越谷オサムのレビュー一覧
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津軽弁を駆使するアイドルといえば、王林ちゃんですね。訛りを〝売り〟にすることは賛否が割れるところでしょうが、彼女は単に素を晒している気がして、好感をもっています(個人の感想です)。
話が逸れましたが、「皆さ〜ん、津軽弁を駆使する〝推し〟にしたい〝いと〟ちゃんの登場で〜す!」(2011年作品で今更遅いのですが‥)
本書は、青森市の「津軽メイド珈琲店」でバイトを始めた高1女子・相馬いとの成長物語です。
青森のローカル線の車窓風景、豊かな自然、満載の津軽弁、人同士のつながりの温かさがふんだんに描写され、特色あるいい味を出しているように思います。
これらに加え、メイド喫茶&津軽三 -
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8つのアンソロジーからなる作品。正直アンソロジー作品は多少はハズレがあるが、この本はそれがなくどれも当たりだなと思った。朝井リョウが大好きなので気になって買ったが、他の作家も良い作品だったのでこれを機会に読んでみたいなと思う。
各ページ冒頭の間取り図も見ていて楽しい。
1話目
◎朝井リョウ「それでは2人組を作ってください」
どうしてこんなに女子心がわかるんだろうと思うくらい、人の心の繊細さや機微を感じ取るのが上手だなと改めて感じた。『何者』を読んだことのある人だと余計楽しいと思う。朝井リョウ大好きすぎる。
2話目
◎ 飛鳥井千砂「隣の空も青い」
韓国出張に行く前と行った後の、主人公の心の変 -
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電車を巡る短編集
■やまびこ
一足先に帰った妻の待つ故郷へ向かう新幹線。
男は、現在、過去、未来に想いを馳せる。
■タイガースはとっても強いんだ
甲子園球場で大好きな女性と待ち合わせて、試合を見る予定が、車内で道に迷ったホーランドの老夫婦と出会う
■二十歳のおばあちゃん
愛知県の豊橋で、東京で走っていたのと、同じ路面電車に乗りたいという願いに付き合う、高校生の孫
■名島橋貨物列車クラブ
高架橋から貨物列車を見ることを楽しむ三人の6年生。
話し手の男の子が仲間の女の子への想いを膨らませていく。
■海を渡れば
四国から弟子入りをして、自分の昔話を客の前でする落語家。サンライズのお話
他 -
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いいですねぇ、これぞ青春小説、という感じで。ものすごく気分が爽快になりましたよ、ワタシは。
越谷さんは『陽だまりの彼女』を読んだ時にも感じたのだけれど、登場人物のキャラ設定がものすごく魅力的ですねぇ。まあこれはある意味小説家が持っているあたりまえの資質なのかもしれませんが、そういう個性的な人物たちが好き勝手騒いでいく不協和音がいつしかきれいで美しいハーモニーになる、という瞬間が実に見事。うわ、うまいな!と思わず膝を叩いてしまう感じ。
こういうエンターティナーの才能は素晴らしいと思いますね、物語を紡ぎ出すテクニックというか構成の巧みさも含めて大好きな作家さんです。
こう突き抜ける爽快感という -
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こういう物語、オイラは大好物。バカには愛されるバカとそうじゃないバカの二種類があると思う。ここに登場するバカはみんな前者だ。特に「この町」の小谷雅樹が印象的。正真正銘の高一のバカ男子だ。止めとけばいいのにひとり東京に向かう姿なんて、やっぱり最後まで間違ったままなんだ、と笑ってしまう。でもオイラもやってしまいそうなのだ、そういうバカな選択。見栄とかプライドとかが邪魔してるかと思ったら、自分の中のバカがいちばん邪魔してるみたいな。
解説の吉田大助氏は、「思春期とは、バカ醸成装置なのだ」と言う。思春期を過ぎてもオイラはバカのままだ。といことは、オイラはまだ思春期のなかにいるってこと、ってこういうと -
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廃部寸前の軽音楽部を立て直す男子4人の青春ストーリー。けいおん!世代なので、廃部寸前と聞くと入部希望者がいないからかな?とか思ってたら全く違う理由で笑った。けいおん!で育ったので頭が平和ボケしている。
真面目で平和主義、ちょっぴり弱腰な主人公と強気で言いたいことはガンガン言う猪突猛進な相棒というコンビがバランスよくていいな(ヒロアカのデクと爆豪みたい)
バンドやロックの知識がない人でも楽しめるけど、知ってる人はもっと楽しめると思う。作中に出てくる曲が気になってYouTubeで検索しながら読んで楽しかった。グリーンデイのバスケットケースお気に入り。知らなくても生きていけるけど、知ってたらちょっと -
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「ーーやるぞお前ら。ドカンとやるぞ!」
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実質3人の軽音楽部に所属する啓人。ある日他の2人がクスリで逮捕され、軽音楽部は廃部の危機に。そこで立ち上がったのは口が悪くて勢いのある幽霊部員の伸太郎で…
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あらすじをみて面白そうだなと思って手にした本。高校生の青春ににやついた。いいなぁ。音楽が周りを変えていく力もすごい。(最近ヒロアカを読み始めたので優しげだがちょっと無茶しぃの主人公とグイグイ大暴れ系の相棒っていうのは通ずるものがあってフフっとなった。)軽音楽部メンバー以外も、"カトセン"は名脇役だと思うし、軽音楽部の支えになる亜季ちゃんや、キツめな森先生まで、キャラクタ -
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ネタバレこの本は短編5本。
いや、読みやすい!くすって笑えるところアリなので公共の場で読むのには適していない。でも気軽に読める!
1番好きなのは「星とミルクティー」。ストーリーが青春ラブストーリーな感じですっごく好きなやつ。主人公は多分、ひかりに恋してるんだと思う。でも主人公がひかりに抱いている感情が不明確になっているのがまたいいところ。こんなの読んだらもう!死にたくなる。この物語の中で。
「僕の愉しみ 彼女のたしなみ」はストーリーがすごく好き。
「この街」ではすごく気持ちとかが伝わってくる。ひとことひとことがセンスいい。東京への憧れからそら恐ろしくなる気持ちが伝わった。イメージしやすい。ストーリー終 -
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大雨の火曜日、ハンバーガーチェーンの社員である草野は、夜遅くに帰宅する途中で交通事故の現場に遭遇する。倒れている青年と、逃げてしまった黒いスポーツカー。青年は即死したはずであったが、翌朝目覚めるとその青年が自宅のソファで眠っていた…。
ネタバレにもならないだろうから書いてしまうと、弾かれて即死した亮太は、幽霊として草野と意思疎通をする話である。幽霊は草野以外には見えないし、声も聞こえないため、草野の職場をうろつくことで、第三者として草野の職場を俯瞰することができる。
一方で、作者によって工夫された幽霊としてのルール。草野以外には声も聞こえないとか、物を触ることができないとか、触ると物が分裂