川端康成のレビュー一覧
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川端康成が好きではなくなる。文豪はやはりどこか変わっているのだなと思う。自身の青年期の性癖を赤裸々に語っている。男しかいない寮であるから、美しい男性を好きになるのはあり得る話ではあるが、清野の他にも駅で会った美少年で良からぬ妄想をしていることから、それが生い立ちによるものにせよ曲がった性癖をお持ちかと(自身でもそう語っているが)
古日記や古手紙を焼却するために、回顧しながら出した本としても良く出したなと。川端康成の中では"清潔な"思い出なのかもしれないが、見てはいけないもの知ってはいけない事を知ってしまったように複雑な心境になる。
川端康成が送った手紙と清野から送られてきた -
Posted by ブクログ
全体的に酷評が多いだろけど、伊豆の踊り子は川端康成の人生においては間違いなく特別な作品。
知っている人ならわかる川端康成の壮絶悲惨な人生、その孤独感が作品によく表れているのがまさしく『伊豆の踊り子』
たぶん一番川端を感じられるのがこれなんじゃないかと言える。ただ内容はもちろん面白くない。これはやはり文学なので心理描写によく読んで感じられることをお勧めします。
他作でいいなと思うのが『父母』に出てくる「青春の刑罰」という言葉、年相応に楽しむことがないことを指したものですが秀逸でした(内容は期待しないで)。個人的に好きなのは『むすめごころ』『驢馬に乗る妻』これらなんかは比較的わかりやすく男女の恋 -
Posted by ブクログ
川端康成55歳の作品。
少女少女少女。見目麗しい少女や娘に異常に執着し、つけ回す。安定の川端康成だと思っていたら、赤ん坊が出てくるあたりで怪しくなりました。土手の中を這い回る赤ん坊は明らかに人外のもの。これまでの物語りもすべて銀平の幻想だったかも知れません。もう一回吟味しながら読む必要がありそうです。
以下、思ったことを徒然に。
冒頭は硬質のクライム小説を思わせる書き出しでおやっと思いましたが、湯女を相手に語りだすと直ぐにキモいオッサンに変わりました。銀平の女慣れしていないキョドった態度と口調、流石です。
つけられる女のほうにも快感が生じると言う考えは観念としては妖しく魅惑的だけれど、現 -
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日記や手紙を記録的に書き連ねたもの。
川端の不純のなさ、エロスを書いても下品にならない上級さはやっぱり良い、白や水色など清らかで涼しげな色を感じさせる。
清野の手紙は重くて、暗くて、自意識過剰で、縛りを感じる。川端はその感情を文を書くことによって消化させているからそこまでのグロさは感じない。
けどむしろわたしは、清野に共感してしまった。
自分を受け入れてくれた1人を己の存在価値の裏付けに利用して、相手なら全てを受け止めてくれると信じ、その人の存在を自分を支える柱とする。けれどその柱は不安定で時には目に見えなくなってある種の幻覚ではなかったのかとすら思う。
深い感情を覚えた相手に程、醜くて自