川端康成のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」
という冒頭はあまりにも有名である。
導入の初めこそ、この指だけは女の触感で今も濡れていてなどと現代的には気持ち悪いことを言うものだと感じたが、
つまり娘の眼と火とが重なった瞬間、彼女の眼は夕闇の波間に浮ぶ、妖しく美しい夜光虫であった。p11
などなど、近くの座席で葉子を観察していただけの描写なのだが、とても魅力的な女性に思えてきた。
読んでいるうちに、気づけば世界に入っていた。
終わり方は知らなかったので意外だった。
女がふっと顔を上げると、島村の掌に押しあてていた瞼から鼻の両側へかけて赤らんでいるのが、濃い白粉を透して見えた。それはこの雪