山の音

山の音

748円 (税込)

3pt

会社社長の尾形信吾は、「山の音」を聞いて以来、死への恐怖に憑りつかれていた――。日本の家の閉塞感と老人の老い、そして死への恐怖を描く。戦後文学の最高峰に位する名作。

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※本作品は電子書籍化にあたり、紙本に含まれていた次の要素を削除しております。
〈解説「川端康成──人と文学 長谷川 泉」「作品解説 瀬沼 茂樹」〉

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山の音 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    不倫や堕胎など男女のドロっとした愛憎劇になるような話を、老境に入った主人公が儚い息子の嫁に抱く淡い想いや古都鎌倉の自然の移り変わりを通して、そこはかとなく様式美さえ感じさせる物語へと昇華させたその芸術性の高さは戦後日本文学の一つの到達点と言っていい。

    0
    2025年10月30日

    Posted by ブクログ

    川端康成、細心の美的節度によって紡がれた彼の文章は目をさっと走らせるだけでもうっとり夢心地に。惚けた後に、我に返ってはページを捲り戻してきちんと読み込むことを繰り返した。彼の天才的な言語センスは、日本の伝統古典と西洋の韻を踏まない散文詩の見事な融合で成り立っていると知ったときはなるほど、と思った。

    0
    2020年11月04日

    Posted by ブクログ

    老人と、その息子の嫁が、プラトニックな恋をする
    といったような話
    老人は、かつて好きだった女(義理の姉)の面影を嫁に重ねており
    嫁は嫁で、ファザコンの気を老人に向けているらしい

    子供たちは、それぞれ夫婦生活に問題を抱えている
    兄の修一は外に女を作っており
    また妹の房子は夫と別居して
    二人の孫と共に

    1
    2021年07月27日

    Posted by ブクログ

    初めて読んだ川端康成の小説だった。最初に読んだときはそうでもなかったのだけれども、同期がこれで卒論を書く様子を1年間見ていたから愛着が湧いてしまった。菊子のワンピースがだらりと干してあるところの強烈さが好き。あと、菊慈童の面のシーン。各章タイトルが美しくて眺めているだけでも楽しい。

    0
    2024年02月14日

    Posted by ブクログ

    今の時代とは違う
    価値観や文化

    よくも悪くも
    日本人の家族関係が
    ウエットなものから
    ドライなものに
    変わったなぁと
    しみじみ思った

    現代だったら
    スパーンと
    離婚とか別居とかに
    なりそう

    機微も情緒もないか...

    鈴虫ブックスにて購入

    0
    2023年05月31日

    Posted by ブクログ

    読み始めたときは登場人物のことも、状況もわからないせいで何が言いたいのか分からない情景描写ばかりが続いて面白くないーーー!と思ったけど、話が進んできて展開がどんどん先へ先へと行く所まで読むと逆にそれが面白いと思った。
    慣れてきたのか、読み解けるようになったのかは分からないけども、時間置いてまたじっく

    0
    2023年05月12日

    Posted by ブクログ

    思慮深い老齢の信吾が抱える家族の問題を描く。このストーリーなら嫁の保子が主人公となりそうなところだが、円熟した男性像に好感が持てる。老いとその年齢が直面する苦悩だけなら読み苦しい話だが、息子の嫁である菊子との淡い恋絡みが救いです。
    とてもリアルな描写はまるで観察しながら書いたよう。信吾の深層心理を夢

    0
    2018年12月01日

    Posted by ブクログ

    嫁の菊子に恋しているかのような信吾に嫌悪を感じました。昔の嫁はこんなふうに家に尽くさなければならなかったのだなあと菊子が気の毒になりました。

    0
    2025年02月24日

    Posted by ブクログ

    古き悪き日本。

    恐らくそのせいで、
    次の世代は欧米志向で自由に憧れたのでしょう。
    そして続く現代の親世代は、その反動で冷静に。

    主人公はおじいちゃん。
    共感するには早過ぎかと思ったが、
    女性は男性より早く盛りの過ぎたのを実感するものである。
    30も過ぎればちやほやされなくなるし、
    体力もあっとい

    0
    2022年12月10日

    Posted by ブクログ

    日本の家族という柵を良くも悪くも描いている。四季の移ろいや日常的にみられる生活風景や職場の何気ない描写も秀逸。日本の美を追い求める川端文学の真骨頂か。初老の儚い恋心も主テーマであるが、老いていく肉体については淡々と綴っていき焦りとか未練とかは嘆かない。海外の作品とはここが違う。やはり日本の美か!
    A

    0
    2022年09月03日

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