川端康成のレビュー一覧

  • 雪国
    初めて川端康成氏の作品を読んだ。内容を理解する事に手間取ったし、読み終わっても完全に理解したとは言えないが、まずまずの読み応えであった。解説を読んで少し理解した程度だが、他の作品も読んでみようと思った。
  • 名人
    囲碁史上、類を見ないほどに圧倒的強さを誇った本因坊秀哉名人の引退碁観戦記。代表作とはまた違った面白さがあって力が入った。囲碁に留まらず時代や潮流が大きく変わっていく息吹きが感じられた。諦念とも希望とも違うクールな視点も良い。
  • 雪国
    正直、物語はよく分からなかったのですが、悉く表現が美しく情景が綺麗なので、こんなにも雪が美しいものだということを、初めて知った一冊になりました。

    いい感じに物語がよく分からないから、余計にいいのかもしれないとか、思います。
  • 山の音
    今の時代とは違う
    価値観や文化

    よくも悪くも
    日本人の家族関係が
    ウエットなものから
    ドライなものに
    変わったなぁと
    しみじみ思った

    現代だったら
    スパーンと
    離婚とか別居とかに
    なりそう

    機微も情緒もないか...

    鈴虫ブックスにて購入
  • 少年(新潮文庫)
    川端康成作品の中でもあまり整理されていない(いい意味で)、直球の表現が多い感じがする
    でもその表現が好きだった
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇
    デビュー作を含む、川端康成の初期の作品集である。
    若さ故か、私の読解力不足か、所々で話者や情景がわかりにくい箇所があった。
    しかし、それでも後の文豪となる片鱗を見せ、毒のないサッパリとした文章でありながら、森や温泉の匂いが鼻先にツンと香ってくるような、艶かしい表現を併せ持っている。

    特に印象的だっ...続きを読む
  • 山の音
    読み始めたときは登場人物のことも、状況もわからないせいで何が言いたいのか分からない情景描写ばかりが続いて面白くないーーー!と思ったけど、話が進んできて展開がどんどん先へ先へと行く所まで読むと逆にそれが面白いと思った。
    慣れてきたのか、読み解けるようになったのかは分からないけども、時間置いてまたじっく...続きを読む
  • 伊豆の踊子
    「伊豆の踊子」
    清潔感を感じる文章で、言葉が美しい。
    だが当時の感覚と令和の感覚での齟齬があるのか、
    いまいち内容そのものには趣を感じられなかった。
    言ってること、この作品が好きだという人たちの感情は理解できるのだが、自分には響かなかった。
    雪国も同じ気持ちになったので、近い時代を過ごしておらず想像...続きを読む
  • 伊豆の旅
    伊豆旅行のお供にぴったりの1冊だった。

    竹西寛子は『川端康成 人と作品』で、「それらの作品を観光小説風に扱う冒瀆はまことに耐え難い。」と書いてはいるが、こちらのアンソロジーは「伊豆へ旅するひとにも 伊豆を旅したひとにも 伊豆の旅を想う人にも なつかしい愉しい本」。

    名作のもととなったエピソードが...続きを読む
  • 雪国
    雪国
    川端康成

    物語の舞台は新潟県湯沢温泉
    無為徒食の男「島村」と雪国で芸者をしている「駒子」の物語。
    「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。…」の一文で始まる有名な作品ですが、初めて最後まで読みました。

    駒子が自分に好意を寄せているのを知りながら、最後まではぐらかし続ける島村。物語が進ん...続きを読む
  • 雪国
     登場人物は少なく、皆、「逞しい」という印象を受けた。
     妻子がありながら、親の遺産で温泉に入り浸る男、その男の温泉地の若い愛人、その愛人の許嫁(実際には許嫁ではなかったが)の男を世話する声の美しい女。
     完全に自己解釈なので、間違えているかもしれないけれど、登場人物の女たちは純真であったり、秀麗で...続きを読む
  • みずうみ
     川端康成の美しい日本語で、みずうみや蛍の情景・山火事などの温度を感じる。美しい日本画を眺めているかのよう。登場する人々は排他的で甲斐荘楠音の絵を見ているようで怪しく対比的な印象を受けた。
     緻密な人物背景と関係図であるが、夢(主人公・桃井の心情?)と現実が入り乱れるので、ストーリーは追いづらく、そ...続きを読む
  • 少年(新潮文庫)
    50歳で、日記や手紙や小説で、10代後半から20代前半にかけての自身を紐解き振り返る。川端康成が幼い頃から両親や祖父母や兄弟との別離を繰り返していたことを知らなかった。美しい年下の少年が、孤独を癒しあるがままに受け入れ側にいることは、どんなに必要なことだったのだろう。どこかに別れや死を感じさせる既読...続きを読む
  • 雪国
    生きることに必死な女を「美しい」と形容する、地に足をつけない男と、縋りながらも結末を分かっている女の、恋にまで至らない虚しさが漂う物語。
    物語が醜くなる前にあえて終わらせていると気づいた時には感激した。
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇
    『十六歳の日記』
    奇を衒う表現がないので読みやすく、表現が簡素であるためか却って表現以上のものを感じる。

    『招魂祭一景』
    正直、情景が全く浮かばなかった。わざとわかり難く書いているのか、狙い通りに書くとわかりにくくなってしまうのか、それとも当時の著者に表現力が足りないのか。単純に若いだけとも感じら...続きを読む
  • 舞姫
    戦後日本の家庭の物語。登場人物それぞれが無力感を抱え、悩みながら生きている。最終的に各人の苦しみが解消される場面は描かれず、この先どうなったのか気になる終わり方。戦後日本の価値観、男女の葛藤、経済的転落が描かれる。

    波子さんは綺麗な人なんだろうな。矢木は嫌な感じのする男だが、その背景には結婚生活で...続きを読む
  • 舞姫
    1950~51年にかけて「朝日新聞」に全109回で連載。
    終戦5年後におけるインテリ、比較的上流に近い家庭の、父ー母(ー過去の恋人)ー娘ー息子の関係が描かれる。
    父母世代は40歳前後、子世代は20歳前後。
    てことは親世代は性的にまだお盛ん、子世代はむしろ性的には開花直前の趣き。
    川端康成は当時50歳...続きを読む
  • 少年(新潮文庫)
    神奈川近代文学館「没後50年 川端康成展 虹をつむぐ人」に足を運び、この方の人となりに強く興味を持った。
    悲しいけれど今までまともに読んだことがなかったのが、
    先入観なく、かえって良かったのかもしれない。
    この作品も小説というよりも随想のような感じなのが好ましく、彼に抱いた印象がますます色濃くなった...続きを読む
  • 古都
    京言葉と、京都の四季と祭の描写が美しい小説です。
    京都に詳しくないので地図を見たり調べながら読むと楽しく観光気分にもなりました。
    どことなく夢の中のような、曖昧でふわふわとした感じがあるなと思って読んでいましたが、あとがきを読んで納得しました。
  • 山の音
    後ちょっとで著作権フリーになるところだったけど、法改正で青空文庫化が大きく遅れ、読まずに待っていた三島、川端、内田百閒と言ったところを今更に入手、少しずつ読んでます。
    三島由紀夫も川端康成も文章が美しく染みますが、特に誰かが殺される訳ではありません笑、戦後の時代の家族間の心情が細やかに伝わる物語です...続きを読む