越谷オサムのレビュー一覧
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ネタバレ中学校将棋部の中学校将棋部の男子3人組、修学旅行先の京都から抜け出し、大阪に引っ越していった同級生の元部員に会いに行く冒険譚。
1980年代の大阪や中学生の風情が懐かしく、越谷オサムお得意の読みやすくリズムを刻んだ文章でスイスイグイグイ読ませる。こりゃいいジュブナイルだなぁ、最近流行りの「エモい」ってヤツやなぁ…と思っていたら。
最終章で、一クセ入れるところがさすが。このクセでジュブナイルどころか、中年、それも50代泣かせの青春小説に仕立て上げている。一つだけ哀しい出来事があり、読み方によっては、余計と思えるのだが、この余計が「オールOKハッピーエンド」だけじゃない苦みと深さを付け加えて俺らを泣かせにかかってくる。
越谷オサム、油断ならない小説家。リズムとビートにのってたら思わぬところでタタラを踏ませよるわ。 -
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ネタバレ短編集。「金曜のバカ」はなんとも不思議な話であったがまあまあだった。「星とミルクティー」は昔の天体観測で出会った星の痣がある女の子との話と、現代の自分の赤ちゃんの話の繋がりがよかった。「この町」は松山市が舞台であり、旅行したこともあり身近に感じられ、さらには同じく地方出身として共感できるところが多かった。「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」は僕が恐竜オタクであることを隠したがっていることをそんなに気にすることでもないと思ったが、自分だって大学生になってその人独自の世界や趣味を持っていることは素敵と感じたのだから高校生の僕には仕方ないか。また彼女にも野球の趣味があるというのも良かった。「ゴンとナナ」は前半は七海視点でストーリーか進んでいくが、後半は飼い犬であるゴンの視点で進んでいくのが新鮮で面白かった。
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この人の書く小説は、読んでいる間中ずっと温かい光に包まれているような感じがする(^ ^ 「金曜のバカ」みたいにどたばたした作品でも、である。きっと作者が優しくて、温かい心の持ち主なのだろうことが、行間から滲み出ている印象(^ ^
本作も、そんな「ほっこりする」作品ばかりを集めた短編集である。いつもながら、「天下国家に関わるような大事件」などとは無縁で。手の届く範囲内での、裏切らないハッピーエンド(^ ^ 心穏やかに読める一冊です。
内容的には、舞台も時代も登場人物もバラエティに富んでいる。子供は子供の、疲れた大人は疲れた大人の、それぞれの視線と感じ方で素直に描かれているが、共通している「ほっこり感」(^ ^
最後の作品だけちょっと異質で、落語家が独演会の「まくら」で、自分の若き修業時代の思い出を語る、という体になっている。私は元々落語が好きで、もちろん噺家の個性が出まくるまくらも大好きである(^ ^ なので、落語を全く聞いたことがない人より、本作を楽しめているのでは、とちょっと自慢(^ ^ -
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2022/07/22
電車が話の主軸に絡む中編くらいの5つの話。どの話にも電車が絡んでくるのですが、それぞれのジャンルの話しで、電車から見える風景だったり、電車そのものの姿だったり電車の音だったり、それらを通じて人々の想いが色々と変化していく様子がとても読んでいて面白いなと思いました。
この本の中にある話の中で特に印象的だったのは「名島橋貨物列車クラブ」というもので、主人公が小学生たちなのですが、電車の姿や走る風景だけでここまで色々なことを考えられる小学生ってすごいなーと思いながらそれぞれの登場人物の気持ちに自然と感情移入することができます。
自分なりの懐かしい光景や、そういえば…!と思い当たる自分の記憶と比べながら読んでみると面白いのではないかと思います。 -
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「ばでぃよらぼーいめいかびっのーいぷれいんだすとぅりーごなびあびっまーんさむでい・ ゆがっまどーんよふぇいすっ・よびっでぃすぐれいすっ・ききんよーきゃーんのーおばだぷれいす・しんぎんっ」
兄の時代には黄金期だった軽音部、啓人くんの時代は暗黒期。
先輩の不祥事で廃部に追い込まれそうになりながら文化祭田高マニアで演奏するために奮闘する、汗と涙、友情と努力、恋とロックンルールの青春小説。
困難に立ち向かう若人たち。いやーいいですねぇ♪( ´▽`)
最後演奏するときは読みながら音楽が聴こえるような感じに没入してました。
でも、ぶっちゃけWe Will Rock Youしか知らなかったので読み終わった後、YouTubeで他の曲Check‼︎
で、も1回最後の所読みました(笑)
この本を紹介くださったポプラ並木さん、ありがとーございました(๑˃̵ᴗ˂̵)
とても面白かったです。
うぃー・うぃーる・うぃー・うぃーる・ろっく・ゆー♪ -
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ネタバレいとみち三部作完結編、じつは「二の糸」からの一気読み。
前作では、店長とメイド長幸子さんが結婚したり、メイドチーフの智美さんが上京したりと「3作目どうすんの?」と思ったが、本作は2作目以上に物語が動く。前作のレビューで「ちょいとひびを入れる」と書いたのだが、本作はひびはさらに大きく…、どころか、ヒビから皮向いてツルンツルンのゆで卵にしてしまう的展開。
1作目からすれば、いとちゃんの成長はすごいもので、そのあたりさすが青春三部作小説なんやけど、成長するのが、主人公だけじゃない、いやもうほぼ全員成長して進化して、まだまだ未来へ向かって進もうという意欲にあふれ切った展開をラストまで維持してくれる。
物語はいとちゃんの高校卒業後の進路がどうなるのか?を中心に展開していくのだが、前半からいとちゃんの成長した姿、成長していく姿が生き生きと描かれていて、元気もらえるわ、涙は出るわ、ハラハラするわ、いじらしいわ…、そら智美さんは抱っこしたがるのも無理ないわ…と。
どうしようもなく停滞しきった日本に、諦念と失望しかない若者よ。われら老人は申し訳なく思うしかないのだが、我らの反省をどやこやするより、この3部作、特にこの「三の糸」を読んで欲しい。未来はまだまだ切り開けるし、希望は捨てずに進んで欲しい。
他人事じゃない、俺だって若さはなくても、今日より明日は進化してみせる。ハツヱばあちゃんのように!
…そうそう、この本では今まで以上にハツヱばあちゃんが大活躍するぞ。 -
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ネタバレいちみち2作目。
おぼこくて、ドジっ娘で、津軽三味線バカテクのいとちゃんも高校2年生。学校では友人と写真同好会を立ち上げ、後輩にほのかな恋心を抱き、大親友とちょっと行違いのケンカをして…。
バイト先のメイドカフェでは、1作目で初披露した三味線ライブが定期的なものとなり、それなりに活躍しはじめたものの、店長もメイド長幸子さんもチーフ智美さんも、なぜかいとちゃんへの当たりが今までより空虚になり…。
前作で築いた良き関係に、少しヒビを入れてみる。予定調和をちょいと崩すとこから物語は転がっていくねんなぁ。いやぁ、その転がし方が越谷オサムの上手さであり、読ませどころ。
最後、後輩鯉太郎君の母君とのセッションシーンは、文字面追っかけてるだけなのにドキドキワクワクしてしまった。次の作品でもやってほしいなぁ~。 -
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おじさんにお小遣いを貰う代わりに、合気道の客寄せパンダがわりに参加している女子高生。その女子高生に一目惚れしてしまい、通学路で待ち合わせをする不審者。週に1度の二人の決闘が始まる…。
越谷オサムの短編集。女子高生のあたし、星を見に行った僕、松山から一分でも早く脱出したいおれ、しまいには犬のアタシまで、一人称小説の集大成だ。
ほとんどが高校生を主人公にした話で、悩みというのが狭くて、でも解決しようのないモヤモヤの中にあるというところがこの短編集のミソ。大人となった我々が読んでいると、つまんない悩みのようにも感じるが、女子高生、男子高生の欲望や泣きそうな葛藤が、新鮮に響く。
いやあ、これ!というほどのものはないかもしれないが、こういう作品大好き。自分の書きたい小説も、こういう方向性なんだと思う。難しいなにかがあるわけではなく、葛藤だってその程度でいいじゃないか。人間関係も2人か3人くらいでいい。大きい話でなくても、人は十分に色々と掻き立てられるものだ。
おそらく、この本を読んだ人の8割方は『星とミルクティー』という、SNS時代に映えそうな作品に関する感想を書くだろうが、個人的には、やはり男子高校生のバカで青い作品である、映画になりそうな『この町』『僕の愉しみ 彼女のたしなみ』の2本が好きだ。
バカな欲望とすれ違い。すれ違ってもいいじゃないか。 -
購入済み
熱中できたが少し無理もある
熱中できた。なかなかよく書けていると思う。
でも、途中の子供をだますシーンに出会って
これはありうるかな信じられないとつまずいて
読むのをやめようかと思った。
少ししてまた読み始めたらまた熱中した。
ある点『魔法少女まどか☆マギカ』に似ている。
でも盛大に泣けたラスト、
それと比べると、もう少し何かがあってもいいのに
とは思った。でも、十分楽しんだりはらはらした。
だから星4つではなく5つにしておくね。
まとめ:その2か所が自分にはキズに思える。
飛躍があってそううまくいくかなと信じにくい。
そこをキズと思わせない筆力や厚みが欲しかった。
まとめ2:でも、たとえキズになる設定でも
ドラマ的には面白くできそうだし
勇気をもって飛躍した設定を
用いたから、人気が出たのかな、
その点は別にして
自分は、運命の出会いとか、イチャイチャするところ
心配なところに熱中できたので満足です。 -
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ネタバレ映画化もされているらしい越谷オサムの代表作と言っていい1冊だから間違いないと思っていたら、やっぱり期待を裏切らない王道青春小説。
メイドカフェに三味線、津軽三味線にヴァンヘイレンにビーチボーイス、こんな素材を組み合わせて色物感のない直球の青春小説を書けるのだから、越谷オサムはやっぱスゲーわ。
登場人物にワルいヤツがいないのも良い。好人物ばかりなのに嫌味がないのも良い。
凝った展開や技巧をこらした謎解きみたいなものはないけど、お手軽に読めて元気がもらえるこの本は、活字疲れした時、なんかスッキリしたい時などにぴったり。
越谷オサム読んで元気出していこうぜ! -
Posted by ブクログ
とりあえず全ての中高生にお勧めしたいです。ぜひ読んでいただきたいです。
初めて読んで7.8年近く経っていますが今でもこの本を読んだ時の心の暖かさを思い出します。
特に「星とミルクティー」の話は、深夜に流星群を見に河川敷に行き出会った顔もわからない女の子と雑談しながら星を眺める…というシチュエーションですが、初対面、かつ恋人がいながらも女の子と2人きりという微妙な距離感から生じる甘酸っぱさも相まって、こんな初対面の出会いもいいなぁ…と思っていました。
最後のゴンとナナのお話は、私自身吹奏楽部で人間関係に悩んだ時期もあり、「こんなふうに距離置かれてたな!笑」と自分自身と重ねて共感しながら読み進められたのを覚えてます。中高生のときは部活やクラスが人間関係の全てだったし、大人からしたら大した悩みで無くても当事者は重大な悩みだったんだよなーとか読んでて思い出しました。
この本のおかげで小説が好きになったのも過言ではないです。あのとき本屋で出会えて本当に良かったと思います。 -
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「陽だまりの彼女」がよかったので作者さんを信じて買った一冊。
非常に面白かった。
四話からなる短編集。
短編といっても一話が約70ページ。50ページくらい短編が多いイメージだからすこし長め?
各話において主人公の葛藤や心の移り変わりが丁寧に描かれていて、ストーリー展開にも無理がなかった。
プロが書いた小説に対してこんなことを言うのもあれだけど、文章もきれい。会話文は思わずくすっと笑ってしまう箇所がいくつもあった。シリアスとコメディのバランスがよく、本当にお上手だとおもう。
そしてなによりよかったのが、「まれびとパレード」というタイトルからも分かるように、各話においてゾンビだったり、座敷童だったりといった「ちょっとかわった存在」、すなわち「まれびと」が登場するところだ。この「まれびと」たちがなかなかクセがあっていい。
第一話のゾンビの話は特に印象的だった。
漁業や果樹園いった一次産業だけで成立している田舎街で、とつぜんサバがとれなくなってしまった。そのことで主人公の家族が経営している食堂は経営難に陥ってしまう。
そんなある日。主人公が浜へ行くと、海で行方不明になったはずの先輩がゾンビとなってサーフィンをしていて…。
と、あらすじをちょっと書いただけでも「おいおい。それ、どんな話だよ」と思わずつっこみたくなる今作だが、ぶっとび設定の物語もラストでは終着点へときれいに着地するのだから「すごい」の一言に尽きる。
あと、巻末の「解説」にも書いてあったけど、収録されている四話はそれぞれ、物語の「その後」を想像したくなる。それもちょっとだけほほえましい気持ちで。
現実世界にちょっと疲れたぜ、っていう人にはおすすめの一冊。