帯には『旧制中学。寄宿舎。美しい後輩との<少年愛>』とあり、巻末にエッセイを寄せている宇能鴻一郎さんもその面を強調していますが、その美しい後輩の清野が入信していた大本教の影が非常に濃く、単なる少年愛小説ではなく、当時の新興宗教に一家で没入している後輩との恋愛を振り返った作品であると感じました。大本教の教義を信じきっている清野はそれ故に純粋で無垢であり、それが川端の彼に対する欲望と幻想を呼び起こしているように読めます。川端の作り出した清野の虚像と、実際の清野の内面とのすれ違いの連続が物悲しいです。

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    2023年06月16日
  • 少年(新潮文庫)

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    日本語が美しくてうっとりした。

    下級生への一途な純愛かと思いきや、他の美少年(複数)に見惚れたり少女にも興味があったりと、川端先生は自分の欲望に素直すぎます。

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    2022年05月29日
  • 雪国

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    高橋一生と奈緒のドラマ『雪国』を見て読んでみようと。

    情景描写が美しい。日本語、言葉が美しい。うつくしいなあ、だけでも読んでいられる。

    雪国という別世界で、徒労感や無力感やある種のあこがれを持って(つまり優しいような、でも、どこかシラーっとしたような目で)、情熱や必死さ哀しさを、ただみてる。

    乾いて言ってしまうと、情熱や主体性を取り戻したいと思ってる男の話?

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    2022年05月07日
  • 愛する人達

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     1941(昭和16)年刊。川端42歳の頃に雑誌『婦人公論』に連載された、9編から成る連作短編小説集。
     川端康成については、高校生の頃新潮文庫のを11冊買って何となく読み、成人してからは読み返すこともなかったので、かなり久しぶりである。さすがに日本初のノーベル文学賞作家というだけあって、廃版の多い新潮文庫でも、現在もラインナップは残り版を重ねているようだ。
     新感覚派の旗を担ったこともある川端の文章は、時折常態とは異なる新鮮な語の選択を見せ、それはよくスパイスのきいた文学的なものであり、大きな起伏も、骨太なストーリーらしきものも欠きつつさりげなく編み出されるこの小説ストリームは、やはり純粋芸

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    2022年03月20日
  • 美しい日本の私

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    川端康成のノーベル賞記念講演を中心にまとめた1冊。
    古典、四季、芸術など様々な視点から日本人が持つ美意識を振り返っている。
    こういった心の豊かさが筆を走らせている源となっているのかと感じた。
    読み返したくなる1冊。

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    2022年03月19日
  • 山の音

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    老人と、その息子の嫁が、プラトニックな恋をする
    といったような話
    老人は、かつて好きだった女(義理の姉)の面影を嫁に重ねており
    嫁は嫁で、ファザコンの気を老人に向けているらしい

    子供たちは、それぞれ夫婦生活に問題を抱えている
    兄の修一は外に女を作っており
    また妹の房子は夫と別居して
    二人の孫と共に実家に帰ってきている
    老いたりとはいえ、まだ現役で働いている老人は
    どうしても房子夫婦の問題に手が回せず
    修一夫婦のことばかりに気をとられてしまうのだが
    それはあるいは要するに
    実の娘より嫁の菊子が可愛いから依怙贔屓してるだけ
    なのかもしれない
    そんな自分に老醜を感じて、嫌な気持になることはあっても

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    2021年07月27日
  • 美しい日本の私

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    ネタバレ

    (2021-04-07 3h)

    実は未だ川端康成さんの本は読んだことがありません。ただ、タイトルに惹かれて、この本を手に取りました。
    『花は眠らない』。「花は眠らないと気がついて、私はおどろいた。」この一節からぐぐいと惹き付けられました。最高です。
    『源氏物語』『枕草子』への思い入れも強く書かれています。

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    2021年04月07日
  • 小公子(新潮文庫)

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    十二国記の泰麒のキャラクターに影響を与えたという小公子セドリック。表紙は十二国記の山田章博さん。
    バーネットといえば秘密の花園と小公女。小公子のお話は読んだような知らないような忘れたような…という感じだったのでちゃんと読んでみました。
    無邪気で愛らしく優しく見た目も天使のような美しさで誰からも愛されるセドリックが、ワガママで嫌われ者の伯爵の祖父の心を溶かし、周りの人たちをも幸せにする読後も優しい気持ちになれる有名なストーリーですが、川端康成訳の日本語もとても美しいです。確かに、十二国記の泰麒と似ているところが多いと思います。

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    2021年01月02日
  • 小公子(新潮文庫)

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    『小公子』(1886)は、『小公女』(1905)と並び、フランシス・ホジソン・バーネット(1849-1924)の代表作です(もう1つ、よく知られている作品に『秘密の花園』もありますが)。
    金髪の巻き毛で人懐こいかわいい男の子、セドリック。父を亡くし、母と一緒にニューヨークで暮らしています。質素な暮らしですが、素直なセドリックは、優しく美しい母、多くの親しい人々に囲まれ、幸せな日々を送っています。
    ある時、イギリスから驚くような知らせが届きます。セドリックはドリンコート伯爵である祖父の跡継ぎとなり、イギリスのお城に迎え入れられるというのです。セドリックの父は伯爵の三男でした。若くしてアメリカに渡

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    2020年07月27日
  • 小公子(新潮文庫)

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    有名な児童文学だけど
    子どもの頃読んでなかったか
    読んだけど忘れてしまったのか
    こんな話だったんだと
    気持ち良く楽しめた

    こんなふうに顔も綺麗で心も美しく
    無邪気で勇気もある完璧な子どもなんていないよ
    と言ってしまえばそれまでだけど
    いつも笑顔で人に親切にすれば
    周りも自分も幸せになれる
    とは思うよね

    小野不由美さんの
    小さい麒麟がこの物語の影響を受けていると聞いて
    なるほど〜と思った

    川端康成の翻訳は
    多少古くさい日本語のところもあったけど(笑)

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    2020年07月24日
  • 伊豆の旅

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    著者の伊豆にまつわる随想や掌編小説を集めたもの。大正から昭和初期にかけた伊豆の様子が偲ばれる。図らずも、伊豆の踊子を再読。また、「湯にもいろんな肌のあることは、女と同じである」は蓋し至言か。

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    2019年05月07日
  • 山の音

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    思慮深い老齢の信吾が抱える家族の問題を描く。このストーリーなら嫁の保子が主人公となりそうなところだが、円熟した男性像に好感が持てる。老いとその年齢が直面する苦悩だけなら読み苦しい話だが、息子の嫁である菊子との淡い恋絡みが救いです。
    とてもリアルな描写はまるで観察しながら書いたよう。信吾の深層心理を夢で描いているところは印象的。女性にだらしのない息子修一と子供二人を抱えて出戻りしつつも遠慮のない娘房子、不出来な子供達にいらいらしながらも多かれ少なかれこのような悩みを抱えるのが人の世かとしみじみ思う。

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    2018年12月01日
  • 美しい日本の私

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    本書は1968年に、川端康成が日本人初の受賞者となったノーベル文学賞のスピーチ「美しい日本の私」(サイデンステッカーによる英題は「Japan, the Beautiful, and Myself」)を含む、随筆集である。3日間の徹夜のもとで、スピーチ直前に書き上げられた「美しい日本の私」は、やはり川端康成の文学世界を理解する上では一級のドキュメントであろう。

    このスピーチでは、道元や西行などの和歌を引用しつつ、古来から日本では自然描写に内在される美しさを尊ぶ文化があることが示される。そして、芥川龍之介の自殺の遺書である「末期の眼」を引用しながら、そうした美しさが顕著に感じられるのは、生活力・

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    2018年04月15日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    『伊豆の踊子』
     旅先で出会った踊り子に心惹かれ、ふれあいの中で心が洗われていくお話。主人公が伊豆を訪れた理由について、「二十歳の私は自分の性質が孤児根性で歪んでいると厳しい反省を重ね、その息苦しい憂鬱に堪え切れないで伊豆の旅に出て来ているのだった。」と述べている。川端自身の出生が作品に大いに影響していることは、言うまでもないだろう。
     有名な作品だけど、こんなに短かったとは。サックリ読めた。

    『青い海黒い海』
     なんと奔放な作品か。全てが漠然としたイメージで成り立っている。それぞれが何の比喩なのかまったく理解できないけれど、作者の死生観、そして触れたことのない母を求めているんだろうなあと。

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    2018年02月02日
  • 美しい日本の私

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    日本、自然への川端康成の愛情がうかがえる随筆集。川端康成ほどの日本を代表する作家が「日本的」について思考し追求していたことが何だか嬉しい。
    自然に溢れた春の山の風景、日本人が心に描く心のふるさと。これが日本的なものの象徴であるのかもしれない。

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    2017年10月12日
  • 伊豆の踊子

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    『雪国』の時にも薄々感じていたが、先生、はたから見ると大分危うい視点なのでは…?
    失礼は重々承知の上での感想だが…
    川端先生は、どこか、自覚なく邪心…というか有り体に言ってエロを書くという勝手な印象がある。
    (ちなみに、谷崎先生はこれ以上ないほど自覚して書いている印象。それも、書いているうちにどんどんテンションが上がってきている感じがするのだ…)
    指摘されたら、「…?」と首をかしげる姿さえ目に浮かびそうで…
    勝手に純愛悲恋ものだと勘違いしていた私も悪いのだけれど…

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    2017年08月24日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    こないだ河津・下田へ行ったばかりだったので読みたくなった「伊豆の踊子」だけ読んであとは積ん読。

    ”下田の港は、伊豆相模の温泉場なぞを流して歩く旅芸人か、旅の空での故郷として懐かしがるような空気の漂った町なのである。” っていうフレーズ、心と体にじわーんと染み渡りました。

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    2016年02月17日
  • 女であること

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    若い女性が二人、かたや水底に澱んだような不穏と悲しみ、かたや火花のような混乱と衝動が印象的。若い感性ゆえの危うさとイタさなんだろうけど、それを美の極地に昇華させているのが川端一流の筆力。彼の日本語がそうさせている。
    そもそも川端にかかれば初夏で風が蒸し暑くなってきたってだけのことが、あるいは戸口に郵便屋さんが来たってだけのことが、こんなにも美しくなるのだから恐ろしい。

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    2015年11月22日