川端康成のレビュー一覧

  • みずうみ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    心象風景と現実世界を行き来し、夢か現か分からなくなる。その思考と知覚の流れを文章にするのが上手く、あやふやなのに現実に近い感じがした。空の桃色と水色に目を向けられる人と、女性をストーキングする人が同一だということに悲しくなった。

    0
    2026年06月22日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんと言うか不思議な雰囲気の作品だった。ただ裸で隣に寝ている少女から自らの過去を思い出していく江口の姿がなんというかグロテスクというか・・・。不思議な感じで決して気持ちのいい作品ではないけど何となく引き込まれていく感じがした。『片腕』もなんとも不思議な世界。川端康成はそんなに読んだことがないけどたぶん異色な作品なんだろうな~。

    0
    2026年06月19日
  • 名人(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    本因坊秀哉名人の引退碁を書いた物語。川端康成は囲碁と深い繋がりがあり、揮毫した掛け軸「深奥幽玄」が日本棋院の幽玄の間にかけられています。

    病身でありながら長い月日をかけて碁盤に向かった名人。「名人はこの碁を芸術作品として作って来た」という言葉が心に残りました。

    0
    2026年06月18日
  • 雪国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ちょっと頑張って手を出してみたけど流石に難しかったです笑
    でもお気に入りのオシャレな一文を見つけたのでここに載せときます。

    『女の耳の凹凸もはっきり影をつくるほど月は明るかった』

    0
    2026年06月08日
  • 古都(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    移り変わる季節や京都の文化、行事が描かれていてノスタルジックな雰囲気が素敵だった。

    内容が悪いということではないけれど、空気感や風情を味わいたい1冊。

    0
    2026年06月06日
  • 美しい日本の私

    Posted by ブクログ

    川端康成『美しい日本の私』
    ノーベル文学賞受賞時の記念講演を収めた随筆である。
    随筆というのは、作品ではないため「その人となり」が現れやすい。
    海外にも翻訳されているようだが、名文の良さは日本人にしか分からない。いや、日本人であっても、その味わい深さはわからなくなってきているだろう。
    その最も大きなものは「四季の移ろい」や「侘び・寂び」である。
    ここに作者は、日本独自の美意識を見出だしており「日本らしさ」を感じる。

    よく言われることだが「西洋は自然と戦い支配し、東洋は自然の中に溶け込む」という言葉がある。
    雪、月、花という自然の美しさを愛でることは、単なる景色の鑑賞ではない。
    その存在に、心の中に平安と豊かさを感じる感性そのものが、現代人が忘れ去ってしまった幸福感である。
    季節の移ろいや自然に「美しさ」を見出だせることそのものが、何よりも日本人としての幸福なのである。

    また『源氏物語』や『枕草子』の引用が多くある。
    千年以上の人間が日本人として感じる「もののあはれ」や繊細な感情は、世界に誇れる最高度の文化である。
    近い翻訳をしようとしても「appreciation of the fleeting nature of beauty」(儚い美しさへの鑑賞)という訳になってしまい、全く本質をついているとは言えない。
    思い返せば「もののあわれ」を失ったところから、現代の日本人が日本人としてのアイデンティティがなくなってきているのだろう。

    月並みの発言にはなってしまうが、物質的な豊かさがどれほど満たされても、心の豊かさがなければ真の幸福とは言えない。
    西洋化された物質的獲得する幸福というのは、人工的な電飾に彩られたクリスマスツリーの飾りにも似ている。
    闇夜に明るければ明るいほど、電気代を掛けて、お金をかけるほどに華やかで豪華になる。しかし、昼間の太陽のもとに見る その姿は、あまり美しいものではない。むしろ、ゴテゴテとした電飾が目立つのである。
    日本人が培ってきた「自然を慈しむ心」には、散歩道の紫陽花や、カキツバタ、夕暮れの空気、季節を感じられる風にも幸福を感じられる。
    不思議なこうしたものは一円もかからない幸福感だが、西洋的支配的な華やかさに 心奪われている者には、その良さすらわからない。

    散りゆく桜を美しいと感じられる自分であることに、改めて誇りと美意識を体感できる一書である。

    ではなぜ評価が低いのか?私には難しかったからである。読書スピードが一気に落ちたのだ。

    0
    2026年05月25日
  • 雪国(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    情景描写はたしかに美しかった。ストーリーの構成というよりは、日本語が持つ美しさとか表現の豊かさとか、そういうところに注目して読むのが正解なのかな。

    0
    2026年05月11日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

    Posted by ブクログ

    むずかしかった…もう一回読まないと分からん…読んでも分からんかも…
    まず言葉が難しい…情景とか思い浮かべづらいし、誰が誰かわからない…

    「伊豆の踊り子」はまだ話が分かりやすく、綺麗な情景が思い浮かんで好き
    「春景色」と「温泉宿」は、川端康成自ら伊豆の踊り子よりも傑作と称していたが、自分にはまだむずかしかった

    0
    2026年04月04日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    建築家、水原とその娘2人を中心に
    それぞれの人間関係を綴る
    戦後であっても
    なんとも裕福な家庭であるらしく
    何不自由なく生きている感じがする

    が、
    それぞれに複雑な事情が見え隠れする
    1番目の娘、百子は愛人の子
    母は自殺、百子はかつての恋人を戦争で失くす
    今は少年ばかり愛し、
    心穏やかでない生活をしている
    2番目の娘、麻子は本妻の子
    本妻は病死している
    そして京都にもう1人
    愛人との間に娘がいる
    3番目の若子
    それぞれは
    水原を慕いながら
    水原に守られて生きている

    時代を感じさせる男と女の力関係
    今なら問題ありだらけだけれど
    なぜかそこに大きな大きな愛と、抱擁力を感じる
    身勝手とも思える態度も多々ありですが
    こんな内容もすんなりと受け入れてしまえるほど
    川端康成の世界はやはり美しい
    京都の桂離宮を歩きながら考える
    琵琶湖にかかる虹を見て考える
    どれもこれも美しい

    0
    2026年04月02日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    雪国よりも本作の方が好きです。なぜなら雪国は島村が妻子がいる身で、年齢差のある駒子と逢瀬を重ねているという設定に違和感を覚えていたので、物語に入り込みにくかったからだ。また、駒子はそれなりの年齢で芸者の境遇なので、悲壮感があって辛い気持ちにもなりやすい。

    一方で、本作は主人公がまず若い!そして、踊り子も若く、支えてくれる家族もいるため、まだ救いがある。そのため、作中で疑問や罪悪感が湧くことが少なく、入り込みやすいと思った。

    ただ、前者の方が設定が過激な分、後者よりももののあわれな寂寥感に耽ることができた気がするので、バランスは難しい。全体的にみると、快く読めたのは伊豆の踊り子です。

    最初に出てきた動けないじいちゃんがなんかリアリティあっていいなぁと思った。海外旅行すると、確実に見かける何をしているかわからない仙人みたいなじいちゃんばあちゃん。
    あとは、踊り子がいるときに取る行動やそれに伴う心の動きもなかなかに細やかだ。以下の行動は、共感を呼びやすいものが多いんじゃないだろうか笑

    ・踊り子に会えるかなと思って予想してその場所に行ってみる
    ・餞別を渡したおばあちゃんに必要以上に感謝されて、泣きそうにまでなるが、踊り子のことが気になって途中からおばあちゃんの引き留めを負担に感じ始める
    ・踊り子が来るのを部屋で今か今かと待ち続ける
    ・踊り子が近くにいると、目の前の碁に集中できなくなる

    今も昔もなのかは分からないけど、日本の近現代小説に出てくる女性像って大体二分されていて、あまり多様性がないなと感じる。

    ・処女性が強調され、謙虚で純真、若く(14〜17歳)、従順なタイプ
    ・男性経験を積んでいて、生命力が強く、健気だったりおてんばだったりして、距離感が近いタイプ

    しかも特に前者のタイプが圧倒的に多く、内面まで深く描かれることはない。どちらかというと美貌や若さにフォーカスが当たる。その属性が高く評価されること自体は理解できるけど、物語としては正直面白くないと思う。

    一方で、これまで読んできた中で「オモレー女」だなと思ったのは、『カラマーゾフの兄弟』のリーザとカテリーナ。(特にリーザ(笑))

    読んだ人は絶対わかってくれると思います。)この二人は今思い出しても笑ってしまうぐらい本当にパンチが効いていて、最高に面白いんですよね。 

    0
    2026年03月27日
  • みずうみ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    『みずうみ』は、筋や人物の行動を近代的な論理で追おうとすると、むしろ読めなくなる小説だと感じた。銀平と女たちの不可解さ、断片的な展開は、私たちが当然視する「わかりやすさ」や「合理性」を崩してくる。その意味で、文学でありながら文化人類学や社会学のように、近代的科学的思考そのものを相対化する作品なのかもなと思った

    0
    2026年03月06日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    古本屋で50円均一で売られていて、思わず買ったのがおそらく2年前。そこから長らく積読になっていたが、ついに読んだ。

    普段現代小説やエッセイばかり読んでいる身には少し難しくて、なかなか場面描写ができなかった…。難しい…。

    まだ伊豆の踊り子は読みやすかった。
    きっと作者の思考とか経験とか諸々、ものすごく反映されてるんだろうけど。
    それをすくい取れる読解力をつけたい…。

    0
    2026年02月18日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

    Posted by ブクログ

    人物同士の関係や時代的背景を読み取るのが難しかった。また、全体を通して主人公の考えを読み取るのが難しかった。とくに青い海黒い海、

    それでいうと伊豆の踊子は易しくて、純愛というか新鮮さの溢れる作品で面白がった。

    0
    2026年02月12日
  • 雪国

    Posted by ブクログ

    確かに情景描写は凄いかもしれないけど、正直この文章に日を感じる感性が自分にはないのかもしれない…

    なぜ島村は既婚子持ちの無職おじさんなのに、駒子から行為を寄せられてたんだろう…

    あと島村と葉子の関係性もよくわからない…

    0
    2026年02月02日
  • 雪国

    Posted by ブクログ

    美しい情景描写。雪はすべてを覆い隠して真っ白にするのに、雪景色ってこんなに多彩に表現できるのか。外の寒々しさと対照的な温泉宿の温かさ、そこで聴こえてくる音、視覚だけでなく温度感や聴覚も文章だけで伝わる。もし、これだけの語彙力と表現力を多くの人が持っていたら、ビデオカメラは発明されなかったかも。

    それはそうと、この島村という男のどこにそんな魅力があるのかが疑問だった。島村目線でしか語られないから、駒子がどうしてそんなに惚れ込んでいるのかが分からない。超絶顔が良いとか?
    それでも私が駒子の友だちなら「そいつはやめとけ」と言いたくなるタイプ。彼女に見送られて電車に乗り込んで、物理的な距離ができた途端に、「遠く感じる」とか言ってのける薄情さ。彼女の気持ちを徒労だと叩きつけることで、彼女の思いの純粋さを眺めようとする、自分本位な傲慢さ。
    駒子の気持ちは、他者にやめとけと言われるほど燃えそうではあるけど。

    ただ、恋愛が楽しむことそのものを目的とするものであるなら、駒子のようにいつ来るか分からない男に翻弄されて、乱れた心をそのまま明け渡してしまう恋も悪くないのかも。
    苦しければ苦しいほどその人を好きだと実感する。返ってこなかった愛ほど一生もの。
    駒子の叶わぬ恋を、頭ごなしに"不幸"と決めつけることはできない。

    だけどやっぱり解せない。個人的にはちゃんと返ってくる愛が良いし、やっぱり友だちなら止めたくなる。幸せなんてみんな自己満足だけど、自分についた傷を愛でるような幸せはなんかちょっと違うよ、と言ってやりたくなった。

    0
    2026年01月17日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    クソジ…いや江口老人への嫌悪感が凄まじくて集中できない。素直に女の子たちを愛でればいいじゃないか。自分は違う、他を老人どもと蔑む…何なんだこいつは。
    女の子たちの描写がそりゃあもうすごくてドキドキする。

    片腕、びっくりした。いきなり何!?となる。官能的〜。
    散りぬるを、ちょっと何言ってるのか分からない。

    0
    2026年01月16日
  • 雪国

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    情景が目に浮かぶ、艶かしい作品だった。
    自分用メモ:東京のお金持ちのおじさんが、湯沢温泉まで旅行に行って駒子という19歳くらいの芸者を特別気にいる。あまりに清潔で美しいから性的なことはしないでいたが、女の子の方が惚れ込んでしまう。だからもう来るのやめよ、って思って終わり
    蜻蛉トンボ

    0
    2026年01月09日
  • みずうみ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ページをめくるほど幻想と現実が複雑になっていく
    そして最後ははっきりとした現実に戻る
    自分がそこにいるような感覚で読み進められた

    0
    2025年12月25日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    小説なので何を書いても良いとはいえ、3篇のどれもなかなかに背徳的で反社会的な要素に満ちている。
    「眠れる美女」は情景を想像すると絵面の気持ち悪さが先に立ち、細かな描写が入ってこない。「片腕」にも共通するが、あまり抑揚のない話であり、どこで終わっても良さそうなのに結末だけが突出しているようにみえてしまう。
    「散りぬるを」は事件に題材を借りたフィクションなのだが、被害者が実在する以上、今だと何かと物議を醸すことになりそうだ。「狂気による犯罪のほうが正気の犯罪よりも悪である」等の認識は通常の法理を突き抜けているが、今もこうした理由のよくわからない事件は度々起り、真実や動機も結局は裁判の作文の中で片付けられてしまうことに対して、小説家として別の立場を示したのだろうか。

    0
    2025年12月21日
  • 雪国

    Posted by ブクログ

    2年前から、#雪国リトリート というプロジェクトをお手伝いさせていただいております。関わり始めて以来、何度となく、”国境の長いトンネル”を抜けて雪国に行っております。

    湯沢あたりでは、そこかしこで「川端康成」の面影を感じており、いつか読んでみようと思っていた、こちらの名作。

    私自身、純文学というものにあまり馴染みがなく、どういう気持ちで読んだら良いのか、まだ掴めないでおります。ただそれでも、登場人物それぞれの人間らしい弱さは、すぐそこに感じるようなリアルさがあり、胸を締め付けるものがありました。

    そして、どこか醸し出される情景や心情の雪国らしさ。南国のような突き抜けた優しさではなく、どこか一歩引いた奥ゆかしい優しさが感じられます。それが太陽の優しさと雪の優しさの違いなのでしょうか。

    作品中、”縮(ちぢみ)”や”雪晒し(ゆきさらし)”についての記述があり、ちょうど塩沢紬について話を聞いた後だったので、新潟と着物文化がまた少しつながった感覚がありました。

    おそらくまた読み返したくなる気がする、そっと本棚にしまっておこうと思うようなそんな小説でした。

    0
    2025年11月20日