川端康成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
建築家、水原とその娘2人を中心に
それぞれの人間関係を綴る
戦後であっても
なんとも裕福な家庭であるらしく
何不自由なく生きている感じがする
が、
それぞれに複雑な事情が見え隠れする
1番目の娘、百子は愛人の子
母は自殺、百子はかつての恋人を戦争で失くす
今は少年ばかり愛し、
心穏やかでない生活をしている
2番目の娘、麻子は本妻の子
本妻は病死している
そして京都にもう1人
愛人との間に娘がいる
3番目の若子
それぞれは
水原を慕いながら
水原に守られて生きている
時代を感じさせる男と女の力関係
今なら問題ありだらけだけれど
なぜかそこに大きな大きな愛と、抱擁力を感じる
身勝手とも思える態 -
Posted by ブクログ
ネタバレ雪国よりも本作の方が好きです。なぜなら雪国は島村が妻子がいる身で、年齢差のある駒子と逢瀬を重ねているという設定に違和感を覚えていたので、物語に入り込みにくかったからだ。また、駒子はそれなりの年齢で芸者の境遇なので、悲壮感があって辛い気持ちにもなりやすい。
一方で、本作は主人公がまず若い!そして、踊り子も若く、支えてくれる家族もいるため、まだ救いがある。そのため、作中で疑問や罪悪感が湧くことが少なく、入り込みやすいと思った。
ただ、前者の方が設定が過激な分、後者よりももののあわれな寂寥感に耽ることができた気がするので、バランスは難しい。全体的にみると、快く読めたのは伊豆の踊り子です。
最初 -
Posted by ブクログ
美しい情景描写。雪はすべてを覆い隠して真っ白にするのに、雪景色ってこんなに多彩に表現できるのか。外の寒々しさと対照的な温泉宿の温かさ、そこで聴こえてくる音、視覚だけでなく温度感や聴覚も文章だけで伝わる。もし、これだけの語彙力と表現力を多くの人が持っていたら、ビデオカメラは発明されなかったかも。
それはそうと、この島村という男のどこにそんな魅力があるのかが疑問だった。島村目線でしか語られないから、駒子がどうしてそんなに惚れ込んでいるのかが分からない。超絶顔が良いとか?
それでも私が駒子の友だちなら「そいつはやめとけ」と言いたくなるタイプ。彼女に見送られて電車に乗り込んで、物理的な距離ができた途 -
Posted by ブクログ
小説なので何を書いても良いとはいえ、3篇のどれもなかなかに背徳的で反社会的な要素に満ちている。
「眠れる美女」は情景を想像すると絵面の気持ち悪さが先に立ち、細かな描写が入ってこない。「片腕」にも共通するが、あまり抑揚のない話であり、どこで終わっても良さそうなのに結末だけが突出しているようにみえてしまう。
「散りぬるを」は事件に題材を借りたフィクションなのだが、被害者が実在する以上、今だと何かと物議を醸すことになりそうだ。「狂気による犯罪のほうが正気の犯罪よりも悪である」等の認識は通常の法理を突き抜けているが、今もこうした理由のよくわからない事件は度々起り、真実や動機も結局は裁判の作文の中で片付 -
Posted by ブクログ
以前山の音を読み、その日本的感性美に惹かれて雪国を読み始めた。はいいものの、正直にいうと令和を生きる私にはなかなかそもそもの情景把握が難しく、寝落ち本となってしまい…サクッと読める分量のはずなのに、珍しく1週間ぐらいかかった。
心理描写が少なくて情景描写が多いことは分かっていたけど、注釈を読んでも背景知識の不足により全体像は分からないまま読み終わっちゃった印象。だしむしろ注釈が邪魔してしまったかも
最後の解説で和歌的だという言葉が一番納得したしもはや印象的になってしまったまである。なんか当たり前だけど当時の時代を生きていた人が知っている花も作家も古典も知らないわけで、それが哀しい。もっと色 -
Posted by ブクログ
この作品は全編主人公の一人称視点で展開されながらも、当の主人公の想念や哲学については余り書かれず、人格の主張が極力抑えられている。これにより、主人公は、雪国に住む2人の女性の性状を映す視点を読者に提供する装置としての役割を果たす。この視座に立つと、冒頭のあの印象的な場面、雪国行の汽車の中で、主人公が窓の反射越しに女を眺めるあの構造は、これから展開する、読者が主人公という鏡の反射通して女性達を見るという構造に合致する。又、窓の反射越しの女性と、窓の向こう側の灯火が重なるというのも印象的に描かれる訳だが、火というのは殊雪国故に生活に必要不可欠で、されども雪国故に気温や湿度によってより不安定なのであ
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Posted by ブクログ
2年前から、#雪国リトリート というプロジェクトをお手伝いさせていただいております。関わり始めて以来、何度となく、”国境の長いトンネル”を抜けて雪国に行っております。
湯沢あたりでは、そこかしこで「川端康成」の面影を感じており、いつか読んでみようと思っていた、こちらの名作。
私自身、純文学というものにあまり馴染みがなく、どういう気持ちで読んだら良いのか、まだ掴めないでおります。ただそれでも、登場人物それぞれの人間らしい弱さは、すぐそこに感じるようなリアルさがあり、胸を締め付けるものがありました。
そして、どこか醸し出される情景や心情の雪国らしさ。南国のような突き抜けた優しさではなく、どこ