川端康成のレビュー一覧

  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    老人が薬で眠らされた裸の若い娘と添い寝できる秘密の宿。会員となった主人公は娘に添い寝しながら、過去の女や自分の娘、母を回想する。危うい設定を様式美すら感じさせる文学作品へと昇華させているのはさすがという他ない。最後に主人公にちょっとした罰も与えている。

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    2026年06月06日
  • 雪国(新潮文庫)

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    ネタバレ

    マジ描写キレイすぎて度肝抜かれる、雪国だからこそこのなんとなーくすれ違ってる感じが儚くてちょー綺麗、最高。自分も国境の長いトンネル抜けたい

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    2026年06月05日
  • 雪国(新潮文庫)

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    何度読んでも、美しい詩のような作品。具体的なロケ地をもちながら抽象的で、鮮烈な感覚に目が冴える。孤独で空っぽの主人公はのらりくらりとして、真剣に今を生きる女たちの表層しかなぞれない。不誠実なようでいて、真摯に刹那的な美に向き合っているとも言えるのかもしれない。

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    2026年05月28日
  • 古都(新潮文庫)

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    もっと読みたい…!ってところで終わって、それだけこの世界に没入していたんだと気づいた
    知っている街が舞台だと気持ちも乗って良く読めた

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    2026年05月19日
  • 雪国

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    ネタバレ

    純文学というものなのか。にわかだが読んでみた。
    主人公の男ははっきりとした言葉と意志を持っている。だがどこか心ここに在らずふわふわとしている。そんな男に恋したのは駒子、芸者のような女。いい女だと島村は言うが、私には可哀想な女としか思えない。叶わぬ恋を島村に寄せ、大切な人間が亡くなっていく。虚しさや侘しさを全面に散りばめたような雰囲気だ。所々の場面の描写がとてつもなく綺麗でよくもまあこんなに言葉が思いつくなと思った。

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    2026年05月16日
  • 古都(新潮文庫)

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    美しくて体温が籠った京言葉の情緒に浸りながら読み進めました。年上の京都人の友人から聞いた伝統文化が衰退していく渦中の時代。最後はなんともいえず悲しく寂しい気持ちになりました。

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    2026年04月14日
  • 古都(新潮文庫)

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    移りゆく四季の京都を舞台に、千重子は生きる。両親から愛され、何不自由ない暮らしを送りながらどこか憂いを抱える彼女。やがて、もみじの幹に並ぶ2つのすみれのような「相方」に出会う。明晰な文ながら、あてのない旅のガイドのような不思議な一冊。

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    2026年03月29日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    寝る前に適当に開き、一作読んで寝ていました。たぶんすべて読んだと思います。とってもいい文章でいい物語たちでした。

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    2026年03月26日
  • 雪国(新潮文庫)

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    葉子は美しく、しかし後になって気違いだとわかる。その事実にショックを受けつつも作中で葉子はそれを少しも見せない。ただひたすら、美しい人として立ち現れてくる。

    物語は主人公と駒子を軸に進んでいくのに、自分の心を震わせたのは葉子のほうだった。彼女がほしいという感情ではなく、なりたいという感情に近い。生き方と儚さに強く惹かれた。

    自分は男性で、気も確かで、便利な時代に生きていて、美しくもない。どうやっても葉子にはなれない。それでも物語の中に差し込まれるあの異物感のある存在が羨ましく映った。

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    2026年03月18日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「老人」と「眠っている年若い美女」という断片的な情報のみで興味を惹かれて読み始めたが、話の設定は当初の想像を超えていた。
    まず、「眠っている」のは強い薬で「眠らされている」からだったし、その美女は何も身につけていなくて、老人は同じ布団で眠ることができるという「サービス」だった。
    老いにより男として不能となった老人たちは、娘に危害を加えない「安心できるお客さま」だからこそ成り立つサービスというが、そう見くびられては困ると内心憤る主人公という構図の面白さに恐れ入った。
    老いのみにくさと対照的な娘たちの艶かしさを描写する川端康成の技術に感嘆しっぱなしだった。

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    2026年02月23日
  • 雪国

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    駒子の愛情は彼に向けられたものであるにもかかわらず、それを美しい徒労であるかのように思う彼自身の虚しさがあって、けれどもかえってそれにつれて、駒子の生きようとしている命が裸の肌のように触れて来もするのだった。彼は駒子を哀れみながら、自らを哀れんだ。そのようなありさまを無心に刺し透す光に似た目が、葉子にありそうな気がして、島村はこの女にも惹かれるのだった。

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    2026年02月21日
  • 小公子(新潮文庫)

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    悪役令嬢モノに近い
    偏屈ものの老人が清い子と出会い改心していく。
    小公子というタイトルが素晴らしく絶妙で、同じバーネットの小公女を先に読んだのだが、どちらも名作で自分に合った話だった。
    特に、ベストセラーになりアメリカ中に影響された子がいたというには納得なほど、嫌味のなく読んでいて心が温かくなる話だった。

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    2026年02月20日
  • 雪国(新潮文庫)

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    ネタバレ

    あまりにも純粋で美しく流麗な文章

    衝撃的なあのラストシーンによって、今まで読んでいた物語のジャンルが大きく変化するわけだが、そもそも最初からこのラストシーンに向けて走っていたということを読者が思い知らされるというわけで、あまりにも巧みな造りに呆然とさせられる

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    2026年02月18日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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    死と不在が色濃く漂う戦後の空気の下、姉妹は悲哀を抱えながらも気丈に生きている。しがらみの中で自由な生を探す姿は強く美しい。とらえどころがなく、はかなくも、希望がひらめき、ほのかに色づく。「雪国」の川端が描く、虹のような汽車の旅へ。

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    2026年01月25日
  • みずうみ(新潮文庫)

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    入り組んだ現実と、記憶の閃きや幻想を1:1でまぜたような作品。描かれるのはプロットではなく、主人公の意識の流れだ。何の前触れもなく過去の光景や実際には聴こえていない幻聴が飛び交う映像的な進行は現代でも新しく、小説の可能性にめまいがする。

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    2026年01月24日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    2026年ベストどころか、一生大切にしたい本に出会った。
    私は銀ねず、撫子色、白つるばみなど日本の伝統色の名前が大好きなのだが、そんな色がたくさん詰まった短編集だった。
    題材もけして古くなく、今でいうフレネミー、毒親、不倫、キャリアウーマン(広義の)、離婚にまつわる話なども登場する。
    個人的には戦前に書かれた話が好き。「舞踊靴」「神います」「妹の着物」に特に衝撃を受けた。

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    2026年01月22日
  • みずうみ(新潮文庫)

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    一言でまとめると、中年ストーカー男の執着と妄想を描いただけ、
    の話なのだが、川端が書くと一流の文学作品になってしまう。
    上手さに唸るしかない。

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    2026年01月20日
  • 山の音(新潮文庫)

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    ぐいぐいと読ませるのに、何が描かれていたのかは簡単に言葉にできない。
    人は皆、心の奥底に、言葉にできない、あるいは言葉にしてはいけない“もの”を抱えながら生きているのだと感じた。
    死や恋、愛について、正解を探すこと自体が無意味なのかもしれない。
    家族の問題に、家の長として向き合おうと奮闘する姿がリアルで良かった。
    静かな作品だが読みやすく、一話一話が独立しているようにも感じられた。

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    2026年01月12日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    川端康成とその表現力に魅了される1冊。

    『伊豆の踊子』
    平たく言うと身分の高い内気な学生坊ちゃんが一人旅の途中で旅芸人一行のうちの美しい踊子に惚れ、お近づきになりたい一心で追いかける話。川端康成本人の実体験が元になっているらしい。

    内容のキモさは一旦置いておいて表現力に心底驚かされた。綺麗な女にドギマギするその緊張感がひしひしと伝わってくるうえ、主人公の額に流れる汗までもが目に浮かぶような文章だった。

    「私は冷淡な風に女達を追い越してしまった。」
    「(話しかけられると)私はほっとして(一行の)男と並んで歩き始めた。」
    このたった二行で主人公の非モテ感が面白いほど伝わってくる。本当は旅芸人

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    2026年04月08日
  • みずうみ(新潮文庫)

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    人間の内部にひっそりと沈んでいる欲望が、誰にも止められず、ついに形を持ってしまう瞬間を描いた物語だと感じた。 その“内部”を、みずうみの描写によって表現することで、言葉にできないイメージが静かに膨らみ、気づけば一気に読み進めてしまっていた。

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    2025年12月20日