川端康成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
どれだけ多くの人が本作に対する感想で、
この一文を抜き出していたとしても、やはりこれを書かざるを得ない。
3人の登場人物、島村、駒子、葉子と1人の語り手。
新潟 越後湯沢を舞台としたこの作品は、
人間の渇望を主題に据え、その中で愛や救済を例として美とはなにか、を探求する。
私が持ったこの作品の特徴は、何よりも美しい情景描写であった。冒頭の一文はもちろんのこと、沈みゆく夕陽がもたらす山の影。積もりゆく雪への繊細で極めて視覚的な表現の数々を例として、自然を描き出す。
一方、島村が見つめる、駒子や葉子の声や視線、動作は自然を描き出すそれとは若 -
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かの有名な冒頭。
改めて読むと、鳥肌が立った。
暗から明へ。閉塞から解放へ。夜の闇の底に光る白い雪。トンネルに響く列車の音が雪に吸われて静かになる情景まで浮かぶ。
東京からやってくる島村と、雪国の芸者、駒子。そして列車で向かいの席に座っていた葉子。
ともに同じ部屋で寝ているのに、二人が交わったかどうかの描写が一切なく、キスすら明示されない。関係がないことはなかろうが、あえて書かれないことで、不倫には違いないのに、純愛のように映る。
印象的なシーンは多い。
列車から見える夕景色と重なる、車内の葉子の顔。
揺れ動く感情を抑えつつもそうできなくなる駒子。
「いい女」の箇所はなかなか理解できなか -
Posted by ブクログ
50歳の記念に全集を刊行するにあたり
過去の作品を見直す作家
少年の頃の日記や手紙も見直される
そこには中学の寄宿舎での美しい後輩との
同性愛のような関係が
綴られている
『床に入って、清野の温かい腕を取り、
胸を抱き、うなじを擁する。
清野も夢現のように私の頸を
強く抱いて自分の顔の上にのせる。
私の頬が彼の頬に重みをかけたり、
私の渇いた脣が彼の額やまぶたに落ちている
‥‥清野は時々無心に眼を開いては私の頭を抱きしめる。私はしげしげ彼の閉じたまぶたを
見る。別に何も思っていようとは見えぬ。
半時間もこんなありさまがつづく
私はそれだけしかもとめぬ。
清野ももとめてもらおうとは思っていぬ』 -
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「伊豆の踊子」
差別されている旅芸人との付き合いによって、ようやく世界と和解できるようになった物語。(国木田独歩「忘れえぬ人々」を想起させる。)終盤の部分(「孤児根性」の後)が好きで味わい深い。「私」の心理の描写に心が打たれた。踊子の恋に落ちたというより、踊子に浄化されたと言った方が正しいのではないかと思う。救われたから、もう会えなくてもいい(お守りのように自分のそばでいるから)。「美しい空虚の気持ち」という表現は川端文学を理解する鍵であろう。
「抒情歌」
とにかくこの小説(象徴抒情詩)が好き。まだ川端を知らない、川端文学を読んでない人に、この一文を勧めたい。「あなたも私もが紅梅か夾竹桃の花 -
Posted by ブクログ
この作品は教科書で読む定番の小説だが、それは学生と踊り子の少女の淡い恋愛感情が端正に表現されているからだと思う。学生は親族を亡くした孤児で、寂しさや世間への反抗心などを持っているが、伊豆への一人旅で逢った旅芸人たち、特にその中の踊り子に心が惹かれ、道中常に彼女に思慕を募らせる。そんな彼の気持ちに応える様に踊り子も彼に親切にし、二人の心が徐々に通じ合っていく。その様子が自然に優しい目でもって描かれていくので、読んでいてドキドキするが、安心感もある。ただエンディングは急にきて、東京へ帰る船の中で学生が泣きじゃくるだけなので、良い小説なのにもったいない感じがした。しかし著者にとっては自然な終わり方な