川端康成のレビュー一覧

  • 雪国

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    非現実と現実の狭間のような世界を持っていて好き。駒子の言葉には強い生命力とか弱い女の部分とが入り交じっていて、何とも人間臭くて惹かれた。

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    2024年01月28日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    「物乞い旅芸人村に入るべからず」の立札は、お前が肯定されたのは、有り難がってた世間一般の意味ではなかったんだよ、と台無しにするかのように言ってくる。

    そのせいで、「私」が嬉しかった気持ちは無かったことになっちゃうのか?

    違ってほしい。嬉しかったのは、世間一般から肯定されたからじゃなくて、自分が大切だと思った人が肯定してくれたからだ。
    東京に帰った「私」が、それを胸に生きていってくれたら良いなと思う。


    重松清さんによる解説の「肯定」という表現が泣けてしまったので、使いました。

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    2024年01月30日
  • 虹いくたび(新潮文庫)

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     1950(昭和25)年から翌年にかけて雑誌に連載された、川端が50ー51歳の頃の作品。『千羽鶴』『山の音』などと同時期のものである。
     私は遙か昔、高校生の頃に川端康成の小説を結構読んでおり、当時もずらっと書店に並んでいた新潮文庫の川端康成を、どんどん買って読んだのだった。
     しかし、川端作品はどうも私にはピンとこないような気がしていたのだが、最近未読だったものをまた読んでみるようになり、今回、本作を読み通して、なるほど、これは優れた作品だと初めて納得がいった。
     比較作品論的に読んでみるとただちに気づくのだが、この小説には登場人物の容貌などの「描写」がほとんど無いのである。文章はかなりの省

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    2023年11月30日
  • 掌の小説(新潮文庫)

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    川端康成の本をはじめて読んだ。
    こういった文学的領域に足を踏み入れる予定はなかったのだが、多くの中国人が好きらしく、読んでみようと思った。
    122編のなかでひとつ好きな話があればいいなというテンションで読んだ。
    「雨傘」「木の上」は好きかもしれない。
    「駿河令嬢」「日本人アンナ」「ざくろ」「秋の雨」は嫌いじゃないかもしれない。
    「乗馬服」はなんだかなぁと思った。
    結局、「木の上」が一番好きかな。

    読みながら、ジェネレーションギャップをかなり感じていた。そんな些細なことで恥じらいを感じるのかと思ったし、言葉遣いが自分のイメージする江戸時代だった。

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    2023年11月30日
  • 古都(新潮文庫)

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    文学好きの友人に薦められた。

    読み始めると止まらない。

    すごく狭い空間で、限られた登場人物で、それでも気になる物語が進展していく。

    味わいが深い。

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    2023年10月16日
  • 雪国

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    大傑作
    鏡を使うなどの視覚描写の巧みさは言わずもがな、
    台詞における引き算の美学も大好き。

    さながら極寒で無機質な雪国が魅せる自然の美しさのよう、過酷な状況で逞しく生きる女たち。

    男に熱があまりないのが、よい比較になっている。

    主要な4名の具体的な描写があるわけではないが、関係性や台詞や行動で、感情が浮かび上がってくる。
    このように余白が私たちに妄想を促してくれるので、読むのが楽しくなる。

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    2023年08月18日
  • 雪国

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    「駒子の愛情は彼に向けられたものであるにもかかわらず、それを美しい徒労であるかのように思う彼自身の虚しさがあって、けれども反ってそれにつれて、駒子の生きようとしている命が裸の肌のように触れて来もするのだった。彼は駒子を哀れみながら、自らを哀れんだ。」

    「そう言って、気のゆるみか、少し濡れた目で彼を見上げた葉子に、島村は奇怪な魅力を感じると、どうしてか反って、駒子に対する愛情が荒々しく燃えて来るようであった。為体の知れない娘と駈落ちのように帰ってしまうことは、駒子への激しい謝罪の方法であるかとも思われた。またなにかしら刑罰のようであった。」

    雪国の温泉旅館に通う主人公の藤村と、駒子・葉子とい

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    2023年08月15日
  • 少年(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「私は本年五十歳に達し、これを記念する心も含めて、全集を刊行することになった。」(P5)ことをきっかけに旧稿をまとめて見て自身の過去を追憶。

    小学六年の綴方が凄すぎて(川端本人は「自分のこと自分の言葉を一つも書いていない。」(P18)とは言うものの)級友たちはどう感じていたんだろうか。

    清野との愛は歳を重ねるにつれて「少年時代の愛」という良き想い出に昇華されたのでしょうか。

    川端は本当に文章が良いなぁ。内容はさておき読んでると癒されます。難しいけど。

    ※以下は自分用にメモ。

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    中学二年の時の作文帳や谷堂

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    2023年04月22日
  • 小公子(新潮文庫)

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    小野不由美さんが帯を書いていて買ったけど、買ってよかったと思えた本。主人公のセドリックが可愛い、心が綺麗、癒やされる。元気がない時、やさぐれてる時にもまた読みたい。苦しくなる場面がほぼないので安心して読める。

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    2023年02月24日
  • 女であること

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    分厚くてとても読む気にならなかったけれど、落ち着いてやっと読めました。
    妙子と有田の、愛を考えるシーンがとても印象的で、家族愛や夫婦愛を自身の体験に重ねて読むことができてとても感銘を受けました。愛は誰しもが与えられて育っているのにそれに気づかなく、生きてしまうもの、愛は無償に誰しもが与える事が出来るんだと気づくことが出来て、とても満たされました。

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    2023年02月17日
  • 古都(新潮文庫)

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    【裏書】 京都の呉服問屋の娘である千重子は、幼馴染の大学生、真一と平安神宮へ花見に出かける。夕暮れ時、彼女はある秘密を明かすが、真一は本気にしなかった。やがて夏の祗園祭の夜、千重子は自分とそっくりな娘と出会う。あなたは、いったい誰?運命の歯車が回り始めた・・ 。京都の伝統ある行事や街並み、移ろう季節を背景に、日本人の魂の底に潜む原風景を流麗 に描く。ノーベル文学賞対象作品。

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    2022年11月07日
  • 古都(新潮文庫)

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     令和四年五月に新装発行となった名作。一卵性双生児と思われる、生き別れた姉妹の奇跡的な出会いと、生まれ育った環境の違いから生じるそのお互いの心境や生き方について京都を舞台として見事なまでに描いている作品。
     祇園祭、葵祭、時代祭、北山杉、高雄の紅葉、鞍馬の竹伐り、南禅寺、京都植物園などなど他にも色々と京都の情景、風物を知ることができ、作品に深みを増すと同時に、この作品によって、さらに京都という都市自体が色彩を帯び、更なる歴史へと誘われる。
     作品全体を通しては、登場人物の京言葉で、円やかで優美さに包まれており、これが睡眠剤を飲み、文章の狂いがあるという作品かと疑われるほどに明晰さすらも感じる。

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    2022年10月16日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    踊り子の純粋な描写から心が洗われるような物語。主人公の揺れ動く心理描写、恋の切なさ、爽やかさが読後に残る名作

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    2022年08月09日
  • 古都(新潮文庫)

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     古都は主人公千重子の実家の庭のもみじの描写から始まるのだが、その描写が良い。まだ千重子に関する情報はほとんどないのだが、その古木は執拗に千重子を秤に描写される。
     幹は千重子の腰回りよりも太い。古びてあらい膚は、青く苔むしており、千重子の初々しいからだとくらべられるものではない。幹は、千重子の腰ほどのところで、少し右によじれ、千重子の頭より高いところで、右に大きく曲がっている。
     何なんでしょう?もうこの段階で千重子に心奪われている。身長は標準よりちょっと小柄。色白で痩せ型、頭も小さい。僕が勝手に妄想した千重子像ですが皆さんはどうでしょう?もみじの古木との対比だけで勝手に若くてしなやかな女性

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    2022年07月29日
  • 小公子(新潮文庫)

    購入済み

    驚きの訳者!

    えっ⁉️訳者が、川端康成⁉️
    ビックリして、読んでみた。昭和35年刊行なので、金銭的な物に関しては、少し古いなと思ったのと、名前とかの表示が、ちょっと違和感が有ったけれど、原文に忠実に訳そうという気持ちが伝わってきて、面白く読めた。

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    2022年07月23日
  • 古都(新潮文庫)

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    原田マハの異邦人のお手本にした本ということで読んだ。たしかに、京都の季節の移ろいとともに物語が進んでいくこと、京都の自然や文化の美しさ、生き別れた姉妹、というところで共通する。
    京ことばが今よりも強くて、親子、姉妹の愛情が美しくて、おとぎ話を読んでいるかのよう。色んな京都の自然の美しさの描写があったけど、北山の杉が一番見たいなと思った。

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    2022年07月03日
  • 少年(新潮文庫)

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    理解に苦しむ場面もあったが、新鮮な感じだった。空気感や感情を読み取りやすかった。少年がきれいだった。

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    2022年04月27日
  • 小公子(新潮文庫)

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    川端康成さんの訳、ということで読んでみました。物語そのものの魅力で、がっちり惹き付けられます。「川端康成」を忘れるほどに、没頭しました。児童書とのことですが、名作です。

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    2022年04月25日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    有名な『伊豆の踊り子』を早速読んだ。語彙が時代を感じさせるが、文体は瑞々しく、大正期の作品とは思えないほど映像的な文章で驚いた。

    当時の高校生は今の大学生に当たるだろうか。勉学に励むなかで、青少年にありがちな自意識による若さが何となく共感できる。やっぱり、女の子の気を引きたいけど躊躇してしまうことあるよね、的な。
    温泉宿巡りの旅も、どこか感傷的な衝動から始まり、その途中で出会った旅芸人達の一行と道を共にし、情が移っていき、なんとかしてやらなければという心で動く彼は、お人好し以外の何物でもないが、愛すべき人である。
    その繊細さ故に、彼は旅芸人一行と別れるとき、例の踊り子と別れるとき、静かに泣く

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    2022年01月16日
  • 女であること

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    ネタバレ

    こんなに面白い小説があったのか!というくらい久々に一気に読んだ。
    文体は易しく、会話文が多くてテンポがいい。会話文では言い争ったりする中で少しの流れの変化で気持ちが揺れるのがよく伝わった。
    三人の女性が対照的に描かれているようで三人ともが似ているように思えてくる部分がある。
    特に市子とさかえは一部重なるように描かれていて、そういう部分が見える度にさかえは市子を理想化したり見損なったりを繰り返しているようだった。

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    2021年10月15日