川端康成のレビュー一覧
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美しい情景描写。雪はすべてを覆い隠して真っ白にするのに、雪景色ってこんなに多彩に表現できるのか。外の寒々しさと対照的な温泉宿の温かさ、そこで聴こえてくる音、視覚だけでなく温度感や聴覚も文章だけで伝わる。もし、これだけの語彙力と表現力を多くの人が持っていたら、ビデオカメラは発明されなかったかも。
それはそうと、この島村という男のどこにそんな魅力があるのかが疑問だった。島村目線でしか語られないから、駒子がどうしてそんなに惚れ込んでいるのかが分からない。超絶顔が良いとか?
それでも私が駒子の友だちなら「そいつはやめとけ」と言いたくなるタイプ。彼女に見送られて電車に乗り込んで、物理的な距離ができた途 -
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小説なので何を書いても良いとはいえ、3篇のどれもなかなかに背徳的で反社会的な要素に満ちている。
「眠れる美女」は情景を想像すると絵面の気持ち悪さが先に立ち、細かな描写が入ってこない。「片腕」にも共通するが、あまり抑揚のない話であり、どこで終わっても良さそうなのに結末だけが突出しているようにみえてしまう。
「散りぬるを」は事件に題材を借りたフィクションなのだが、被害者が実在する以上、今だと何かと物議を醸すことになりそうだ。「狂気による犯罪のほうが正気の犯罪よりも悪である」等の認識は通常の法理を突き抜けているが、今もこうした理由のよくわからない事件は度々起り、真実や動機も結局は裁判の作文の中で片付 -
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以前山の音を読み、その日本的感性美に惹かれて雪国を読み始めた。はいいものの、正直にいうと令和を生きる私にはなかなかそもそもの情景把握が難しく、寝落ち本となってしまい…サクッと読める分量のはずなのに、珍しく1週間ぐらいかかった。
心理描写が少なくて情景描写が多いことは分かっていたけど、注釈を読んでも背景知識の不足により全体像は分からないまま読み終わっちゃった印象。だしむしろ注釈が邪魔してしまったかも
最後の解説で和歌的だという言葉が一番納得したしもはや印象的になってしまったまである。なんか当たり前だけど当時の時代を生きていた人が知っている花も作家も古典も知らないわけで、それが哀しい。もっと色 -
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この作品は全編主人公の一人称視点で展開されながらも、当の主人公の想念や哲学については余り書かれず、人格の主張が極力抑えられている。これにより、主人公は、雪国に住む2人の女性の性状を映す視点を読者に提供する装置としての役割を果たす。この視座に立つと、冒頭のあの印象的な場面、雪国行の汽車の中で、主人公が窓の反射越しに女を眺めるあの構造は、これから展開する、読者が主人公という鏡の反射通して女性達を見るという構造に合致する。又、窓の反射越しの女性と、窓の向こう側の灯火が重なるというのも印象的に描かれる訳だが、火というのは殊雪国故に生活に必要不可欠で、されども雪国故に気温や湿度によってより不安定なのであ
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2年前から、#雪国リトリート というプロジェクトをお手伝いさせていただいております。関わり始めて以来、何度となく、”国境の長いトンネル”を抜けて雪国に行っております。
湯沢あたりでは、そこかしこで「川端康成」の面影を感じており、いつか読んでみようと思っていた、こちらの名作。
私自身、純文学というものにあまり馴染みがなく、どういう気持ちで読んだら良いのか、まだ掴めないでおります。ただそれでも、登場人物それぞれの人間らしい弱さは、すぐそこに感じるようなリアルさがあり、胸を締め付けるものがありました。
そして、どこか醸し出される情景や心情の雪国らしさ。南国のような突き抜けた優しさではなく、どこ -
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場面展開が特に難解で、わかりづらかった。
いつの間にか場所や時間が変わったり、別れたと思ってた人がまだいたりする。映画やドラマの「カット」のように見ればまあ面白いのかなという気もした。
最後についている「解説」を読んで、「島村」、「駒子」、「葉子」の象徴的役割がようやくわかったので、二回目以降に読むのなら面白く読めるかなと思った。初読はそんなに惹かれなかったが、二回目からいろいろ知った上で読み直すと化ける本なのかもしれない。
川端康成は初めて読んだと思うが、状況把握をするのが難しい作家だなと思った。次は『山の音』を大学の後期の授業で読む予定なので、そっちに賭けたい。 -
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ネタバレ美しい少女の後を追ってしまうという性癖を持つ主人公銀平。
トルコ風呂(今は使われない言葉となったが)のシーンから始まる。そ、そんな赤裸々な〜と焦りながらもぐいぐい読まされた。
そして銀平は、犯罪スレスレで今なら完全アウトの言動の数々。
ヤバい。教職も解かれ、無敵の人になりつつある。
自らの醜い足に対するコンプレックスや不幸な生い立ちが彼をそうさせているのか。
生きづらそうだ。
故郷のみずうみや過去の女性達の思い出が時々蘇る。現実と幻が交錯し、最後の蛍狩りの夜ではわからなくなってしまう。狂っていきそうで正気に戻りそうで銀平がどうなっていくのか…。不思議な小説。読後、ずっとモヤモヤ感をかみしめてい -
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ネタバレ最初の方、愛の言葉があられもなさすぎて目の玉が飛び出た。
当時の寄宿舎ってこんなに乱れてたの? 明治大正って今より男色文化が色濃く残っていたのかな。
恋文を三十余枚書いて、前半は作文として提出、後半は本人に送り、老いてから全集に収録するとか。
今とは常識が違いすぎてちょっと雰囲気が掴めない。
大本教祖三代目への描写がめちゃくちゃ辛辣で、美しい人しか愛せない人なんだな。催しに呼ばれた時にもまず自分の容姿を気にしているし。
これって人物名などにフェイクは入ってるのだろうか。色々と差し障りがありそうな描写が多いんだけど…。
孤児であることが原因で屈折したというのもあるんだろうな。
良かったの