【感想・ネタバレ】眠れる美女(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

「女の子を起こそうとなさらないで下さいませよ。どんなに起こそうとなさっても、決して目をさましませんから……」老いを感じ始めた六十七歳の江口が通された部屋には、深紅のビロードのカーテンがかかり、布団の中では、若く美しい娘が裸のまま眠っていた。江口が娘に触れ、布団に入ろうとすると――。「片腕」「散りぬるを」を併録。(解説・浅田次郎)※三島由紀夫による解説は収録しておりません。

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感情タグBEST3

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老人が薬で眠らされた裸の若い娘と添い寝できる秘密の宿。会員となった主人公は娘に添い寝しながら、過去の女や自分の娘、母を回想する。危うい設定を様式美すら感じさせる文学作品へと昇華させているのはさすがという他ない。最後に主人公にちょっとした罰も与えている。

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2026年06月06日

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ネタバレ

「老人」と「眠っている年若い美女」という断片的な情報のみで興味を惹かれて読み始めたが、話の設定は当初の想像を超えていた。
まず、「眠っている」のは強い薬で「眠らされている」からだったし、その美女は何も身につけていなくて、老人は同じ布団で眠ることができるという「サービス」だった。
老いにより男として不能となった老人たちは、娘に危害を加えない「安心できるお客さま」だからこそ成り立つサービスというが、そう見くびられては困ると内心憤る主人公という構図の面白さに恐れ入った。
老いのみにくさと対照的な娘たちの艶かしさを描写する川端康成の技術に感嘆しっぱなしだった。

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2026年02月23日

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匂いまで伝わりそうな 衝撃的な作品

これは ずっと語り継がれる 小説だと
思った エロスが伝わる素晴らしい文体!

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2025年09月19日

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ネタバレ

表題作「眠れる美女」について。
老いた男の欲望、若い女の眠る身体、死の気配、美文、処女性幻想、女の沈黙、時代的な無理解などが複雑に絡まった見事に醜悪な作品である。

老いた江口は、眠らされた若い女たちと一夜を過ごせる秘密の館へ通う。女たちの傍らで、彼は老い、欲望、過去の女たち、死を思い返し、自らの醜さと惨めさに沈んでいく。

江口は、自分の行為が醜いこと、惨めなことを何度も認識している。
眠れる美女の隣で眠ることを「醜悪な老人の行い」と認識しながらも、想像上の「すでに男でない老人」と自分を比べ、自分はまだ違う、まだできる、と信じている。しかし実際にはできない。禁を破ることを想像しても、覚悟はない。欲望はあるが、責任は取りたくない。主人公江口老人が認識する醜悪と惨めさの上をいく醜悪と惨めさを、読み手はそこに見る。
また、繰り返し描かれる眠れる美女の美しい身体の描写に対して、妻の存在はほぼ触れられない。そこに江口の無力さが際立つ。

終盤、娘に異変が起きる。眠れる美女のはずが実際永眠していると知ると、江口は歯の根が合わないほど震える。江口の老いた欲望の幻想空間、甘美な自己憐憫を、本物の死が破る場面は見事である。
それによって倫理が回復するわけではなく、むしろ、女の身体が最後まで代替可能なものとして扱われることで、この館と江口の視線の醜悪さが完成している。

感想を一言で言うなら、素晴らしく気持ち悪い。
そして、江口老人は10段階中8000くらい腹立たしい。今まで読んできた小説の主人公の中で、もっとも気持ちが悪く腹の立つやつである。そこまで読み手の感情を喚起させる無駄のない文章は圧倒的で、芸術的だ。

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2026年06月21日

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ネタバレ

『散りぬるを』の中の、
「暗がりに一人身を忍ばせて待って、またうしろからいきなり飛びついて、わっと相手を嚇かす時の子供心はどうであるか。自らの寂しさである。愛への媚びである。」
という一文に深く唸った。

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2026年06月20日

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「眠れる美女」「片腕」「散りぬるを」を収めた三編。
眠れる美女は、独特な世界観に最初は驚きつつも、美しい文章と描写に引き込まれて一気読みでした。
現在の出来事に、主人公の過去の記憶や感覚が自然に重なっていく構成がとても印象的で、説明しすぎない文章だからこそ、想像しながら読む感覚も心地よく、切なさも残る作品でした。
巻末の三島由紀夫の解説も興味深かったです。

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2026年05月08日

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おジイの少女に魅了されていく描写が、程よく気持ち悪くて良かった。
止めたけど、寝てるところに致そうとしてた場面が印象的。
ラストはおジイが亡くなるのかな?なんて思ってたら、いい意味で裏切られた。
夢の終わりは儚い。

物語としては、片腕が凄く好きだった。
あの幻想的な雰囲気が心地良き。

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2026年03月23日

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きしょくてとても好き。まるで隣で寝ているかのように、ぬくもりを感じる緻密な美女の描写が美しかった。一人目の美女が好き。読後も体がこんな雰囲気のお耽美キショ文学を求めている。どうしてくれるんだ

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2026年01月29日

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眠れる美女、片腕、散りぬるをの三編を収録。
眠れる美女は、感情を持たない異性、そしてコミュニケーションを断たれた関係という奇妙な設定によって、人間の奥底に眠る感情を強くノックされるような物語だった。
片腕は、正直なところ、少し理解の及ばない世界だった。
それでも不思議と読む手が止まることはなく、苦もなくページを捲ることができた。よほど自分は川端作品と相性が良いのだろう、と改めて思わされた一冊。

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2025年12月20日

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ネタバレ

なんと言うか不思議な雰囲気の作品だった。ただ裸で隣に寝ている少女から自らの過去を思い出していく江口の姿がなんというかグロテスクというか・・・。不思議な感じで決して気持ちのいい作品ではないけど何となく引き込まれていく感じがした。『片腕』もなんとも不思議な世界。川端康成はそんなに読んだことがないけどたぶん異色な作品なんだろうな~。

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2026年06月19日

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クソジ…いや江口老人への嫌悪感が凄まじくて集中できない。素直に女の子たちを愛でればいいじゃないか。自分は違う、他を老人どもと蔑む…何なんだこいつは。
女の子たちの描写がそりゃあもうすごくてドキドキする。

片腕、びっくりした。いきなり何!?となる。官能的〜。
散りぬるを、ちょっと何言ってるのか分からない。

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2026年01月16日

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小説なので何を書いても良いとはいえ、3篇のどれもなかなかに背徳的で反社会的な要素に満ちている。
「眠れる美女」は情景を想像すると絵面の気持ち悪さが先に立ち、細かな描写が入ってこない。「片腕」にも共通するが、あまり抑揚のない話であり、どこで終わっても良さそうなのに結末だけが突出しているようにみえてしまう。
「散りぬるを」は事件に題材を借りたフィクションなのだが、被害者が実在する以上、今だと何かと物議を醸すことになりそうだ。「狂気による犯罪のほうが正気の犯罪よりも悪である」等の認識は通常の法理を突き抜けているが、今もこうした理由のよくわからない事件は度々起り、真実や動機も結局は裁判の作文の中で片付けられてしまうことに対して、小説家として別の立場を示したのだろうか。

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2025年12月21日

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川端康成の作品本当に数十年ぶりに
読んだ
3編のうち 眠れる美女は不思議に
すっと入り込めた
片腕はついていけない
散リぬるをは何だか理解しにくかった

川端文学は美しい日本の文化 人情
所作 感情など随所に感じられる
と言うが
この年になってやっと
分かると言う感じ
これから少し読んてみようという気になった

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2024年10月04日

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