川端康成のレビュー一覧
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川端康成55歳の作品。
少女少女少女。見目麗しい少女や娘に異常に執着し、つけ回す。安定の川端康成だと思っていたら、赤ん坊が出てくるあたりで怪しくなりました。土手の中を這い回る赤ん坊は明らかに人外のもの。これまでの物語りもすべて銀平の幻想だったかも知れません。もう一回吟味しながら読む必要がありそうです。
以下、思ったことを徒然に。
冒頭は硬質のクライム小説を思わせる書き出しでおやっと思いましたが、湯女を相手に語りだすと直ぐにキモいオッサンに変わりました。銀平の女慣れしていないキョドった態度と口調、流石です。
つけられる女のほうにも快感が生じると言う考えは観念としては妖しく魅惑的だけれど、現 -
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日記や手紙を記録的に書き連ねたもの。
川端の不純のなさ、エロスを書いても下品にならない上級さはやっぱり良い、白や水色など清らかで涼しげな色を感じさせる。
清野の手紙は重くて、暗くて、自意識過剰で、縛りを感じる。川端はその感情を文を書くことによって消化させているからそこまでのグロさは感じない。
けどむしろわたしは、清野に共感してしまった。
自分を受け入れてくれた1人を己の存在価値の裏付けに利用して、相手なら全てを受け止めてくれると信じ、その人の存在を自分を支える柱とする。けれどその柱は不安定で時には目に見えなくなってある種の幻覚ではなかったのかとすら思う。
深い感情を覚えた相手に程、醜くて自 -
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初めての川端康成。
冒頭のもみじの木の幹に一尺ほど離れて2つのくぼみがあり、それぞれのくぼみに毎春すみれが咲く。近いようで交わることのないように見えるすみれが、千重子と苗子を表しているのだろう。
そのあとに描写される亀壺のなかで一生を終える鈴虫たち。この亀壺も盆地の京都という本作の舞台を指しているのだろうなと思った。
『古都』というタイトルの通り、京都の有名な寺社やお店、年中行事がふんだんに作中で描かれる。京都の地理に詳しくない人でも楽しめると思うが、詳しい人はより楽しめるはず。伝統的な建物の中に、今も残る北山の植物園が京都にとって新しい場所として出てきてスパイスを効かせているような感じだった -
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川端作品はいくつか読んだけど、有名どころの雪国は嗜好にあったけれど、伊豆の踊子の良さは実はさっぱり見いだせなかった。
この伊豆の旅には、川端さんが長年、第二の家の様に逗留した湯ヶ島の湯本館での滞在記に近いものなど、伊豆における文豪の素顔も垣間見れる短編集となっていて、ちょっと面白い。
川端ファンなら、同じ過ごし方をしてみたくなるかもしれない、るるぶ前の観光本といった趣。
伊豆序説は、そのまま数ページで伊豆の紹介文。
伊豆温泉記は、昔の仲居さんのちょっと商売女的な様子(お客と混浴したり)や、湯質、湯ヶ島以外の伊豆の温泉、文壇友人の来訪した際の思い出など。
正月三が日から、伊豆の帰りまでは小説 -
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美しくもままならない姉妹愛、親子愛。双子のくだりが出てきたところからページを捲る手が止まらなかった。
親子愛、姉妹愛の爽やかな美しさを描いている。身分の違いのままならなさを、身分が高い側の千重子の側から描いているのも面白い。京言葉が新鮮だけど、印象深くて頭の中でつい同じ言葉を使ってしまう。
背景となる京の四季がメインテーマのようにも思えるくらい色んな姿が描かれている。杉山は3回描かれるが、どれも違った姿で、情景が浮かび上がってくるようで素晴らしい。
太吉郎の盆栽と日本論は面白かった。
身分違いとなってしまった双子の行く末がなんとなくわかってしまうんだけど、それでも先が気になって読むのが