川端康成のレビュー一覧

  • 古都(新潮文庫)

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     古都は主人公千重子の実家の庭のもみじの描写から始まるのだが、その描写が良い。まだ千重子に関する情報はほとんどないのだが、その古木は執拗に千重子を秤に描写される。
     幹は千重子の腰回りよりも太い。古びてあらい膚は、青く苔むしており、千重子の初々しいからだとくらべられるものではない。幹は、千重子の腰ほどのところで、少し右によじれ、千重子の頭より高いところで、右に大きく曲がっている。
     何なんでしょう?もうこの段階で千重子に心奪われている。身長は標準よりちょっと小柄。色白で痩せ型、頭も小さい。僕が勝手に妄想した千重子像ですが皆さんはどうでしょう?もみじの古木との対比だけで勝手に若くてしなやかな女性

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    2022年07月29日
  • 小公子(新潮文庫)

    購入済み

    驚きの訳者!

    えっ⁉️訳者が、川端康成⁉️
    ビックリして、読んでみた。昭和35年刊行なので、金銭的な物に関しては、少し古いなと思ったのと、名前とかの表示が、ちょっと違和感が有ったけれど、原文に忠実に訳そうという気持ちが伝わってきて、面白く読めた。

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    2022年07月23日
  • 古都(新潮文庫)

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    原田マハの異邦人のお手本にした本ということで読んだ。たしかに、京都の季節の移ろいとともに物語が進んでいくこと、京都の自然や文化の美しさ、生き別れた姉妹、というところで共通する。
    京ことばが今よりも強くて、親子、姉妹の愛情が美しくて、おとぎ話を読んでいるかのよう。色んな京都の自然の美しさの描写があったけど、北山の杉が一番見たいなと思った。

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    2022年07月03日
  • 古都(新潮文庫)

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    読み終わってから再度はじめから読み返すと尚良い。
    綺麗な言葉やストーリーの数々が睡眠薬の裏にあったと思うと、信じられないし、その事実がこの作品をさらに儚くて美しくしていると感じた。
    解説も後書きもすごく良かった。
    京都に行きたくなる。

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    2022年06月05日
  • 少年(新潮文庫)

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    理解に苦しむ場面もあったが、新鮮な感じだった。空気感や感情を読み取りやすかった。少年がきれいだった。

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    2022年04月27日
  • 小公子(新潮文庫)

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    川端康成さんの訳、ということで読んでみました。物語そのものの魅力で、がっちり惹き付けられます。「川端康成」を忘れるほどに、没頭しました。児童書とのことですが、名作です。

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    2022年04月25日
  • 雪国

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    ネタバレ

    米津玄師のorionに、真白な陶器みたいな声という歌詞があるが、雪国の白い陶器に薄紅を刷いたような皮膚というのを連想させた。

    スキィ、ヴェエル、ポスタア、ウィスキィ、カアテン、クリイム、ストオヴ、大正や昭和初期らしい表記で、宮沢賢治感もあって、好き。

    濃深縹色、玉蜀黍(とうもろこし)色、檜皮(ひわだ)色、桑染(くわぞめ)色、紅葉の銹(さび)色、、、日本の伝統色による表現が多かった。

    表現がこれまで読んだどんな作品よりも深くて素敵で驚いた。読んでよかった。

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    2022年02月12日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    有名な『伊豆の踊り子』を早速読んだ。語彙が時代を感じさせるが、文体は瑞々しく、大正期の作品とは思えないほど映像的な文章で驚いた。

    当時の高校生は今の大学生に当たるだろうか。勉学に励むなかで、青少年にありがちな自意識による若さが何となく共感できる。やっぱり、女の子の気を引きたいけど躊躇してしまうことあるよね、的な。
    温泉宿巡りの旅も、どこか感傷的な衝動から始まり、その途中で出会った旅芸人達の一行と道を共にし、情が移っていき、なんとかしてやらなければという心で動く彼は、お人好し以外の何物でもないが、愛すべき人である。
    その繊細さ故に、彼は旅芸人一行と別れるとき、例の踊り子と別れるとき、静かに泣く

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    2022年01月16日
  • 女であること

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    ネタバレ

    こんなに面白い小説があったのか!というくらい久々に一気に読んだ。
    文体は易しく、会話文が多くてテンポがいい。会話文では言い争ったりする中で少しの流れの変化で気持ちが揺れるのがよく伝わった。
    三人の女性が対照的に描かれているようで三人ともが似ているように思えてくる部分がある。
    特に市子とさかえは一部重なるように描かれていて、そういう部分が見える度にさかえは市子を理想化したり見損なったりを繰り返しているようだった。

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    2021年10月15日
  • 小公子(新潮文庫)

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    小学生の頃、このお話を祖母に教えてもらって、
    図書室の隅にある古くて分厚い本(少年少女世界の名作文学でした…!)を読んでから、
    本が大好きになった思い出がひとつ!
    昔から変わらない、暖炉みたいにホッとする素敵なお話。

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    2021年03月24日
  • 小公子(新潮文庫)

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    児童文学として有名ではあるが、大人が読んでも十分楽しめる作品。
    むしろ、世の中を知り、社会を知った大人にこそおすすめしたい。

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    2020年12月09日
  • 伊豆の踊子

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    実に清々しい。森の囀り、清流のせせらぎ、旅人の足音。 すべての情景が穏やかだった。幼気な踊子との有限な時間...そこに潜む日本の風景美と文化、奥ゆかしい恋慕を丁寧な筆致で描いていた。その後の物語を想像してみる...そこに川端文学の美しさがあるのではないか...

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    2020年11月07日
  • 山の音

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    川端康成、細心の美的節度によって紡がれた彼の文章は目をさっと走らせるだけでもうっとり夢心地に。惚けた後に、我に返ってはページを捲り戻してきちんと読み込むことを繰り返した。彼の天才的な言語センスは、日本の伝統古典と西洋の韻を踏まない散文詩の見事な融合で成り立っていると知ったときはなるほど、と思った。

    金色の雪煙、みたいな自分ではなかなか思いつきそうにない美しい言葉はメモしたいな。彼の作品をもっと読みたい。

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    2020年11月04日
  • 小公子(新潮文庫)

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    「十二国記」の小さい泰麒は小公子セドリックの影響を受けていますの帯に、山田章博の装画、川端康成訳とくれば、手に取らずにいられないでしょう。子供の頃アニメでみた記憶がありますが、本を読むのは初めてかもしれない。
    セドリックの純粋さ、そして信じる心にとても感動し、何度もグッときて泣きそうになりました。大切な事を思い出させてくれる名作ですね。事あるごとに読み返したい一冊です。「2020新潮文庫の100冊」

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    2020年07月18日
  • 小公子(新潮文庫)

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    子供の頃に読んではいるけれど、川端訳を読んだのは初めて。美しい日本語で綴られた、美しい物語。
    心が弱っているとき、ささくれ立っているときに、温かい気持ちにさせてくれる、優しく元気を与えてくれる本。

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    2020年06月29日
  • 小公子(新潮文庫)

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    川端康成 訳と知らなくて購入してビックリ。
    ひら仮名が多く読み易い!セドリックに振り回される伯爵の様子が面白い!美しい日本語を味わえた。

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    2020年06月26日
  • 女であること

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    何度も読んでいます。
    男性である著者がなぜこんなにも女性を深く掘り下げられるのか。
    妙子の飲んだ薬がなんなのか気になります。

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    2016年11月09日
  • 現代語訳 竹取物語

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    竹取物語と川端康成の流麗な文体が予想以上にマッチしていた。

    本文中に「訳注」の形で薀蓄的な説明がついているが、それも簡潔ながらなるほどと思わせる(実際、“かぐや姫”の由来も初めて知った次第)。

    現代語訳とほぼ同じページ数を割いて書かれている「解説」まで読めば、原文を読んだ気にさせてくれる。1冊で数倍おいしい作品。

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    2013年12月10日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    物書きは、“女”と“食”が書ける様になって初めて一人前だと言われているらしい?。正に この様なお話の事を言うんでしょうか。
    美しく 儚く 可憐で それでいて 芯の通った強さを感じる“女(ひと)”。
    もう少し勉強して、もう一度通読してみたいと思うう。

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    2013年07月25日
  • 伊豆の踊子

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    川端康成、やっぱり綺麗ですね。すきです。荒木さんの表紙もいいです。これひとつに、日本の芸術がぎゅっと詰め込まれてるみたいで、宝物です。

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    2013年03月02日