川端康成のレビュー一覧

  • 女であること

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    著者らしい、綺麗な描写、文章。

    男性が書いたとは思えないくらい、非常によく女性の内面が描かれている。
    市子、さかえ、妙子、音子、山井、千代子、有田の下宿先の女主人…
    くるくる変わる女性の心の内、空気、見た目も。
    時にふと沸きおこる、「清純」「完璧」らしいものへの嫌悪感、嫉妬、不信感。
    どうしようもないくらい相手を傷つけたい衝動にかられたり、かと思えば突如襲ってくる空虚感、この上なく優しい気持ち。
    そんな、自分でも説明をつけ難い、なんだかわからない女というものを、
    描写している。

    綺麗だったり、可愛かったり、子供だったり、強かったり、頑固だったり、弱かったり。
    女性って、色んな顔がある。飽き

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    2011年03月14日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    伊豆に旅行に行ったので、ベタなチョイスをしました。「伊豆の踊子」は、今まで読んだ川端作品の中では喉の通りが一番良く、快い作品だと思う。ひたひたした暗闇も含んでいるが、そこに染まりきっていない。はじめは伊豆の雨に主人公は洗われ、踊り子一行との交流と別れを経て、自らの涙で洗われる。人と人との関わりと言うのは、どうしても時を経るごとに垢が付いてしまうと思う。そこもひっくるめてが人間だろうが、この作品では踊り子やその家族のような一行と触れ合うほどにその生き方が切なくて、ほのぼのと暖かく、ああ良い人達だという想いが強まる。そばにいるほど心が洗われていく。珠のように美しい作品だ。あとは「十六歳の日記」「招

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    2011年07月28日
  • 伊豆の踊子

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    始めて川端康成の作品を読みました。伊豆の踊子はとても有名ですが今まで一度も読んだことがなかったので挑戦してみました。難しいかなと思っていたのですが、思ったよりすらすら読めました。でもやっぱりところどころ理解しきれなかったところもありました。でもそれは私の読解力の不足だと思います。
    ブラックな内容の作品もありましたが面白かったです。

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    2009年10月08日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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    不朽の名作。初恋、旅路、限りある二人の時間など、郷愁を誘うキーワードがちりばめられています。ただただ純粋な恋というものは、経験を積むごとに、するのが困難になっていく。だからこそ大人になればなるほど、私はこの作品をますます愛しあこがれるのかもしれません。

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    2009年10月04日
  • 女であること

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    書いてる人は男なのに、なぜにここまで書けるのかと思うくらいスゴイ本。何人か女の人が出てきますが、心の変化が繊細すぎるぐらいにきれいに描かれていて素晴らしい。そして切ない。

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    2009年10月04日
  • 伊豆の踊子・温泉宿 他4篇

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     川端をばかにしていた。ノーベル賞作家はどうも印象が良くない。今まで川端というと「なんか静かで、きれいっぽいこと書いてるだけでしょ?」と勝手に思っていた。でも、全然ちがった。
     確かに川端の世界はきれいだ。でも、そのきれいさは「よくある美しさ」とはちょっとちがう。 たとえば「伊豆の踊子」に何気なくはさまれた「通風の爺さん」のエピソードがある。本編とはまったく関係ない。関係ないがゆえに、あのシーンだけが妙に頭にこびりついて離れない。
     なぜあの「爺さん」が頭にこびりつくのか? ポイントの一つに心理描写が少ない、ということがあげられる。心理描写がないゆえに「え、これはどういう意味なの?」という謎の

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    2009年10月04日
  • 雪国(新潮文庫)

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    ネタバレ

    情景が鮮明に浮かんできて読んでいると涙が出てきそうなくらい美しい本。
    駒子がとにかく可愛い。
    川端康成ならではの繊細な言葉選びがより一層引き立てられている。
    火事のシーンでは、駒子の気持ちがより汲み取ることができ、苦しく美しく、悲しい気持ちになった。

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    2026年07月20日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    3.5以上4未満

    純文学と言われる枠に 最近たちかえるようになってひしひしと感じるのは、
    この時代の純文学小説家は 現代よりもずっと 同じ言語を使える者同士でしか通じ合えなかっただろうな ということ。

    日本はなまじ識字率が高い為に「自分は日本語を理解している」と思っている層が大半だと感じているけど、
    一方で 本質的な事も含めて言語を理解している層は少ないように思う。
    敬語が通じにくい人に敬語を使っても
    その心配りが意味をなしにくいのと同様、
    日本語に本質的に向き合う人でなければ
    本書の深さは伝わらないんだろうなと
    なんとなく感じる。

    わたし自身がこの書の深さを感じとれている側、と言いたい

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    2026年07月09日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    ネタバレ

    表題作「眠れる美女」について。
    老いた男の欲望、若い女の眠る身体、死の気配、美文、処女性幻想、女の沈黙、時代的な無理解などが複雑に絡まった見事に醜悪な作品である。

    老いた江口は、眠らされた若い女たちと一夜を過ごせる秘密の館へ通う。女たちの傍らで、彼は老い、欲望、過去の女たち、死を思い返し、自らの醜さと惨めさに沈んでいく。

    江口は、自分の行為が醜いこと、惨めなことを何度も認識している。
    眠れる美女の隣で眠ることを「醜悪な老人の行い」と認識しながらも、想像上の「すでに男でない老人」と自分を比べ、自分はまだ違う、まだできる、と信じている。しかし実際にはできない。禁を破ることを想像しても、覚悟はな

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    2026年06月21日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    ネタバレ

    『散りぬるを』の中の、
    「暗がりに一人身を忍ばせて待って、またうしろからいきなり飛びついて、わっと相手を嚇かす時の子供心はどうであるか。自らの寂しさである。愛への媚びである。」
    という一文に深く唸った。

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    2026年06月20日
  • 雪国

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    有名な最初の一文が読めて嬉しい。風景と女性の描写がきれい。特に前半が面白かった。後半は話の流れやモチーフが少しばらついているように感じた。

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    2026年06月19日
  • 雪国(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

    どれだけ多くの人が本作に対する感想で、
    この一文を抜き出していたとしても、やはりこれを書かざるを得ない。


    3人の登場人物、島村、駒子、葉子と1人の語り手。
    新潟 越後湯沢を舞台としたこの作品は、
    人間の渇望を主題に据え、その中で愛や救済を例として美とはなにか、を探求する。

    私が持ったこの作品の特徴は、何よりも美しい情景描写であった。冒頭の一文はもちろんのこと、沈みゆく夕陽がもたらす山の影。積もりゆく雪への繊細で極めて視覚的な表現の数々を例として、自然を描き出す。

    一方、島村が見つめる、駒子や葉子の声や視線、動作は自然を描き出すそれとは若

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    2026年06月07日
  • 雪国(新潮文庫)

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    かの有名な冒頭。
    改めて読むと、鳥肌が立った。
    暗から明へ。閉塞から解放へ。夜の闇の底に光る白い雪。トンネルに響く列車の音が雪に吸われて静かになる情景まで浮かぶ。

    東京からやってくる島村と、雪国の芸者、駒子。そして列車で向かいの席に座っていた葉子。

    ともに同じ部屋で寝ているのに、二人が交わったかどうかの描写が一切なく、キスすら明示されない。関係がないことはなかろうが、あえて書かれないことで、不倫には違いないのに、純愛のように映る。

    印象的なシーンは多い。
    列車から見える夕景色と重なる、車内の葉子の顔。
    揺れ動く感情を抑えつつもそうできなくなる駒子。
    「いい女」の箇所はなかなか理解できなか

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    2026年06月02日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    伊豆の踊り子ほか、粒ぞろいの短編集。
    これが川端康成節なのか〜と楽しく読みつつ、話の展開の仕方はどれも毛色が異なっていて興味深い。
    私が川端康成節と感じたのは、ストーリー自体は確かに進んでいるのに読後はシーンの断片が印象に強く残るところ。もちろん時代背景は今と随分違うが、場面の色や光、空気が瑞々しく感じられる。
    三島由紀夫による解説文も的確。
    あと新潮文庫版にしたのは、表紙が可愛かったから。これ、踊り子が犬の毛をとかした櫛だよね。
    最後に1つだけ、英題「イズダンサー」なのか。。。
    ちょっと、何か…イズダンサーね。。

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    2026年05月25日
  • 少年(新潮文庫)

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    50歳の記念に全集を刊行するにあたり
    過去の作品を見直す作家
    少年の頃の日記や手紙も見直される
    そこには中学の寄宿舎での美しい後輩との
    同性愛のような関係が
    綴られている

    『床に入って、清野の温かい腕を取り、
    胸を抱き、うなじを擁する。
    清野も夢現のように私の頸を
    強く抱いて自分の顔の上にのせる。
    私の頬が彼の頬に重みをかけたり、
    私の渇いた脣が彼の額やまぶたに落ちている
    ‥‥清野は時々無心に眼を開いては私の頭を抱きしめる。私はしげしげ彼の閉じたまぶたを
    見る。別に何も思っていようとは見えぬ。
    半時間もこんなありさまがつづく
    私はそれだけしかもとめぬ。
    清野ももとめてもらおうとは思っていぬ』

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    2026年05月23日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    「伊豆の踊子」
    差別されている旅芸人との付き合いによって、ようやく世界と和解できるようになった物語。(国木田独歩「忘れえぬ人々」を想起させる。)終盤の部分(「孤児根性」の後)が好きで味わい深い。「私」の心理の描写に心が打たれた。踊子の恋に落ちたというより、踊子に浄化されたと言った方が正しいのではないかと思う。救われたから、もう会えなくてもいい(お守りのように自分のそばでいるから)。「美しい空虚の気持ち」という表現は川端文学を理解する鍵であろう。

    「抒情歌」
    とにかくこの小説(象徴抒情詩)が好き。まだ川端を知らない、川端文学を読んでない人に、この一文を勧めたい。「あなたも私もが紅梅か夾竹桃の花

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    2026年06月02日
  • 眠れる美女(新潮文庫)

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    「眠れる美女」「片腕」「散りぬるを」を収めた三編。
    眠れる美女は、独特な世界観に最初は驚きつつも、美しい文章と描写に引き込まれて一気読みでした。
    現在の出来事に、主人公の過去の記憶や感覚が自然に重なっていく構成がとても印象的で、説明しすぎない文章だからこそ、想像しながら読む感覚も心地よく、切なさも残る作品でした。
    巻末の三島由紀夫の解説も興味深かったです。

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    2026年05月08日
  • 伊豆の踊子(新潮文庫)

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    この作品は教科書で読む定番の小説だが、それは学生と踊り子の少女の淡い恋愛感情が端正に表現されているからだと思う。学生は親族を亡くした孤児で、寂しさや世間への反抗心などを持っているが、伊豆への一人旅で逢った旅芸人たち、特にその中の踊り子に心が惹かれ、道中常に彼女に思慕を募らせる。そんな彼の気持ちに応える様に踊り子も彼に親切にし、二人の心が徐々に通じ合っていく。その様子が自然に優しい目でもって描かれていくので、読んでいてドキドキするが、安心感もある。ただエンディングは急にきて、東京へ帰る船の中で学生が泣きじゃくるだけなので、良い小説なのにもったいない感じがした。しかし著者にとっては自然な終わり方な

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    2026年05月31日
  • 山の音(新潮文庫)

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    戦後、鎌倉の家族の物語だ。主人公の老人は行動が遅い。家族の問題ではあるのだが、他の家族の問題でもあるから。そんな鬱々とした環境で、若い頃の憧れを思い出させる女性を可愛がる。リアルな悲哀に満ちた作品だ。

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    2026年04月23日
  • 古都(新潮文庫)

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    もはや美しい京都の情景を楽しむほうがメインに近く、千重子の境遇はその引き立て役ではないかとも思った。京言葉に馴染みが全くなく読解に苦戦した。京都に行きたくなる。

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    2026年04月23日