川端康成のレビュー一覧

  • 伊豆の踊子

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    女性の所作の美しさと、植物的儚さがある。

    『青い海黒い海』は名作。『伊豆の踊子』よりも好き。むしろ個人的には川端文学の魅力は慕情だとか旅情、抒情ではなく、人間の健康的なエロスや艶めかしさをさらりと述べた文章であると思うのであるから、『父母』の慶子さんの描写とか、とても良いのである。

    なに言ってるんだと思われるだろうナ。

    ファッション的に、まだ肌を隠していた時代の小説というのは、膜一枚分の奥ゆかしいエロスがあると、わたしは思うワケです。

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    2012年12月24日
  • 伊豆の踊子

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    僕の中では史上最高の恋愛小説です。
    普段そういう系を全く読まないので母集団があれですけどw
    心に響く名作だと思います。

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    2012年09月22日
  • 伊豆の踊子

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    映画化もされているので、長編かと思っていたら、なーーんと、40ページくらいしかない短編であった・・・(つまり、この本は、たの短編をいくつか含んでいる)

    40ページで、なんか登場人物と友だちに成れた感を作ってしまうんだから、やっぱり川端康成はすごいんだと思った。 

    孤児で育ったことによる感情、一高(東大)の学生と旅芸人に対する差別感、男尊女卑の世界、そして素直に好きと言えない恋愛。 

    これらを40ページの中に全て入れて話をまとめてしまうのはすごい。というか、一緒にしようという発想が普通は出ない。

    普通に読んだだけでは、ただの物語で終わってしまうので、読み終わったら是非解説も読んでみて下さ

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    2012年09月21日
  • 女であること

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    川端康成は女性の性質をあぶりだす天才なのか、女性が思うより男性には「女」が溢れ出でて見えるのか…

    いろんなタイプの女性が出てくるけれど、どの女性の心の機微も的確に美しく描いてあって、読んでいて頷ける描写が散りばめられていた。

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    2012年07月17日
  • 伊豆の踊子

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    「伊豆の踊子」川端康成
    抒情文学。淡い白。

    角川文庫の短編集です。
    伊豆の踊子/青い海黒い海/驢馬に乗る妻/禽獣/慰霊歌/二十歳/むすめごころ/父母
    解説と年譜の付録つき。

    すうっと染み入るように読めた作と、さらっと素通りして目を流れてしまった作と、ぱっと見読みづらかったけどじっくり読めた作がありました。
    男が、女を語るのが多いですが、「むすめごころ」の機微とか、「禽獣」で読める昔の日本人の冷淡さ残酷さ。知りませんでした。
    表題作以外では、「慰霊歌」が印象に残りました。

    読んでみるもんだねえ、大人になってから読むんで十分いいと思った。心が濯がれた感じです。(5)

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    以下メモ

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    2012年07月04日
  • 伊豆の踊子

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    昔の人の思想とかがわかる一冊。
    「物乞い旅芸人入るべからず」とかの文に昔ってこうだったんだ・・・と思うことが度々。

    そして何り主人公が邪な考えを持っていても読者にサラリと読ませてしまう文の造りも流石としか言いようがない。

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    2012年01月28日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    伊豆に行った際に、この作品の足跡をたどろうとしました。
    いくつかは、名所として分かりましたが、時間がなかったので、車で回っただけのところもあります。
    ご当地小説としては、雪国とともに、その場所に行ってみたくなるような、現地の描写が上手いと思います。

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    2011年12月23日
  • 伊豆の踊子

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    いやらしい話なのに、透明感が保たれているってすごいですね。
    世間的な川端康成のイメージってどんなんなんでしょう、私は雪国を読むまでは小難しい話を書くんだろうなぁなんて思っていましたけど、どっこいソフトにエロ本ですよね。
    谷崎潤一郎みたいな装丁にしたら良いのに…。

    11.09.05

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    2011年09月07日
  • 愛する人達

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    これは好き 大好き
    『夜のさいころ』もいいけど『ゆくひと』もいいし
    『夫唱婦和』もすごく良かったなあ

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    2011年05月30日
  • 女であること

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    著者らしい、綺麗な描写、文章。

    男性が書いたとは思えないくらい、非常によく女性の内面が描かれている。
    市子、さかえ、妙子、音子、山井、千代子、有田の下宿先の女主人…
    くるくる変わる女性の心の内、空気、見た目も。
    時にふと沸きおこる、「清純」「完璧」らしいものへの嫌悪感、嫉妬、不信感。
    どうしようもないくらい相手を傷つけたい衝動にかられたり、かと思えば突如襲ってくる空虚感、この上なく優しい気持ち。
    そんな、自分でも説明をつけ難い、なんだかわからない女というものを、
    描写している。

    綺麗だったり、可愛かったり、子供だったり、強かったり、頑固だったり、弱かったり。
    女性って、色んな顔がある。飽き

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    2011年03月14日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    伊豆に旅行に行ったので、ベタなチョイスをしました。「伊豆の踊子」は、今まで読んだ川端作品の中では喉の通りが一番良く、快い作品だと思う。ひたひたした暗闇も含んでいるが、そこに染まりきっていない。はじめは伊豆の雨に主人公は洗われ、踊り子一行との交流と別れを経て、自らの涙で洗われる。人と人との関わりと言うのは、どうしても時を経るごとに垢が付いてしまうと思う。そこもひっくるめてが人間だろうが、この作品では踊り子やその家族のような一行と触れ合うほどにその生き方が切なくて、ほのぼのと暖かく、ああ良い人達だという想いが強まる。そばにいるほど心が洗われていく。珠のように美しい作品だ。あとは「十六歳の日記」「招

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    2011年07月28日
  • 伊豆の踊子

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    始めて川端康成の作品を読みました。伊豆の踊子はとても有名ですが今まで一度も読んだことがなかったので挑戦してみました。難しいかなと思っていたのですが、思ったよりすらすら読めました。でもやっぱりところどころ理解しきれなかったところもありました。でもそれは私の読解力の不足だと思います。
    ブラックな内容の作品もありましたが面白かったです。

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    2009年10月08日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    不朽の名作。初恋、旅路、限りある二人の時間など、郷愁を誘うキーワードがちりばめられています。ただただ純粋な恋というものは、経験を積むごとに、するのが困難になっていく。だからこそ大人になればなるほど、私はこの作品をますます愛しあこがれるのかもしれません。

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    2009年10月04日
  • 女であること

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    書いてる人は男なのに、なぜにここまで書けるのかと思うくらいスゴイ本。何人か女の人が出てきますが、心の変化が繊細すぎるぐらいにきれいに描かれていて素晴らしい。そして切ない。

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    2009年10月04日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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     川端をばかにしていた。ノーベル賞作家はどうも印象が良くない。今まで川端というと「なんか静かで、きれいっぽいこと書いてるだけでしょ?」と勝手に思っていた。でも、全然ちがった。
     確かに川端の世界はきれいだ。でも、そのきれいさは「よくある美しさ」とはちょっとちがう。 たとえば「伊豆の踊子」に何気なくはさまれた「通風の爺さん」のエピソードがある。本編とはまったく関係ない。関係ないがゆえに、あのシーンだけが妙に頭にこびりついて離れない。
     なぜあの「爺さん」が頭にこびりつくのか? ポイントの一つに心理描写が少ない、ということがあげられる。心理描写がないゆえに「え、これはどういう意味なの?」という謎の

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    2009年10月04日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    眠れる美女、片腕、散りぬるをの三編を収録。
    眠れる美女は、感情を持たない異性、そしてコミュニケーションを断たれた関係という奇妙な設定によって、人間の奥底に眠る感情を強くノックされるような物語だった。
    片腕は、正直なところ、少し理解の及ばない世界だった。
    それでも不思議と読む手が止まることはなく、苦もなくページを捲ることができた。よほど自分は川端作品と相性が良いのだろう、と改めて思わされた一冊。

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    2025年12月20日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    全く行ったことないけど、上下が浮かんでくるから不思議。娘と別れたあとの頭の中身が澄み切った水になって流れ出ていくようっていうたとえすごいな。

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    2025年12月17日
  • 山の音(新潮文庫)

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    日本的感性と評されるだけある…!
    主人公の教養の高さと節々の日本の情景が美しすぎて、日本の風景、そして美的感覚は良いなあと改めて思わされた。

    今じゃ到底あんな生活できないけれど、隠居したらこんな生活したいなと妄想してみたり。

    起承転結がないからこそ(連載作品ゆえらしい)、心の機微に注目してただ読むみたいな、脳死で疲れたときにも読みやすい。初めての川端作品だったけどサクッと読めたし、他の本も読んでみたい。

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    2025年12月06日
  • 小公子(新潮文庫)

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    とてもよかった
    セドリックの健気さとそれを育んだエロル夫人の誠実さでこんなにも人を優しくできるなんて
    伯爵が徐々に他人に関心を持っていく描写がよかった
    読み進めていてこれどんな展開になるんだと思ったらこう来たかと
    ハッピーエンドで良かった
    小公子がどんな領主になるか夢見ちゃうね

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    2025年11月14日
  • 雪国

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    水のようにスッと入り、音楽を奏でるような文章。やっぱり、私は川端康成の文章が好きだ。

    ただ、内容はあらためて読むと、なんだこのおやじ、という感はある。

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    2025年11月12日