川端康成のレビュー一覧
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川端康成を初めて一冊ちゃんと読んだ。
風景や人物の描写が、文豪に普通期待するレベルの何倍も繊細でレベチ。最初の列車を降りるまででもう異常。て、天才。
雪国での暮らしぶりについても、小説でありながら価値の高い記録となっている。もう死んじゃったのか。しかも自死とはなぁ。あまりに貴重な才能。
内容自体は「私はいったい何を読まされている」とずっと思ってしまうくらいどうでもいいしハッキリ言って軽蔑するが、こんな風に世界を観察できる人にはそういった体験すらもこんなに美しく映るのかと、感受性の底力を思い知らされた。
山の風景の描写が大好きだし、途中から急に蛾で不穏になってくる辺りも大好き。大丈夫!? -
Posted by ブクログ
湿り気、夢、女
解説にもあるけど意識の流れ(水の流れ)
「どなたです。」
「お客さまですから、お母さま、あげないでちょうだい。」
「先生です。」と久子は小さいが張りのある声できっぱりと言った。そのとたんに銀平は狂わしい幸福の火を浴びたように、びんと立った。ピストルでも持っていたら、うしろから久子をうったかもしれない。玉は久子の胸を貫いて、扉の向うの母 にあたった。久子は銀平の方へ倒れ母は向うへ倒れた。久子と母は扉をへだてて向 い合っているから、二人ともうしろへのけざまに倒れたわけだ。しかし久子は倒れながらなにかきれいに身をまわして向きかわると、銀平の脛に抱きついた。久子の傷口から噴き出す血が -
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川端康成文学忌、川端忌
1952年日本芸術院賞受賞で
ノーベル文学賞対象作品だそうです。
北鎌倉円覚寺の茶室が小説の舞台のひとつとなっています。川端康成は、当時の寺にあった庵で寝泊まりして書いたそうです。
ストーリーは、謎めいた流れがあり
崩れた家庭の拠所を探し続けているような
どこに向かっていくのかわからない。
昭和なら許されたかもしれない不倫。
亡き父親の愛人だった女性との情交。
その愛人の娘への情愛。
幾つかの茶道具が男女の仲を象徴していたのかと思う。
庭で割られた志野茶碗は、別れを
売却された茶碗は、絶縁を
所有続けた水差しは、未練を
続編の「浜千鳥」続千羽鶴が併録されているけれ -
Posted by ブクログ
川端康成のノロケです
学生時代に同室の少年と添い寝していた思い出が綴られています
唇まで許していたとありますが、挿入描写とかはなかったです
とことん愛撫描写で留まっており、性欲が指先に集まっていました
回想を見るなり、川端康成は体育会系気質な作家だと思いました
少年から向けられる思慕に痛く快感を覚えられているようで、気持ちよさそうでした
少年はまるで神のごとく偶像のように敬意を向けられ、それを受け止めている様子から、器が人と違うなと思いました
自分に陶酔しているワケではなく、少年のもつ信仰心に萌えているところが作家性なのかなとおもいました
翻って少年が帰依している宗教は平熱でディスってお -
Posted by ブクログ
ネタバレ四季折々の神社仏閣や伝統的なお祭り、西陣織や北山杉など古都の風情がたっぷりに描かれている。はんなりした京言葉も優しく響く。古き良き京都…なんとまぁ美しいのだろう。
複雑な生い立ちを抱えた千重子と苗子。祇園祭の夜に運命の出会いを果たし、双子であるお互いの存在を知る事となる。捨てられた子と捨てられなかった子。育ての親だが裕福に育てられた千重子と実の親だが早くに死に別れ、貧しく働くしかなかった苗子。
どちらが幸せだったのだろうか。
初めて枕を並べ一晩を過ごすが、姉妹一緒の時間はそう長くは無かった…。
千重子の幸せを願い、邪魔にならないように身を引く苗子が奥ゆかしい。その気持ちを理解し見送るしかなかっ