川端康成のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
川端康成のノロケです
学生時代に同室の少年と添い寝していた思い出が綴られています
唇まで許していたとありますが、挿入描写とかはなかったです
とことん愛撫描写で留まっており、性欲が指先に集まっていました
回想を見るなり、川端康成は体育会系気質な作家だと思いました
少年から向けられる思慕に痛く快感を覚えられているようで、気持ちよさそうでした
少年はまるで神のごとく偶像のように敬意を向けられ、それを受け止めている様子から、器が人と違うなと思いました
自分に陶酔しているワケではなく、少年のもつ信仰心に萌えているところが作家性なのかなとおもいました
翻って少年が帰依している宗教は平熱でディスってお -
Posted by ブクログ
ネタバレ四季折々の神社仏閣や伝統的なお祭り、西陣織や北山杉など古都の風情がたっぷりに描かれている。はんなりした京言葉も優しく響く。古き良き京都…なんとまぁ美しいのだろう。
複雑な生い立ちを抱えた千重子と苗子。祇園祭の夜に運命の出会いを果たし、双子であるお互いの存在を知る事となる。捨てられた子と捨てられなかった子。育ての親だが裕福に育てられた千重子と実の親だが早くに死に別れ、貧しく働くしかなかった苗子。
どちらが幸せだったのだろうか。
初めて枕を並べ一晩を過ごすが、姉妹一緒の時間はそう長くは無かった…。
千重子の幸せを願い、邪魔にならないように身を引く苗子が奥ゆかしい。その気持ちを理解し見送るしかなかっ -
Posted by ブクログ
初読。課題本。
タイトルと冒頭と粗筋は聞いたことがあったが、思っているのと若干違う話だった。正直近代文学は表現を追うのに必死で話が入って来ながち。
主人公である都会人の富裕層島村と、若い温泉芸者駒子、そして美しい声の娘葉子が中心人物。
島村は本人も言っている通り親の遺産を食い潰して無為徒食の日々を送っているとの事だったので、対照的に温泉街で必死に生きる駒子や葉子を俯瞰するには丁度良い位置なのかもしれない。文中で頻繁に出て来る、駒子に向けた 離れている時は恋しく思うのに、近付いた途端突き放すような言動は、彼が「バレエの論文を書いていながら、バレエを直に見たことがない」という人物像に象徴されている -
Posted by ブクログ
ネタバレ文章も構成も確かに美しい。複雑でないものを陳腐というのは浅薄だが、しかし、画期的とまでは言えない気がする。伊豆の踊り子以外の篇を未だ読んでいないので、悪しからず。
薫に投影される、無垢で潔白な女性像というのは、愛情とか神秘を描くのに一役買っているのかもしれない。しかし、時代背景の理解が浅いのかもしれないが、気持ち悪いと感じてしまった。『草枕』の女は神秘的でエロティックで不快感も感じなかったが、それだと温度のある愛情を表現できないから、やりたいことは成功してるのかもしれない。
というのが今の自分のファーストインプレッションで、文学を味わい、学んでいく過程で変わっていく価値観かもしれません(と -
Posted by ブクログ
美しい四季折々の鎌倉を舞台に、初老の尾形信吾目線で、悩ましい家族のあれこれや死への恐れと哀愁が、情緒豊かに描かれていた。
『雪国』の時も感じたが、川端康成は人の心の機微を、情景に写し込むのが本当に上手い。
例えば、信吾が栄螺を3つ買うシーン。
自分と妻・保子と嫁・菊子の分で、ここに息子・修一の分は含まれていない。
息子は別の女の元へ通っているのだ。
『…三つの貝の身が入りまざって、それぞれの貝の身が元通りの貝殻にはかえらないだろうと、信吾は妙に細かいことに気がついた』
私には三つの貝の身が三人のことに重なり、もう元の鞘には収まらないだろうことの暗示に思えた。
また、信吾が急にポツンと人肌 -
Posted by ブクログ
川端の鹿屋における「海軍報道班員」経験が下敷きになっていると
考えられえる小説ということで読む。
鹿屋を訪ねたときのお供でもある。
久しぶり、おそらく20年ぶりくらいの川端ワールド。
あいかわらず美しくて不気味。
なんか露悪的というか変態的というか・・・
そういう部分が必ずあるんだよね、川端。
建築家の父をもつ美しい三姉妹は、それぞれ母親が違う。
長女は特攻兵として恋人が戦死して以後、少年愛に走り・・・
次女は優しい娘として心を砕き・・・
三女は一人芸妓の母の元、ひっそりと生きて・・・
ところが、運命のいたずらで・・・
という小説。
結末の終わり方がいい。
川端が愛した「美しい日本」ら