川端康成のレビュー一覧

  • 掌の小説(新潮文庫)

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    適当なページを開いてそこにある短編を読む読み方が楽しい。
    文章が綺麗というか、言葉の良さを引き出してるというか、うまく書けないけど文章が好き。

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    2024年05月20日
  • 女であること

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    日本語ってこんなにも美しいんだと感動した作品。

    恋心、嫉妬、貞淑、妖艶。
    儚い中にも強かさが見え隠れ。
    まさに女性そのものの感情、言葉、行動。

    男性には理解できないと思ってた、、、のに。
    なぜ川端康成は書けてしまうんだろう?
    怖い、、、笑



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    2024年05月05日
  • 現代語訳 竹取物語

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    大河ドラマに感化され、星新一Ver.を読み、さらには川端氏ならどんな解釈の元で訳すのだろう?と興味が沸き拝読しました。私の勝手な解釈ですが、星氏は執筆した当時の社会情勢に合わせた「現代的」な描写をし、川端氏は一人の若い女性の「性」への潔癖感、嫌悪感をまずは描き、帝とのやり取りの末は精神的とはいえ情愛が育ちゆくさまを清らかに、それでいて艶めかしい筆致で描くという個性を感じ取りました。どちらも原文で読み通す勇気がないため手に取ったのですが、訳本の面白さを知るきっかけとなりました。

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    2024年04月29日
  • 古都(新潮文庫)

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    これぞ壺中天。
    「読む京都」といった趣の作品。 
    優しく細やかに、そしてそれぞれに悩みながら生きる登場人物たちを縦糸に織り込んで、京都の行事や祭、名所名物を描いている。 
    いつか行った早朝の清水寺や桜の季節の南禅寺あたりを思い起こして、しみじみと読めた。
    北山杉の界隈は行ったことがないけど、表現描写が美しい。

    久々に癒やされる小説を読んだ気持ち。
    本物の京都は、今やオーバーツーリズムで人に溢れすぎているから、もうこの小説のような風景は難しい。
    そう思えば、壺のなかに封じられた昔の京都に出会える一作だと思える。

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    2024年04月14日
  • 小公子(新潮文庫)

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    読後にほっこりとしたいい気分が残る作品だった。親切な行い、心根の優しさの重要性を、セドリックを通して学ぶことの出来る、子供だけならず大人にも良書。

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    2024年04月12日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    掌の小説と春琴抄こそが日本語の小説で最も味わい深いと思う。なんだろう、心の肌触りのようなものを最も強く感じる。

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    2024年03月24日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    至高です本当にありがとうございます ずっと素敵だ………………と思いながら読める本に出会えて幸せ
    ナンバーワンオキニは「死面(デスマスク)」

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    2024年03月03日
  • 雪国

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    非現実と現実の狭間のような世界を持っていて好き。駒子の言葉には強い生命力とか弱い女の部分とが入り交じっていて、何とも人間臭くて惹かれた。

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    2024年01月28日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    「物乞い旅芸人村に入るべからず」の立札は、お前が肯定されたのは、有り難がってた世間一般の意味ではなかったんだよ、と台無しにするかのように言ってくる。

    そのせいで、「私」が嬉しかった気持ちは無かったことになっちゃうのか?

    違ってほしい。嬉しかったのは、世間一般から肯定されたからじゃなくて、自分が大切だと思った人が肯定してくれたからだ。
    東京に帰った「私」が、それを胸に生きていってくれたら良いなと思う。


    重松清さんによる解説の「肯定」という表現が泣けてしまったので、使いました。

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    2024年01月30日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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     1950(昭和25)年から翌年にかけて雑誌に連載された、川端が50ー51歳の頃の作品。『千羽鶴』『山の音』などと同時期のものである。
     私は遙か昔、高校生の頃に川端康成の小説を結構読んでおり、当時もずらっと書店に並んでいた新潮文庫の川端康成を、どんどん買って読んだのだった。
     しかし、川端作品はどうも私にはピンとこないような気がしていたのだが、最近未読だったものをまた読んでみるようになり、今回、本作を読み通して、なるほど、これは優れた作品だと初めて納得がいった。
     比較作品論的に読んでみるとただちに気づくのだが、この小説には登場人物の容貌などの「描写」がほとんど無いのである。文章はかなりの省

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    2023年11月30日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    川端康成の本をはじめて読んだ。
    こういった文学的領域に足を踏み入れる予定はなかったのだが、多くの中国人が好きらしく、読んでみようと思った。
    122編のなかでひとつ好きな話があればいいなというテンションで読んだ。
    「雨傘」「木の上」は好きかもしれない。
    「駿河令嬢」「日本人アンナ」「ざくろ」「秋の雨」は嫌いじゃないかもしれない。
    「乗馬服」はなんだかなぁと思った。
    結局、「木の上」が一番好きかな。

    読みながら、ジェネレーションギャップをかなり感じていた。そんな些細なことで恥じらいを感じるのかと思ったし、言葉遣いが自分のイメージする江戸時代だった。

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    2023年11月30日
  • 古都(新潮文庫)

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    文学好きの友人に薦められた。

    読み始めると止まらない。

    すごく狭い空間で、限られた登場人物で、それでも気になる物語が進展していく。

    味わいが深い。

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    2023年10月16日
  • 雪国

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    大傑作
    鏡を使うなどの視覚描写の巧みさは言わずもがな、
    台詞における引き算の美学も大好き。

    さながら極寒で無機質な雪国が魅せる自然の美しさのよう、過酷な状況で逞しく生きる女たち。

    男に熱があまりないのが、よい比較になっている。

    主要な4名の具体的な描写があるわけではないが、関係性や台詞や行動で、感情が浮かび上がってくる。
    このように余白が私たちに妄想を促してくれるので、読むのが楽しくなる。

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    2023年08月18日
  • 雪国

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    「駒子の愛情は彼に向けられたものであるにもかかわらず、それを美しい徒労であるかのように思う彼自身の虚しさがあって、けれども反ってそれにつれて、駒子の生きようとしている命が裸の肌のように触れて来もするのだった。彼は駒子を哀れみながら、自らを哀れんだ。」

    「そう言って、気のゆるみか、少し濡れた目で彼を見上げた葉子に、島村は奇怪な魅力を感じると、どうしてか反って、駒子に対する愛情が荒々しく燃えて来るようであった。為体の知れない娘と駈落ちのように帰ってしまうことは、駒子への激しい謝罪の方法であるかとも思われた。またなにかしら刑罰のようであった。」

    雪国の温泉旅館に通う主人公の藤村と、駒子・葉子とい

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    2023年08月15日
  • 少年(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「私は本年五十歳に達し、これを記念する心も含めて、全集を刊行することになった。」(P5)ことをきっかけに旧稿をまとめて見て自身の過去を追憶。

    小学六年の綴方が凄すぎて(川端本人は「自分のこと自分の言葉を一つも書いていない。」(P18)とは言うものの)級友たちはどう感じていたんだろうか。

    清野との愛は歳を重ねるにつれて「少年時代の愛」という良き想い出に昇華されたのでしょうか。

    川端は本当に文章が良いなぁ。内容はさておき読んでると癒されます。難しいけど。

    ※以下は自分用にメモ。

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    中学二年の時の作文帳や谷堂

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    2023年04月22日
  • 小公子(新潮文庫)

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    小野不由美さんが帯を書いていて買ったけど、買ってよかったと思えた本。主人公のセドリックが可愛い、心が綺麗、癒やされる。元気がない時、やさぐれてる時にもまた読みたい。苦しくなる場面がほぼないので安心して読める。

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    2023年02月24日
  • 女であること

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    分厚くてとても読む気にならなかったけれど、落ち着いてやっと読めました。
    妙子と有田の、愛を考えるシーンがとても印象的で、家族愛や夫婦愛を自身の体験に重ねて読むことができてとても感銘を受けました。愛は誰しもが与えられて育っているのにそれに気づかなく、生きてしまうもの、愛は無償に誰しもが与える事が出来るんだと気づくことが出来て、とても満たされました。

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    2023年02月17日
  • 古都(新潮文庫)

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    【裏書】 京都の呉服問屋の娘である千重子は、幼馴染の大学生、真一と平安神宮へ花見に出かける。夕暮れ時、彼女はある秘密を明かすが、真一は本気にしなかった。やがて夏の祗園祭の夜、千重子は自分とそっくりな娘と出会う。あなたは、いったい誰?運命の歯車が回り始めた・・ 。京都の伝統ある行事や街並み、移ろう季節を背景に、日本人の魂の底に潜む原風景を流麗 に描く。ノーベル文学賞対象作品。

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    2022年11月07日
  • 古都(新潮文庫)

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     令和四年五月に新装発行となった名作。一卵性双生児と思われる、生き別れた姉妹の奇跡的な出会いと、生まれ育った環境の違いから生じるそのお互いの心境や生き方について京都を舞台として見事なまでに描いている作品。
     祇園祭、葵祭、時代祭、北山杉、高雄の紅葉、鞍馬の竹伐り、南禅寺、京都植物園などなど他にも色々と京都の情景、風物を知ることができ、作品に深みを増すと同時に、この作品によって、さらに京都という都市自体が色彩を帯び、更なる歴史へと誘われる。
     作品全体を通しては、登場人物の京言葉で、円やかで優美さに包まれており、これが睡眠剤を飲み、文章の狂いがあるという作品かと疑われるほどに明晰さすらも感じる。

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    2022年10月16日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    踊り子の純粋な描写から心が洗われるような物語。主人公の揺れ動く心理描写、恋の切なさ、爽やかさが読後に残る名作

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    2022年08月09日