川端康成のレビュー一覧

  • 美しい日本の私

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    川端を斜めから楽しむ勢だが、けっこう正面から読んで、いいなと感じた。
    そして誠に月並みなことに、よく聞く(引用される)ものほどいいな、と。



    川端のノーベル賞受賞記念講演を軸に、日本文化について述べた随筆を厳選!
    ノーベル賞授賞式に羽織袴で登場した川端康成は、古典文学や芸術を紹介しながら日本の死生観を述べ、聴衆の深い感銘を誘った。その表題作を中心に、今、日本をとらえなおすための傑作随筆を厳選収録。

    【目次】
    ●美へのまなざし
    花は眠らない 1950★
    美について 1950
    美しい日本の私 1968★
    秋の野に 1968
    女人なれども 1969
    夕日野 1969
    ほろびぬ美 1969

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    2023年04月03日
  • 伊豆の踊子

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    ネタバレ

    割と初期の作品集。
    というのもこの角川文庫、1951年の刊行なのだ(が、年譜は死まで更新されている……)。
    川端自身による「『伊豆の踊子』について」が嬉しい。
    今回は「驢馬に乗る妻」「二十歳」「むすめごころ」「父母」を読んだ。

    ■「伊豆の踊子」
    既読。

    ■「青い海黒い海」
    既読。

    ■「驢馬に乗る妻」1925以前
    彼。
    妻の綾子。
    その姉の豊子。
    綾子は知らないが、実は彼は先に豊子と通じ、豊子の自己犠牲で妹に譲った、という過去がある。
    やはり女をふたり並べて、どちらからも愛されている(年上から年下へ移行)というドリーム小説。

    ■「禽獣」
    既読。

    ■「慰霊歌」1932
    既読。とはいえ記憶

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    2023年03月27日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    ネタバレ

    「十六歳の日記」。
    冒頭の祖父尿瓶(しし)のシーンも凄い。
    が、数え16歳=満14歳が、100枚の原稿用紙を大きなテエブルに据えて、自分ー祖父ー手伝いのおみよ、で話しているシーンが壮絶。
    祖父は半ば痴呆が進んでいるのか、果たせなかった野望を、大隈重信に頼めばなんとかなると言い張る。
    おみよは馬鹿にして笑う、が、ある瞬間ふっと黙ってしまう。凄絶な記録文学だ。
    語り手は淡々と「見ている」……盲目の人を見るという視線の非対称性は、今後、鑑賞用の女を探し求める川端の人生のテーマにつながっていくのだ。
    愛惜と観察。
    時間の区別なくししと食事の要求と。苛立ち。
    スケッチとは、単に思ったことを書くのではない

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    2023年03月22日
  • 女であること

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    ネタバレ

    「朝日新聞」への連載開始は1956年で、1巻をその年に、2巻を翌年に刊行。
    とはいえ佐藤碧子による代作の疑いあり。
    どおりで川端にしては長い。
    ただしきちっとした構成がなくダラダラと続いていくのは川端っぽいといえばいえる。
    また、美しい令夫人の市子、気の強い割には気弱なところもあるエキセントリックなさかえ、暗い影を背負った妙子、という女性の三角形と、
    彼女達に振り回される佐山、光一、有田という男性の三角形が組み合わさる関係性で話が持続していく作りは、結構川端っぽい。
    マンネリの極致なのだ。
    で、小母様が好きだとか小父様が好きだとか中年男性の夢のような展開をさせておいて、結局はさかえの奔放が結果

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    2023年03月22日
  • 雪国

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    読むのに難しい本でした。

    途中まで読み進めて、なんとなく消化できず、もう一度最初から噛み砕くように読んでみました。
    ところどころ登場人物の感情がむき出しになり熱量が上がる場面はあれど、物語としては終始淡々としていて、主人公たちの心理描写と同じくらい(もしかしたらそれ以上に)風景の描写が挟み込まれるので、どちらかというと小説を読むよりは絵を鑑賞するという感覚に近かったです。

    というか、当たり前にさらっと書かれてるけど主人公が嫁と子供を置いて何日も旅館に泊まり掛けるのとか、今の感覚じゃ普通じゃないよねー。笑
    いつか機会があれば物語の舞台である湯沢町に行ってみたいと思いました。

    p85
    「君が

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    2023年02月26日
  • 雪国

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    文学的評価が定まっていて、さらにノーベル文学賞を獲っているから読み通せたのだけれど、もしこれが無名の作品だったら、きっととてもではないが最後まで読み通すことはできなかってだろう、と思う。

    「結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている~この指だけは女の触感で今も濡れていて~鼻につけて匂いを嗅いでみたりしていたが」この箇所は色々な人が取り上げているけれども、こういった清潔な色っぽさの描写にはっとさせられる。他にも、「人間は薄く滑らかな皮膚を愛し合っているのだ」「島村は死骸を捨てようとして指で拾いながら、家に残して来た子供達をふと思い出すこともあった」「そうして駒子がせつなく迫

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    2023年02月12日
  • 雪国

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    ネタバレ

    無為徒食でニヒルな島村と、不器用だが素直で純粋な駒子との愛のかたちが描かれた本。
    徒労を嫌い蔑み、虚無でもあり事実をそのまま受け取るような島村と、熱を帯びた情念で素直に生きる芸妓の駒子の対比が、特に最後の火事の場面において印象的に書かれている。
    「徒労とは」
    人々は無駄を嫌うが無駄をしない人などおらず、駒子のような徒労を続ける、続けることができる強い人間を逆説的に肯定している作品だと感じた。

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    2023年02月04日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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    舞台が、ちょうど私がよく知っている景色から始まっている。なんだか自分自身も旅をしているような不思議な気分のまま読み終えた。湖国の虹は一度見たら一生忘れられない。そして、百子は自ら虹の橋を渡って行った者たちの呪縛から解き放たれる日が果たして来るのだろうか?

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    2023年01月16日
  • 山の音

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    古き悪き日本。

    恐らくそのせいで、
    次の世代は欧米志向で自由に憧れたのでしょう。
    そして続く現代の親世代は、その反動で冷静に。

    主人公はおじいちゃん。
    共感するには早過ぎかと思ったが、
    女性は男性より早く盛りの過ぎたのを実感するものである。
    30も過ぎればちやほやされなくなるし、
    体力もあっという間に落ちる。

    老年とはこんなものか、と
    想像するには意外と難くなかった。

    生々しく赤裸々に書かれた主人公の感情や執着が、期限切れの酸っぱさのまとわりつくほろ苦さ。
    少し癖になる。
    美味ではないが、晩酌のアテには向いている。

    菊子だけが花だ。
    丁寧に描写されているのに、
    私の中に具体的な顔立ち

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    2022年12月10日
  • 少年(新潮文庫)

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    両親を早くに亡くし、
    寂しさの中思春期を過ごしてきた著者の、温かな学生の頃の触れ合い。
    気持ち悪さは感じない。

    心の拠り所だったのかな。
    手紙を最後は燃やしてしまうのだろうけど。
    宗教の話も出てきます。
    人間の心の居場所を考えられます。

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    2022年10月10日
  • 少年(新潮文庫)

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    川端康成の作品に「湯ヶ島の思い出」という長編があったらしい
    そこから一部を抜粋し
    「伊豆の踊子」というタイトルで発表して
    残りは封印してしまったという
    なぜそんなことをする必要があったのか
    それは「湯ヶ島の思い出」が
    同性愛のタブーに触れていたということもあろうが
    それ以前に、やはり小説としての冗長さを嫌ったのだと思う
    大本教の家に生まれ育った少年の
    世間と相容れない純粋さが
    若き川端康成の「孤児根性」に共鳴したという話は
    まあそれだけのもので
    そこから広がりを見せていくことはない
    しかしともかく、伊豆で旅芸人の娘から受けた優しさが
    川端の僻んだ心を癒やす物語には
    そのような出発点があった

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    2022年09月18日
  • 山の音

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    日本の家族という柵を良くも悪くも描いている。四季の移ろいや日常的にみられる生活風景や職場の何気ない描写も秀逸。日本の美を追い求める川端文学の真骨頂か。初老の儚い恋心も主テーマであるが、老いていく肉体については淡々と綴っていき焦りとか未練とかは嘆かない。海外の作品とはここが違う。やはり日本の美か!
    AVのテーマの原点はここか、と思うところもあるが、よりエロティックで官能的と感じさせる描写はさすが。

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    2022年09月03日
  • 少年(新潮文庫)

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    50歳時点の著者が17歳前後の同性愛的体験などを振り返るという体の小説。
    当時の日記や手紙の引用が多く、小説というより随筆っぽかったが、こういう「生」感のある構成は嫌いではない。同性愛描写よりむしろ某新興宗教に関する内容が興味深かった
    。正直、主題とされている同性愛経験の内容には物足りなさがあった。日記の引用が主とはいえ本当の心のうちはあまり明かされていないように感じたし、本書の描写だけだと愛というより単に弄んでいるだけのようにも思えた。
    流石ノーベル文学賞受賞者だけあって、端正な文章で眼福になった。

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    2022年08月18日
  • 少年(新潮文庫)

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    川端康成が中学時代同室で過ごしていた美少年・清野の記憶を追想する。
    清野一筋かと思えば、所々で別の美少年にも情を抱いているのがかえって生々しい。少年を愛する心は、彼の中に当たり前に存在していたんだなと思った。

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    2022年07月14日
  • 少年(新潮文庫)

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    1972年川端康成亡くなって50年となり、全巻35巻の第10巻のなかで全集のみでしか読めなかった部分を文庫化した作品。
    その全集は川端康成50歳を記念して刊行されたもの。その編纂にあたり、本人も自身の全作品を振り返っている。その時に、幼少期からの作文や学生時代の日記を取り上げながら、50歳の気持ちを書き加えていくといったいった形式。
    出版社はこの文庫の発表にあたり、「川端のBL」と扇状的すぎるかなあと思う。確かに寮生活での日記が主で、その中でも清野少年に対する恋慕的行為表現は多い。他にも美しい少年を見かけるとそちらも気にしてしまう。と、多少そういう傾向ではありますが。
    日記書簡からの回想なので

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    2022年07月12日
  • 伊豆の踊子

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    「伊豆の踊子」は十数年ぶりに再読。旅情と青春を感じさせて、案外良い。初めて読んだ時もそう感じたはず。

    他には、新潮文庫版には未収録の「死体紹介人」が薄気味悪くて良い。

    川端康成は、基本的にあっさり薄味だが、晩年の「眠れる美女」や「片腕」のように、たまに薄気味悪い小説を書く、という印象。


    以下は「死体紹介人」のあらすじ。

    会ったことのない女の死体を解剖用に大学に売り払うが、その女の妹が骨を受け取りに来たので他人の骨を渡す。その妹と同棲するようになるが、姉と同じく肺炎で亡くなる。その死体の前で、火葬場で知り合った女と抱き合う。

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    2022年07月04日
  • 少年(新潮文庫)

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    BL作品にはあまり興味がないんだけど
    BLじゃない作品に
    BL的要素を感じる人の気持ちは
    わからんでもない
    美しさを求めてんのかな?とオモウ

    話題になってるようだったので
    気になって買ってみた

    少年少女の頃って
    実際はすごく匂いがあるし
    己の幼少期は泥んこだったし
    家畜の糞尿もすぐそばだったし
    汚れ放題だったのに
    なぜ回想すると
    美しく変換されるのか
    ハナタレも汗臭さもどこいったん…

    ということが
    誰にでもおこると信じているので
    川端康成にもあったはず!
    回想してるから
    こんなに匂いがなく感じるんだと
    信じている!!!!

    清野の手紙がちょっと切ない
    書いた清野の気持ちを考えると
    ギュー

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    2022年06月03日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    若い頃に書かれた短編集。
    伊豆の踊り子」は、雪国の若者バージョン?、「雪国」と比べてフレッシュな感じ。「雪国」に比べて愛情に対する反応も素直。瑞々しい、というべき?
    映像が目に浮かぶ。

    「十六歳の日記」は、死にゆく祖父を写生した日記。

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    2024年06月20日
  • 少年(新潮文庫)

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    川端康成の作品を初めて読んだのでいまいち作者の人となりがわからないのだが、この本は自身の少年〜青年期を振り返ったものということで良いのだろうか。
    自身の書いた手紙をみつけるがまま順に書き連ねていったという感じで、時系列がばらばらで把握しにくいのだが、文章自体は読みやすかった。

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    2022年04月30日
  • 少年(新潮文庫)

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    旧制中学の寮で同室になった後輩の少年との思い出を、過去の日記や手紙から紐解いています。
    思い出すままに並べたような、輪郭をもたない記憶。少年への印象も美化なのか理想なのか、願望か。まるで夢のようです。

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    2022年04月18日