川端康成のレビュー一覧

  • 名人(新潮文庫)

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    後半勝負が佳境になるにつれてどんどんおもしろくなっていった……すごいなぁ。読み終わってから本当の話だということに気付いた……
    ちなみに碁はルールも怪しいくらいわからない……笑

    わたしも、芸事のあり方に人間性が出るとは必ずしも思わないけれど、しかし人の営みであるよなぁとしみじみ思わされた。おもしろかった。

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    2025年01月11日
  • 小公子(新潮文庫)

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    ネタバレ

    小野不由美さんの帯を見て購入しました。セドリックが本当に可愛くて可愛くて!彼が大好きになりむした。その真っ直ぐ美しい心によって、周りの人たちが、世界がどんどん優しくなっていくのがとても良かったです。
    綺麗な心を取り戻したくなる。そんな温かいお話でした。

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    2024年12月31日
  • 愛する人達

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    「母の初恋」
    こんなに儚くかなしい愛の告白が、ほかにあるだろうか。
    結婚しても何をしても滅びない存在。つまりは永遠。それは雪子にとって幸せなのかもしれないけど、私は読んでいてひたすら苦しかった。

    「ゆくひと」
    浅間山の噴火の描写がもう…秀逸すぎて…。
    文章の美しさで心臓ゴリゴリ抉ってくるの最高としか言いようがない。
    ラストの美しさ、切なさにため息が出てしまった。

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    2024年11月26日
  • 少年(新潮文庫)

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    川端康成のノロケです

    学生時代に同室の少年と添い寝していた思い出が綴られています
    唇まで許していたとありますが、挿入描写とかはなかったです
    とことん愛撫描写で留まっており、性欲が指先に集まっていました
    回想を見るなり、川端康成は体育会系気質な作家だと思いました

    少年から向けられる思慕に痛く快感を覚えられているようで、気持ちよさそうでした
    少年はまるで神のごとく偶像のように敬意を向けられ、それを受け止めている様子から、器が人と違うなと思いました
    自分に陶酔しているワケではなく、少年のもつ信仰心に萌えているところが作家性なのかなとおもいました

    翻って少年が帰依している宗教は平熱でディスってお

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    2024年10月14日
  • 雪国

    購入済み

    難しい

    直接的な表現が少なかったため内容を理解するのが難しかったです。
    でも、最後の展開は驚きで面白かったです。

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    2024年10月11日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    今さらの 川端康成ですが…「伊豆の踊り子」や「雪国」とは違って 最初は ちょっと!ちょっと!の気分。
    でも 日本語の美しさに溺れていく感じが なかなかな感じで、あ〜日本人でよかった!と。どの作品も でてくる女性が魅力的。短編より短いのを 掌編と名付けた人は天才だと思う。

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    2024年10月10日
  • 古都(新潮文庫)

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    ネタバレ

    四季折々の神社仏閣や伝統的なお祭り、西陣織や北山杉など古都の風情がたっぷりに描かれている。はんなりした京言葉も優しく響く。古き良き京都…なんとまぁ美しいのだろう。
    複雑な生い立ちを抱えた千重子と苗子。祇園祭の夜に運命の出会いを果たし、双子であるお互いの存在を知る事となる。捨てられた子と捨てられなかった子。育ての親だが裕福に育てられた千重子と実の親だが早くに死に別れ、貧しく働くしかなかった苗子。
    どちらが幸せだったのだろうか。
    初めて枕を並べ一晩を過ごすが、姉妹一緒の時間はそう長くは無かった…。
    千重子の幸せを願い、邪魔にならないように身を引く苗子が奥ゆかしい。その気持ちを理解し見送るしかなかっ

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    2024年10月05日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    ★★★★☆昔、教科書でも読んだ覚えがあります。記憶中には「私は、朗らかな喜びでことことと笑い続けた」この一節の前後が教科書に載っていたことをよく覚えています。国語の先生が特に「ことことと笑い」と表現されていることが評価されていると話していた(確か?)記憶があります。

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    2024年07月14日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    こういう昔の有名作家の本を読むのはほぼ初めて?かな。記憶の中では。

    川端康成の伊豆の踊り子。
    日本人で初のノーベル文学賞を受賞した人。日本独特の美学のタッチで執筆されていてすごい、とのこと。
    物語自体は短編。1人の少年が伊豆の踊り子に惹かれて一緒に旅をしていると、実はまだ幼い子だった、最初はちょっと女性として見てたけど、最後は同情というか微笑ましい気持ちを描いた小説と理解。

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    2024年06月08日
  • 雪国

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    初読。課題本。
    タイトルと冒頭と粗筋は聞いたことがあったが、思っているのと若干違う話だった。正直近代文学は表現を追うのに必死で話が入って来ながち。
    主人公である都会人の富裕層島村と、若い温泉芸者駒子、そして美しい声の娘葉子が中心人物。
    島村は本人も言っている通り親の遺産を食い潰して無為徒食の日々を送っているとの事だったので、対照的に温泉街で必死に生きる駒子や葉子を俯瞰するには丁度良い位置なのかもしれない。文中で頻繁に出て来る、駒子に向けた 離れている時は恋しく思うのに、近付いた途端突き放すような言動は、彼が「バレエの論文を書いていながら、バレエを直に見たことがない」という人物像に象徴されている

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    2024年04月02日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    ネタバレ

    文章も構成も確かに美しい。複雑でないものを陳腐というのは浅薄だが、しかし、画期的とまでは言えない気がする。伊豆の踊り子以外の篇を未だ読んでいないので、悪しからず。

    薫に投影される、無垢で潔白な女性像というのは、愛情とか神秘を描くのに一役買っているのかもしれない。しかし、時代背景の理解が浅いのかもしれないが、気持ち悪いと感じてしまった。『草枕』の女は神秘的でエロティックで不快感も感じなかったが、それだと温度のある愛情を表現できないから、やりたいことは成功してるのかもしれない。

    というのが今の自分のファーストインプレッションで、文学を味わい、学んでいく過程で変わっていく価値観かもしれません(と

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    2024年03月24日
  • 山の音(新潮文庫)

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    美しい四季折々の鎌倉を舞台に、初老の尾形信吾目線で、悩ましい家族のあれこれや死への恐れと哀愁が、情緒豊かに描かれていた。

    『雪国』の時も感じたが、川端康成は人の心の機微を、情景に写し込むのが本当に上手い。

    例えば、信吾が栄螺を3つ買うシーン。
    自分と妻・保子と嫁・菊子の分で、ここに息子・修一の分は含まれていない。
    息子は別の女の元へ通っているのだ。
    『…三つの貝の身が入りまざって、それぞれの貝の身が元通りの貝殻にはかえらないだろうと、信吾は妙に細かいことに気がついた』
    私には三つの貝の身が三人のことに重なり、もう元の鞘には収まらないだろうことの暗示に思えた。

    また、信吾が急にポツンと人肌

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    2024年03月08日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    「『いい人ね』『それはそう、いい人らしい』『ほんとにいい人ね。いい人はいいね。』」

    「私自身にも自分をいい人だと素直に感じることが出来た。」

    実際、素直になるってなかなか難しい…
    素直になれたから、最後の「甘い快さ」というものを感じられたのだと思う

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    2024年02月29日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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    川端の鹿屋における「海軍報道班員」経験が下敷きになっていると
    考えられえる小説ということで読む。
    鹿屋を訪ねたときのお供でもある。

    久しぶり、おそらく20年ぶりくらいの川端ワールド。
    あいかわらず美しくて不気味。
    なんか露悪的というか変態的というか・・・
    そういう部分が必ずあるんだよね、川端。

    建築家の父をもつ美しい三姉妹は、それぞれ母親が違う。
    長女は特攻兵として恋人が戦死して以後、少年愛に走り・・・
    次女は優しい娘として心を砕き・・・
    三女は一人芸妓の母の元、ひっそりと生きて・・・

    ところが、運命のいたずらで・・・
    という小説。
    結末の終わり方がいい。

    川端が愛した「美しい日本」ら

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    2024年02月26日
  • 山の音

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    初めて読んだ川端康成の小説だった。最初に読んだときはそうでもなかったのだけれども、同期がこれで卒論を書く様子を1年間見ていたから愛着が湧いてしまった。菊子のワンピースがだらりと干してあるところの強烈さが好き。あと、菊慈童の面のシーン。各章タイトルが美しくて眺めているだけでも楽しい。

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    2024年02月14日
  • 伊豆の踊子

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    伊豆の踊り子は1度読んだだけでは、何がそんなに悲しいのかよく分からない気もしたが、橋本治の解説を読んでその時代の風俗とか社会的な背景を少し理解できた気がした

    温泉宿という話の女の人の艶かしさが良かった

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    2024年02月13日
  • 舞姫(新潮文庫)

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    川端康成も舞姫というタイトルの小説を書いていたことを知り驚いた。森鴎外のそれと、川端の伊豆の踊子とごっちゃになって読み始めた。そんな出会いだったが、内容に引き込まれた。
    登場人物達の無常観というか、幸福な場面が一度も無いことに気づく。女達は皆幻想を愛しており、男達は自分を偉大だと思っている。きっと。

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    2024年02月08日
  • 少年(新潮文庫)

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    旧制中学のころの川端康成の文章がうますぎる。ノーベル文学賞をとることになる素地が垣間見える。しかし、文通相手の清野少年の文章も美しい。全体を通して日本語の美しい響きを教えてくれる。そのうえに、川端少年の思春期の心模様が映し出されて、なお美しい。

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    2024年01月23日
  • 雪国

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    1回目は全く理解できなくて数年ぶりにこの本をとって読んでみました。日本語ってこんなに綺麗なんだなと思わせてくれる文章でした。どうやって生きたらこのように描写や感情を美しく言語化できるのでしょうか。

    ただ相変わらずストーリーが面白いかと言われるとよく分からなくて、何がオチなのかなと疑問です。

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    2023年12月18日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    人と距離をとりがちだった主人公が踊子の無邪気な親切に触れ、次第に人に心を開いていく。
    終盤の「私はどんなに親切にされても、それを大変自然に受け入れられるような美しい空虚な気持ちだった。」がお気に入りの文章。

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    2023年11月07日