川端康成のレビュー一覧

  • 名人(新潮文庫)

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    最後の名人・本因坊秀哉の引退碁の模様を小説の形に仕上げた一作。

    淡々とした筆致が、逆に名人の芸道を極め勝負に生きる姿を強烈に映し出している。引退碁に挑む孤高の姿に、思わず胸が熱くなった。

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    2025年09月03日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    ネタバレ

    短編集がたくさん。
    掌におさまるような小さな短編、という意味でのタイトルだけれども、掌なんかに収まらない光が溢れてくるような日本語の美しさに魅了された。
    気に入ったものを残しておきたいと思う。

    『木の上』
    子ども目線の独特の雰囲気、大きな世界の中のちっぽけな世界で、でもここなら安心だと強く生きる描写が素敵。

    『日向』
    なんともいじらしい。
    夕陽に照らされる人物が浮かんできて、その尊さに胸がきゅっとなった。
    (夜一緒に過ごすようになるのだから)顔も見なれるわ、というセリフがとっても刺さった。

    『ざくろ』
    出征していく男子と偶然の間接キス。ざくろの実にその歯形を見つけて自分も齧る描写が細やか

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    2025年08月16日
  • みずうみ(新潮文庫)

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    銀平は一途のように見えて、気の多すぎるところが信用ならないし、久子の卒業式の日に恩田に対して髪の話をした時など
    気持ち悪くてゾッとした。

    赤ちゃん事件も、不誠実で女の私からすると銀平は
    どうしようもなくキモくて嫌な奴だった。

    個人的には宮子と過ごしている老人の方が私は好きだ。

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    2025年07月31日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    日本小説の珠玉の名作。
    これほどまでに美しい小説があるだろうか?

    一文一文を噛み締めるように読んだが、全ての文に「美」が宿っており、小説の真髄に触れた気分である。

    旅芸人との関わりの中で、「孤児根性」を霧散させて残った「甘い快さ」を、私も読後に感じた。

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    2025年07月16日
  • 小公子(新潮文庫)

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    ・名作の持つパワーのようなものを感じながら一息に読む。読んでいる間中すごく楽しかった。
    ・丁寧でやや古風、上品な訳文がストーリーに合っている。
    ・川端康成が子どもへ向けて書いた「この物語を読む前に」という文章も、優しい眼差しが感じられてとてもよい。川端康成のイメージがちょっと変わった(笑)
    ・巻末の解説(鴻巣友季子)は、バーネットに関することから「文豪翻訳」についてまで、とても興味深い内容でよかった。
    (2022.1.19)

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    2025年06月15日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    綺麗な描写やハッとする表現に夢中になりながら読んだ
    伊豆の踊子、抒情歌の小説的な美しさ、温泉宿、禽獣の時に生々しいリアルさ、どれをとっても良かった。

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    2025年06月06日
  • 雪国(新潮文庫)

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    駒子(こまこ)は肉体・現実・生命。駒子は嫉妬し、泣き、怒る。感情が濃い。身体感覚が強い。肌・酒・汗。具体的な温度。一方、葉子(ようこ)は精神・幻影・死。現実感が薄い。顔より先に声(悲しいほど美しい声)。しばしば遠くから見られ、光や反射の中にいる(鏡のような窓に映る娘の顔)。雪国の風景から生まれた幻のような存在。そんな葉子が火事の中、突然「重力」を持って落ちる。窓の反射や遠い声として存在していたものが肉体として落下する。幻が肉体に、観念が現実に、美が死によって物質化。島村の「美しい雪国」は揺らぐ。火事、悲鳴、墜落、死体。生々しい現実が侵入してくる。島村は夜空に浮かぶ天の河を見上げ、巨大な宇宙の感

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    2026年05月11日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    孤独に悩む若者の、数日間の伊豆への一人旅を描いた名作。清純無垢な踊子へ想いをつのらせ、主人公の「孤児根性」がほぐれるさまがとてもエモい。
    切り取られる瞬間のすべてが美しい、究極の青春小説。

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    2025年04月18日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    青春物語でもあり恋愛小説でもあった。高校2年生の自分にも当てはまる節があったり、主人公に共感できるような部分が多く見られる親しみやすいストーリーだった。自分にとってお気に入りの描写がたくさんあった。

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    2025年03月24日
  • 名人(新潮文庫)

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    読書は娯楽。なので教科書で名を知った作家さんには手を出さずにいました。将棋にはまったときに、河口俊彦「一局の将棋一回の人生」を読み、そこにこの川端康成「名人」が紹介されております。
    いつか読んでみようと思ってから30年経ってます。我ながらよく覚えていたなと感心します。

    囲碁の知識はないですが、名人と七段の引退戦に惹き込まれました。囲碁の中身は分からずとも一手にかける棋士の凄みが淡々と書かれています。
    明治ー昭和初期の時代背景があり、現代とはまるで別の世のようです。

    あとがき解説を読み、この作品が作者の人生に於いても重い意味のある作品であったのではと思います。
    川端康成という人物への興味が深

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    2025年03月23日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    伊豆の踊子がとにかく好き。文書も内容も軽やかな美しさがあった。その他の作品については、やや難解に感じたが、楽しめた。最後の温泉宿は何か濃厚な空気の群像劇で印象的だった。

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    2025年03月20日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    くらくらする
     この掌篇――ショートショート――集は、はじめの「骨拾い」からくらくらする。譬えも擬音も、独特のいろけが分ちがたく結びついて、ギッと音をたてそうだった。

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    2025年04月28日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    抒情歌がとても美しかった…
    西洋の香を感じたところ、好き。咲く花にあなたを感じるのも好き。主人公の女性がとんでもなく美人だと想像してしまう文章…

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    2025年02月20日
  • 雪国

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    とりあえず読んでください。
    情景、心、感覚全てを言葉で、理路整然とそうあるべく所に置かれるように説明されている。
    幾何学的な美しさを持つ文章でありながら、あまりにもある種人工的な美しさの文章でありながら、確実に僕らの中に経験があるクオリアの種みたいなものを精密に描写されることで他人事ですまさない、一人称的な読み方をさせる書き口。

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    2025年02月18日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    踊り子の幼いが故の純粋無垢ないじらしい様子と少し恥じらいも出る女性の面も踊り子の薫が非常に愛らしい。はじめは恋で見ていたが、兄の様に感じてきたのではないかと思った。

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    2025年02月05日
  • みずうみ(新潮文庫)

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    主人公(もしかして川端自身?)の異様な性癖とも言える行動を追体験できる面白さもありつつ、現実と空想が入り交じる世界観の不思議さもあり読んでいて複雑な心持になる作品であった。
    とりわけ、主人公の醜さと女性の美しさの対比を面白く読むことができた。

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    2024年12月30日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なんとも「抒情歌」が好きすぎて、最後の1ページで涙が出てきた。なんの涙かよくわからないけど。

    こんなに通じ合えて、生まれ変わってもまた会うんだろうなって思える人、いるんだろうかと思ってしまうほど、2人の愛が美しかった。

    彼は、この世での別れは永遠の別れではないと思っていたから、彼女に死んだことを知られないようにしたのかな。

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    2024年11月11日
  • 古都(新潮文庫)

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    川端康成の名前はもちろん知っていたけど、なんとなく難しそうだと勝手に思って読んだことが今までなかったが面白かった!異常な作品だと後書きに書いてあったけど他の本とは全然違う一冊なのかな。他のものもぜひ読んでみたいと思う。

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    2024年09月28日
  • 古都(新潮文庫)

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    定期的に京都が恋しくなった時に何度も読み返す名作。情景描写から人物描写まで、日本の美を凝縮した作品。

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    2024年12月17日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    郷里が舞台にもかかわらず、恥ずかしながら通読したことがなかった。はじめ、色の小説かと思ったが、芸者一行との同道で主人公が社会と和合していく小説であった。
    その和合も、具体的な描写を挙げるのは難しいが、どちらかといえば一方的・独善的に見える。栄吉をはじめとする一向の内面に含みを持たせつつもそれがなかなか見えず、悩めるエリートの精神的再起ばかりを捉えてしまうからかもしれない。

    船に乗り合わせた少年の飯を食って学生マントに潜り込むのは、最早図々しいだろうと思い笑ってしまった。

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    2024年07月15日