川端康成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
という冒頭はあまりにも有名である。
導入の初めこそ、この指だけは女の触感で今も濡れていてなどと現代的には気持ち悪いことを言うものだと感じたが、
つまり娘の眼と火とが重なった瞬間、彼女の眼は夕闇の波間に浮ぶ、妖しく美しい夜光虫であった。p11
などなど、近くの座席で葉子を観察していただけの描写なのだが、とても魅力的な女性に思えてきた。
読んでいるうちに、気づけば世界に入っていた。
終わり方は知らなかったので意外だった。
女がふっと顔を上げると、島村の掌に押しあてていた瞼から鼻の両側へかけて赤らんでいるのが、濃い白粉を透して見えた。それはこの雪 -
Posted by ブクログ
表題作だけ読んでの感想です.....旅という非日常の中で特に心も浮き立ってる時は恋に落ちやすくなっていると思います。
前半は旅もまだ折り返しではなく出会って恋に落ちたばかりの相手との今後に胸踊らせときめいてるのが伝わりました。
後半は踊り子が男性という事を知ったのと同じ頃合にに旅も終わりが見えました。旅ではなく日常で出会ってても恋に落ちたのだろうか気になりました。
ごく短編ですが恋の始まりと終わりの情景が伝わってきました。
踊り子の性別についてですが声変わり云々の台詞後の場面転換は「暗転」だと思いました。また最後主人公が船で男性のマントの中で穏やかになっている描写が有るので踊り子は男性 -
Posted by ブクログ
初めての川端康成。
一頁目から列車を降りるまでの描写は、物語が始まる前の前振り的なものかと思いきや、すでに風景や人物や、それが列車の窓を通して重なり合う繊細な描写がレベチで、初っ端からから本気の本気の文学で、文豪ってこういうことか…と驚き。
だってさ、その初めの列車の中から、
「結局この指だけが、これから会いに行く女をなまなましく覚えている、はっきり思い出そうとあせればあせるほど、つかみどころなくぼやけてゆく記憶の頼りなさのうちに、この指だけは女の感触で今も濡れていて、自分を遠くの女へ引き寄せるかのようだと、不思議に思いながら、鼻につけて匂いを嗅いでみたりしていたが、ふとそのとき指で窓ガ