川端康成のレビュー一覧

  • 女であること

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    女、というものに冷静に向かいあって書いた小説。女というと谷崎などもよくテーマにするし、またさかえなどは氏の小説に出てきそうなキャラクターだが、読後受ける印象は反対と言っていいに等しい。ただなまなましさや哀しさが残った。文章はとても美しく、難なく読めるが、読み終わると読んでいる最中とは打って変わって暗い気持ちに襲われる不思議な小説である。

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    2011年01月14日
  • 伊豆の踊子

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    本屋で出会った瞬間、多分誰かが「ザ・ワールド」を呼んだんだと思う。それでその十秒後に、多分誰かが「キング・クリムゾン」を発動したんだと思う。気づいたら、お金払ってたし。ジャケットのインパクトが強すぎたけど、中身ももちろん面白かったです。

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    2010年01月26日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    川端康成自身が短編を選び、解説を加えたもの。
    以下の感想以外の短編も目を通しましたが、
    言い回しや、歴史背景などがよくわからず、挫折しました・・・。

    ☆伊豆の踊子
    自分が孤独根性で歪んでいると、反省を重ね、
    その憂鬱に堪えかねず旅をしたが、
    旅で出会った踊子がとても純粋で可憐であり、
    恋愛ともまた違う好意が芽生え、
    主人公を心身ともに清らかな気持ちにさせてくれた。

    読んでいて、きれいなきもちにさせてくれると思いました。
    今のロリコンとかと通じるものがあるのかなぁ。
    いや、そんなことは無いはず!
    描写がとても美しかった。。

    ☆春景色
    絵かきとその恋人が田舎で生活をする様子を、景観の描写を豊

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    2010年01月03日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    言わずと知れた不朽の名作である。
    書生と踊り子とその一行。
    旅の途中で出会い行動を共にしているうちに心がふれ合う。
    複雑な事情がありそうな踊り子達だが、それを感じさせずにきれいな印象を与えている。
    東京へ帰る書生の流す涙、甘い快さが様々な意味合いにも受けとれるのである。

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    2009年12月10日
  • 女であること

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    吐き気がするくらい、女という性について生々しく描いた小説。
    自分が嫌ってる女性像の裏に自分にもある汚い女性が垣間見えて、とっても気分が悪くなる話。うーわー。

    いや、悪いエンディングではないんだけどね。
    川端さんはすごいなー。
    なんでこんなにわかるんだろう。

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    2009年10月07日
  • 伊豆の踊子

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     川端康成の代表作のひとつです(表紙絵がすごいことになっていますが)。孤独に悩む青年の淡い恋心と人というものの温かさを描いた、傑作だと私は思います。この物語は、15歳で孤児になってしまった作者の実体験を元にしているそうですが、主人公と旅芸人の身分(階級格差)を超えた人間同士の交流を通して、人の温かさを感じるという描写には、暗い感じがあまりせず、むしろ孤児根性から抜け出せる希望が感じられます。

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    2009年11月12日
  • 伊豆の踊子

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    荒木飛呂彦がカバー画を描いていたので買ってしまいました。
    ま、完全にやりすぎでしたが。

    孤独な生涯を送ってきた20歳の主人公が旅先で出会う14歳の旅芸人の踊り子に恋をしてしまう、題名作「伊豆の踊子」。

    若さゆえの淡い恋心に揺れる主人公の行動がいじらしい。
    が、時代が違いすぎて感情移入できなかったため、★ひとつ減。

    それよりも注目すべきは収録されている他4篇の短編。
    川端康成の表現力に圧倒される。

    川端が15歳のときに書いた日記を、のちに自身で注釈を付けくわえた「16歳の日記」。
    そのスタイルだけでも新鮮だが、死の間際にいる祖父との会話を【この世の声ではない】と表現するな

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    2009年10月07日
  • 伊豆の踊子

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    「道がつづら折りになって」という出だし、最強だと思います。
    内容は変態チックなものが多いけど、物にも心にも機微を反映した描写で、素直に感心してしまう。

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    2009年10月07日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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    2006. たぶん11月頃 
    これはなかなか設定が面白いです。是非今の時代に流行らせたいです。てか誰かこれでギャルゲーを作って欲しいです。それで麻子萌えか百子萌えか若子萌えか議論を白熱させたいです。おそらく裏ルートで竹宮少年も攻略可能。そんな話を誰かとしたいです。

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    2009年10月04日
  • 伊豆の踊子

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    言わずと知れた川端康成の名作。今更はじめて手にしたことがちょっと恥ずかしい。
    主人公の青年は学生で、一人旅をしている。その道中で偶然であった幼さの残る踊子に抱いた、淡い淡ーい恋のお話。
    新鋭の作家さんを好んで読んでいたんだけど、これは凄く面白かった。ストーリー自体のせつなさ、甘酸っぱさはもちろん、文体も余韻の残る終わり方もあたし好み。きゅんとしちゃいました。

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    2009年10月04日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    小説なので何を書いても良いとはいえ、3篇のどれもなかなかに背徳的で反社会的な要素に満ちている。
    「眠れる美女」は情景を想像すると絵面の気持ち悪さが先に立ち、細かな描写が入ってこない。「片腕」にも共通するが、あまり抑揚のない話であり、どこで終わっても良さそうなのに結末だけが突出しているようにみえてしまう。
    「散りぬるを」は事件に題材を借りたフィクションなのだが、被害者が実在する以上、今だと何かと物議を醸すことになりそうだ。「狂気による犯罪のほうが正気の犯罪よりも悪である」等の認識は通常の法理を突き抜けているが、今もこうした理由のよくわからない事件は度々起り、真実や動機も結局は裁判の作文の中で片付

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    2025年12月21日
  • 雪国(新潮文庫)

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    以前山の音を読み、その日本的感性美に惹かれて雪国を読み始めた。はいいものの、正直にいうと令和を生きる私にはなかなかそもそもの情景把握が難しく、寝落ち本となってしまい…サクッと読める分量のはずなのに、珍しく1週間ぐらいかかった。

    心理描写が少なくて情景描写が多いことは分かっていたけど、注釈を読んでも背景知識の不足により全体像は分からないまま読み終わっちゃった印象。だしむしろ注釈が邪魔してしまったかも

    最後の解説で和歌的だという言葉が一番納得したしもはや印象的になってしまったまである。なんか当たり前だけど当時の時代を生きていた人が知っている花も作家も古典も知らないわけで、それが哀しい。もっと色

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    2025年12月19日
  • 雪国(新潮文庫)

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    この作品は全編主人公の一人称視点で展開されながらも、当の主人公の想念や哲学については余り書かれず、人格の主張が極力抑えられている。これにより、主人公は、雪国に住む2人の女性の性状を映す視点を読者に提供する装置としての役割を果たす。この視座に立つと、冒頭のあの印象的な場面、雪国行の汽車の中で、主人公が窓の反射越しに女を眺めるあの構造は、これから展開する、読者が主人公という鏡の反射通して女性達を見るという構造に合致する。又、窓の反射越しの女性と、窓の向こう側の灯火が重なるというのも印象的に描かれる訳だが、火というのは殊雪国故に生活に必要不可欠で、されども雪国故に気温や湿度によってより不安定なのであ

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    2025年11月20日
  • 雪国

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    2年前から、#雪国リトリート というプロジェクトをお手伝いさせていただいております。関わり始めて以来、何度となく、”国境の長いトンネル”を抜けて雪国に行っております。

    湯沢あたりでは、そこかしこで「川端康成」の面影を感じており、いつか読んでみようと思っていた、こちらの名作。

    私自身、純文学というものにあまり馴染みがなく、どういう気持ちで読んだら良いのか、まだ掴めないでおります。ただそれでも、登場人物それぞれの人間らしい弱さは、すぐそこに感じるようなリアルさがあり、胸を締め付けるものがありました。

    そして、どこか醸し出される情景や心情の雪国らしさ。南国のような突き抜けた優しさではなく、どこ

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    2025年11月20日
  • 雪国(新潮文庫)

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    オーディブルで聴いてしまって、ちょっとよくわからないまま聴き終えた。
    理解が浅いのは、私の気が違うからかな

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    2025年11月11日
  • 雪国

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    主人公の何をしているかわからない日常と、その割に奥さんをほおって温泉宿で浮気をしている生活にどうにも感情移入ができないと思って、人に話したら、それが「高等遊民」というもんだと説明された。この時代のあるインテリ男子の憧れの生活スタイルだったようだ。それが学べる小説とも言える。

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    2025年09月16日
  • 山の音(新潮文庫)

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    ある時代の一つの家族の日常が家長の目線で描かれたストーリー。その舅と嫁の相互の愛情が描かれている。舅は嫁を見守り、嫁は舅を慕っている光景が浮かぶ。また、舅の妻、息子そして娘の性質や関係性などが何となくわかる。
    いずれにしても、1つの家族の日常が描かれている。この先どうなって行くのかを示唆するような終わり方でもないし、このストーリーが何を訴えたいかはわからなかった。

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    2025年08月29日
  • 雪国(新潮文庫)

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    場面展開が特に難解で、わかりづらかった。
    いつの間にか場所や時間が変わったり、別れたと思ってた人がまだいたりする。映画やドラマの「カット」のように見ればまあ面白いのかなという気もした。
    最後についている「解説」を読んで、「島村」、「駒子」、「葉子」の象徴的役割がようやくわかったので、二回目以降に読むのなら面白く読めるかなと思った。初読はそんなに惹かれなかったが、二回目からいろいろ知った上で読み直すと化ける本なのかもしれない。

    川端康成は初めて読んだと思うが、状況把握をするのが難しい作家だなと思った。次は『山の音』を大学の後期の授業で読む予定なので、そっちに賭けたい。

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    2025年08月22日
  • 古都(新潮文庫)

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    京都を舞台にしたゆったりしているが、厳しい現実を知って生きてきた双子の姉妹。お互いの存在を知ってからの相手に対する愛情が伝わってきた。その後、どういう人生を歩んで行くのだろうか?助け合って幸せに生きて行くだろう。

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    2025年08月18日
  • 雪国(新潮文庫)

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    直接表現少なく婉曲表現のため想像と解釈が難しく感じました。情景描写、色の使い方がとても美しいことはわかりました。

    〜〜〜

    国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。信号所に汽車が止まった。

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    2025年08月04日